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第一章
第3話:運ぶってなんやねん
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慌てて外に出てきたのはいいが、少し離れた所からダンジョンゲートを眺め、オレは悩んでいた。
ここは超がつくど田舎。しかもぽつんと一軒家だ。
歩いて避難していたら何時間もかかる。
となると軽トラに乗って避難するしかないのだが、その荷台の上あたりの空間にダンジョンゲートがある。
うん。正直、近づきたくない。
でもこんなことでびびってる間に、もしダンジョンブレイクが発生したら確実に終わる。人生終了する。
「まじ頼む……」
自分でも何に頼んでいるのかよくわかっていないが、そんな言葉を呟きながらドアを開けると素早く軽トラに乗り込んだ。
「お、落ち着け……」
バックミラーに映る空間の歪みを見て、思わず唾をごくりと飲み込む。
そして息をひそめながら、そっとエンジンをかけた。
「うぉ!?」
いや、エンジンかけるのにそっともなにもないわ!
息をひそめた意味なかった!
そんなことちょっと考えればわかるのだが、混乱してて馬鹿みたいな行動になってしまっている。
今にも暗闇から魔物が飛び出してきそうで怖い。
だけどちょっと救いなのは、カスタムで軽トラのヘッドライトの光量がアップしており、フォグライトもついているお陰でかなり明るくなったことだろうか。爺ちゃんに感謝。
「さっさと退避して距離を稼いだら、すぐに探索者協会に連絡しよう」
オレは一度深呼吸してから、アクセルを踏み込んで車を発進させた。
爺ちゃんの家を出て五分ほど。
ようよく一息つくことが出来た。
「ふぅ……ひとまずは無事にゲートから離れられたか……」
まさか爺ちゃんの家の庭先にダンジョンができるなんて……。
しかし探索者協会に連絡を入れるのはいいとして、これからどうなるんだろう。
もしかして家を接収されたりするのだろうか?
思い出の詰まった場所だし、立ち入りが禁止されたり、壊されたりしたら最悪だな。
そんなことを考えながら更に五分ほど車を走らせると、ようやく開けた道に出た。
少し先に車を止められるような場所があったはずだから、そこで探索者協会に連絡をいれよう。
「ばぅ?」
「なんだ? だいふく、起きたのか?」
助手席に広げている犬用ドライブボックスで寝てただいふくが起きたようだ。
人がこんなに大騒ぎしているのに、本当に大したやつだ。いや、抜けてるだけか?
「ばっふぅぉ~ぉん!」
「おいおい。下手くそな遠吠えやめろよな」
「ばっふ、ばっふぅぉ~ぉん!」
ん? なんか今、すごくデジャヴを感じたぞ。
なんだろう……すごく嫌な予感がする。
「ばぅわぅ!」
後ろに向かって吠えるだいふく。その視線の先に目をやると……。
「ぐぁぁぁ!? ダンジョンついてきてるじゃん!?」
え? え? まじか?
ダンジョンゲートって空間に固定されるんじゃないの!?
前になんかの解説で、ゲートは空間に固定されているので移動させることは出来ないって言ってたぞ?
は? なんで? なんで軽トラの荷台にくっついてるの!?
焦ってたのと、これからどうするか悩んでいたせいでバックミラーぜんぜん見てなかった! 一車線の一本道だったし!
「ばふぅ!?」
「うぉ!? あぶねぇ!?」
あまりの予想外な状況にパニックになり、もう少しで田んぼに突っ込みそうになる。
このままダンジョンゲート乗せた軽トラで事故ってたら、ゲートはどうなってたんだろ?
いや、そんなこと疑問に思っている場合か!
思わず馬鹿なことを想像してちょっとだけ落ち着けた。
「お、落ち着け~……ひとまず、先の広場に車を止めよう」
三〇秒も走らせないうちに目的の場所に着いたので、慌てて車を止めて外に出た。
もちろんだいふくも一緒に降ろした。
「このまま走って逃げるか……?」
いや、そんなこと絶対にできない。もしここでダンジョンブレイクなんて起きたら、ここらに住む人たちが危険にさらされることになる。
そもそもここまでダンジョンを運んでしまったのはオレのせいだしな。
「って、ダンジョンを運ぶってなんだよ! そんな言葉始めて使ったわ!」
いや、いつまでも馬鹿なこと考えている場合じゃない!
まず、ここに軽トラを……ダンジョンを置いていくことなんてできない。
ましてマンションに持っていくことなんてもってのほかだ。
よし。すっごい怖いけど、一度爺ちゃんの家に戻そう。
そうだ。そもそも冷静になって考えれば、ダンジョンが出来てすぐにブレイクなんてしないのでは?
周りに魔物がいないか確認しろとか、すぐに避難をって書いてあったから焦ってしまったが、あれはいつダンジョンが出来たかわからないから、だからダンジョンブレイクまで時間がない可能性を考慮して、すぐに避難と書かれていたのだろう。
今回はすくなくとも爺ちゃんの家に到着した時点では軽トラの荷台にダンジョンなんて絶対になかったのだから、そこまで焦る必要はないはず!
「落ち着いて考えれば、そこまで焦る必要はなかったか……」
それでも怖いのは怖いんだが、もし連絡している間に軽トラではなく空間にダンジョンゲートが固定されてしまったら、この近辺の人に迷惑をかけることになる。
軽トラにくっついているうちに早く移動しなければ。
ブレイクの心配は低くなったが、変な場所で空間固定されるのは不味い。
「せっかくここまで逃げてきたけど、まずは爺ちゃんの家に戻ろう」
オレは覚悟を決めると、だいふくと一緒にもう一度軽トラに乗り込み、来た道を引き返したのだった。
ここは超がつくど田舎。しかもぽつんと一軒家だ。
歩いて避難していたら何時間もかかる。
となると軽トラに乗って避難するしかないのだが、その荷台の上あたりの空間にダンジョンゲートがある。
うん。正直、近づきたくない。
でもこんなことでびびってる間に、もしダンジョンブレイクが発生したら確実に終わる。人生終了する。
「まじ頼む……」
自分でも何に頼んでいるのかよくわかっていないが、そんな言葉を呟きながらドアを開けると素早く軽トラに乗り込んだ。
「お、落ち着け……」
バックミラーに映る空間の歪みを見て、思わず唾をごくりと飲み込む。
そして息をひそめながら、そっとエンジンをかけた。
「うぉ!?」
いや、エンジンかけるのにそっともなにもないわ!
息をひそめた意味なかった!
そんなことちょっと考えればわかるのだが、混乱してて馬鹿みたいな行動になってしまっている。
今にも暗闇から魔物が飛び出してきそうで怖い。
だけどちょっと救いなのは、カスタムで軽トラのヘッドライトの光量がアップしており、フォグライトもついているお陰でかなり明るくなったことだろうか。爺ちゃんに感謝。
「さっさと退避して距離を稼いだら、すぐに探索者協会に連絡しよう」
オレは一度深呼吸してから、アクセルを踏み込んで車を発進させた。
爺ちゃんの家を出て五分ほど。
ようよく一息つくことが出来た。
「ふぅ……ひとまずは無事にゲートから離れられたか……」
まさか爺ちゃんの家の庭先にダンジョンができるなんて……。
しかし探索者協会に連絡を入れるのはいいとして、これからどうなるんだろう。
もしかして家を接収されたりするのだろうか?
思い出の詰まった場所だし、立ち入りが禁止されたり、壊されたりしたら最悪だな。
そんなことを考えながら更に五分ほど車を走らせると、ようやく開けた道に出た。
少し先に車を止められるような場所があったはずだから、そこで探索者協会に連絡をいれよう。
「ばぅ?」
「なんだ? だいふく、起きたのか?」
助手席に広げている犬用ドライブボックスで寝てただいふくが起きたようだ。
人がこんなに大騒ぎしているのに、本当に大したやつだ。いや、抜けてるだけか?
「ばっふぅぉ~ぉん!」
「おいおい。下手くそな遠吠えやめろよな」
「ばっふ、ばっふぅぉ~ぉん!」
ん? なんか今、すごくデジャヴを感じたぞ。
なんだろう……すごく嫌な予感がする。
「ばぅわぅ!」
後ろに向かって吠えるだいふく。その視線の先に目をやると……。
「ぐぁぁぁ!? ダンジョンついてきてるじゃん!?」
え? え? まじか?
ダンジョンゲートって空間に固定されるんじゃないの!?
前になんかの解説で、ゲートは空間に固定されているので移動させることは出来ないって言ってたぞ?
は? なんで? なんで軽トラの荷台にくっついてるの!?
焦ってたのと、これからどうするか悩んでいたせいでバックミラーぜんぜん見てなかった! 一車線の一本道だったし!
「ばふぅ!?」
「うぉ!? あぶねぇ!?」
あまりの予想外な状況にパニックになり、もう少しで田んぼに突っ込みそうになる。
このままダンジョンゲート乗せた軽トラで事故ってたら、ゲートはどうなってたんだろ?
いや、そんなこと疑問に思っている場合か!
思わず馬鹿なことを想像してちょっとだけ落ち着けた。
「お、落ち着け~……ひとまず、先の広場に車を止めよう」
三〇秒も走らせないうちに目的の場所に着いたので、慌てて車を止めて外に出た。
もちろんだいふくも一緒に降ろした。
「このまま走って逃げるか……?」
いや、そんなこと絶対にできない。もしここでダンジョンブレイクなんて起きたら、ここらに住む人たちが危険にさらされることになる。
そもそもここまでダンジョンを運んでしまったのはオレのせいだしな。
「って、ダンジョンを運ぶってなんだよ! そんな言葉始めて使ったわ!」
いや、いつまでも馬鹿なこと考えている場合じゃない!
まず、ここに軽トラを……ダンジョンを置いていくことなんてできない。
ましてマンションに持っていくことなんてもってのほかだ。
よし。すっごい怖いけど、一度爺ちゃんの家に戻そう。
そうだ。そもそも冷静になって考えれば、ダンジョンが出来てすぐにブレイクなんてしないのでは?
周りに魔物がいないか確認しろとか、すぐに避難をって書いてあったから焦ってしまったが、あれはいつダンジョンが出来たかわからないから、だからダンジョンブレイクまで時間がない可能性を考慮して、すぐに避難と書かれていたのだろう。
今回はすくなくとも爺ちゃんの家に到着した時点では軽トラの荷台にダンジョンなんて絶対になかったのだから、そこまで焦る必要はないはず!
「落ち着いて考えれば、そこまで焦る必要はなかったか……」
それでも怖いのは怖いんだが、もし連絡している間に軽トラではなく空間にダンジョンゲートが固定されてしまったら、この近辺の人に迷惑をかけることになる。
軽トラにくっついているうちに早く移動しなければ。
ブレイクの心配は低くなったが、変な場所で空間固定されるのは不味い。
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