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18嘘つきはだれ
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コハクは、仕事部屋の本棚や床に積んである書物を眺めている。
次に読む書物を選んでいた。
何度もコハクが片付けをして、仕事部屋は整理整頓されて綺麗になった。
どの辺りに、どんな本があるのかは、片付けた本人なので覚えている。
だけど、似たような書物がたくさんあるので、何にしようかと悩んでいた。
やっぱり、シロガネに聞いた方がいいかな?
コハクはひとり佇み考え込んでいる。
「お困りようですね。お手伝い致しましょうか」
突然、後ろから声をかけられた。
コハクはビクリと肩を震わせ、慌てて驚き振り向いた。
そこには、髪をまとめた小柄な女性が立っていた。飾りっ気のない素朴で柔らかな雰囲気である。
だけど、その見た目と異なる声色と話し方に、コハクは違和感を抱いた。
彼女は水属性の蛇人で、シロガネの式神だ。
「君はユリ?」
「はい、初めましてコハクさま。ユリと申します。シロガネさまに、お話したい事がありまして、お訪ねましたら、お留守。すると、コハクさまがお困りのご様子にて、お声をおかけ致しました。驚かせてしまいまして、申し訳ないございません」
「ううん、会えて嬉しい!」
「そのように言って頂き、ありがとうございます」
「シロガネは仕事に行っているんだ」
「まぁ、大変。それは嘘ですよ」
「えっ、ウソ……なの」
「はい、あたくしに会いたくなくて、コハクさまに嘘をついて逃げたようです」
「……ウソをついたの……シロガネが……」
「あら、嘘をつかれたと傷ついていらしゃるのね。可愛らしいこと。シロガネさまは、嘘つきですよ。あたくしとの約束を守って下さりませんもの」
「シロガネが、嘘つきだなんて……」
コハクが不安そうな表情で、信じられないと首を振る。
シロガネに限ってあり得ない。コハクの知っているシロガネは、いつも優しくて、少しだけ意地悪な時もあるだけど、嘘をつかれた事はない。いつだって守ってくれて……。
だけど、コハクとシロガネの過ごした時間は、ユリたち式神に比べたら雲泥の差だ。
コハクの知らないシロガネを、ユリが知っている事実に不安にかられる。
「ならば、嘘つきはあたくしなのかしら?」
考えもしなかったことを告げられて、コハクは慌てた。
違うと否定したい。けど、ユリとシロガネのどちらを信じるのか。そう問われているならば、その答えに迷いはない。
だから、グッと両手に握り拳を作って、口を閉じたまま深呼吸をした。
「ごめんユリ。今、初めて言葉を交わした君と、今まで一緒に過ごしてきたシロガネのどちらを信じるかなら。勿論、ボクはシロガネを信じる。だけど、シロガネが大切に思う式神のユリたちをボクも大切に思っているんだ。もしもシロガネが、本当に君に嘘をつく時があるならば、それにはきっと、ううん。絶対に理由があるはずなんだ」
迷いなく力強く、はっきりとユリに告げた。
そのコハクの様子にユリは満足気な表情をした。
「それで、よろしいのですよ」
「……ユリ?」
「シロガネさまを大切に思うコハクさまの気持ちを、確認させて頂きました。その心、あたくしたちと同じ思いに嬉しく思います」
「えっ……と、ボクは……試されたの?」
「そうですね」
ユリが大げさに微笑んだ。
コハクは、胸を撫で下ろして安心した。
「じゃあ、やっぱりシロガネは嘘つきじゃないんだね」
「嘘というほどではございませんが、誤魔化したり、あやふやにして、聞いてなかったとか。忘れていたとか。無かったことにされることは、諸諸ございます」
「なんとなくわかるかも」
クスクスと、コハクが思い出し笑いをする。
「コハクさまは、シロガネさまをよくおわかりになられていらっしゃいますね。お裏切りにならないことを切に願いますわ」
安心したのも束の間。
コハクは、再びユリから思いもしないことを言われて驚いた。
突然の返答は、違うと否定する言葉ではなくて、問いただす言葉となる。
「どうして……、ボクがシロガネを裏切るだなんて言うの?」
「だって、あなたは、いなくなる人ですもの」
「いなくなる……」
「記憶が戻ったら、シロガネさまの側を離れて、元いた所にお戻りになられるでしょ。シロガネさまが、どんなに優しく心を砕いてもコハクさまはいなくなる。返せない心は裏切りに等しくてよ」
「……」
コハクの心に、ザックリと爪を立てられた傷がつく。血が滲み出して滴る感覚になる。
違うと言いたい。
だけど、確信をついた言葉はコハクの心を酷く震えさせた。上手く呼吸が息が出来なくなって、何も言えない。コハクの茶色の瞳から雫が溢れた。
記憶が戻れば、シロガネの側にいられないくなる。それは悲しくて辛いことだ。わかっていたけど、わかっていなかった。わかった振りをしていただけだ。
ずっと一緒にいたいと思っても、コハクの望みは叶わないかもしれない。
与えてもらうばかりで返せない。これは裏切りじゃない。
だけど、ある意味、ユリの言うとおりなのかもしれない。
考えるほどに思い悩む心は、コハクの思考を止めて、ただ泣くしか出来なかった。
「度が過ぎるぞ、ユリ」
「ほんにのう」
突然、コハクとユリの目の前に、二人の男が現れた。
シロガネの式神である。
一人は小柄で動きのある短髪。眼光が鋭く溢れる威圧は、武に秀でている者だとわかる。火属性の龍人である。
もう一人は大柄だが、愛嬌のある顔立ちで短髪。大らかで懐が深く肝が据わっているように思われる。土属性の虎人である。
「あら、イヤだわ。ザクロとゲンゲ」
「虐めるもの大概にせよ」
「可哀想にのう、泣いておる」
「ユリ、シロガネ殿に報告するからな」
「お好きなさって下さいな。あたくしとシロガネさまの間柄。何もおっしゃりませんわ」
「命の恩人という関係も時効じゃ。君子の大切な方を泣かした罪は重いぞ。ワシは許せぬのう」
「それはシロガネさまが、お決めになる事ですわ」
「待って!」
さっきまで泣いていたコハクが、涙を拭いて声を出した。
「如何した。コハク殿」
「仲違いは駄目だ。シロガネが悲しむ。ザクロとゲンゲ、初めて会うのに泣いていてごめんね。心配してくれてありがとう。確かにユリの言葉にボクは傷ついたよ……。でも、ある意味、ユリの言う通りなんだ。記憶がないからって、シロガネの好意に甘えてばかりなんだ。陰陽道のことも教えてもらって……。でも、記憶が戻ったら、側にいられないかもしれない。もしかしたら、大変な事に巻き込むかもしれない。恩を返せないかもしれない。君たちの大切な人なのに……、ボクの大切な人なのに……。それは、とても酷いことだ」
「コハクどのは良い子じゃ。シロガネ公も承知してるはず、故に心配は要らぬぞ。それこそ、ユリ。主がとやかく言う事ではなかろうよ」
ゲンゲの説き伏せるような言葉を、ユリは微笑みを絶やさずに話を聞いていた。
「ザクロ、それにゲンゲ。ユリは悪くないよ。シロガネを思う気持ちに正直なんだ。少しだけ意地悪だったのは……。主のシロガネを大切に思うからなんだ。それに一緒にいると似てくるってあると思う」
ユリは、微笑みを崩してコハクを見つめた。
そして、無意識に儚げな声を出した。
「……コハク、さま」
「コハク殿」
「コハクどの」
ザクロとゲンゲが愉快そうに、ワハハハハっと大きな笑い声を重ねて響かせた。
「ほんにそうかもな」
「うむ、確かに皆それぞれ、似てるところがあるやもしれん。そう思うと楽しいぞ」
つられてコハクも声を上げて笑った。
ユリが小さく微笑んで、コハクに向けて頭を下げた。
「ユリ?」
「コハクさまの心意。その奥を知りたかったのです。いいえ、暴きたかったのです。それは無用でした。コハクさまは、本当にシロガネさまを心よりお慕いされているのですね。安心致しました。あたくしの我がままにお付き合いさせて、困らせてしまいまして、申し訳ありません」
「大丈夫だよ。皆んな、シロガネが大好きだからね。仕方がないよ。ぜーんぶシロガネの所為にすればいいよ」
「正ににその通り」
「左様」
コハクとユリ、ザクロとゲンゲ、皆んなで笑った。
次に読む書物を選んでいた。
何度もコハクが片付けをして、仕事部屋は整理整頓されて綺麗になった。
どの辺りに、どんな本があるのかは、片付けた本人なので覚えている。
だけど、似たような書物がたくさんあるので、何にしようかと悩んでいた。
やっぱり、シロガネに聞いた方がいいかな?
コハクはひとり佇み考え込んでいる。
「お困りようですね。お手伝い致しましょうか」
突然、後ろから声をかけられた。
コハクはビクリと肩を震わせ、慌てて驚き振り向いた。
そこには、髪をまとめた小柄な女性が立っていた。飾りっ気のない素朴で柔らかな雰囲気である。
だけど、その見た目と異なる声色と話し方に、コハクは違和感を抱いた。
彼女は水属性の蛇人で、シロガネの式神だ。
「君はユリ?」
「はい、初めましてコハクさま。ユリと申します。シロガネさまに、お話したい事がありまして、お訪ねましたら、お留守。すると、コハクさまがお困りのご様子にて、お声をおかけ致しました。驚かせてしまいまして、申し訳ないございません」
「ううん、会えて嬉しい!」
「そのように言って頂き、ありがとうございます」
「シロガネは仕事に行っているんだ」
「まぁ、大変。それは嘘ですよ」
「えっ、ウソ……なの」
「はい、あたくしに会いたくなくて、コハクさまに嘘をついて逃げたようです」
「……ウソをついたの……シロガネが……」
「あら、嘘をつかれたと傷ついていらしゃるのね。可愛らしいこと。シロガネさまは、嘘つきですよ。あたくしとの約束を守って下さりませんもの」
「シロガネが、嘘つきだなんて……」
コハクが不安そうな表情で、信じられないと首を振る。
シロガネに限ってあり得ない。コハクの知っているシロガネは、いつも優しくて、少しだけ意地悪な時もあるだけど、嘘をつかれた事はない。いつだって守ってくれて……。
だけど、コハクとシロガネの過ごした時間は、ユリたち式神に比べたら雲泥の差だ。
コハクの知らないシロガネを、ユリが知っている事実に不安にかられる。
「ならば、嘘つきはあたくしなのかしら?」
考えもしなかったことを告げられて、コハクは慌てた。
違うと否定したい。けど、ユリとシロガネのどちらを信じるのか。そう問われているならば、その答えに迷いはない。
だから、グッと両手に握り拳を作って、口を閉じたまま深呼吸をした。
「ごめんユリ。今、初めて言葉を交わした君と、今まで一緒に過ごしてきたシロガネのどちらを信じるかなら。勿論、ボクはシロガネを信じる。だけど、シロガネが大切に思う式神のユリたちをボクも大切に思っているんだ。もしもシロガネが、本当に君に嘘をつく時があるならば、それにはきっと、ううん。絶対に理由があるはずなんだ」
迷いなく力強く、はっきりとユリに告げた。
そのコハクの様子にユリは満足気な表情をした。
「それで、よろしいのですよ」
「……ユリ?」
「シロガネさまを大切に思うコハクさまの気持ちを、確認させて頂きました。その心、あたくしたちと同じ思いに嬉しく思います」
「えっ……と、ボクは……試されたの?」
「そうですね」
ユリが大げさに微笑んだ。
コハクは、胸を撫で下ろして安心した。
「じゃあ、やっぱりシロガネは嘘つきじゃないんだね」
「嘘というほどではございませんが、誤魔化したり、あやふやにして、聞いてなかったとか。忘れていたとか。無かったことにされることは、諸諸ございます」
「なんとなくわかるかも」
クスクスと、コハクが思い出し笑いをする。
「コハクさまは、シロガネさまをよくおわかりになられていらっしゃいますね。お裏切りにならないことを切に願いますわ」
安心したのも束の間。
コハクは、再びユリから思いもしないことを言われて驚いた。
突然の返答は、違うと否定する言葉ではなくて、問いただす言葉となる。
「どうして……、ボクがシロガネを裏切るだなんて言うの?」
「だって、あなたは、いなくなる人ですもの」
「いなくなる……」
「記憶が戻ったら、シロガネさまの側を離れて、元いた所にお戻りになられるでしょ。シロガネさまが、どんなに優しく心を砕いてもコハクさまはいなくなる。返せない心は裏切りに等しくてよ」
「……」
コハクの心に、ザックリと爪を立てられた傷がつく。血が滲み出して滴る感覚になる。
違うと言いたい。
だけど、確信をついた言葉はコハクの心を酷く震えさせた。上手く呼吸が息が出来なくなって、何も言えない。コハクの茶色の瞳から雫が溢れた。
記憶が戻れば、シロガネの側にいられないくなる。それは悲しくて辛いことだ。わかっていたけど、わかっていなかった。わかった振りをしていただけだ。
ずっと一緒にいたいと思っても、コハクの望みは叶わないかもしれない。
与えてもらうばかりで返せない。これは裏切りじゃない。
だけど、ある意味、ユリの言うとおりなのかもしれない。
考えるほどに思い悩む心は、コハクの思考を止めて、ただ泣くしか出来なかった。
「度が過ぎるぞ、ユリ」
「ほんにのう」
突然、コハクとユリの目の前に、二人の男が現れた。
シロガネの式神である。
一人は小柄で動きのある短髪。眼光が鋭く溢れる威圧は、武に秀でている者だとわかる。火属性の龍人である。
もう一人は大柄だが、愛嬌のある顔立ちで短髪。大らかで懐が深く肝が据わっているように思われる。土属性の虎人である。
「あら、イヤだわ。ザクロとゲンゲ」
「虐めるもの大概にせよ」
「可哀想にのう、泣いておる」
「ユリ、シロガネ殿に報告するからな」
「お好きなさって下さいな。あたくしとシロガネさまの間柄。何もおっしゃりませんわ」
「命の恩人という関係も時効じゃ。君子の大切な方を泣かした罪は重いぞ。ワシは許せぬのう」
「それはシロガネさまが、お決めになる事ですわ」
「待って!」
さっきまで泣いていたコハクが、涙を拭いて声を出した。
「如何した。コハク殿」
「仲違いは駄目だ。シロガネが悲しむ。ザクロとゲンゲ、初めて会うのに泣いていてごめんね。心配してくれてありがとう。確かにユリの言葉にボクは傷ついたよ……。でも、ある意味、ユリの言う通りなんだ。記憶がないからって、シロガネの好意に甘えてばかりなんだ。陰陽道のことも教えてもらって……。でも、記憶が戻ったら、側にいられないかもしれない。もしかしたら、大変な事に巻き込むかもしれない。恩を返せないかもしれない。君たちの大切な人なのに……、ボクの大切な人なのに……。それは、とても酷いことだ」
「コハクどのは良い子じゃ。シロガネ公も承知してるはず、故に心配は要らぬぞ。それこそ、ユリ。主がとやかく言う事ではなかろうよ」
ゲンゲの説き伏せるような言葉を、ユリは微笑みを絶やさずに話を聞いていた。
「ザクロ、それにゲンゲ。ユリは悪くないよ。シロガネを思う気持ちに正直なんだ。少しだけ意地悪だったのは……。主のシロガネを大切に思うからなんだ。それに一緒にいると似てくるってあると思う」
ユリは、微笑みを崩してコハクを見つめた。
そして、無意識に儚げな声を出した。
「……コハク、さま」
「コハク殿」
「コハクどの」
ザクロとゲンゲが愉快そうに、ワハハハハっと大きな笑い声を重ねて響かせた。
「ほんにそうかもな」
「うむ、確かに皆それぞれ、似てるところがあるやもしれん。そう思うと楽しいぞ」
つられてコハクも声を上げて笑った。
ユリが小さく微笑んで、コハクに向けて頭を下げた。
「ユリ?」
「コハクさまの心意。その奥を知りたかったのです。いいえ、暴きたかったのです。それは無用でした。コハクさまは、本当にシロガネさまを心よりお慕いされているのですね。安心致しました。あたくしの我がままにお付き合いさせて、困らせてしまいまして、申し訳ありません」
「大丈夫だよ。皆んな、シロガネが大好きだからね。仕方がないよ。ぜーんぶシロガネの所為にすればいいよ」
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