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襲撃!?
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三時間ほど粘って店を出る。まだ飲み足りないからとショットバー向かう亜子と別れて、葵は駅へ向かった。いくら何でも慎吾ももういないだろう。
「亜子さん、何とか思い出してくれないかな」
独りごち、駅に向かって歩いて行く。
明日は休みで、お酒も入っていて心地いい。
帰ったら軽くお茶漬けでも食べようかと歩いていると、いきなり腕を掴まれ路地裏に引きずり込まれた。
みると半ぐれだという幸田という男だ。
「やだ。何」
いきなりの事で状況は分からない。怖くて声が震える。
「お前が、こいつの借金はらってくれるんだろう?」
「はあ?」
見ると後ろに俯いた慎吾いる。その横に愛美までいて見知らぬ男達が数人いる。
「ねえ、お姉さん、ちゃんと金払ってよ」
服装こそ今どきだが、目つきが完全におかしい若い男が言う。
「なんなんですか。あなたたち、私はもうその人とは関係ありません。そもそも私もこの人にお金を返してもらっていませんから被害者です!」
そういって慎吾を指さす。
「はあ? そんな事知ったこっちゃねえよ。とっと、金払え!」
そう言いながらどんどん裏通りに引きずられていく。そしてその先にワンボックスカーがあった。葵はなすすべもない。
「ちょっと、佐々木さん、一体どう事よ。それとあなた人を駅の階段からつきおとすなんて酷いじゃない!」
「何言ってのこいつ? 言いがかりだよ。言いがかり、証拠だせや」
「てか、お姉ちゃん、とりあえず家行こう。家、どこ送ってあげるから」
幸田はいきがるし、半分ぐれ仲間は葵の住処を知りたがるし、慎吾は震えて目を伏せ答えない。この人はどこまで落ちていくのかと葵は思う。しかし、今は自分の身を守らねばならない。
不測の事態に対応するため、一応こういう時の為に護身の技はネットで調べた。
葵はわざと幸田の懐に体を滑り込ませる。
「おい! なにす……」
驚いた幸田の隙をついて、思いっきり顎に頭突きした。その瞬間幸田の手が葵の腕から離れる。
頭頂部に顎が当たりめまいがしそうなほど痛いが、声も出ず痛みに悶絶している幸田をおいて走る。
「ふざんけんなよ!」
愛美が元ヤンまるだしで叫ぶ。しかし、振り返る余裕はない。葵は路地をやみくも走った。
「待てよ。葵!」
性懲りもなく慎吾はまだ葵を名前でよぶ。そのうえ、必死で追いかけてくる。どうあっても葵を自分の借金のかたにするつもりなのだろう。冗談ではない。しかし、幸田が携帯で仲間を呼んだようで追ってくる人数はどんどん増えて来る。
「やだ! まじでどうしよう!」
やみくもに走って裏路地を抜けていくと、小久保神社が見えた。石燈篭はともっておらずビルのはざまにあってそこだけぽっかりと暗い。
だが、葵は本能的に鳥居をくぐり階段にを上った。すると五段ものぼらないうちに腕を掴まれる。
「亜子さん、何とか思い出してくれないかな」
独りごち、駅に向かって歩いて行く。
明日は休みで、お酒も入っていて心地いい。
帰ったら軽くお茶漬けでも食べようかと歩いていると、いきなり腕を掴まれ路地裏に引きずり込まれた。
みると半ぐれだという幸田という男だ。
「やだ。何」
いきなりの事で状況は分からない。怖くて声が震える。
「お前が、こいつの借金はらってくれるんだろう?」
「はあ?」
見ると後ろに俯いた慎吾いる。その横に愛美までいて見知らぬ男達が数人いる。
「ねえ、お姉さん、ちゃんと金払ってよ」
服装こそ今どきだが、目つきが完全におかしい若い男が言う。
「なんなんですか。あなたたち、私はもうその人とは関係ありません。そもそも私もこの人にお金を返してもらっていませんから被害者です!」
そういって慎吾を指さす。
「はあ? そんな事知ったこっちゃねえよ。とっと、金払え!」
そう言いながらどんどん裏通りに引きずられていく。そしてその先にワンボックスカーがあった。葵はなすすべもない。
「ちょっと、佐々木さん、一体どう事よ。それとあなた人を駅の階段からつきおとすなんて酷いじゃない!」
「何言ってのこいつ? 言いがかりだよ。言いがかり、証拠だせや」
「てか、お姉ちゃん、とりあえず家行こう。家、どこ送ってあげるから」
幸田はいきがるし、半分ぐれ仲間は葵の住処を知りたがるし、慎吾は震えて目を伏せ答えない。この人はどこまで落ちていくのかと葵は思う。しかし、今は自分の身を守らねばならない。
不測の事態に対応するため、一応こういう時の為に護身の技はネットで調べた。
葵はわざと幸田の懐に体を滑り込ませる。
「おい! なにす……」
驚いた幸田の隙をついて、思いっきり顎に頭突きした。その瞬間幸田の手が葵の腕から離れる。
頭頂部に顎が当たりめまいがしそうなほど痛いが、声も出ず痛みに悶絶している幸田をおいて走る。
「ふざんけんなよ!」
愛美が元ヤンまるだしで叫ぶ。しかし、振り返る余裕はない。葵は路地をやみくも走った。
「待てよ。葵!」
性懲りもなく慎吾はまだ葵を名前でよぶ。そのうえ、必死で追いかけてくる。どうあっても葵を自分の借金のかたにするつもりなのだろう。冗談ではない。しかし、幸田が携帯で仲間を呼んだようで追ってくる人数はどんどん増えて来る。
「やだ! まじでどうしよう!」
やみくもに走って裏路地を抜けていくと、小久保神社が見えた。石燈篭はともっておらずビルのはざまにあってそこだけぽっかりと暗い。
だが、葵は本能的に鳥居をくぐり階段にを上った。すると五段ものぼらないうちに腕を掴まれる。
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