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リザードマンも合流
しおりを挟むガッシーの家に向かう途中でまた一騒動……
『おい、この前はちょーっと体調が悪かったから聞き流したけど、お前俺達を下僕にするとか言ってたな』
は?何それ?なイチャモン付けてきたのはリザードマンだった。
ガーリックに血を吸われて無気力になってたのが戻ったのか?
『ヒョロイ若造が大きな口聞いてくれたよな』
『最強な俺がコテンパにしてやるぜ』
『おい、ちょっと待てよ、俺が一番強いだろ』
『何を言ってる三下ども!
我こそ最強なるぞ!』
『ザケンナジジイ!
年寄りは引っ込んでな!』
……もめ始めたよ………無視して良いかな?
ダメだよね。
『アルジ、やっちゃおうか?』
「んー、ちょっと待って。
あのさ、一々全員と戦うの面倒だし、そちらで戦って一番強い人決めて。
一カ月後、オーガの代表とアンズ……スライムのバトルやるから、そこで勝ち抜いたら俺への挑戦状手に入れられるってのでどう?」
面倒ごとはいっぺんに片付けよう。
『なにー、スライムに戦わせて自分は高みの見物か?』
『卑怯な、スライムの陰に隠れて悪事を働くつもりか』
何だかブーイングや誤解やらで騒めく……煩い。
『煩いな、お前らなんかわざわざアルジが相手しなくてもコテンパにしてやるよ』
『アルジとな?
と言うことはあのヒョロヒョロはスライムより強いのか?』
まさか、あり得ない、などと騒めきが大きくなる。
「あー、とにかく、代表者決めて出直してきてね。んじゃまた一月後」
俺は強引に話を切り上げ立ち去った。
まだ騒ついてるよ……。
意識朦朧としてた時の会話は、中途半端にしか記憶に残ってなかったんだね。
まあ、あの時は皆さんゾンビみたいになってたもんね……。
一カ月後に向けて俺も鍛錬しなきゃね。
最近サボっていたから。
ガッシーの母親とバトルやりたいと盛り上がっているオーガやワーウルフ達に、一カ月後トーナメントバトルをやろうと思うと伝えた。
『トーナメント?』
「勝ち抜き戦だね、シーズンバトルみたいな物かな?」
『おお、最強を決めてそいつがスライムと戦えるのか』
ざわざわとするけど、雰囲気は楽しそうな感じ。
「それにリザードマンの選抜者も加わると思うんだけど、それでも良いですか?
やはり現実的に全員と戦うのは、いくらアンズが強くても無理だと思うから」
俺は戦えるよ!と腕の中のアンズが自己主張するけど、いくら最強生物と言っても疲れちゃうだろうし、万が一アンズに何かあったら嫌だから。
「開催は一カ月先ですから、体調整えるなり、鍛錬するなりして万全の体制でバトルを楽しみましょう。
ちなみにアンズに勝つと俺とも戦えます」
リザードマンとはそう言う約束なんだから、仲間の皆にも同じ条件じゃないと駄目だよね。
『おおおー、コーと戦えるのか?
そりゃあ勝たなければなんないな』
『腕がなるぜ!』
うーん、やっぱり建設などで身体動かしてても、バトルは別腹?みたいな感じなのかな?
ついでだから、その日の夕食時にトーナメントバトルについて、他の種族の皆に伝えたら、すごく喜んでいた。
皆さん気合充分って感じかな。
これからもトーナメントバトルは定期的に開催した方が良いみたいだね。
暴力を振るうとかではなく、あくまでも力試しの意味で戦うのが好きなんだから、発散させる為にも必要だろうなぁ。
と言う事で、試合場所になる広場も、木材を小分けにして散らしてスペースを確保した。
闘技場を造るこは時間的に無理だから、ある程度の広さの平地に柵を作って囲い、その場所は地面に叩きつけても怪我しないように念入りに石や木の根などが残らない様整地してもらい、一先ずそこに『グラウンド』と名付けておく。
場所にも名前が無いと不便だから…と思って付けたけど、意味は通じてなくても、そう言うものだと納得してもらおう……うん。
応援ありがとうございます!
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