職も住処もなくした私が訳ありアパートの管理人にスカウトされました。何やら事情があるようです。

ピヨピヨ

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新しい依頼

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 翌朝、松子たちに話をきいてもらったせいか、気分がすっきりしていた。契約では彼らの要望になるべく応えるようにと書いてあったのに、これでは逆だ。いつの間にかアパートの住人に支えられている。





 しかし、その日はある男性の来客によって地獄となった。

「水原さん、来客用のお茶を持ってきてくれる? ああそれから君も同席して」

 葵はどきりとした。同席しろという事はつまり裏業務の客なわけで、嫌な予感しかしない。

丁寧にお茶をいれ応接室に入ると、予想通り嫌な話をしていた。

「それで、真夜中に蛇口がひねられるのですね」
「そうなんです。毎晩何者かによって水が流されているんです。もちろん業者も呼んで調べてもらいましたが、故障とかではなく、原因が全く分からないです。全く水道だけでも大変ですよ」

 地味な嫌がらせだが、毎日のように続けば確実に堪えそうだ。今度はアグレッシブな霊ではないといいのだが、と葵は思う。

 ちらと依頼人の川本という男を見る。三十前後の男性で、少し太り気味。霊に憑かれている様子はない。そうなると家に憑くものだろうか?

 葵は少し憂鬱になる。また一人でいかされるのだろうか。

 確かに社長の言う通りこういう相談は頻繁ではない。ここにきて二月が過ぎるが、これで二件目だ。大丈夫、自分はやれると葵は言い聞かせた。

 だが、今回は社長も同行すると言うので、ほっとした。夕方、社長と連れ立って依頼人川本のマンションを訪れる。
 
 依頼人の住む家はやはりレイワ不動産の物件で、三階建てのマンション。比較的新しくオートロック付き、部屋は3LDKだ。しかし、ここは都心で家賃は20万以上する。

 サラリーマンだと言っていた川本はどれほど稼ぐのだろう。独身だとは言っていたが、この住まいはかなり贅沢だ。葵は不思議になる。一介のサラリーマンがこのような家に住めるのだろうか。


 しかし、その疑問も彼の部屋に入ったとたん.....。

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