職も住処もなくした私が訳ありアパートの管理人にスカウトされました。何やら事情があるようです。

ピヨピヨ

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只今業務中5

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「もちろんです。ですが、私の言っていることはそういう事ではないんです。つまり怨が残ってしまうということです」
「は? 言っている意味が分かりませんが」

「人形にあなたが恨まれるという事ですよ。西谷様のお宅ではこういった怪奇現象は起きていませんからね。たとえ、このビスクドールを手放したとしても、綺麗な形でおわらせなければ祟りは消えないでしょう」
「え? まさか、この人形を売ってもずっと蛇口にいたずらされるのか?」

「それだけで済めばいいのですが、霊障というのは時にエスカレートしていきます。辛い体調不良に悩まされ続けたり、中には病気になったりする人もいます」
難しそうな顔をして社長が眉根を寄せる。

「……あなた、それ祓えないんですか? それが仕事でしょう!」
「そうですね。これほど強いものを祓うとなると祈祷料も随分お高くなってしまいますが、それに見合う価値がこの人形にありますか?」
 小太りの川本の顔色が変わる。

「いや、それは」
 途端に歯切れが悪くなる。頭の中で金勘定をしているのだろう。祈祷料、そんなに高いのだろうか?

「人形を手放したとしても、持ち主に返さない限り川本様に祟ります」
 川本が小さく息をのむ。

「だが、こっちは人形に祟られたんだ。あいつにやった2万を返してもらって、新たに買い取ってもらうくらいいいですよね」
「相手に返金を求めるのは、やめておいた方がいい。ご友人を騙してとりあげたのですから、西谷様に買い取らせるような真似はおやめになった方が賢明かと思います」
「くそっ、それじゃあ、マイナスじゃないか」

 川本が悔しそうに呟く。

「まあ、こちらとしては、これでお仕事終了とさせていただきますが、よろしいでしょうか?」
「全く人形に祟られた慰謝料を貰い所だが、やつから金をとることは諦めます。西谷人形を帰しておいてください」

 そいうと川本は冷めた茶を飲み干し、帰って行った。

「社長、人形が祟り続けるって本当ですか?」
「さあ」

 瀧崎がすっとぼける。

「さあって、あの」
「そうそう、水原さん、午後からに西谷さんのもとに人形を返しに行ってください」
「えっええ! 私がこの人形を持って行くんですか!」
「はい、それで今回のお仕事は完了です」


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