39 / 44
葵は元カレと縁をきりたい~さしのみ 2
しおりを挟む
「そうだ。葵、うちにきたら?」
「え? まさか! そんなことすれば水町さんに迷惑かけちゃいます! 住所特定されたらどうするんですか」
亜子の申し出は嬉しいが、とんでもない迷惑をかけてしまう。
「住所特定、大丈夫! 問題ない。私社員寮だから、しょっちゅう引っ越ししてるし」
葵は頭を傾げた。
「社員寮? しょっちゅう引っ越し? 何ですか、それ?」
思うに亜子は酔っぱらっているのだろう。
「今、私、この近くの一軒家に住んでいるの」
「え? 一軒家? すごいじゃないですか!」
ここはターミナル駅からたったの一駅、きっとすごい値段だろう。しかし、亜子は今社員寮と言っていた。やっぱり酔っ払い。
「ふふふ、事故物件よ」
葵が目を見開いた。
「嘘でしょ? それ絶対危ないやつじゃないですか!」
ここら辺の一件やで豪邸で事故物件といったら……。
「問題ないよ。社長が家賃二万でいいって言いうし、その分呑めるじゃない! まあ、ネットググればすぐに一家惨殺って出て来る有名な家だけれどね!」
そういえば、瀧崎が社員には霊感がないと言っていた。
「そんな……。なんともないんですか?」
「うーん、ときどき、夜中バタバタと人が走り回る音がしてドアがガチャガチャなるくらい?」
霊感のない人が感じるとか、絶対無理なやつ! やばいやつ! ここまでくると亜子の体が心配になる。
「社長はお祓いしないんですか?」
「うーん、支障がないなら待つのも手だっていってた」
社長あなたは鬼ですか……。
「それで、亜子さんは体調不良とかにならないんですか?」
「全然。毎日酒が美味しい。あははは」
と言って亜子が豪快に笑う。確かにいつも元気で彼女が具合が悪そうなところは見たことはない。
「そういえば、斎藤さんももしかして、そういうところにすんでいるんですか?」
斎藤なレイワ不動産で最も若い正社員だ。
「ああ、斎藤はワンルーム専門。ほら、推しのアイドルに貢ぐのに金がかかるんだって。グッズやサイリュームも高いらしいよ」
「サイリューム?」
「コンサートの時に、あの光るライトよ。推しの色とメンバー全員の色を持っているのがスタンダードなんですって」
「はあ……」
もう葵には何がなんだか分からないので、とりあえず飲みかけのチューハイをあおった。
「本当は会社でちゃんと家賃補助してくれるのよ。五万円くらい」
「え? そんなに?」
葵は驚いて目を瞬いた。給料がいいうえに五万も補助してくれるとは驚きだ。
「そ、山本主任や勝田部長みたいな所帯持ちはだいたい十万くらい家賃補助してくれるよ。事故物件に住むのはあくまでも個人が希望したときのみだよ」
「社長、無茶苦茶いい人じゃないですか」
「あんた、何今頃? それに社長金持ちだし」
確かに無一文での誰死ぬところを瀧崎に助けられた。
「え? まさか! そんなことすれば水町さんに迷惑かけちゃいます! 住所特定されたらどうするんですか」
亜子の申し出は嬉しいが、とんでもない迷惑をかけてしまう。
「住所特定、大丈夫! 問題ない。私社員寮だから、しょっちゅう引っ越ししてるし」
葵は頭を傾げた。
「社員寮? しょっちゅう引っ越し? 何ですか、それ?」
思うに亜子は酔っぱらっているのだろう。
「今、私、この近くの一軒家に住んでいるの」
「え? 一軒家? すごいじゃないですか!」
ここはターミナル駅からたったの一駅、きっとすごい値段だろう。しかし、亜子は今社員寮と言っていた。やっぱり酔っ払い。
「ふふふ、事故物件よ」
葵が目を見開いた。
「嘘でしょ? それ絶対危ないやつじゃないですか!」
ここら辺の一件やで豪邸で事故物件といったら……。
「問題ないよ。社長が家賃二万でいいって言いうし、その分呑めるじゃない! まあ、ネットググればすぐに一家惨殺って出て来る有名な家だけれどね!」
そういえば、瀧崎が社員には霊感がないと言っていた。
「そんな……。なんともないんですか?」
「うーん、ときどき、夜中バタバタと人が走り回る音がしてドアがガチャガチャなるくらい?」
霊感のない人が感じるとか、絶対無理なやつ! やばいやつ! ここまでくると亜子の体が心配になる。
「社長はお祓いしないんですか?」
「うーん、支障がないなら待つのも手だっていってた」
社長あなたは鬼ですか……。
「それで、亜子さんは体調不良とかにならないんですか?」
「全然。毎日酒が美味しい。あははは」
と言って亜子が豪快に笑う。確かにいつも元気で彼女が具合が悪そうなところは見たことはない。
「そういえば、斎藤さんももしかして、そういうところにすんでいるんですか?」
斎藤なレイワ不動産で最も若い正社員だ。
「ああ、斎藤はワンルーム専門。ほら、推しのアイドルに貢ぐのに金がかかるんだって。グッズやサイリュームも高いらしいよ」
「サイリューム?」
「コンサートの時に、あの光るライトよ。推しの色とメンバー全員の色を持っているのがスタンダードなんですって」
「はあ……」
もう葵には何がなんだか分からないので、とりあえず飲みかけのチューハイをあおった。
「本当は会社でちゃんと家賃補助してくれるのよ。五万円くらい」
「え? そんなに?」
葵は驚いて目を瞬いた。給料がいいうえに五万も補助してくれるとは驚きだ。
「そ、山本主任や勝田部長みたいな所帯持ちはだいたい十万くらい家賃補助してくれるよ。事故物件に住むのはあくまでも個人が希望したときのみだよ」
「社長、無茶苦茶いい人じゃないですか」
「あんた、何今頃? それに社長金持ちだし」
確かに無一文での誰死ぬところを瀧崎に助けられた。
0
あなたにおすすめの小説
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
結婚して3年経っても子供ができないという理由で離縁されたエマは、前世の記憶を思い出して幸せになる。周りが勝手に復讐してくれました。
山田 バルス
恋愛
結婚三年目の春、エマは伯爵家の夫アンドレオから突然、側室を迎える話を告げられる。子をなせなかったことを理由に、彼女は僅かな補償のみで離縁された。妻として過ごした三年間は「無価値だった」と突きつけられ、エマは貴族社会から静かに切り捨てられる。
また実家の父母の墓参りに行くと、当主になっていた兄に離縁金を奪われてしまう。
大ピンチのエマには、秘密があった。なんと彼女は幼少期に前世の記憶を思い出していたのだ。
かつて観光地で石を磨き、アクセサリーを作り、人に喜ばれる仕事をしていた人生。何も持たない今だからこそ、もう一度「自分の手で生きる」ことを選び、あの人が住む商業国家スペイラ帝国へ向かう決意をする。
国境への道中、盗賊に襲われるが、護衛兵ロドリゲスの活躍で難を逃れる。彼の誠実な態度に、エマは「守られる価値のある存在」として扱われたことに胸を打たれた。
スペイラ帝国では身分に縛られず働ける。エマは前世の技術を活かし、石を磨いてアクセサリーを作る小さな露店を始める。石に意味を込めた腕輪やペンダントは人々の心を掴み、体験教室も開かれるようになる。伯爵夫人だった頃よりも、今の方がずっと「生きている」と実感していた。
ある朝、ロドリゲスが市場を訪れ、エマの作ったタイガーアイの腕輪を購入する。ところがその夜、彼は驚いた様子で戻り、腕輪が力を一・五倍に高める魔道具だと判明したと告げる。エマ自身は無意識だったが、彼女の作るアクセサリーには確かな力が宿っていた。
後日二人は食事に出かけ、エマは自分が貴族の妻として離縁された過去を打ち明ける。ロドリゲスは強く憤り、「最悪な貴族だ」と彼女と一緒になって怒ってくれた。その気持ちが、エマにとって何よりの救いだった。彼は次に防御力を高める腕輪を依頼し、冒険者ギルドで正式な鑑定を受けるよう勧める。
翌日、冒険者ギルドで鑑定を行った結果、エマの腕輪は高い防御効果を持つことが判明。さらに彼女自身を鑑定すると、なんと「付与特化型聖女」であることが明らかになる。聖女が付与した魔道具は現実の力として強く発現するのだ。
価値がないと切り捨てられた人生は、ここでは確かな力となった。スペイラ帝国で、聖女エマの新しい人生が、静かに、そして輝かしく始まる。
「毒が効かない体になるまで毒を盛られた令嬢は、復讐なんて望まない——ただ、助けもしないだけ」
歩人
ファンタジー
侯爵令嬢エレーナは、義母と義妹に3年間毒を盛られ続けた。「病弱な姉」として
社交界から消し、財産と婚約者を奪う計画——しかしエレーナには、前世の記憶から
来る毒物の知識があった。毒の種類を特定し、密かに解毒しながら「弱った姉」を
演じ続け、証拠が積み上がるのを待つ。卒業の夜会で義妹が勝ち誇るその場で、
エレーナは3年分の診断書を差し出す。「復讐? いいえ。ただ、もう助けないだけ」
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
追放された”お荷物”の俺がいないと、聖女も賢者も剣聖も役立たずらしい
夏見ナイ
ファンタジー
「お荷物」――それが、Sランク勇者パーティーで雑用係をするリアムへの評価だった。戦闘能力ゼロの彼は、ある日ついに追放を宣告される。
しかし、パーティーの誰も知らなかった。彼らの持つ強力なスキルには、使用者を蝕む”代償”が存在したことを。そして、リアムの持つ唯一のスキル【代償転嫁】が、その全てを人知れず引き受けていたことを。
リアムを失い、スキルの副作用に蝕まれ崩壊していく元仲間たち。
一方、辺境で「呪われた聖女」を救ったリアムは自らの力の真価を知る。魔剣に苦しむエルフ、竜の血に怯える少女――彼は行く先々で訳ありの美少女たちを救い、彼女たちと安住の地を築いていく。
これは、心優しき”お荷物”が最強の仲間と居場所を見つけ、やがて伝説となる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる