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3話:優しい嘘、重なる吐息
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時間が、止まった。
ヒカリお姉ちゃんの優しい瞳が、ベッドの上で乱れたまま喘ぐ私を捉えている。頭が真っ白になり、血の気が引いていくのが分かった。見られた。一番見られたくない人に、一番醜い姿を。羞恥と絶望で、息の仕方も忘れてしまう。
「あ…、あ…」
何か言わなければ。弁解しなければ。でも、喉が張り付いて声が出ない。シーツを握りしめる指が、カタカタと震える。もうおしまいだ。軽蔑される。嫌われる。優しいお姉ちゃんは、もうどこにもいないんだ。
涙がじわりと滲んだ、その時だった。
ヒカリは、驚きに目を見開いていたが、すぐに我に返ると、慌てて私から視線を逸らした。そして、静かにドアを閉め、ゆっくりとこちらへ歩み寄ってくる。その顔は、気まずさと心配と、そして深い後悔の色を浮かべていた。
「ご、ごめんね、ナギサちゃん…!ノックもしないで、入ってきちゃって…。その、見てしまうつもりは、なかったの…本当にごめんなさい…」
ベッドのそばにそっと腰を下ろすと、ヒカリは心から申し訳なさそうに頭を下げた。軽蔑されると思っていたのに、返ってきたのは謝罪の言葉。その事実に、私はただ呆然とするしかなかった。
「ちが…、わたしのほうこそ…ごめんなさ…」
しどろもどろに言い訳をしようとする私を見て、ヒカリは少し逡巡した後、意を決したように顔を上げた。そして、恥ずかしそうに頬を赤らめ、ぽつり、と呟いた。
「…私も、そういうこと、あるから」
え…?
今、なんて…?
「だから、そんなに思い詰めないで。女の子は、みんな、そういう時期があるものだから…ね?」
そう言って、ヒカリお姉ちゃんは私の頭を優しく撫でた。その手は温かくて、震える私の心を少しずつ溶かしていくようだった。
絶望の淵から、一気に引き上げられる感覚。よかった。嫌われて、なかった。お姉ちゃんは、私のことを受け入れてくれたんだ。安堵感から、堪えていた涙がぼろぼろと溢れ出す。
「おねえちゃ…っ、うわぁぁ…ん」
私は子供のように、声を上げて泣いた。ヒカリお姉ちゃんは、そんな私をただ黙って、優しく抱きしめてくれた。
どれくらいそうしていただろう。私の嗚咽が少し収まった頃、ヒカリは「もし困ったことがあったら何でも相談に乗るからね」と言って、静かに部屋を出て行った。
一人になった部屋で、私はまだじんわりと温かい頭をぼうっとさせたまま、ベッドに横たわっていた。助かった。でも、それと同時に、私の心の中には、安堵とはまったく別の、新しい感情が芽生え始めていた。
『私も、そういうこと、あるから』
ヒカリお姉ちゃんの、恥じらうような声が、頭の中で何度も繰り返される。あの、いつも穏やかで、優しくて、完璧だと思っていたヒカリお姉ちゃんが? 私と同じように? 一人で?
想像してしまった。
静かな夜、自室のベッドで、あの綺麗な指が、自分の体に触れるところを。いつもは優しく微笑んでいる唇から、甘い吐息が漏れるところを。恥じらいに頬を染めながら、でも、抗えない快感に身をよじらせる姿を。
「あ…っ」
その背徳的な妄想は、恐ろしいほどの力を持っていた。さっき、一度果てたばかりでぐったりしていたはずの体が、またじわじわと熱を帯び始める。下腹部の奥が、きゅうんと疼き出した。
だめ。だめだめだめ!相手は、あんなに優しくしてくれたお姉ちゃんなのに。そんな目で見るなんて、最低だ。人間として、終わってる。
そう理性が叫ぶのに、体は正直だった。さっきよりもずっと強い、抗いがたい欲望の波が押し寄せてくる。ヒカリを想像することが、最高の媚薬になってしまっていた。もう、止められない。
「はぁ…っ、ん、ぅ…おねぇ、ちゃ…ん…」
震える声で、姉の名前を呼ぶ。その声は、自分でも驚くほど甘く、蕩けていた。ゆっくりと、自分のパジャマのボタンに手をかける。一つ、また一つと外していくと、露わになった胸の膨らみが、熱っぽい空気でひりついた。
自分の手で、そっとその柔らかさを包み込む。指先で、硬くなった先端をころころと転がす。
「ひぅ…っ、んん…っ」
まるで、ヒカリの優しい指が、そこに触れているかのような錯覚。想像の中のお姉ちゃんは、恥ずかしそうに、でも少しだけ大胆に、私の体を愛撫してくれる。
「もっと…、おねえちゃん…、もっと、さわって…」
喘ぎながら、もう片方の手をゆっくりと下腹部へと滑らせる。やわらかい湿った入り口へと指がたどり着く。想像の中のヒカリお姉ちゃんが、そこに優しく口づける。
「あ"あ"っ…!いや、だめ…っ、そんな、とこ…っ」
実際には誰もいないのに、あまりに鮮明な妄想に、体が勝手に反応してしまう。指を一本、そっと中に入れる。内壁をなぞるたびに、ヒカリの舌が絡めとってくるような錯覚に陥る。
「んく…っ、はぁ、はぁっ…、すごい…おねえ、ちゃ…ん…」
指を二本に増やし、内側を大きく広げるように動かす。想像の中のお姉ちゃんも、私に応えるように、もっと激しく求めてくる。その完璧な顔が、欲望に歪む様を思い浮かべるだけで、快感の電流が背筋を駆け上った。
「気持ち、いい…っ、おねえちゃんのも、きもちいいの…?おしえて…っ」
もう、罪悪感なんてどこかに消し飛んでいた。ただただ、この背徳的な快感に溺れたい。指の動きをさらに早く、激しくする。もうすぐ、いってしまいそう。想像の中のヒカリお姉ちゃんが、私の耳元で「一緒に、いこ…?ナギサちゃん…」と囁いた。
「い"く"ぅぅうううーーーーーっ!!!」
ひときわ大きな絶頂が、私を襲う。視界が真っ白に弾け飛び、全身が激しく痙攣した。お姉ちゃんの名前を叫びながら、私は二度目の快感の渦へと飲み込まれていった。
すべてを出し尽くし、ぐったりとベッドに沈む。変身は、完全に解けていた。でも、私の心と体は、もう元には戻れない場所に来てしまった。
優しくて完璧な姉。その人を、私は汚してしまった。そして、その背徳的な行為に、今までで一番の快感を覚えてしまったのだから。
ヒカリお姉ちゃんの優しい瞳が、ベッドの上で乱れたまま喘ぐ私を捉えている。頭が真っ白になり、血の気が引いていくのが分かった。見られた。一番見られたくない人に、一番醜い姿を。羞恥と絶望で、息の仕方も忘れてしまう。
「あ…、あ…」
何か言わなければ。弁解しなければ。でも、喉が張り付いて声が出ない。シーツを握りしめる指が、カタカタと震える。もうおしまいだ。軽蔑される。嫌われる。優しいお姉ちゃんは、もうどこにもいないんだ。
涙がじわりと滲んだ、その時だった。
ヒカリは、驚きに目を見開いていたが、すぐに我に返ると、慌てて私から視線を逸らした。そして、静かにドアを閉め、ゆっくりとこちらへ歩み寄ってくる。その顔は、気まずさと心配と、そして深い後悔の色を浮かべていた。
「ご、ごめんね、ナギサちゃん…!ノックもしないで、入ってきちゃって…。その、見てしまうつもりは、なかったの…本当にごめんなさい…」
ベッドのそばにそっと腰を下ろすと、ヒカリは心から申し訳なさそうに頭を下げた。軽蔑されると思っていたのに、返ってきたのは謝罪の言葉。その事実に、私はただ呆然とするしかなかった。
「ちが…、わたしのほうこそ…ごめんなさ…」
しどろもどろに言い訳をしようとする私を見て、ヒカリは少し逡巡した後、意を決したように顔を上げた。そして、恥ずかしそうに頬を赤らめ、ぽつり、と呟いた。
「…私も、そういうこと、あるから」
え…?
今、なんて…?
「だから、そんなに思い詰めないで。女の子は、みんな、そういう時期があるものだから…ね?」
そう言って、ヒカリお姉ちゃんは私の頭を優しく撫でた。その手は温かくて、震える私の心を少しずつ溶かしていくようだった。
絶望の淵から、一気に引き上げられる感覚。よかった。嫌われて、なかった。お姉ちゃんは、私のことを受け入れてくれたんだ。安堵感から、堪えていた涙がぼろぼろと溢れ出す。
「おねえちゃ…っ、うわぁぁ…ん」
私は子供のように、声を上げて泣いた。ヒカリお姉ちゃんは、そんな私をただ黙って、優しく抱きしめてくれた。
どれくらいそうしていただろう。私の嗚咽が少し収まった頃、ヒカリは「もし困ったことがあったら何でも相談に乗るからね」と言って、静かに部屋を出て行った。
一人になった部屋で、私はまだじんわりと温かい頭をぼうっとさせたまま、ベッドに横たわっていた。助かった。でも、それと同時に、私の心の中には、安堵とはまったく別の、新しい感情が芽生え始めていた。
『私も、そういうこと、あるから』
ヒカリお姉ちゃんの、恥じらうような声が、頭の中で何度も繰り返される。あの、いつも穏やかで、優しくて、完璧だと思っていたヒカリお姉ちゃんが? 私と同じように? 一人で?
想像してしまった。
静かな夜、自室のベッドで、あの綺麗な指が、自分の体に触れるところを。いつもは優しく微笑んでいる唇から、甘い吐息が漏れるところを。恥じらいに頬を染めながら、でも、抗えない快感に身をよじらせる姿を。
「あ…っ」
その背徳的な妄想は、恐ろしいほどの力を持っていた。さっき、一度果てたばかりでぐったりしていたはずの体が、またじわじわと熱を帯び始める。下腹部の奥が、きゅうんと疼き出した。
だめ。だめだめだめ!相手は、あんなに優しくしてくれたお姉ちゃんなのに。そんな目で見るなんて、最低だ。人間として、終わってる。
そう理性が叫ぶのに、体は正直だった。さっきよりもずっと強い、抗いがたい欲望の波が押し寄せてくる。ヒカリを想像することが、最高の媚薬になってしまっていた。もう、止められない。
「はぁ…っ、ん、ぅ…おねぇ、ちゃ…ん…」
震える声で、姉の名前を呼ぶ。その声は、自分でも驚くほど甘く、蕩けていた。ゆっくりと、自分のパジャマのボタンに手をかける。一つ、また一つと外していくと、露わになった胸の膨らみが、熱っぽい空気でひりついた。
自分の手で、そっとその柔らかさを包み込む。指先で、硬くなった先端をころころと転がす。
「ひぅ…っ、んん…っ」
まるで、ヒカリの優しい指が、そこに触れているかのような錯覚。想像の中のお姉ちゃんは、恥ずかしそうに、でも少しだけ大胆に、私の体を愛撫してくれる。
「もっと…、おねえちゃん…、もっと、さわって…」
喘ぎながら、もう片方の手をゆっくりと下腹部へと滑らせる。やわらかい湿った入り口へと指がたどり着く。想像の中のヒカリお姉ちゃんが、そこに優しく口づける。
「あ"あ"っ…!いや、だめ…っ、そんな、とこ…っ」
実際には誰もいないのに、あまりに鮮明な妄想に、体が勝手に反応してしまう。指を一本、そっと中に入れる。内壁をなぞるたびに、ヒカリの舌が絡めとってくるような錯覚に陥る。
「んく…っ、はぁ、はぁっ…、すごい…おねえ、ちゃ…ん…」
指を二本に増やし、内側を大きく広げるように動かす。想像の中のお姉ちゃんも、私に応えるように、もっと激しく求めてくる。その完璧な顔が、欲望に歪む様を思い浮かべるだけで、快感の電流が背筋を駆け上った。
「気持ち、いい…っ、おねえちゃんのも、きもちいいの…?おしえて…っ」
もう、罪悪感なんてどこかに消し飛んでいた。ただただ、この背徳的な快感に溺れたい。指の動きをさらに早く、激しくする。もうすぐ、いってしまいそう。想像の中のヒカリお姉ちゃんが、私の耳元で「一緒に、いこ…?ナギサちゃん…」と囁いた。
「い"く"ぅぅうううーーーーーっ!!!」
ひときわ大きな絶頂が、私を襲う。視界が真っ白に弾け飛び、全身が激しく痙攣した。お姉ちゃんの名前を叫びながら、私は二度目の快感の渦へと飲み込まれていった。
すべてを出し尽くし、ぐったりとベッドに沈む。変身は、完全に解けていた。でも、私の心と体は、もう元には戻れない場所に来てしまった。
優しくて完璧な姉。その人を、私は汚してしまった。そして、その背徳的な行為に、今までで一番の快感を覚えてしまったのだから。
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