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三章
七、あの村の聖女
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「ふんふんふ~ん♪」
聖女は、機嫌が良さそうに体を左右に揺らしながら、窓の外の雪景色を眺めていた。
「具体的に何をすればいいかは分からないけど、とにかく、ここにいたらいいのよね」
ゼウスは創るだけ創っておいて、特に指示をしていなかったが、聖女はいるだけで辺りに強力な結界が貼られるため、いるだけでも何とかはなるのだろう。
「そうだ!ちょっと外を走ってきてもいいかしら?」
振り返ってこの家の住人に話しかける。
「あぁ、それなら……」
湯呑みを買いに行く用事があるので、一緒に連れて行ってくれるという。
魔物は出なくなったものの、このおっちょこちょいの聖女を一人外に出すのは心配なので、丁度良かった。
初めて見る雪景色に心を踊らせ、冷たい冷たいと言いながらも楽しそうに駆け回っている聖女はなんとも呑気そうに見えるので、住人はその様子をただ見ているしか出来ないことを不安に思った。
だが、楽しそうにしている事こそが、聖女の持つ力を存分に発揮する為に欠かせない事なのだ。
それを示すかのように、キャッキャとはしゃぐ聖女の周りでは空中を舞う雪がキラキラと輝いていた。
「店が閉まってしまう前に行きましょう」
「ちょっと頼りないけど……手は尽くしたし、後は祈るしかないわ」
「え?何か言ったかしら?」
雪遊びの手を止めて住人に駆け寄った時、心の声が漏れたのを聖女は聞き逃さなかったが、嫌味ではなく、純粋に聞き返しただけだろう。
見るもの全てが新鮮で、さっきからずっとキョロキョロしている。
「いえ、別に何も。湯のみ、聖女様の分も買いましょうね」
「わーい、嬉しい!帰ったらさっきのまた飲みたいわ!」
益々、全身を発光させた聖女が、ルンルンとスキップをしながら地面の雪を踏み鳴らした。
聖女は、機嫌が良さそうに体を左右に揺らしながら、窓の外の雪景色を眺めていた。
「具体的に何をすればいいかは分からないけど、とにかく、ここにいたらいいのよね」
ゼウスは創るだけ創っておいて、特に指示をしていなかったが、聖女はいるだけで辺りに強力な結界が貼られるため、いるだけでも何とかはなるのだろう。
「そうだ!ちょっと外を走ってきてもいいかしら?」
振り返ってこの家の住人に話しかける。
「あぁ、それなら……」
湯呑みを買いに行く用事があるので、一緒に連れて行ってくれるという。
魔物は出なくなったものの、このおっちょこちょいの聖女を一人外に出すのは心配なので、丁度良かった。
初めて見る雪景色に心を踊らせ、冷たい冷たいと言いながらも楽しそうに駆け回っている聖女はなんとも呑気そうに見えるので、住人はその様子をただ見ているしか出来ないことを不安に思った。
だが、楽しそうにしている事こそが、聖女の持つ力を存分に発揮する為に欠かせない事なのだ。
それを示すかのように、キャッキャとはしゃぐ聖女の周りでは空中を舞う雪がキラキラと輝いていた。
「店が閉まってしまう前に行きましょう」
「ちょっと頼りないけど……手は尽くしたし、後は祈るしかないわ」
「え?何か言ったかしら?」
雪遊びの手を止めて住人に駆け寄った時、心の声が漏れたのを聖女は聞き逃さなかったが、嫌味ではなく、純粋に聞き返しただけだろう。
見るもの全てが新鮮で、さっきからずっとキョロキョロしている。
「いえ、別に何も。湯のみ、聖女様の分も買いましょうね」
「わーい、嬉しい!帰ったらさっきのまた飲みたいわ!」
益々、全身を発光させた聖女が、ルンルンとスキップをしながら地面の雪を踏み鳴らした。
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面白いです!!!!
新しい話、待ってます!!