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はじまり
7話 考え方と探し人
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ーしっぽ亭ー
「なぁノイテ、ナートの奴元気ねぇな。」
「忘れたのかジア?今日はレイバン先生の試験だったはず、上手くいかなかったんだろう。
それにしてもナートは落ち込んでる姿も美しい。憂いのある黒い瞳に、美しく輝く黒い髪。このままもっと落ち込んで、隙を作ってくれれば、慰めて僕の物にしてやるのに。」
「男の子供相手にそんな事考えるな!」
「僕はいつだって美しいものが好きなんだ。だからジア、お前の事が一番好きだよ。」
「やめろ気持ち悪い!何度も言ってるだろ、俺は女が大好きだ!!男は無理だと!」
「まぁ、気長に待つよ。」
「だからっ!無理だと言っ」
「お待たせしました。突撃ブタのステーキと暴れ羊の煮込みです。」
「お、おう。ありがとよ!ところでナート、えらく落ち込んでるけど試験上手くいかなかったのか?一回試験に落ちたくらいでそんなに落ち込むな!きっと調子が悪かっただけだって!なっ?」
「ありがとうございます。確かに試験は駄目でした。でも上手くいかないとか、そういうのじゃなくて...僕に覚悟がなかったんです。」
「覚悟?思ったよりデカイ魔物がでたのか?魔物を前にして殺られると思って怖くなっちまうのは誰だってあるぞ!」
「いえ僕が、僕が魔物の命を奪う覚悟です。
魔物も親であり、子供もいる。そして奪うことによって、魔物であっても残された者は悲しむんだって気付いたんです。」
「あ"ぁ"~、そういう事か...いいか、俺たち傭兵は魔物どころか敵であれば人の命を奪う。相手には家族も友達もいるだろう。でもやらなければ自分の大事な者が守れないんだ。自分自身の命も落とせば悲しむ者達がいるしな。
魔物は狩らなければ、皆んなに危険が及ぶ。弱い魔物だってある程度狩らなければ、強い魔物のエサとなって強い魔物が増える。
ナート、お前に守りたい者があるなら弱い魔物を狩って強くなっていかなければ、守りたい者も守れないぞ。
だけど、無闇に命を奪えとは言わん。命の尊さを知ってることは大事だ。」
「ナート、僕もジアと同じ考えだよ。
僕は奪った命に礼を持って向き合ってる。そうする事で命を奪われた者も生きて残された者も、少しは浮かばれると思ってるよ。」
「礼を持って...奪った命に礼を持って向き合う。そうですね、僕もそうありたいです。
色々教えてくれてありがとうございます!」
「ナート!注文いい?」
「はい!ただいま!」
「ナート!その注文聞いたらもう今日は上がっていいよ。」
「ありがとうございます。」
......
...
はぁ、俺はどうしようもなかったな。いくら異世界でもここは現実なんだ。怪我をしたら魔法で治せても、治療が遅ければ死ぬかもしれない。そうじゃなくても、油断すれば死ぬ。
反対に傷つけたり、殺したりすれば二度と蘇らない。ゲームじゃないんだ。夢でもないんだ。
この世界は平和ではない。多くの人が武器を持ち、命を落とす様な戦いがあり、身近に魔物が溢れてる。ジアさんの言う通り、強くならなければ守りたい者も守れない、また家族が居なくなるのは嫌だ。殺らなければ殺られるんだ、覚悟をしなければ。
ノイテさんみたいにせめて命に礼を尽くそう。2人の話を聞いて覚悟を決められた気がする。
明日レイバン先生に今までの気持ち、これからの気持ちを話て、覚悟なく命を奪ったウサギに対してはせめて忘れない事で礼を尽くそう。
そうだ、今日の一角ウサギの黒い角を俺の杖にしたいと先生に相談してみよう。
......
...
「お前ら今日はありがとな。」
「デアド隊長お疲れ様です!ところで何で、ありがとうなんですか?」
「ナートの件だよ、ジア。」
「その通りだノイテ。うちの息子が世話になった。
本当は俺が話をしてやるべきだったんだが、夕方から思ったより店が混んじまってな。話をする暇もなかった。もう寝ちまったしな。」
「自分らもナートの事は弟の様に可愛いんで、落ち込んでるのを励ますくらい当たり前です!」
「僕はナートの事は弟というより、もっと仲の良い関係になりたいけどね。」
「だからっ!子供に対してそんな事考えるな!」
「ノイテ、どうせお前は口だけで実際はジアだけだろ?勿論万が一、うちのナートに何かしたらタダじゃおかないけどな。」
「さすがデアド隊長よくお分かりで。」
「なっ、なんだよそれ!」
「だから言ってるだろ?お前が好きだって。」
「やめろー!」
「はっはっはっ、ノイテはあの頃から一途だな。ところで、お前らもう隊長と呼ぶな。特に店ではな。」
「つい、すみません。でも俺たちはデアドさんが戻ってきてくれるのを待ってるんですよ?」
「ジア、その話はもうやめろ。」
「何でだよ?ノイテだってそう思ってるだろ?」
「傭兵団を抜けて悪かったと思ってるよ。でもこのしっぽ亭の先代が亡くなった時、悲しんでいたラウラをこの店を続ける事で喜ばせたかったんだ。俺の我儘だ、すまなかったな。」
「...いえ...俺の方こそすみません。」
「ところでその後セルト様の手掛かりは?」
「確かな情報は今の所ないです。」
「そうか....不確かな情報だがこの間ヴェインが商人としての仕事で隣国オーロスに行った時、セグロの街でセルト様を見かけたと言っていた。追いかけたが、途中で消えてしまったらしい。」
「え?あのヴェインが途中で見失ったんですか?!」
「あぁ、教会の近くでな。」
「ヴェインがセルト様を見間違えるはずない。その教会に誰か行かせましょう。
しかしオーロスか...オーロスとの戦いが終わって19年くらい経ったけど、17年も続いた戦争のせいで隣国との溝は今だに埋まっていないのにセルト様は本当にいるんですかね?」
「わからん。しかしオーロスとの戦いが終わってから暫くしてセルト様が消え、16年経った。国内では全く情報がないからな、オーロスに居ても可笑しくない。」
「そうですね。少しでも手掛かりがあるなら探しましょう!我々がセルト様を諦めることはないです!」
「力になれずすまないな、頼んだぞ!」
「「はい!!」」
「なぁノイテ、ナートの奴元気ねぇな。」
「忘れたのかジア?今日はレイバン先生の試験だったはず、上手くいかなかったんだろう。
それにしてもナートは落ち込んでる姿も美しい。憂いのある黒い瞳に、美しく輝く黒い髪。このままもっと落ち込んで、隙を作ってくれれば、慰めて僕の物にしてやるのに。」
「男の子供相手にそんな事考えるな!」
「僕はいつだって美しいものが好きなんだ。だからジア、お前の事が一番好きだよ。」
「やめろ気持ち悪い!何度も言ってるだろ、俺は女が大好きだ!!男は無理だと!」
「まぁ、気長に待つよ。」
「だからっ!無理だと言っ」
「お待たせしました。突撃ブタのステーキと暴れ羊の煮込みです。」
「お、おう。ありがとよ!ところでナート、えらく落ち込んでるけど試験上手くいかなかったのか?一回試験に落ちたくらいでそんなに落ち込むな!きっと調子が悪かっただけだって!なっ?」
「ありがとうございます。確かに試験は駄目でした。でも上手くいかないとか、そういうのじゃなくて...僕に覚悟がなかったんです。」
「覚悟?思ったよりデカイ魔物がでたのか?魔物を前にして殺られると思って怖くなっちまうのは誰だってあるぞ!」
「いえ僕が、僕が魔物の命を奪う覚悟です。
魔物も親であり、子供もいる。そして奪うことによって、魔物であっても残された者は悲しむんだって気付いたんです。」
「あ"ぁ"~、そういう事か...いいか、俺たち傭兵は魔物どころか敵であれば人の命を奪う。相手には家族も友達もいるだろう。でもやらなければ自分の大事な者が守れないんだ。自分自身の命も落とせば悲しむ者達がいるしな。
魔物は狩らなければ、皆んなに危険が及ぶ。弱い魔物だってある程度狩らなければ、強い魔物のエサとなって強い魔物が増える。
ナート、お前に守りたい者があるなら弱い魔物を狩って強くなっていかなければ、守りたい者も守れないぞ。
だけど、無闇に命を奪えとは言わん。命の尊さを知ってることは大事だ。」
「ナート、僕もジアと同じ考えだよ。
僕は奪った命に礼を持って向き合ってる。そうする事で命を奪われた者も生きて残された者も、少しは浮かばれると思ってるよ。」
「礼を持って...奪った命に礼を持って向き合う。そうですね、僕もそうありたいです。
色々教えてくれてありがとうございます!」
「ナート!注文いい?」
「はい!ただいま!」
「ナート!その注文聞いたらもう今日は上がっていいよ。」
「ありがとうございます。」
......
...
はぁ、俺はどうしようもなかったな。いくら異世界でもここは現実なんだ。怪我をしたら魔法で治せても、治療が遅ければ死ぬかもしれない。そうじゃなくても、油断すれば死ぬ。
反対に傷つけたり、殺したりすれば二度と蘇らない。ゲームじゃないんだ。夢でもないんだ。
この世界は平和ではない。多くの人が武器を持ち、命を落とす様な戦いがあり、身近に魔物が溢れてる。ジアさんの言う通り、強くならなければ守りたい者も守れない、また家族が居なくなるのは嫌だ。殺らなければ殺られるんだ、覚悟をしなければ。
ノイテさんみたいにせめて命に礼を尽くそう。2人の話を聞いて覚悟を決められた気がする。
明日レイバン先生に今までの気持ち、これからの気持ちを話て、覚悟なく命を奪ったウサギに対してはせめて忘れない事で礼を尽くそう。
そうだ、今日の一角ウサギの黒い角を俺の杖にしたいと先生に相談してみよう。
......
...
「お前ら今日はありがとな。」
「デアド隊長お疲れ様です!ところで何で、ありがとうなんですか?」
「ナートの件だよ、ジア。」
「その通りだノイテ。うちの息子が世話になった。
本当は俺が話をしてやるべきだったんだが、夕方から思ったより店が混んじまってな。話をする暇もなかった。もう寝ちまったしな。」
「自分らもナートの事は弟の様に可愛いんで、落ち込んでるのを励ますくらい当たり前です!」
「僕はナートの事は弟というより、もっと仲の良い関係になりたいけどね。」
「だからっ!子供に対してそんな事考えるな!」
「ノイテ、どうせお前は口だけで実際はジアだけだろ?勿論万が一、うちのナートに何かしたらタダじゃおかないけどな。」
「さすがデアド隊長よくお分かりで。」
「なっ、なんだよそれ!」
「だから言ってるだろ?お前が好きだって。」
「やめろー!」
「はっはっはっ、ノイテはあの頃から一途だな。ところで、お前らもう隊長と呼ぶな。特に店ではな。」
「つい、すみません。でも俺たちはデアドさんが戻ってきてくれるのを待ってるんですよ?」
「ジア、その話はもうやめろ。」
「何でだよ?ノイテだってそう思ってるだろ?」
「傭兵団を抜けて悪かったと思ってるよ。でもこのしっぽ亭の先代が亡くなった時、悲しんでいたラウラをこの店を続ける事で喜ばせたかったんだ。俺の我儘だ、すまなかったな。」
「...いえ...俺の方こそすみません。」
「ところでその後セルト様の手掛かりは?」
「確かな情報は今の所ないです。」
「そうか....不確かな情報だがこの間ヴェインが商人としての仕事で隣国オーロスに行った時、セグロの街でセルト様を見かけたと言っていた。追いかけたが、途中で消えてしまったらしい。」
「え?あのヴェインが途中で見失ったんですか?!」
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しかしオーロスか...オーロスとの戦いが終わって19年くらい経ったけど、17年も続いた戦争のせいで隣国との溝は今だに埋まっていないのにセルト様は本当にいるんですかね?」
「わからん。しかしオーロスとの戦いが終わってから暫くしてセルト様が消え、16年経った。国内では全く情報がないからな、オーロスに居ても可笑しくない。」
「そうですね。少しでも手掛かりがあるなら探しましょう!我々がセルト様を諦めることはないです!」
「力になれずすまないな、頼んだぞ!」
「「はい!!」」
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