2 / 4
エピローグ
小さい町ペケーノ
しおりを挟む
ここは王都から離れ、隣国に接する小さな町ペケーノ。隣国に接してはいるが超えるのは不可能と言われている山を背にしている為、申し訳ない程度に騎士が在留している。その在留している騎士も第一線を退いてのんびりしたいと申し出た者たち10人程度なのだ。
小さい町ペケーノにはこの町に不釣り合いな立派な白い教会、ここでの生活に必要なものは大体揃うであろう生活雑貨店、生地・服屋、靴屋、武器金物屋、昼間は肉屋でもある酒場、野菜やパン色々な物をみんなで販売している直売所、人生相談もしている婆のいる薬屋、町長の家という名の年寄りのたまり場ぐらいしかない。周りには町の者と騎士団が食べていくのに困らない程度の畑と3匹のレイチ牛と10羽の横暴鶏がいる牧場あり、近くの森では一角ウサギや突撃豚がいるくらいだろうか。
昔は女神が現れたという伝説の教会があるため、ある程度の観光客が来たらしいのだが、もう何十年も前の話だ。女神の教会以外は特に観光できるような素敵な場所もない。隣国と接してはいるが通り抜けられないため、隣国に行く人も通らない。本当に何もなく、誰も訪れる事のない所、それがこのペケーノという町だ。
若者は皆、何もないこの町に嫌気をさして出て行ってしまう。残っているのは40歳以上の者ばかりである。明日この町が消えても誰も気が付かないであろう、人口50人程度の小さな町だ。
「おいっ!セルボ!」
町のメインストリートと言っていい全ての店がある教会へと続く道の途中で、町長であるセルボは幼馴染の肉屋兼酒場の店主コラドに声を掛けられた。
「なんだよ、コラド。俺は暑いからさっさと嫌な用事を済ませて川で夕飯の魚釣りでもしようかと思ってるんだよ。大したようじゃないなら、こんな暑い中話しかけてくるなよ。」
「幼馴染に対して酷い態度じゃないか町長!」
「幼馴染だから酷い態度なんだよ。で?用事は??」
「お前ならこんな暑い日はどうせ川へ行くだろうと思ってたからさ、店で出す魚をついでに釣ってきてくれないか?今日は騎士団に新しい騎士が来るらしくうちで歓迎会の予約入ってんだよ。」
「それで?俺がなんでお前の店の為に魚釣ってこなきゃいけないんだよ。」
「いいか?今日は新しい騎士が来るんだぞ?どんな騎士かわからないが、町長は仲良くしておいた方がいいだろ?
そこで仲良くする為に町長が釣った魚を、俺が美味しく料理してお持て成しすんだよ!だから今日の夕飯はうちの店来いよ!いいな!」
この幼馴染のコラドは昔からよく気が付く男だ。俺なんかが町長するより此奴がなった方がこの町は発展して、昔見たいに生気を取り戻すと思ってるんだが、本人がそれを良しとしない。何故か俺の方が向いていると言うのだ…ダメ元だがまた町長になるよう口説いてみるか。
「面倒な…。でもまぁ、わかったよ。数少ない町長の仕事の一つだから、さっさと教会での嫌な用事を済ませて、楽しい魚釣りに行くとするよ。」
「教会か…また呼び出されたのか?どうせ金だろ?もうお布施を渡す金なんてないのにどうするんだ?」
「家にあった母さんの銀の髪留めを謙譲でもするよ。」
「おまえっ!それ大事な形見じゃないか!」
「持っていたって何になるわけでもないしな、俺は結婚してもいないしこんな町じゃ誰も嫁いで来ないだろ?持っていたってしょうがない。母さんだって町の役に立つなら喜んで頷いてくれるはずさ。じゃあ行くわ。」
俺の幼馴染の町長のセルボは昔から自分を犠牲にしても人の為に尽くす奴だ。本人はそんなヒーローなんかじゃない。俺にできる事は砂粒ほどしかないのだから、役立たずなりに出来る事をしてるだけだと言っている。しかし、この世にそんな見返りを求めず人に尽くす聖人のような奴がどこにいるんだ?俺の方が町長に向いてるなんてバカみたいな事を言っているが、町の皆に聞いてもきっとセルボほど町長に向いた奴はいないと言うだろう。
セルボがあのクソ神父の犠牲になってるかと思うとクソ神父を解体してやりたいぐらいだ!
小さい町ペケーノにはこの町に不釣り合いな立派な白い教会、ここでの生活に必要なものは大体揃うであろう生活雑貨店、生地・服屋、靴屋、武器金物屋、昼間は肉屋でもある酒場、野菜やパン色々な物をみんなで販売している直売所、人生相談もしている婆のいる薬屋、町長の家という名の年寄りのたまり場ぐらいしかない。周りには町の者と騎士団が食べていくのに困らない程度の畑と3匹のレイチ牛と10羽の横暴鶏がいる牧場あり、近くの森では一角ウサギや突撃豚がいるくらいだろうか。
昔は女神が現れたという伝説の教会があるため、ある程度の観光客が来たらしいのだが、もう何十年も前の話だ。女神の教会以外は特に観光できるような素敵な場所もない。隣国と接してはいるが通り抜けられないため、隣国に行く人も通らない。本当に何もなく、誰も訪れる事のない所、それがこのペケーノという町だ。
若者は皆、何もないこの町に嫌気をさして出て行ってしまう。残っているのは40歳以上の者ばかりである。明日この町が消えても誰も気が付かないであろう、人口50人程度の小さな町だ。
「おいっ!セルボ!」
町のメインストリートと言っていい全ての店がある教会へと続く道の途中で、町長であるセルボは幼馴染の肉屋兼酒場の店主コラドに声を掛けられた。
「なんだよ、コラド。俺は暑いからさっさと嫌な用事を済ませて川で夕飯の魚釣りでもしようかと思ってるんだよ。大したようじゃないなら、こんな暑い中話しかけてくるなよ。」
「幼馴染に対して酷い態度じゃないか町長!」
「幼馴染だから酷い態度なんだよ。で?用事は??」
「お前ならこんな暑い日はどうせ川へ行くだろうと思ってたからさ、店で出す魚をついでに釣ってきてくれないか?今日は騎士団に新しい騎士が来るらしくうちで歓迎会の予約入ってんだよ。」
「それで?俺がなんでお前の店の為に魚釣ってこなきゃいけないんだよ。」
「いいか?今日は新しい騎士が来るんだぞ?どんな騎士かわからないが、町長は仲良くしておいた方がいいだろ?
そこで仲良くする為に町長が釣った魚を、俺が美味しく料理してお持て成しすんだよ!だから今日の夕飯はうちの店来いよ!いいな!」
この幼馴染のコラドは昔からよく気が付く男だ。俺なんかが町長するより此奴がなった方がこの町は発展して、昔見たいに生気を取り戻すと思ってるんだが、本人がそれを良しとしない。何故か俺の方が向いていると言うのだ…ダメ元だがまた町長になるよう口説いてみるか。
「面倒な…。でもまぁ、わかったよ。数少ない町長の仕事の一つだから、さっさと教会での嫌な用事を済ませて、楽しい魚釣りに行くとするよ。」
「教会か…また呼び出されたのか?どうせ金だろ?もうお布施を渡す金なんてないのにどうするんだ?」
「家にあった母さんの銀の髪留めを謙譲でもするよ。」
「おまえっ!それ大事な形見じゃないか!」
「持っていたって何になるわけでもないしな、俺は結婚してもいないしこんな町じゃ誰も嫁いで来ないだろ?持っていたってしょうがない。母さんだって町の役に立つなら喜んで頷いてくれるはずさ。じゃあ行くわ。」
俺の幼馴染の町長のセルボは昔から自分を犠牲にしても人の為に尽くす奴だ。本人はそんなヒーローなんかじゃない。俺にできる事は砂粒ほどしかないのだから、役立たずなりに出来る事をしてるだけだと言っている。しかし、この世にそんな見返りを求めず人に尽くす聖人のような奴がどこにいるんだ?俺の方が町長に向いてるなんてバカみたいな事を言っているが、町の皆に聞いてもきっとセルボほど町長に向いた奴はいないと言うだろう。
セルボがあのクソ神父の犠牲になってるかと思うとクソ神父を解体してやりたいぐらいだ!
0
あなたにおすすめの小説
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
ちゃんと忠告をしましたよ?
柚木ゆず
ファンタジー
ある日の、放課後のことでした。王立リザエンドワール学院に籍を置く私フィーナは、生徒会長を務められているジュリアルス侯爵令嬢アゼット様に呼び出されました。
「生徒会の仲間である貴方様に、婚約祝いをお渡したくてこうしておりますの」
アゼット様はそのように仰られていますが、そちらは嘘ですよね? 私は最愛の方に護っていただいているので、貴方様に悪意があると気付けるのですよ。
アゼット様。まだ間に合います。
今なら、引き返せますよ?
※現在体調の影響により、感想欄を一時的に閉じさせていただいております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる