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*アルファのフェロモン
しおりを挟む「番になりたい奴は誰だ」
馬車の中では息が詰まりそうな程無言だったが、どうやら学園での話を忘れた訳では無かったらしい。
ローレンツの部屋に着いた途端、スっと精悍な目が細められた。
「そういえば伯爵家の息子によく話しかけられていたな……アイツか?ろくな噂もないのにどこがいいんだ?」
問い詰めるローレンツになんと答えればいいのか。きゅっと結んだ口を恐る恐る開いた。ひとつひとつ、間違えないようにと言葉を選ぶ。
「……まだ番は、決めてない……好きな人は確かにいるけど、その人とは……」
その人とは番いになれない。
はっきりそう言えればいいのだが、どうしても言葉が続かない。
ジッと床を見つめる。
「……心配しなくても、いつかこの気持ちも薄れていくだろうし……自分を愛してくれる人が現れたら、その人と結婚しようと思ってる」
声が震える。
自身にずっとそう言い聞かせてきた。それなのに、それを口にするだけで胸が痛む。
「けっこ、ん……ッ」
ぶわり、と周囲の匂いが濃度を増した。柔らかく瑞々しいそれは、ローレンツの匂いだ。
嗅ぎ慣れたはずなのにいつもより濃いその匂いがローレンツのアルファフェロモンだと気づいた時には、体の奥底から何かが湧き上がっていた。
「ロ、ローッ!?」
「ユーリが他の奴を選ぶくらいなら…」
体が熱くなり、息が荒くなる。
そう、まるでーー。
「な、んで……ヒート!?」
「強いアルファのフェロモンは、オメガを発情させることが出来る……あまり知られてないが、アルファのフェロモンにはそういう作用もあるんだ」
「そんなッ」
非難する間も無く体がどんどんヒート状態になっていく。
目の前のアルファに抱いて欲しい。
そればかりが思考を支配し始めた。
ローレンツの手がユリウスの頬をするりと撫でる。
瞬間、膝から崩れ落ちそうになり、すんでの所をローレンツに抱えられた。
降ろされた先はベッドの上。
シーツから微かに香るローレンツの匂いに後孔からトロッと液が溢れた。
「ロ、ロォ……」
名前を呼んだだけの声は勝手に甘さを纏ってしまう。
1枚ずつ脱がされる服を大して抵抗するとこもなく見つめた。
無理やりヒートを起こされて怖いはずなのに、触れる手の優しさに身を任せたくなる。
この手がどんな風に触るのか、もう分かっている。
絆され、解され、えも言われぬ快楽を与えてくれるローレンツの手。でも決して最後まで満たしてくれない。欲しい熱で奥を突いてくれることは決してない。
それを思い出すだけできゅっと切なくなった。
性急に後孔に指が触れ、とろりと溢れる液を纏わせた指が入ってくる。それだけで背筋にぞくぞくと快感が走った。
くちゅ、くちゅ、と水音を立てた指が2本3本と増え、中のしこりをコリっと抉られれば、あっという間にユリウスのものから白濁が吹き出してしまった。
荒い息を吐きながら、快感をやり過ごそうとするが、それを許さない、と再び指がしこりを抉る。
背をしならせ、快感に全身が震えた。
余韻にビクつく体を他所に、ずるっと指が抜けていく。
足の間を陣取ったローレンツの目が、隠すことなく欲を滲ませユリウスを見つめた。
いつの間にか肌けたローレンツの逞しい体は僅かに汗ばんでいる。しっとりと汗で湿った手がユリウスの足を掴んだ。
開かれた足の間にローレンツの腰が近づく。
「ろー……?」
舌足らずに名前を呼べば、ローレンツがふーっと息を吐き、ズボンから取り出された怒張を後孔へと宛がった。
目を見開いた一瞬の間。その怒張がグッと押し入った。
「く……ッ」
締め付けにローレンツは僅かに眉を寄せるが、止まる気配はない。
どんどん奥へと腰を進めていく。
指では届かなかった、開かれたことのない奥が圧迫され、開いた口からは「あ、あ」と短い声だけが漏れた。
なんで。どうして。
そんなことが頭に浮かぶが答えを出せるほど思考に余裕はない。
感じことのない熱にただただ浮かされ開いた足を無意識にローレンツの腰へと絡めていた。
「ユーリ……ッ、ユーリ……ッ」
感極まった声を漏らしながら、まるで愛しいものでも見るような目で見つめられる。
「ろ、ぉ……っん、あぁ」
僅かばかり残っていた理性はそこまでで、パンッパンッと肌がぶつかる音とローレンツのものが奥を穿つグチュっグチュっと濡れた音が支配する頃には理性もなくただただ体を重ね合わせていた。
一線を越えてしまった。
そんな罪悪感を感じる余裕などなかった。
理性が戻った時には全身いろんな液でどろどろになり、後ろからどろりをローレンツが吐き出した精液を垂らしていた。
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