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第一章
第25話:Dフレンド
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森羅さん、無事に回復したみたいで良かった。
やはり回復系のスキルは凄いな。
それにしても……うん、やっぱり顔を洗って髪を整えてあればちゃんとわかるぞ!
だけど、意味不明に褒め殺ししあったことまで思い出してちょっと恥ずかしくなったのは内緒だ。
つい心の中で言い訳など意味のないことをしてしまう。
しかし、どうして桐生さんはまだ全快していないだろう森羅さんをこんな所に連れて……?
いや……三人の仲間の話を聞いたのか。
だとすると、居ても立っても居られなくなって追いかけてきてもおかしくないか。
でも、その遺体が消えてしまったんだけど、どう説明すれば……。
森羅さんの怪我が酷くて慌ててたから、ちゃんと回収出来ていなかった?
いや、そんなことはないはずだ。しっかり覚えている。
どう説明すればいいのか。どう話しかければいいのかわからなくて悩んでいると、銀杏さんが先に口を開いた。
「森羅さんが回復されたのは喜ばしいことですが、でも桐生さん、どうしてこちらに連れてきたのですか?」
その銀杏さんの問い掛けには、桐生さんではなく森羅さんが応えた。
「銀杏さん、それは私から説明します。と言いますか、スキルマニアで有名な銀杏さんならもうお気付きかもしれませんが……」
銀杏さん、スキルマニアとして有名なのか……。
「あ~ぁ、黙ってたら霧島さんが取り繕うとして何かボロを出してくれるかと期待していたんですが……仕方ないですね」
「は……?」
こいつ油断ならねぇな!?
「あはは。そんなことを考えられていたのですね。じゃぁ、霧島さんも聞いて下さい。実は森羅家って陰陽系の古い家なんですよ」
「陰陽系って、陰陽師ってことですか?」
「だいたいその認識で合っていますよ。それで、その手の家の血を引く人が探索者になった場合、陰陽師の技に通じるスキルを授かることが多いんです。だから、恐らく霧島さんが遺体だと思って収納したのは式神か何かでしょう。森羅さん、違いますか?」
「はい。その通りです」
「えぇ!? だって、人間にしか見えませんでしたよ!?」
血まで流していたのに、あれが人じゃないだって!?
それに野太い悲鳴みたいなものまで聞こえてきた気がするんだが……?
「そこまで驚くことですか。ダンジョンの魔物なんて、倒せば魔石とアイテム残して、靄になって消えちゃうんですよ? それを考えたら人そっくりの式神を操れたって不思議ではありません。そもそも、レアスキルではありますが、式神系のスキルは既に何人かが取得されていてデータベースにも登録されています」
そう言われると、そんなものなのかと納得するしかないか。
ダンジョンの魔物とか不思議の塊だしな。
生きてるようにしか見えないが、倒せば血すら残さず消えてしまう。
おまけにドロップアイテムまで残して。
というか、オレのダンジョンアドミニストレーターみたいな摩訶不思議なスキルがあるぐらいなんだ。式神が扱えるスキルの方が全然普通に感じてきたぞ。
「そんなスキルがあるんだな」
「はい。だから、その、犠牲者は出ていません! この度は助けて頂き、本当にありがとうございました!」
そっか……誰も亡くなってなかったのか。
まぁそれなら良かったってことで。
「いえ。オレはてっきり森羅さんの仲間が亡くなったと思っていたので、ホッとしました。犠牲者が出てなくて良かった良かった」
「助けていただいた上に、ご心配をお掛けして申し訳ありません!」
森羅さんが頭を深々とさげて謝るが、誰も亡くなっていなかったのなら喜ぶべきことだ。
「頭を上げて下さい。しかし、リアルだったのですっかり騙されてしまいましたよ」
だって、べったり血糊まであったからな。
「あ、それは……私のもう一つのスキルで人に見えるように誤魔化していたので……」
「他にも何かそういうスキルを持ってるんだ。慌てていたとはいえ、全くわからなかった」
そんな人に見せるようなスキルがあるのか。
しかしそうなると、森羅さんも確実にダンジョン適合者だな。
オレと同じでまだ探索者に成り立てなのに、最低でも二つのスキルを持っていることになる。
それに薙刀のあの腕前だ。既に武器系のスキルを所持していても不思議ではない。
それならもう三つということになる。
将来すごい探索者になるかもしれないな。
「あの……スキルの詳細は父に許可を頂いてから必ず事の経緯と合わせて説明させて頂きますので!」
「いえいえ。スキルのことはあまり人に話すものではないし、そこまでして頂かなくて大丈夫です。とにかく森羅さんが無事で誰も犠牲者が出ていなかったのならそれで十分」
「ですが………………いえ、わかりました。でも、改めてお礼をさせて頂きたいのでDフレンドの登録をさせてください!」
「Dフレンド? あ、端末の! いいですよ。でも、お礼とか大げさに考えなくても大丈夫ですから」
まんまだが、D-フレンドとはD-Loggerで使えるフレンド機能だ。
特に深く考えずにそのまま交換することにしたのだが……。
「あ、じゃぁ私もー。スキル談義しましょう!」
「お。それなら俺も頼むわ。霧島は見込みがあるし、指名依頼をださせて貰うかも知れねぇしな!」
「じゃぁ、私もよろしくお願いします。お稼ぎになられているようですし、おすすめの商品とかあれば、ご紹介させて頂きます」
あれ? なぜか、面倒そうな三人とも交換することになってしまった。
やはり回復系のスキルは凄いな。
それにしても……うん、やっぱり顔を洗って髪を整えてあればちゃんとわかるぞ!
だけど、意味不明に褒め殺ししあったことまで思い出してちょっと恥ずかしくなったのは内緒だ。
つい心の中で言い訳など意味のないことをしてしまう。
しかし、どうして桐生さんはまだ全快していないだろう森羅さんをこんな所に連れて……?
いや……三人の仲間の話を聞いたのか。
だとすると、居ても立っても居られなくなって追いかけてきてもおかしくないか。
でも、その遺体が消えてしまったんだけど、どう説明すれば……。
森羅さんの怪我が酷くて慌ててたから、ちゃんと回収出来ていなかった?
いや、そんなことはないはずだ。しっかり覚えている。
どう説明すればいいのか。どう話しかければいいのかわからなくて悩んでいると、銀杏さんが先に口を開いた。
「森羅さんが回復されたのは喜ばしいことですが、でも桐生さん、どうしてこちらに連れてきたのですか?」
その銀杏さんの問い掛けには、桐生さんではなく森羅さんが応えた。
「銀杏さん、それは私から説明します。と言いますか、スキルマニアで有名な銀杏さんならもうお気付きかもしれませんが……」
銀杏さん、スキルマニアとして有名なのか……。
「あ~ぁ、黙ってたら霧島さんが取り繕うとして何かボロを出してくれるかと期待していたんですが……仕方ないですね」
「は……?」
こいつ油断ならねぇな!?
「あはは。そんなことを考えられていたのですね。じゃぁ、霧島さんも聞いて下さい。実は森羅家って陰陽系の古い家なんですよ」
「陰陽系って、陰陽師ってことですか?」
「だいたいその認識で合っていますよ。それで、その手の家の血を引く人が探索者になった場合、陰陽師の技に通じるスキルを授かることが多いんです。だから、恐らく霧島さんが遺体だと思って収納したのは式神か何かでしょう。森羅さん、違いますか?」
「はい。その通りです」
「えぇ!? だって、人間にしか見えませんでしたよ!?」
血まで流していたのに、あれが人じゃないだって!?
それに野太い悲鳴みたいなものまで聞こえてきた気がするんだが……?
「そこまで驚くことですか。ダンジョンの魔物なんて、倒せば魔石とアイテム残して、靄になって消えちゃうんですよ? それを考えたら人そっくりの式神を操れたって不思議ではありません。そもそも、レアスキルではありますが、式神系のスキルは既に何人かが取得されていてデータベースにも登録されています」
そう言われると、そんなものなのかと納得するしかないか。
ダンジョンの魔物とか不思議の塊だしな。
生きてるようにしか見えないが、倒せば血すら残さず消えてしまう。
おまけにドロップアイテムまで残して。
というか、オレのダンジョンアドミニストレーターみたいな摩訶不思議なスキルがあるぐらいなんだ。式神が扱えるスキルの方が全然普通に感じてきたぞ。
「そんなスキルがあるんだな」
「はい。だから、その、犠牲者は出ていません! この度は助けて頂き、本当にありがとうございました!」
そっか……誰も亡くなってなかったのか。
まぁそれなら良かったってことで。
「いえ。オレはてっきり森羅さんの仲間が亡くなったと思っていたので、ホッとしました。犠牲者が出てなくて良かった良かった」
「助けていただいた上に、ご心配をお掛けして申し訳ありません!」
森羅さんが頭を深々とさげて謝るが、誰も亡くなっていなかったのなら喜ぶべきことだ。
「頭を上げて下さい。しかし、リアルだったのですっかり騙されてしまいましたよ」
だって、べったり血糊まであったからな。
「あ、それは……私のもう一つのスキルで人に見えるように誤魔化していたので……」
「他にも何かそういうスキルを持ってるんだ。慌てていたとはいえ、全くわからなかった」
そんな人に見せるようなスキルがあるのか。
しかしそうなると、森羅さんも確実にダンジョン適合者だな。
オレと同じでまだ探索者に成り立てなのに、最低でも二つのスキルを持っていることになる。
それに薙刀のあの腕前だ。既に武器系のスキルを所持していても不思議ではない。
それならもう三つということになる。
将来すごい探索者になるかもしれないな。
「あの……スキルの詳細は父に許可を頂いてから必ず事の経緯と合わせて説明させて頂きますので!」
「いえいえ。スキルのことはあまり人に話すものではないし、そこまでして頂かなくて大丈夫です。とにかく森羅さんが無事で誰も犠牲者が出ていなかったのならそれで十分」
「ですが………………いえ、わかりました。でも、改めてお礼をさせて頂きたいのでDフレンドの登録をさせてください!」
「Dフレンド? あ、端末の! いいですよ。でも、お礼とか大げさに考えなくても大丈夫ですから」
まんまだが、D-フレンドとはD-Loggerで使えるフレンド機能だ。
特に深く考えずにそのまま交換することにしたのだが……。
「あ、じゃぁ私もー。スキル談義しましょう!」
「お。それなら俺も頼むわ。霧島は見込みがあるし、指名依頼をださせて貰うかも知れねぇしな!」
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