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74シロガネと神たちの過去
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霧の中に、ぼんやりとコハクは、ポツンと一人で立っていた。
ここはどこだろうか、そんなことを思っていると、少しずつ霧が晴れてきた。
気がつけば、今度は知らない森の中に一人で立っていた。
ここは、どこなんだろう………。
どこからか、笑い声が聞こえた。
コハクは、声を探して辺りを見回す。
すると突然、茂みの隙間から、少女が後ろを振り向きながら笑ってかけてくる。
コハクの方へと真っ直ぐに向かって来る。
このままではぶつかるとコハクは思って、「あぶないっ」と声を出した。
だけど、少女は聞こえていないようで、コハクを気にしてない。
コハクは身構えたが、少女とコハクはぶつかることはなかった。
少女はコハクを擦り抜けて、駆けて行ったのだった。
走り去る少女の後ろ姿を、コハクは驚きながら見つめた。
「おい、どこだ」
少女が来た方角から声が聞こえた。
どこかで聞いた声に、よく似ているとコハクは思った。
何故か、鼓動が早くなった。
目の前に現れた男を見た瞬間に、コハクの記憶が鮮明になる。
コハクの大切な人。大好きシロガネであった。だけど、コハクの知っているシロガネではないのは一目瞭然だった。
その姿は、若々しい青年であったからだ。
それでも、シロガネはシロガネにあることに変わりはない。
「シロガネっ」
コハクは、声をかけながら側に駆けよった。だけどシロガネは、コハクに気がついていない。さっきの少女と同じくコハクの姿が見えていないようだ。
これは夢……なのかな……。
それにしては、はっきりとした感覚が伝わってくる。
シロガネは、立ち止まって左右を確認していた。さっきの少女を、探しているようだ。
すると、シロガネの後ろから、少女が現れて「わぁっ!」とシロガネを脅かした。
シロガネは、わかっていた様子で驚いていなかった。その様子に、少女の方が驚いている。
そして、頬を膨らませて拗ねていた。
「もうぉー。どうして、驚いてくれないの」
「お前のすることなど、お見通しだ」
「お兄様のイジワル」
「すまないな」
「別に、謝らないでよぉ……」
「ほら、そろそろ戻るぞ」
「はーい」
少女は驚いたり拗ねたり、笑ったりと終始忙しそうだ。そして、とても楽しそうだった。
シロガネには、妹がいたんだ……。
シロガネが妹に優しい微笑みを見せた。
その微笑みは、コハクに見せてくれるものに似ていた。だからコハクは、とても寂しくなった。
その微笑みはボクのものなのに……。
微かな嫉妬を自覚して、コハクは馬鹿だと自重する。
そう思っている内に、一瞬にして、場所と場面が変わった。
次へ次へと色んな場面に移る。
少女が声を響かせて歌を歌っている。
少女が笑っておしゃべりをしている。
シロガネが少女を心配している。
シロガネが少女の為に戦った。
少女が神に祈りを捧げていた。
少女が創世神と会話していた。
人たちが少女を羨んだ。
人たちが神に祈り生贄を捧げた。
やめてーー!!
たくさんの出来事をコハクは見つめるだけだった。何もできない。声を出しても聞こえない。コハクは、唯ただ、涙を流した。
神が怒り狂う。
空は真っ黒で太陽の光りを遮った。雷嵐が吹き荒れている。雨が降って雪が降った。
あちこちで地響きが鳴っている。
そんな中、大きな湖のほとりにある小さな墓標の前にシロガネがいた。
しゃがみ込んで、泣き喚いている。
泣いているシロガネのそばに、コハクは立った。シロガネに寄り添って、触れたい、慰めてたい、労りたい。だけど、今のコハクには叶わない。
シロガネの悲しみと呼応するように、空と大地も泣いている。
「私は人を許さない。私は神を信じない」
シロガネの叫び声に応えるように、突然、目の前に現れたのは黒烏と白桜だった。
『それでいい。この世界が滅亡するのも、この世界を生かすのも。お前に委ねよう。しばしの安寧にて、裁決の日まで』
創世神の心、黒烏と白桜が、シロガネの心と同調した。
それは、創世神の神月に選ばれた瞬間だった。
コハクに強い風が向かって来た。吹き飛ばされそうになり、コハクは思わず、掴めないとわかっていても、シロガネに手を伸ばした。
だけど一瞬、服を掴めた。
しかし、風に吹き飛ばされて、掴んだ服から手が離れた。
「シロガネーー」
コハクの声は、ずっとシロガネに聞こえていないのだ。叫んだとしても無意味だ。もしも聞こえたとしても、この強い風の音でかき消されてしまう。だけど、コハクは命一杯に声を張り上げる。
「ボクと会える日まで、待っててね。すごく時間が、かかるから寂しい思いをさせちゃうけど。大丈夫。仲間が、式神の皆んなが力を貸してくれる。ひとりじゃないよ。この世界を守ってくれたから、ボクはシロガネと出会えたんだ。大好き、大好きだよ、ありがとうぉー」
コハクは風の中に消えた。
シロガネは後ろを振り向いた。
何かが服を掴んだような気がした。声が聞こえたような気がした。
シロガネは不思議そうに辺りを見回す。
強い風が吹く方角へ、空を感慨深けに見上げた。
コハクが目を覚ます。意識が戻ってくれば、さっきの夢を思い出した。
「アレは夢だけど、夢じゃない」
水晶に向かって声をかけた。
黒烏は、世界を滅したいわけじゃない。
白桜と離れ離れになって寂しいのだ。一つだった心が、二つにわかれてしまったから争わないといけなくなった。
闇の力が強くなっている今、一つに戻せば創世神は黒烏となる。それは避けなければならない。
コハクの考えがまとまる。
水晶の結界は封印と浄化の役割がある。わざわざ、なくす必要はない。
外からじゃない。内から始めよう。
それは、魔を浄化して、黒烏と白桜の力を均等にすることだ。
「万が一に備えての下ごしらえは大事だって、シロガネが教えてくれた。黒烏と繋がった事も、その一つだよね」
水晶に触れて呪を唱えながら、黒烏の気配を探す。
「みつけた!」
小さな術式が展開される。それは転送の呪術だ。コハクの呪力と黒烏の魔力が繋がる。
「我が力は浄化の光となりて、魔を沈め、魔よ静め。その心へ届かせよう」
呪文を唱えながらコハクは、ゆっくりと時間をかけて、闇と光の質量を均一になるように魔を浄化していく。全部ではない、必要な量だけだと念じながら黒烏に伝える。
シロガネから二本の角が消えた。
シロガネと黒烏、白桜の過去を知ったコハクの心を黒烏が受け入れた証である。
シロガネの中の、闇と光が均等になった。
コハクの息が荒くなる。
「呪力、持つかな……」
ここまでくれば、シロガネの意識は戻るはずなのだ。
少し息を整えながら、シロガネの目覚めを待つことにする。
少し、しばらく、待ってど暮らせど、シロガネの意識が戻らない。目覚める様子がない。
コハクは何故なのか、わからないままで不安なる。
「シロガネ……どうしたの……どうして起きてくれないの」
コハクは涙を浮かべて水晶を抱きしめる。
硬くて冷めたくて滑らかな水晶を優しくさする。
何か見落としているのではないだろうか。
その理由を探す為に目を閉じて思考する。
微かにシロガネの呪力が感じられて、心が落ち着いてくる。
そして、ハッと目を開けた。
水晶からシロガネの呪力を感じる事に、違和感を覚えなかった。それは水晶が、シロガネの呪力で作られたていたからだ。
水晶が封印と浄化の役割を果たし続けるには、呪力が必要だという事実に、気がつけなかった。
このままでは、シロガネの呪力がなくなってしまう。それは死を意味する。
「バカっ、馬鹿だ。どうして気がつがなかったんだ。どうしたら、どうしたらいいだっ」
叫びの声は、自分自身とシロガネに向けてだ。
「シロガネ、起きて、起きてよ。笑って、声を聞かせて、声が、ききたいよぉーー」
焦りと苛立ちを込めて、コハクは水晶をドンドンっと強く何度も叩いた。
「はぁーーっぁ」
声を出して、大きな深呼吸を一つ。
大袈裟にした。
とにかく、落ち着かなければいけないと、冷静さを取り戻そうとした。
ここはどこだろうか、そんなことを思っていると、少しずつ霧が晴れてきた。
気がつけば、今度は知らない森の中に一人で立っていた。
ここは、どこなんだろう………。
どこからか、笑い声が聞こえた。
コハクは、声を探して辺りを見回す。
すると突然、茂みの隙間から、少女が後ろを振り向きながら笑ってかけてくる。
コハクの方へと真っ直ぐに向かって来る。
このままではぶつかるとコハクは思って、「あぶないっ」と声を出した。
だけど、少女は聞こえていないようで、コハクを気にしてない。
コハクは身構えたが、少女とコハクはぶつかることはなかった。
少女はコハクを擦り抜けて、駆けて行ったのだった。
走り去る少女の後ろ姿を、コハクは驚きながら見つめた。
「おい、どこだ」
少女が来た方角から声が聞こえた。
どこかで聞いた声に、よく似ているとコハクは思った。
何故か、鼓動が早くなった。
目の前に現れた男を見た瞬間に、コハクの記憶が鮮明になる。
コハクの大切な人。大好きシロガネであった。だけど、コハクの知っているシロガネではないのは一目瞭然だった。
その姿は、若々しい青年であったからだ。
それでも、シロガネはシロガネにあることに変わりはない。
「シロガネっ」
コハクは、声をかけながら側に駆けよった。だけどシロガネは、コハクに気がついていない。さっきの少女と同じくコハクの姿が見えていないようだ。
これは夢……なのかな……。
それにしては、はっきりとした感覚が伝わってくる。
シロガネは、立ち止まって左右を確認していた。さっきの少女を、探しているようだ。
すると、シロガネの後ろから、少女が現れて「わぁっ!」とシロガネを脅かした。
シロガネは、わかっていた様子で驚いていなかった。その様子に、少女の方が驚いている。
そして、頬を膨らませて拗ねていた。
「もうぉー。どうして、驚いてくれないの」
「お前のすることなど、お見通しだ」
「お兄様のイジワル」
「すまないな」
「別に、謝らないでよぉ……」
「ほら、そろそろ戻るぞ」
「はーい」
少女は驚いたり拗ねたり、笑ったりと終始忙しそうだ。そして、とても楽しそうだった。
シロガネには、妹がいたんだ……。
シロガネが妹に優しい微笑みを見せた。
その微笑みは、コハクに見せてくれるものに似ていた。だからコハクは、とても寂しくなった。
その微笑みはボクのものなのに……。
微かな嫉妬を自覚して、コハクは馬鹿だと自重する。
そう思っている内に、一瞬にして、場所と場面が変わった。
次へ次へと色んな場面に移る。
少女が声を響かせて歌を歌っている。
少女が笑っておしゃべりをしている。
シロガネが少女を心配している。
シロガネが少女の為に戦った。
少女が神に祈りを捧げていた。
少女が創世神と会話していた。
人たちが少女を羨んだ。
人たちが神に祈り生贄を捧げた。
やめてーー!!
たくさんの出来事をコハクは見つめるだけだった。何もできない。声を出しても聞こえない。コハクは、唯ただ、涙を流した。
神が怒り狂う。
空は真っ黒で太陽の光りを遮った。雷嵐が吹き荒れている。雨が降って雪が降った。
あちこちで地響きが鳴っている。
そんな中、大きな湖のほとりにある小さな墓標の前にシロガネがいた。
しゃがみ込んで、泣き喚いている。
泣いているシロガネのそばに、コハクは立った。シロガネに寄り添って、触れたい、慰めてたい、労りたい。だけど、今のコハクには叶わない。
シロガネの悲しみと呼応するように、空と大地も泣いている。
「私は人を許さない。私は神を信じない」
シロガネの叫び声に応えるように、突然、目の前に現れたのは黒烏と白桜だった。
『それでいい。この世界が滅亡するのも、この世界を生かすのも。お前に委ねよう。しばしの安寧にて、裁決の日まで』
創世神の心、黒烏と白桜が、シロガネの心と同調した。
それは、創世神の神月に選ばれた瞬間だった。
コハクに強い風が向かって来た。吹き飛ばされそうになり、コハクは思わず、掴めないとわかっていても、シロガネに手を伸ばした。
だけど一瞬、服を掴めた。
しかし、風に吹き飛ばされて、掴んだ服から手が離れた。
「シロガネーー」
コハクの声は、ずっとシロガネに聞こえていないのだ。叫んだとしても無意味だ。もしも聞こえたとしても、この強い風の音でかき消されてしまう。だけど、コハクは命一杯に声を張り上げる。
「ボクと会える日まで、待っててね。すごく時間が、かかるから寂しい思いをさせちゃうけど。大丈夫。仲間が、式神の皆んなが力を貸してくれる。ひとりじゃないよ。この世界を守ってくれたから、ボクはシロガネと出会えたんだ。大好き、大好きだよ、ありがとうぉー」
コハクは風の中に消えた。
シロガネは後ろを振り向いた。
何かが服を掴んだような気がした。声が聞こえたような気がした。
シロガネは不思議そうに辺りを見回す。
強い風が吹く方角へ、空を感慨深けに見上げた。
コハクが目を覚ます。意識が戻ってくれば、さっきの夢を思い出した。
「アレは夢だけど、夢じゃない」
水晶に向かって声をかけた。
黒烏は、世界を滅したいわけじゃない。
白桜と離れ離れになって寂しいのだ。一つだった心が、二つにわかれてしまったから争わないといけなくなった。
闇の力が強くなっている今、一つに戻せば創世神は黒烏となる。それは避けなければならない。
コハクの考えがまとまる。
水晶の結界は封印と浄化の役割がある。わざわざ、なくす必要はない。
外からじゃない。内から始めよう。
それは、魔を浄化して、黒烏と白桜の力を均等にすることだ。
「万が一に備えての下ごしらえは大事だって、シロガネが教えてくれた。黒烏と繋がった事も、その一つだよね」
水晶に触れて呪を唱えながら、黒烏の気配を探す。
「みつけた!」
小さな術式が展開される。それは転送の呪術だ。コハクの呪力と黒烏の魔力が繋がる。
「我が力は浄化の光となりて、魔を沈め、魔よ静め。その心へ届かせよう」
呪文を唱えながらコハクは、ゆっくりと時間をかけて、闇と光の質量を均一になるように魔を浄化していく。全部ではない、必要な量だけだと念じながら黒烏に伝える。
シロガネから二本の角が消えた。
シロガネと黒烏、白桜の過去を知ったコハクの心を黒烏が受け入れた証である。
シロガネの中の、闇と光が均等になった。
コハクの息が荒くなる。
「呪力、持つかな……」
ここまでくれば、シロガネの意識は戻るはずなのだ。
少し息を整えながら、シロガネの目覚めを待つことにする。
少し、しばらく、待ってど暮らせど、シロガネの意識が戻らない。目覚める様子がない。
コハクは何故なのか、わからないままで不安なる。
「シロガネ……どうしたの……どうして起きてくれないの」
コハクは涙を浮かべて水晶を抱きしめる。
硬くて冷めたくて滑らかな水晶を優しくさする。
何か見落としているのではないだろうか。
その理由を探す為に目を閉じて思考する。
微かにシロガネの呪力が感じられて、心が落ち着いてくる。
そして、ハッと目を開けた。
水晶からシロガネの呪力を感じる事に、違和感を覚えなかった。それは水晶が、シロガネの呪力で作られたていたからだ。
水晶が封印と浄化の役割を果たし続けるには、呪力が必要だという事実に、気がつけなかった。
このままでは、シロガネの呪力がなくなってしまう。それは死を意味する。
「バカっ、馬鹿だ。どうして気がつがなかったんだ。どうしたら、どうしたらいいだっ」
叫びの声は、自分自身とシロガネに向けてだ。
「シロガネ、起きて、起きてよ。笑って、声を聞かせて、声が、ききたいよぉーー」
焦りと苛立ちを込めて、コハクは水晶をドンドンっと強く何度も叩いた。
「はぁーーっぁ」
声を出して、大きな深呼吸を一つ。
大袈裟にした。
とにかく、落ち着かなければいけないと、冷静さを取り戻そうとした。
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