【完結】英雄召喚されたのに色々問題発生です【改訂版】

七地潮

文字の大きさ
132 / 161
第五章 問題は尽きないようです

対処への方針

しおりを挟む

「ハルさん、お聞きしますけど、その召喚は成功したのですか?」
僕が聞くと、ハルさんは報告書に目を通して答えてくれる。

「ほぼ失敗のようですが、何度か成功しているようです。
最初の2回は小鳥が、3回目の成功時は小動物が、4度目の成功時は中型の鳥が喚び出されたようです」

うん、小鳥と小動物って、確実に家に居る2匹が含まれるよね。

「と言う事は失敗していると言う事なのではないのか?
動物では英雄とは言えないだろう」

「妖精王達の話では、本来なら妖精の術と王族の人間の願いで召喚されるそうで、魔法だと力技のようです。
ですから完全には成功していないのかと思われます」
僕はニヤ達に聞いた事を伝える。

「しかしなぜ彼の国は英雄召喚をしようとしているのだ?」
「何か国の危機でもあったのでしょうか」
「そんな話は伝わってきていないぞ」

室内が騒めいていると、牧さんが再びテーブルに拳を打ち付けた。

「国の危機?
もしそうだとしてもそれが魔物を殺していい理由になりますか?
他国に力を借りるなり、それこそラグノルに依頼して喚び出してもらうなり幾らでもやり方はあるでしょう。
他国の民を拐かしてまで、命を犠牲にしてまでやらなければならない事などあるのですか?」

握りしめた拳が震えている。
そんな牧さんを見て、今まで黙って会議を見ていたジン元国王が口を開く。

「ユウ殿の言う通りだな。
もし何らかの理由で英雄召喚をするにせよ、我が国の民を攫って、あまつさえその命をもって召喚する理由がわからない。
理由があったとしても、こんなやり方は認められない……いや、認めてはならない。
この暴挙を看過ごすなど出来ない。
ナチよ、そなたは此度の事、どのように対処する?」

前国王の問いかけに、ナチは目を閉じ考え込む。
暫くの後目を開け、言葉を紡ぐ。

「私情を話す事をお許し下さい。
私としましてはすぐさま彼の国へ宣戦布告を申し立て、これ以上の暴挙を防ぐと共に、未だ囚われている方々を救い出し、彼の国を滅ぼすのも辞さない気持ちです。
……しかしながら、国を護る者としましては、さらに詳しい内情を調べ、証拠を揃えた上で、罪を断罪し、何らかの報復措置を行い、国家間の戦争は避けるべきかと……」

そうだよな、相手を叩き潰したくても、戦争は国民全て巻き込むから避けなきゃならないよな。
それにきちんとした裏を取らないと、逆に揚げ足を取られる事もあるし…。

国を治める立場は私情で動いちゃあいけないし、私情を抑えてでも国を守る事を考えないといけないから大変だよな。

「戦争は避けるべき、それは正しかろう。
……しかし、詳細を調べてその後はなんとするか」
「…………首謀者及び協力者、実行犯には然るべき処罰を」

うん、行った事には責任をもってもらわないとね。

魔物の侵略は元を正せば、侵略して魔物を追いやったのは人間だから、戦わずに話し合いを。
大災害の後の他国の侵略も、同じ被災国でラグノルがいち早く復興し、生活環境を元に戻せたから、復興が及ばず飢えた民を抱える国が、民の為豊かな国を侵略しよとしたのが理由だったから、交渉で戦いを避けた。

けれど、今回の場合そういった大義がない気がするから、ナチの答えは正しく思える。
ジン前王も頷いているし。

戦争は避けるに越した事ないけど、だからと言って何でも許すってのは違うと思うから。








しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

忘れ去られた婚約者

かべうち右近
恋愛
『僕はレベッカしか選ばない』 甘い声音でそう話したはずの王太子サイラスは、レベッカを忘れてしまった。 レベッカは、王太子サイラスと付き合っていることを、ある事情により隠していた。舞踏会で関係を公表し、婚約者に指名される予定だったのに、舞踊会の夜にサイラスは薬を盛られて倒れ、記憶喪失になってしまう。 恋人が誰なのかわからないのをいいことに、偽の恋人が次々と名乗りをあげ王太子の婚約者の座を狙ってくる。おかげで不信に陥ったサイラスに、レベッカは自分が恋人だと名乗り出せなくなってしまった。 サイラスの記憶喪失を解消するため、薬師兼魔女であるレベッカは恋人であることを隠しながら、事件調査を協力することになった。そうして記憶が戻らないまま二人の距離は再び近づいていく。だが、そんなおりにサイラスの偽の恋人を名乗りでた令嬢たちが、次々と襲われる事件も起き始めて……!? ※他のサイトにも掲載しています。 毎日更新です。

最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました

斉藤めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。 白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。 その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。 それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。 やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり―― 白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。 身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

[完]本好き元地味令嬢〜婚約破棄に浮かれていたら王太子妃になりました〜

桐生桜月姫
恋愛
 シャーロット侯爵令嬢は地味で大人しいが、勉強・魔法がパーフェクトでいつも1番、それが婚約破棄されるまでの彼女の周りからの評価だった。  だが、婚約破棄されて現れた本来の彼女は輝かんばかりの銀髪にアメジストの瞳を持つ超絶美人な行動過激派だった⁉︎  本が大好きな彼女は婚約破棄後に国立図書館の司書になるがそこで待っていたのは幼馴染である王太子からの溺愛⁉︎ 〜これはシャーロットの婚約破棄から始まる波瀾万丈の人生を綴った物語である〜 夕方6時に毎日予約更新です。 1話あたり超短いです。 毎日ちょこちょこ読みたい人向けです。

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。 生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。 母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。 そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。 それから〜18年後 約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。 アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。 いざ〜龍国へ出発した。 あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね?? 確か双子だったよね? もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜! 物語に登場する人物達の視点です。

<完結>溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~

夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」  弟のその言葉は、晴天の霹靂。  アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。  しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。  醤油が欲しい、うにが食べたい。  レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。  既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・? 小説家になろうにも掲載しています。 本編完結済み。 続きのお話を、掲載中です。 続きのお話も、完結しました。

大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!

古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。 その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。 『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』 昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。 領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。 一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――

処理中です...