55 / 79
54シロガネとユリの二度目
しおりを挟む
遊郭で遊女が死んだ。
刺した刺されたの人情沙汰は、男と女の愛憎交われば、良くある話である。
その結果が、死に至る場合もあり得るのも、また繰り返される話しだった。
だから最初の始まりに、誰も気づがないし、気にかけない。
ある日を境に、立て続けに遊女が何人も死んでいった。
刃物で刺されたり、毒を飲まされた形跡がなく、共通するのは、皆、体に、いくつもの痣があったという事だった。
遊女たちの間で、何かの流行り病が蔓延しているのではと考える。
しかし、誰かが「これは呪いだ」と告げた。
流行り病か呪いか。
どっちにしても、そんな噂が広がれば、遊郭に客が来なくなっては商売に影響してしまう。
そこで、遊郭で商売をする者たちは、ある陰陽師に清め祓いを依頼した。
依頼を受けた陰陽師が、遊郭を訪れた。
歩きながら何やらブツブツと呟く様子に、案内を任された者は気味悪く思いながらも、事の顛末の説明する。
既に亡くなった遊女は十人以上になっていた。最後に会った者たちは、口を揃えて、いつもと変わりはなかったという。
「皆、客であろう」
「はい、そうですが、よくおわかりで……」
最後に会った者としか伝えていないのにと、案内の者は驚いた。
「犯人はその客だ」
「しかし皆、別人ですよ」
「その客たちには共通する事があるはずだ」
「検討がつきません」
「亡くなった遊女以外に、贔屓の遊女が同じ」
「まさかっ。そんな偶然……」
「調べてみればわかる。客たちは呪詛を撒き散らしている自覚はないだろうがな」
その後、調べてみれば、陰陽師が言った通りに、ある遊女が浮上した。
陰陽師は、その遊女に会いにいく事にする。
「姉様に陰陽師の方が会いに来るそうです」
「そう」
側使いの少女が、遊女に声をかけた。
それからまもなくして、店の番頭と陰陽師が、遊女の部屋を訪れた。
「すまないね。遊女たちが亡くなる件を知っているだろう。その事で、陰陽師の方が、お前さんに話しを聞きたいそうだ」
店で一番の稼ぎ頭の遊女なので、番頭も頭が上がらないようで、気を使うように話しを進めている。
「そう。お話し、さっさと済ませて下さいな」
鏡で化粧をしながら話していた遊女が、振り向いた。
陰陽師を見た瞬間、雷に撃たれたごとく、息を止めて見つめたまま動かない。
「どうしたんだい」
番頭が遊女に声をかけた。
「え、えぇ。何も……」
まだ、陰陽師を見つめたまま、声を上擦りながら遊女が答える。
そんな様子を気にする事なく陰陽師が尋ねる。
「単刀直入に言おうか。男の生気を吸って呪詛を施し撒き散らすのは辞めよ」
「なに、何を言っているかしら?」
「無意識か。魂の核が魔に染まっているならば、いくら浄化しても上部だけになるな」
「何を言っているのか。意味がわからないわ」
遊女の呟きに、番頭が頷く。
「遊女である自身が、大嫌いだろう」
遊女が目を見開いて、フッと息を吐いた。
「好き好んで、この仕事につく女などいるわけがありませんわ。可哀想に皆、売られてここにいるのですもの」
「人はそれぞれの運命を受け入れて生きていくものだ」
「あなたに何がわかるのっ」
「わからんよ。だが、己の運命を嘆き、魔の力で他者を死に至らしめるのは、陰陽師として見過ごすわけには如何のでな」
「さっきから何をおっしゃるの、魔ってなに」
「あの時、滅してやれば良かったな」
遊女は震えた。
頭が痛くなる。
知らない記憶が走馬灯のように走る。
イヤ、ダメ、呑まれる。たくさんの負の感情が集まってくる。
遊女の姿が、魔物に変化していく。
「巻き込まれたくなければ、外へ出ろ」
陰陽師が番頭に告げた。
番頭は腰を抜かして立てないが、這いずりながら外へ出た。
「ここまでとは想定外だったが、しかし念には念は大事だな」
陰陽師は苦笑する。
「世の理を絆ぎ、世の理を悟る。我が名はシロガネ。神名を司るは我がなり。契約せし我が眷属たちよ。その名は、ザクロ、スイセン。ゲンゲに命ずる。その力は我が物ぞ、参れ」
呪法陣から眼光鋭い小柄な男と切れ長の美丈夫水、そして大柄の男が現れた。
三人ともシロガネに一礼をして臨戦体制をとる。
「時間を稼げ、出来る限り弱体化せよ」
「御意」
三人の式神の声が重なる。
小柄な男、ザクロと美丈夫のスイセンは前線にて戦闘をして、大柄な男、ゲンゲは後方で守備する。
シロガネは再び召喚の呪を唱えた。
現れたのは翼の生えた二人の少女だ。
「この遊郭で生きる者たちの怨み辛み。それに加えて、今まで蓄積された憎しみが、全てここに集まっている。かなりの量の怨念だ。心してかかれ」
「はいっ」
二人の少女が緊張した面持ちで返事する。
白い翼の少女のナデシコが浄化と前衛の回復を、黒い翼の少女のスミレは魔素を吸収する。
その間に、シロガネは術式を展開した。いくつもの呪を重ねていけば、呪法陣は複雑に形を変えていく。
シロガネの呪法陣の準備が整った。
前衛も後衛も疲労困憊だ。皆、まだまた式神として力不足だった。
魔物の力は変わらずだ。
だが、時間稼ぎとしては充分な働きであった。
「避難は済んだようだ。皆、下がれ」
シロガネはここに来る前に、遊郭内に式神を散りばめていた。
非常事態時に人々を避難させて、その後は魔素が溢れないようにと、遊郭全体に結界を張るためだ。
シロガネは展開している呪法陣を魔物に、否、魔騙物に施す。
みるみると浄化されて魔素が消えていく。
魔騙物は人の姿に、遊女に戻っていた。
しゃがみ込んでいる遊女に、シロガネが近づいた。遊女が涙を流してシロガネを見つめた。
「あたくし、ユリでございます。ずっと、あなたの夢を……恋い焦がれて、お会いしとうございました」
「もう、楽になれ。この世はお前にとって苦しいばかりのようだ」
「いや、いや。せっかく会えたのに。消えたくない。あなたの側にいたい」
ユリが、胸を抑えて苦しみ出すと、魂を魔に染めていた魔素が溢れ出した。
大量の魔素が黒い霧となってシロガネを包み込んだ。
「シロガネ殿」
「皇」
「シロガネ公」
「主人様」
「旦那様」
式神たちがシロガネを叫んだ。
シロガネは魔素に耐性はあるが、今、放たれている魔素量は明らかに桁違いだ。
いくらなんでも、許容範囲を超えているだろう。
シロガネを包んでいた魔素が次第に少なくなっていく。ユリの魂から全ての魔素がシロガネの中へと吸い込まれていった。
黒い霧が消えて、シロガネの姿が顕になれば、銀髪は黒く染まり、顔や首、着物から見える手足には、蔦のよう痣がぎっしりと浮き上がり描かれている。間違いなく全身を覆っていた。
シロガネの魂が、完全に魔に染まる前に浄化をしなければならない。
伏せて倒れているシロガネに、ナデシコとカリンが駆け寄った。
ナデシコが浄化と回復の術を施す。スミレは魔素を吸収する。だが、今の二人の力では焼け石に水だった。
「しぬの……」
無気力なまま、ユリがポツリと呟く。
「あなたのせいよ!」
スミレが怒りを顕にして泣き叫ぶ。
「死なない。死なせない。けどけど、主人様ではなくなるから、それは絶対に駄目よっ」
ナデシコは、自身を奮い立たせる為に答えた。
「だめ、いや、一緒にいるの」
二人の言葉に反応したユリの体から、光が放たれた。
シロガネの体に大量の光が注がれていくと、体中の蔦の痣が消えていった。
回復と再生が行われて、シロガネの意識が戻った。
「旦那様」
「主人様」
スミレとナデシコの声に、シロガネが反応して起き上がった。式神の皆が安堵の表情を見せた。
シロガネは、ユリを見た。
「やっと目覚めたか」
ユリは目を見開く。
その意味を知り、涙を溢した。
それは、ユリの魂から完全に魔素を無くす為に、シロガネが自身に吸収させた。そして、ユリの回復と再生のを引き出したのだ。
「どうか、どうか。この力はあなたの物です。この力をもってお仕えしたく存じます」
「なら遊女として、まだ生きていかなくてはならないぞ。年季があけて、世に出ても生涯を懸命に生きよ。さすれば、その願い叶えよう」
「はいっ」
ユリは、涙を流して深々と頭を下げた。
「話しをしてくれて、ありがとう。……その、ユリの哀しさをボクは……何も知らずに……」
「あたくしの哀しみは、シロガネさまとの大切な思い出です。誰かに話したところで色褪せることはございませんので、ご心配におよびませんわ」
「ボクもユリの思いを大切にするね。シロガネに会えて良かった。そして、シロガネを助けてくれて、ありがとう」
「次はコハクさまの番ですわ。あたくしの思いを貴方に託しますの」
コハクは、ユリの思いを受け止めて、ゆっくりと噛み締めるように頷いた。
刺した刺されたの人情沙汰は、男と女の愛憎交われば、良くある話である。
その結果が、死に至る場合もあり得るのも、また繰り返される話しだった。
だから最初の始まりに、誰も気づがないし、気にかけない。
ある日を境に、立て続けに遊女が何人も死んでいった。
刃物で刺されたり、毒を飲まされた形跡がなく、共通するのは、皆、体に、いくつもの痣があったという事だった。
遊女たちの間で、何かの流行り病が蔓延しているのではと考える。
しかし、誰かが「これは呪いだ」と告げた。
流行り病か呪いか。
どっちにしても、そんな噂が広がれば、遊郭に客が来なくなっては商売に影響してしまう。
そこで、遊郭で商売をする者たちは、ある陰陽師に清め祓いを依頼した。
依頼を受けた陰陽師が、遊郭を訪れた。
歩きながら何やらブツブツと呟く様子に、案内を任された者は気味悪く思いながらも、事の顛末の説明する。
既に亡くなった遊女は十人以上になっていた。最後に会った者たちは、口を揃えて、いつもと変わりはなかったという。
「皆、客であろう」
「はい、そうですが、よくおわかりで……」
最後に会った者としか伝えていないのにと、案内の者は驚いた。
「犯人はその客だ」
「しかし皆、別人ですよ」
「その客たちには共通する事があるはずだ」
「検討がつきません」
「亡くなった遊女以外に、贔屓の遊女が同じ」
「まさかっ。そんな偶然……」
「調べてみればわかる。客たちは呪詛を撒き散らしている自覚はないだろうがな」
その後、調べてみれば、陰陽師が言った通りに、ある遊女が浮上した。
陰陽師は、その遊女に会いにいく事にする。
「姉様に陰陽師の方が会いに来るそうです」
「そう」
側使いの少女が、遊女に声をかけた。
それからまもなくして、店の番頭と陰陽師が、遊女の部屋を訪れた。
「すまないね。遊女たちが亡くなる件を知っているだろう。その事で、陰陽師の方が、お前さんに話しを聞きたいそうだ」
店で一番の稼ぎ頭の遊女なので、番頭も頭が上がらないようで、気を使うように話しを進めている。
「そう。お話し、さっさと済ませて下さいな」
鏡で化粧をしながら話していた遊女が、振り向いた。
陰陽師を見た瞬間、雷に撃たれたごとく、息を止めて見つめたまま動かない。
「どうしたんだい」
番頭が遊女に声をかけた。
「え、えぇ。何も……」
まだ、陰陽師を見つめたまま、声を上擦りながら遊女が答える。
そんな様子を気にする事なく陰陽師が尋ねる。
「単刀直入に言おうか。男の生気を吸って呪詛を施し撒き散らすのは辞めよ」
「なに、何を言っているかしら?」
「無意識か。魂の核が魔に染まっているならば、いくら浄化しても上部だけになるな」
「何を言っているのか。意味がわからないわ」
遊女の呟きに、番頭が頷く。
「遊女である自身が、大嫌いだろう」
遊女が目を見開いて、フッと息を吐いた。
「好き好んで、この仕事につく女などいるわけがありませんわ。可哀想に皆、売られてここにいるのですもの」
「人はそれぞれの運命を受け入れて生きていくものだ」
「あなたに何がわかるのっ」
「わからんよ。だが、己の運命を嘆き、魔の力で他者を死に至らしめるのは、陰陽師として見過ごすわけには如何のでな」
「さっきから何をおっしゃるの、魔ってなに」
「あの時、滅してやれば良かったな」
遊女は震えた。
頭が痛くなる。
知らない記憶が走馬灯のように走る。
イヤ、ダメ、呑まれる。たくさんの負の感情が集まってくる。
遊女の姿が、魔物に変化していく。
「巻き込まれたくなければ、外へ出ろ」
陰陽師が番頭に告げた。
番頭は腰を抜かして立てないが、這いずりながら外へ出た。
「ここまでとは想定外だったが、しかし念には念は大事だな」
陰陽師は苦笑する。
「世の理を絆ぎ、世の理を悟る。我が名はシロガネ。神名を司るは我がなり。契約せし我が眷属たちよ。その名は、ザクロ、スイセン。ゲンゲに命ずる。その力は我が物ぞ、参れ」
呪法陣から眼光鋭い小柄な男と切れ長の美丈夫水、そして大柄の男が現れた。
三人ともシロガネに一礼をして臨戦体制をとる。
「時間を稼げ、出来る限り弱体化せよ」
「御意」
三人の式神の声が重なる。
小柄な男、ザクロと美丈夫のスイセンは前線にて戦闘をして、大柄な男、ゲンゲは後方で守備する。
シロガネは再び召喚の呪を唱えた。
現れたのは翼の生えた二人の少女だ。
「この遊郭で生きる者たちの怨み辛み。それに加えて、今まで蓄積された憎しみが、全てここに集まっている。かなりの量の怨念だ。心してかかれ」
「はいっ」
二人の少女が緊張した面持ちで返事する。
白い翼の少女のナデシコが浄化と前衛の回復を、黒い翼の少女のスミレは魔素を吸収する。
その間に、シロガネは術式を展開した。いくつもの呪を重ねていけば、呪法陣は複雑に形を変えていく。
シロガネの呪法陣の準備が整った。
前衛も後衛も疲労困憊だ。皆、まだまた式神として力不足だった。
魔物の力は変わらずだ。
だが、時間稼ぎとしては充分な働きであった。
「避難は済んだようだ。皆、下がれ」
シロガネはここに来る前に、遊郭内に式神を散りばめていた。
非常事態時に人々を避難させて、その後は魔素が溢れないようにと、遊郭全体に結界を張るためだ。
シロガネは展開している呪法陣を魔物に、否、魔騙物に施す。
みるみると浄化されて魔素が消えていく。
魔騙物は人の姿に、遊女に戻っていた。
しゃがみ込んでいる遊女に、シロガネが近づいた。遊女が涙を流してシロガネを見つめた。
「あたくし、ユリでございます。ずっと、あなたの夢を……恋い焦がれて、お会いしとうございました」
「もう、楽になれ。この世はお前にとって苦しいばかりのようだ」
「いや、いや。せっかく会えたのに。消えたくない。あなたの側にいたい」
ユリが、胸を抑えて苦しみ出すと、魂を魔に染めていた魔素が溢れ出した。
大量の魔素が黒い霧となってシロガネを包み込んだ。
「シロガネ殿」
「皇」
「シロガネ公」
「主人様」
「旦那様」
式神たちがシロガネを叫んだ。
シロガネは魔素に耐性はあるが、今、放たれている魔素量は明らかに桁違いだ。
いくらなんでも、許容範囲を超えているだろう。
シロガネを包んでいた魔素が次第に少なくなっていく。ユリの魂から全ての魔素がシロガネの中へと吸い込まれていった。
黒い霧が消えて、シロガネの姿が顕になれば、銀髪は黒く染まり、顔や首、着物から見える手足には、蔦のよう痣がぎっしりと浮き上がり描かれている。間違いなく全身を覆っていた。
シロガネの魂が、完全に魔に染まる前に浄化をしなければならない。
伏せて倒れているシロガネに、ナデシコとカリンが駆け寄った。
ナデシコが浄化と回復の術を施す。スミレは魔素を吸収する。だが、今の二人の力では焼け石に水だった。
「しぬの……」
無気力なまま、ユリがポツリと呟く。
「あなたのせいよ!」
スミレが怒りを顕にして泣き叫ぶ。
「死なない。死なせない。けどけど、主人様ではなくなるから、それは絶対に駄目よっ」
ナデシコは、自身を奮い立たせる為に答えた。
「だめ、いや、一緒にいるの」
二人の言葉に反応したユリの体から、光が放たれた。
シロガネの体に大量の光が注がれていくと、体中の蔦の痣が消えていった。
回復と再生が行われて、シロガネの意識が戻った。
「旦那様」
「主人様」
スミレとナデシコの声に、シロガネが反応して起き上がった。式神の皆が安堵の表情を見せた。
シロガネは、ユリを見た。
「やっと目覚めたか」
ユリは目を見開く。
その意味を知り、涙を溢した。
それは、ユリの魂から完全に魔素を無くす為に、シロガネが自身に吸収させた。そして、ユリの回復と再生のを引き出したのだ。
「どうか、どうか。この力はあなたの物です。この力をもってお仕えしたく存じます」
「なら遊女として、まだ生きていかなくてはならないぞ。年季があけて、世に出ても生涯を懸命に生きよ。さすれば、その願い叶えよう」
「はいっ」
ユリは、涙を流して深々と頭を下げた。
「話しをしてくれて、ありがとう。……その、ユリの哀しさをボクは……何も知らずに……」
「あたくしの哀しみは、シロガネさまとの大切な思い出です。誰かに話したところで色褪せることはございませんので、ご心配におよびませんわ」
「ボクもユリの思いを大切にするね。シロガネに会えて良かった。そして、シロガネを助けてくれて、ありがとう」
「次はコハクさまの番ですわ。あたくしの思いを貴方に託しますの」
コハクは、ユリの思いを受け止めて、ゆっくりと噛み締めるように頷いた。
0
あなたにおすすめの小説
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
『2度目の世界で、あなたと……』 ― 魔法と番が支配する世界で、二度目の人生を ―
なの
BL
Ωとして生まれたリオナは、政略結婚の駒として生き、信じていた結婚相手に裏切られ、孤独の中で命を落とした。
――はずだった。
目を覚ますと、そこは同じ世界、同じ屋敷、同じ朝。
時間だけが巻き戻り、前世の記憶を持つのは自分だけ。
愛を知らないまま死んだ。今度こそ、本物の愛を知り、自ら選び取る人生を生きる。
これは、愛を知らず道具として生きてきたΩが、初めて出会った温もりに触れ、自らの意思で愛を選び直す物語。
「愛を知らず道具として生きてきたΩが転生を機に、
年上αの騎士と本物の愛を掴みます。
全6話+番外編完結済み!サクサク読めます。
娼館で死んだΩですが、竜帝の溺愛皇妃やってます
めがねあざらし
BL
死に場所は、薄暗い娼館の片隅だった。奪われ、弄ばれ、捨てられた運命の果て。けれど目覚めたのは、まだ“すべてが起きる前”の過去だった。
王国の檻に囚われながらも、静かに抗い続けた日々。その中で出会った“彼”が、冷え切った運命に、初めて温もりを灯す。
運命を塗り替えるために歩み始めた、険しくも孤独な道の先。そこで待っていたのは、金の瞳を持つ竜帝——
「お前を、誰にも渡すつもりはない」
溺愛、独占、そしてトラヴィスの宮廷に渦巻く陰謀と政敵たち。死に戻ったΩは、今度こそ自分自身を救うため、皇妃として“未来”を手繰り寄せる。
愛され、試され、それでも生き抜くために——第二章、ここに開幕。
後宮に咲く美しき寵后
不来方しい
BL
フィリの故郷であるルロ国では、真っ白な肌に金色の髪を持つ人間は魔女の生まれ変わりだと伝えられていた。生まれた者は民衆の前で焚刑に処し、こうして人々の安心を得る一方、犠牲を当たり前のように受け入れている国だった。
フィリもまた雪のような肌と金髪を持って生まれ、来るべきときに備え、地下の部屋で閉じ込められて生活をしていた。第四王子として生まれても、処刑への道は免れられなかった。
そんなフィリの元に、縁談の話が舞い込んでくる。
縁談の相手はファルーハ王国の第三王子であるヴァシリス。顔も名前も知らない王子との結婚の話は、同性婚に偏見があるルロ国にとって、フィリはさらに肩身の狭い思いをする。
ファルーハ王国は砂漠地帯にある王国であり、雪国であるルロ国とは真逆だ。縁談などフィリ信じず、ついにそのときが来たと諦めの境地に至った。
情報がほとんどないファルーハ王国へ向かうと、国を上げて祝福する民衆に触れ、処刑場へ向かうものだとばかり思っていたフィリは困惑する。
狼狽するフィリの元へ現れたのは、浅黒い肌と黒髪、サファイア色の瞳を持つヴァシリスだった。彼はまだ成人にはあと二年早い子供であり、未成年と婚姻の儀を行うのかと不意を突かれた。
縁談の持ち込みから婚儀までが早く、しかも相手は未成年。そこには第二王子であるジャミルの思惑が隠されていて──。
窓のない部屋の、陽だまりみたいな君
MisakiNonagase
BL
都心の高層ビル、その「内臓」とも言える地下一階のメール室。
そこで働く山﨑智之は、目立たず、期待されず、淡々と郵便物を捌く「透明人間」のような毎日を愛していた。自分は低スペックで、華やかな地上には居場所がない。そう、諦めていた。
そんな彼の静寂を破ったのは、二十二階の住人、若きエース・風巻隼人だった。
完璧なルックス、圧倒的な成果、羨望の眼差しを一身に浴びる彼が、なぜか地下のメール室に足繁く通い始める。
「五分だけ、ここにいさせてくれないか」
一通の郵便物から始まった、五分間だけの秘密の共有。
次第に剥き出しになっていく隼人の孤独と、それを無自覚に包み込んでしまう智之の温度。
住む世界が違う二人が、窓のない部屋で見つけたのは、名前のつかない「救済」だった。
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる