88 / 161
第三章 異世界の馬車窓から
忍びの伴家
しおりを挟む
スイの代わりに付いて来てくれているネイに、聞いても良いかなぁと、尋ねてみる。
今日はスイもニトも別行動だ。
二人ともよほど畳に座るのが嫌みたいだね。
「尋ねても良いと思いますよ。
言いふらすわけでも無いでしょうし。
呼んできますので、少々お待ちを」
微笑んで答えてくれるけど……ネイってスイ系だよなぁ…微笑みがこわ……ゴホン。
「うちの家業ですか?忍です」
サラッと答えるハルさん。
え?忍?忍者ですか?
織田の忍とか、うぉーーってなるんですけど!
テンション上がるんですけど!
「え?じゃあ忍術とか使えたりするんですか?
火遁の術とか、水遁の術とか!
あと手裏剣とか、苦無を投げたり、忍者刀とかで二刀流で戦ったり!」
上がったテンションのまま聞くと、
「……忍ですよ?
忍ってご存知ですか?」
逆に聞かれてしまった。
「忍術を使って火や水で攻撃したり、木の葉で身を隠したり、水の上を歩いたり、動物を操ったり……」
「……全て妖術で出来る事ですね」
あ、本当だ…。
「屋根の上を走ったり、木から木へ飛び移ったり、別人に化けたり、毒霧吐いたり…」
「曲芸師ですか?」
あーーー!静かに冷静に突っ込まれるって、メッチャ恥ずかしい!
真っ赤になっておぶおぶしていると、可哀想な子を見る目で僕を見ていたネイが、
「ウチ様…忍とは諜報活動のスペシャリストの事ですよ」
と、正解を教えてくれた。
「エ?ソナノ?」
恥ずかし過ぎて思わずカタコトになってしまったよ。
「そうですね、他国に忍び込み、その地の住人に混ざり込み、情報を集めて来ます。
情報を持ち帰る為に身体は鍛えております。
逃げる時に隠れる為、高い木に登ったり、水に潜る事もあるでしょうけど、家系的に音の妖精の祝福を受けていますので、最近の若い者は逃げ足を鍛えるくらいですかね」
「…手裏剣を投げたりとか、逃げる時にマキビシを撒いたり……」
「しませんね。
どんな武器でも一通り扱える訓練はしますけど、そう言った特殊武器を使うと、身元が判明してしまいますからね。
ロングソードやランス、弓や戦斧などの使い方に力を入れております」
…ああ……僕の中の忍のイメージって、マンガやドラマの中の物だったんだ。
「戦い方は一通り身につけますけど、基本的に私達は戦いには参加しません。
自衛はしますが、生きて情報を持ち帰るのが、私達の使命ですから」
えー…二本の忍者刀で…とか、あちこちに武器を仕込んでいて、ガンガン攻めていくとか……無いんだ………。
ちょっとがっかりなのは、口に出さない方がいいな。
「じゃあ家訓の【人との子を沢山作れ】ってのも、情報収集の為だったりするんですか?」
「そうですね、運命の人が人間なら問題は無いですけど、英勇家系の者は、魔物の方やハーフの方と結ばれる者が多いですからね」
ああ、祝福受けることが多いから、寿命的な問題で、人以外と結ばれる事が多いとか聞いたなあ。
「人じゃないといけないんですか?」
別に魔物でもいいじゃん。
「ウチ様、ラグノルとマモランド以外で魔物やハーフの者が暮らす事は珍しい事なんですよ」
あ、情報収集するのに目立っちゃあダメか。
「近隣国ではハーフの方も多少は暮らしていますけど、やはり本当に少数なのですよ。
情報を集めるなら、目立たないのが第一ですからね」
「北へ行けば行くほど人ばかりですから、情報収集の為に人の子が居ないといけませんし、紛れ込ませるなら一人二人より、複数の者を忍び込ませないと、いざという時に対処できません。
なのてわトモ家の方々は運命の人と死別した後は、人と一緒になるのです」
正確に、確実に情報を集めるなら人数が多い方がいいと言うのはわかるけど、わからないのが…、
「そもそも運命の人って何?」
ーーーーー〈切り取り線〉ーーーーー
この方検索かけると居ます。
本能寺でお亡くなりになったそうです。
今日はスイもニトも別行動だ。
二人ともよほど畳に座るのが嫌みたいだね。
「尋ねても良いと思いますよ。
言いふらすわけでも無いでしょうし。
呼んできますので、少々お待ちを」
微笑んで答えてくれるけど……ネイってスイ系だよなぁ…微笑みがこわ……ゴホン。
「うちの家業ですか?忍です」
サラッと答えるハルさん。
え?忍?忍者ですか?
織田の忍とか、うぉーーってなるんですけど!
テンション上がるんですけど!
「え?じゃあ忍術とか使えたりするんですか?
火遁の術とか、水遁の術とか!
あと手裏剣とか、苦無を投げたり、忍者刀とかで二刀流で戦ったり!」
上がったテンションのまま聞くと、
「……忍ですよ?
忍ってご存知ですか?」
逆に聞かれてしまった。
「忍術を使って火や水で攻撃したり、木の葉で身を隠したり、水の上を歩いたり、動物を操ったり……」
「……全て妖術で出来る事ですね」
あ、本当だ…。
「屋根の上を走ったり、木から木へ飛び移ったり、別人に化けたり、毒霧吐いたり…」
「曲芸師ですか?」
あーーー!静かに冷静に突っ込まれるって、メッチャ恥ずかしい!
真っ赤になっておぶおぶしていると、可哀想な子を見る目で僕を見ていたネイが、
「ウチ様…忍とは諜報活動のスペシャリストの事ですよ」
と、正解を教えてくれた。
「エ?ソナノ?」
恥ずかし過ぎて思わずカタコトになってしまったよ。
「そうですね、他国に忍び込み、その地の住人に混ざり込み、情報を集めて来ます。
情報を持ち帰る為に身体は鍛えております。
逃げる時に隠れる為、高い木に登ったり、水に潜る事もあるでしょうけど、家系的に音の妖精の祝福を受けていますので、最近の若い者は逃げ足を鍛えるくらいですかね」
「…手裏剣を投げたりとか、逃げる時にマキビシを撒いたり……」
「しませんね。
どんな武器でも一通り扱える訓練はしますけど、そう言った特殊武器を使うと、身元が判明してしまいますからね。
ロングソードやランス、弓や戦斧などの使い方に力を入れております」
…ああ……僕の中の忍のイメージって、マンガやドラマの中の物だったんだ。
「戦い方は一通り身につけますけど、基本的に私達は戦いには参加しません。
自衛はしますが、生きて情報を持ち帰るのが、私達の使命ですから」
えー…二本の忍者刀で…とか、あちこちに武器を仕込んでいて、ガンガン攻めていくとか……無いんだ………。
ちょっとがっかりなのは、口に出さない方がいいな。
「じゃあ家訓の【人との子を沢山作れ】ってのも、情報収集の為だったりするんですか?」
「そうですね、運命の人が人間なら問題は無いですけど、英勇家系の者は、魔物の方やハーフの方と結ばれる者が多いですからね」
ああ、祝福受けることが多いから、寿命的な問題で、人以外と結ばれる事が多いとか聞いたなあ。
「人じゃないといけないんですか?」
別に魔物でもいいじゃん。
「ウチ様、ラグノルとマモランド以外で魔物やハーフの者が暮らす事は珍しい事なんですよ」
あ、情報収集するのに目立っちゃあダメか。
「近隣国ではハーフの方も多少は暮らしていますけど、やはり本当に少数なのですよ。
情報を集めるなら、目立たないのが第一ですからね」
「北へ行けば行くほど人ばかりですから、情報収集の為に人の子が居ないといけませんし、紛れ込ませるなら一人二人より、複数の者を忍び込ませないと、いざという時に対処できません。
なのてわトモ家の方々は運命の人と死別した後は、人と一緒になるのです」
正確に、確実に情報を集めるなら人数が多い方がいいと言うのはわかるけど、わからないのが…、
「そもそも運命の人って何?」
ーーーーー〈切り取り線〉ーーーーー
この方検索かけると居ます。
本能寺でお亡くなりになったそうです。
2
あなたにおすすめの小説
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
悪役令嬢まさかの『家出』
にとこん。
恋愛
王国の侯爵令嬢ルゥナ=フェリシェは、些細なすれ違いから突発的に家出をする。本人にとっては軽いお散歩のつもりだったが、方向音痴の彼女はそのまま隣国の帝国に迷い込み、なぜか牢獄に収監される羽目に。しかし無自覚な怪力と天然ぶりで脱獄してしまい、道に迷うたびに騒動を巻き起こす。
一方、婚約破棄を告げようとした王子レオニスは、当日にルゥナが失踪したことで騒然。王宮も侯爵家も大混乱となり、レオニス自身が捜索に出るが、恐らく最後まで彼女とは一度も出会えない。
ルゥナは道に迷っただけなのに、なぜか人助けを繰り返し、帝国の各地で英雄視されていく。そして気づけば彼女を慕う男たちが集まり始め、逆ハーレムの中心に。だが本人は一切自覚がなく、むしろ全員の好意に対して煙たがっている。
帰るつもりもなく、目的もなく、ただ好奇心のままに彷徨う“無害で最強な天然令嬢”による、帝国大騒動ギャグ恋愛コメディ、ここに開幕!
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
老聖女の政略結婚
那珂田かな
ファンタジー
エルダリス前国王の長女として生まれ、半世紀ものあいだ「聖女」として太陽神ソレイユに仕えてきたセラ。
六十歳となり、ついに若き姪へと聖女の座を譲り、静かな余生を送るはずだった。
しかし式典後、甥である皇太子から持ち込まれたのは――二十歳の隣国王との政略結婚の話。
相手は内乱終結直後のカルディア王、エドモンド。王家の威信回復と政権安定のため、彼には強力な後ろ盾が必要だという。
子も産めない年齢の自分がなぜ王妃に? 迷いと不安、そして少しの笑いを胸に、セラは決断する。
穏やかな余生か、嵐の老後か――
四十歳差の政略婚から始まる、波乱の日々が幕を開ける。
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~
みつまめ つぼみ
ファンタジー
17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。
記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。
そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。
「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」
恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる