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番外編ーこぼれ話集ー
その2 キシ家の発明品
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キシ家の工房に遊びに来た。
200年近くに渡り作られた様々なものが有って、全てをしっかり見ようと思ったら一月でも足りない程だ。
これでも随分始末しているそうなんだけどね。
「そう言えば、兵器になりそうな物は作らないって言ってましたけど、元々剣などの武器は有るし、妖術は使い方次第でエグい事出来ますけど、その辺は良いんですか?」
実は一度聞いてみたかったんだ。
だって言い方悪いけど、『綺麗事だ』って全く思わなかったと言えば嘘になるから。
「うーん、これは自分勝手な考え方なんだけどね、剣や弓なんかの武器って、自分の力と言うか、鍛錬が必要じゃない。
剣を持ったからと言って、相手を傷付けたり殺したりは出来ないし、逆に自分の身が危ない。
魔族の魔法だって、魔力操作や鍛錬無くして力になれない。
妖術なんかは、自分に祝福をくれている相手の手を汚させるなんて、そうそうできないでしょう?
でも、兵器って、直接自分の手を汚さずに、簡単に相手の命を奪うから、使い続けると感覚が麻痺して来るんだよね。
指先一つで幾千の命を刈り取っても、他人事なんだ。
そこが武器と兵器の差なんだと思うんだよ。
この世界が地球みたいに、兵器を作って行くなら口は出さないけど、他所から来た召喚者達が持ち込むのはダメだと思うんだ」
どう思う?と聞かれて、頷くしかない。
地雷とか手榴弾とかミサイルなんかは、自分は安全なところにいて命を奪うから、罪悪感も無いかもしれない。
銃だって、鍛錬が必要かもしれないけど、弓とは違いたった一発で命を刈り取れる。
飛距離も弓とは違うから、安全地帯からズドンで終了。
言う通りに感覚が麻痺してきそうだ。
軽く聞いてしまったけど、これは自分もきちんと考えようと思った。
*****
そんな真面目な話をした後は、発明品を色々見せてもらった。
「その辺にある物は玩具かな。
子供ができた時に色々作ったからね。
試作品や、人に頼まれた物のオリジナルとかがあるはずだよ」
「ほほう」
玩具と言っても見慣れたものではなく、どちらかと言えば博物館にありそう……いやそこまで行かないか?
昭和なオモチャって感じの物だ。
例えば起き上がり小法師、でんでん太鼓、ガラガラ、ベーゴマ、羽子板、だるま落とし、積み木などなど。
メンコなんかもあるけれど、こちらの世界らしく、絵柄は色んな魔獣などだ。
まぁ主に木や紙で作られたオモチャだね。
その中で見つけたいくつかの四角い箱、その一つを手に取ってみる。
箱の横から小さなハンドルが出ているこれって、
「オルゴール?」
箱を開けるとやっぱりオルゴールのようだ。
「ああ、それは悠君に頼まれてね、奥さんにプレゼントするからって言われて作った物の試作品だ。
曲もリクエストだったんだけど、苦労したよ。
そこにある他の物は簡単な童謡だよ」
ハンドルを回してみると、チューリップやきらきら星、サクラサクラなど、子供の頃に聞いたような曲が流れてくる。
「悠君と秋彦さんの注文はいつでも風変わりだからねえ」
「そんな変わった曲だったんですか?」
僕が尋ねると、二つのオルゴールを手渡された。
まずは牧さん用の試作品を聞いてみる。
「……知らない曲ですね」
「何でも好きだったアニメシリーズの挿入歌だとか」
あー、そりゃあわかんないわ。
こりゃあ秋彦さんの方も似たような感じかな、などと思いつつハンドルを回す。
「ピンピピピピピピピンピンピン ピピン」
…………は~?
もう一度……
「ピンピピピピピピピンピンピン ピピン」
この独特の節回しは……。
「君は知ってる曲なのかい?
秋彦さんが言うには『昭和の人間なら誰でも知ってる曲』と言ってたけど」
「あー…はい、知ってます」
あの夕方の長寿番組だよね、座布団持ってきたり引っ込めたりするやつだよね?
「これと、大家族の日常アニメと、8時に集まる番組と、どんな料理でもあっという間にできる番組とで悩んだそうだけど、僕の技術ではアップテンポの曲は無理だから、これになったんだよ」
………………秋彦さーん!
いや、こう言うおふざけ嫌いではないけれど、わざわざ作らせるものでもないでしょうに。
「君にも一つ作ろうか?
リクエストの曲があるなら歌ってくれ」
「…………それなら……」
遠慮なく作ってもらったオルゴールを牧さんと秋彦さんに披露したら、ウケてくれましたよ。
え?なんの曲って?
昭和から続く長寿番組で、誰にでもわかる世界的に有名なアニメと言えば、青い猫の曲でしょう。
ーーーーー〈切り取り線〉ーーーーー
前半と後半の温度差!
と思われますよね。
前半は今回追加した部分です。
他の考え方もあるでしょうけど、あくまでも作者個人の意見です。
命を奪うとか殺すとか、物騒な言葉が多くてすみません。
200年近くに渡り作られた様々なものが有って、全てをしっかり見ようと思ったら一月でも足りない程だ。
これでも随分始末しているそうなんだけどね。
「そう言えば、兵器になりそうな物は作らないって言ってましたけど、元々剣などの武器は有るし、妖術は使い方次第でエグい事出来ますけど、その辺は良いんですか?」
実は一度聞いてみたかったんだ。
だって言い方悪いけど、『綺麗事だ』って全く思わなかったと言えば嘘になるから。
「うーん、これは自分勝手な考え方なんだけどね、剣や弓なんかの武器って、自分の力と言うか、鍛錬が必要じゃない。
剣を持ったからと言って、相手を傷付けたり殺したりは出来ないし、逆に自分の身が危ない。
魔族の魔法だって、魔力操作や鍛錬無くして力になれない。
妖術なんかは、自分に祝福をくれている相手の手を汚させるなんて、そうそうできないでしょう?
でも、兵器って、直接自分の手を汚さずに、簡単に相手の命を奪うから、使い続けると感覚が麻痺して来るんだよね。
指先一つで幾千の命を刈り取っても、他人事なんだ。
そこが武器と兵器の差なんだと思うんだよ。
この世界が地球みたいに、兵器を作って行くなら口は出さないけど、他所から来た召喚者達が持ち込むのはダメだと思うんだ」
どう思う?と聞かれて、頷くしかない。
地雷とか手榴弾とかミサイルなんかは、自分は安全なところにいて命を奪うから、罪悪感も無いかもしれない。
銃だって、鍛錬が必要かもしれないけど、弓とは違いたった一発で命を刈り取れる。
飛距離も弓とは違うから、安全地帯からズドンで終了。
言う通りに感覚が麻痺してきそうだ。
軽く聞いてしまったけど、これは自分もきちんと考えようと思った。
*****
そんな真面目な話をした後は、発明品を色々見せてもらった。
「その辺にある物は玩具かな。
子供ができた時に色々作ったからね。
試作品や、人に頼まれた物のオリジナルとかがあるはずだよ」
「ほほう」
玩具と言っても見慣れたものではなく、どちらかと言えば博物館にありそう……いやそこまで行かないか?
昭和なオモチャって感じの物だ。
例えば起き上がり小法師、でんでん太鼓、ガラガラ、ベーゴマ、羽子板、だるま落とし、積み木などなど。
メンコなんかもあるけれど、こちらの世界らしく、絵柄は色んな魔獣などだ。
まぁ主に木や紙で作られたオモチャだね。
その中で見つけたいくつかの四角い箱、その一つを手に取ってみる。
箱の横から小さなハンドルが出ているこれって、
「オルゴール?」
箱を開けるとやっぱりオルゴールのようだ。
「ああ、それは悠君に頼まれてね、奥さんにプレゼントするからって言われて作った物の試作品だ。
曲もリクエストだったんだけど、苦労したよ。
そこにある他の物は簡単な童謡だよ」
ハンドルを回してみると、チューリップやきらきら星、サクラサクラなど、子供の頃に聞いたような曲が流れてくる。
「悠君と秋彦さんの注文はいつでも風変わりだからねえ」
「そんな変わった曲だったんですか?」
僕が尋ねると、二つのオルゴールを手渡された。
まずは牧さん用の試作品を聞いてみる。
「……知らない曲ですね」
「何でも好きだったアニメシリーズの挿入歌だとか」
あー、そりゃあわかんないわ。
こりゃあ秋彦さんの方も似たような感じかな、などと思いつつハンドルを回す。
「ピンピピピピピピピンピンピン ピピン」
…………は~?
もう一度……
「ピンピピピピピピピンピンピン ピピン」
この独特の節回しは……。
「君は知ってる曲なのかい?
秋彦さんが言うには『昭和の人間なら誰でも知ってる曲』と言ってたけど」
「あー…はい、知ってます」
あの夕方の長寿番組だよね、座布団持ってきたり引っ込めたりするやつだよね?
「これと、大家族の日常アニメと、8時に集まる番組と、どんな料理でもあっという間にできる番組とで悩んだそうだけど、僕の技術ではアップテンポの曲は無理だから、これになったんだよ」
………………秋彦さーん!
いや、こう言うおふざけ嫌いではないけれど、わざわざ作らせるものでもないでしょうに。
「君にも一つ作ろうか?
リクエストの曲があるなら歌ってくれ」
「…………それなら……」
遠慮なく作ってもらったオルゴールを牧さんと秋彦さんに披露したら、ウケてくれましたよ。
え?なんの曲って?
昭和から続く長寿番組で、誰にでもわかる世界的に有名なアニメと言えば、青い猫の曲でしょう。
ーーーーー〈切り取り線〉ーーーーー
前半と後半の温度差!
と思われますよね。
前半は今回追加した部分です。
他の考え方もあるでしょうけど、あくまでも作者個人の意見です。
命を奪うとか殺すとか、物騒な言葉が多くてすみません。
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