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それが義務だと思っていた 悠太
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困っている人を助けることは義務だ。それなのに世の中には困っている人を助けない人がいる。なぜ? 理由はたくさんある。たとえば困っている人がいけ好かないやつである。自分を昔いじめたやつである。新手の詐欺だと疑るべき要素がある。
それでも助けてやろうよ、と思うことは間違っているだろうか? たとえ、相手が不審者だとしても、俺は挨拶することにしている。
だって、挨拶することの何が悪い。挨拶して連れ去られそうになったら逃げればいい。それは連れ去られそうになるくらい隙を作ったことが悪いわけで、挨拶に何の非もないであろう。
――朝、俺はスピーチの代表に選ばれ、以上のようなスピーチをしたわけだが、担任の倉本の反応は悪く、それはどうして? と思っている間に1日が過ぎていった。
……でも、今ならわかる。
雪がやんだ。俺は腕時計を見た。22時を少しまわったところだった。
「俺は、倉本のいけ好かないやつなのか……」ため息のように声をだした。
別に倉本に好かれようとしているわけではないが、教師、それも担任ににらまれていいことはない。向こうの個人的な評価で、こっちは内申点が下がってしまうわけなのだから。
だから、そういう意味ではなく、あくまで――そうだな、業務的な意味として、俺は倉本に好かれたいと思っている。しつこいようだが、俺はゲイではないぞ。
―――放課後。
キーンコーンカーンコーン、と永遠にも似た重苦しいチャイムが鳴り響いた。その瞬間から、俺の”特訓”ははじまった。
まず、何が悪い?
俺は、自由帳を1枚破って、汚い字で書き殴った。
顔面偏差値? 少なくとも教室の中ではつねに53を自覚しているが。このメガネが悪いのだろうか。
そんなことを思いながら俺はクラセンのいなくなった教諭用のいすを観察した、ら。
「安田悠太……優等生すぎて気にくわない。B」
なっ……そんなことが原因だったとは。しかもBってなんだ、Bって!
その時から、俺のすべては崩れ落ちたのである。
帰り路、俺はそのコンビニを見つけた。「タイムプラス」とかいううさんくさいコンビニで、コンビニ特有のブルーライトを近くにまきちらしていた。25時間営業とかあるが、寝るまでは今日、という考え方だろう。悪くないが、気にもいらない。
コーヒー牛乳だけ買って、俺はイートインに腰掛ける。そして勉強を始め、きりのいいところで店を出た。
ハァ――結局、クラセンに気に入られるにはどうすればいいのだろうか。
困っている人を助けることは義務だ。それなのに世の中には困っている人を助けない人がいる。なぜ? 理由はたくさんある。たとえば困っている人がいけ好かないやつである。自分を昔いじめたやつである。新手の詐欺だと疑るべき要素がある。
それでも助けてやろうよ、と思うことは間違っているだろうか? たとえ、相手が不審者だとしても、俺は挨拶することにしている。
だって、挨拶することの何が悪い。挨拶して連れ去られそうになったら逃げればいい。それは連れ去られそうになるくらい隙を作ったことが悪いわけで、挨拶に何の非もないであろう。
――朝、俺はスピーチの代表に選ばれ、以上のようなスピーチをしたわけだが、担任の倉本の反応は悪く、それはどうして? と思っている間に1日が過ぎていった。
……でも、今ならわかる。
雪がやんだ。俺は腕時計を見た。22時を少しまわったところだった。
「俺は、倉本のいけ好かないやつなのか……」ため息のように声をだした。
別に倉本に好かれようとしているわけではないが、教師、それも担任ににらまれていいことはない。向こうの個人的な評価で、こっちは内申点が下がってしまうわけなのだから。
だから、そういう意味ではなく、あくまで――そうだな、業務的な意味として、俺は倉本に好かれたいと思っている。しつこいようだが、俺はゲイではないぞ。
―――放課後。
キーンコーンカーンコーン、と永遠にも似た重苦しいチャイムが鳴り響いた。その瞬間から、俺の”特訓”ははじまった。
まず、何が悪い?
俺は、自由帳を1枚破って、汚い字で書き殴った。
顔面偏差値? 少なくとも教室の中ではつねに53を自覚しているが。このメガネが悪いのだろうか。
そんなことを思いながら俺はクラセンのいなくなった教諭用のいすを観察した、ら。
「安田悠太……優等生すぎて気にくわない。B」
なっ……そんなことが原因だったとは。しかもBってなんだ、Bって!
その時から、俺のすべては崩れ落ちたのである。
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