9 / 13
第9話 変化
しおりを挟む
その数日後、 実技棟の廊下で、アレクシスは呼び止められた。
「相変わらず、好き勝手やってるみたいじゃないか」
声の主は、兄だった。
背筋の伸びた姿。 完璧な制服の着こなし。 周囲が自然と一歩距離を取る存在感。
「結果は出してるだろ」
アレクシスは、軽く肩をすくめる。
「問題ない」
兄は一瞬、言葉を選ぶように視線を逸らした。
「……まあ、お前はそういう役目じゃないしな」
悪意はない。 むしろ、気遣いのつもりなのだろう。 それが、一番きつい。
「自由で羨ましいよ」
そう言われた瞬間、胸の奥が冷えた。
――自由。
――期待されない場所。
それが、どれほど空虚かを、兄は知らない。
アレクシスは無造作に手を振ると、その場を離れた。兄は何か言いかけようとしたが、結局何も言わずに見送るだけだった。
廊下を歩きながら、アレクシスは歯を食いしばった。
自由で羨ましい? とんでもない冗談だ。
兄にはわからないだろう、期待されないことの寂しさが。
(あんたは全てを与えられている――家族の期待、将来の保証、すべてだ)
対して自分は、自由という名の無関心の中に放り込まれている。
教室に着くと、カイが近づいてきた。
「おう、アレクシス。……なんだか不機嫌そうだな」
「別に」
「そりゃ嘘だろ。顔に書いてある」
カイはからかうように笑う。アレクシスはそっぽを向いた。
「兄貴に会ったんだろ? いつもそうなるのはその時だけだ」
「分かっているなら、聞くな」
カイはアレクシスの隣に腰掛ける。
「で、今回は何て言われた? 『自由で羨ましい』とか、いつもの台詞か?」
アレクシスは黙ったままうなずく。
「はは、相変わらずだな。あの兄貴、本気でそう思ってるんだぜ。腹立つくらいに」
「馬鹿げている」
「同感だ。でもな、アレクシス、お前も少しは考えたほうがいい」
カイの声が少し真剣になる。
「お前、最近あの奨学生の子とよく一緒にいるらしいな」
アレクシスはカイを睨みつける。
「何が言いたい?」
カイは含みのある笑みを浮かべる。
「まあ、何をしようとお前の自由だが……身分が違うんだ、気をつけろよ。変な噂がかなり広まっている」
「どうでもいい」
「そうか? でも相手のためにもならないぞ」
カイの言葉に、アレクシスは眉をひそめる。確かにその通りだ。
セナはすでに奨学生という立場で大変なのに、これ以上変な噂が広がったら――
(あれが注目されるのは……面白くないな)
「おい、聞いてるか?」
カイの声に我に返る。
「ああ」
「まあいいや。授業始まるぞ」
カイは立ち上がり、自分の席に向かった。アレクシスは窓の外を見つめる。
***
放課後、アレクシスは中庭に向かった。 そこに、セナがいた。 ベンチに座り、本を読んでいる。 こちらに気づいて、顔を上げる。
「……どうかしましたか」
穏やかな声。 アレクシスは、その前に立ち、しばらく黙ってから言った。
「……期待されないのも、結構きついものだ」
セナが、目を瞬かせる。
「え?」
それ以上、アレクシスは続けなかった。 言えなかった。
期待されるのが怖い人間に、 期待されないことの痛みをどう説明すればいいのか、分からなかった。
セナは少し考えてから、小さく首を傾げる。
「……そうなんですね」
おそらくセナは分かっていない。 でも、否定もしない。
(……それで、いい)
アレクシスは、セナの隣に腰を下ろす。 肩が触れそうで、触れない距離。
守りたい。
手放したくない。
それが恋かどうかは、まだ分からない。
ただ――この少年だけは、 自分の世界から消えてほしくないと、強く思った。
「アレクシス様」
セナが静かに声をかける。
「何だ?」
「お話、ありがとうございます。僕に打ち明けてくださって」
「別に大した話じゃない」
「そうでしょうか? アレクシス様が人に話すような内容ではないと思います」
セナの指が、本のページの端をそっとなぞる。
「僕は……アレクシス様がそんな風に思っていたとは知りませんでした」
「当然だ。俺だってお前のことを何も知らなかったのだから」
「そうですね」
セナはかすかに微笑んだ。
「でも、お互いに少しずつ、知っていけるのかもしれません」
その言葉に、アレクシスの胸が軽く衝撃を受けた。知っていく? そんなこと考えたこともなかった。誰かと深く関わることなど――
「お前は本当に変な奴だ」
思わずそう口に出してしまう。
「そうですか?」
「ああ。俺のような厄介者に、わざわざそんなこと言うなんて」
「アレクシス様は厄介者ではありません」
セナの声には、少し力がこもっていた。
「確かに、問題児と言われていることは知っています。でも、アレクシス様は優しい方です」
「はっ、優しい?」
アレクシスは笑い出したい衝動を覚えた。
「誰も俺のことを優しいなんて言ったことはない」
「それはただ……皆さんがアレクシス様の本当の姿を見ていないからだと思います」
セナはうつむき、自分の指を見つめる。
「僕にはわかります。アレクシス様が人を傷つけるようなことはしないと。たとえ口は悪くても、行動はいつも誠実だと」
「お前……」
アレクシスは言葉を失った。この少年は、自分が気づいていなかった自分自身の一面を見透かしているようだ。
「どうしてそんなことがわかる?」
「だって――」
セナは顔を上げ、アレクシスをまっすぐ見つめる。その淡い金色の瞳が、夕日を受けて輝いている。
「アレクシス様は、僕が変なことを言っても、決して笑わないでくださいました。否定もせず、でも無理に慰めもせず……ただ、聞いてくださいました」
「それだけのことで?」
「それだけのことです」
セナの微笑みが、ほんの少し大きくなる。
「でも、それだけで十分でした。僕にとっては、それが――」
言葉を切って、セナは照れくさそうに視線をそらす。
「……とにかく、ありがとうございます」
アレクシスはただ黙ってセナを見つめていた。
この少年は、自分が思っている以上に鋭い。そして、とても傷つきやすい。
風が吹き、セナの柔らかい髪がほんのりと揺れる。アレクシスは無意識に、その髪を触りたい衝動を覚えたが、ぐっとこらえる。
(何を考えているんだ、俺は)
こんな感情は初めてだ。触れたい――そんな思いに駆られるなど。
(まずいだろ、これは)
自分が誰かにここまで執着するなんて、異常だ。 それでも、その異常さを止めたいとは思わなかった。
***
その夜、セナは自室でため息をつき、ベットに腰掛けた。
(アレクシス様のことが、どんどん気になってしまう)
これは危険な兆候だ。深く関われば、きっと傷つく。でも、なぜか離れられない。
ベッドに横たわり、天井を見つめながら、セナは考え込む。
アレクシスは確かに危険な存在だ。しかし、同時に唯一の安らぎでもある。
(この気持ちは、何だろう)
恋? そんなはずがない。自分が恋愛するなんて――
それに、アレクシスは公爵家の息子。自分とは雲泥の差だ。
「無理だよ……」
小声で呟くと、胸が少し痛んだ。 それでも、明日もアレクシスに会えると思うと、自然と笑みが浮かぶ。
(だめだ、こんなことでは)
セナは布団にもぐりこむ。しかし、アレクシスの顔が頭から離れない。
あの蒼い瞳、少し乱れた金髪、時折見せるかすかな笑み――
(止まれ……止まれってば)
自分に言い聞かせるが、心はもう止められなかった。
「相変わらず、好き勝手やってるみたいじゃないか」
声の主は、兄だった。
背筋の伸びた姿。 完璧な制服の着こなし。 周囲が自然と一歩距離を取る存在感。
「結果は出してるだろ」
アレクシスは、軽く肩をすくめる。
「問題ない」
兄は一瞬、言葉を選ぶように視線を逸らした。
「……まあ、お前はそういう役目じゃないしな」
悪意はない。 むしろ、気遣いのつもりなのだろう。 それが、一番きつい。
「自由で羨ましいよ」
そう言われた瞬間、胸の奥が冷えた。
――自由。
――期待されない場所。
それが、どれほど空虚かを、兄は知らない。
アレクシスは無造作に手を振ると、その場を離れた。兄は何か言いかけようとしたが、結局何も言わずに見送るだけだった。
廊下を歩きながら、アレクシスは歯を食いしばった。
自由で羨ましい? とんでもない冗談だ。
兄にはわからないだろう、期待されないことの寂しさが。
(あんたは全てを与えられている――家族の期待、将来の保証、すべてだ)
対して自分は、自由という名の無関心の中に放り込まれている。
教室に着くと、カイが近づいてきた。
「おう、アレクシス。……なんだか不機嫌そうだな」
「別に」
「そりゃ嘘だろ。顔に書いてある」
カイはからかうように笑う。アレクシスはそっぽを向いた。
「兄貴に会ったんだろ? いつもそうなるのはその時だけだ」
「分かっているなら、聞くな」
カイはアレクシスの隣に腰掛ける。
「で、今回は何て言われた? 『自由で羨ましい』とか、いつもの台詞か?」
アレクシスは黙ったままうなずく。
「はは、相変わらずだな。あの兄貴、本気でそう思ってるんだぜ。腹立つくらいに」
「馬鹿げている」
「同感だ。でもな、アレクシス、お前も少しは考えたほうがいい」
カイの声が少し真剣になる。
「お前、最近あの奨学生の子とよく一緒にいるらしいな」
アレクシスはカイを睨みつける。
「何が言いたい?」
カイは含みのある笑みを浮かべる。
「まあ、何をしようとお前の自由だが……身分が違うんだ、気をつけろよ。変な噂がかなり広まっている」
「どうでもいい」
「そうか? でも相手のためにもならないぞ」
カイの言葉に、アレクシスは眉をひそめる。確かにその通りだ。
セナはすでに奨学生という立場で大変なのに、これ以上変な噂が広がったら――
(あれが注目されるのは……面白くないな)
「おい、聞いてるか?」
カイの声に我に返る。
「ああ」
「まあいいや。授業始まるぞ」
カイは立ち上がり、自分の席に向かった。アレクシスは窓の外を見つめる。
***
放課後、アレクシスは中庭に向かった。 そこに、セナがいた。 ベンチに座り、本を読んでいる。 こちらに気づいて、顔を上げる。
「……どうかしましたか」
穏やかな声。 アレクシスは、その前に立ち、しばらく黙ってから言った。
「……期待されないのも、結構きついものだ」
セナが、目を瞬かせる。
「え?」
それ以上、アレクシスは続けなかった。 言えなかった。
期待されるのが怖い人間に、 期待されないことの痛みをどう説明すればいいのか、分からなかった。
セナは少し考えてから、小さく首を傾げる。
「……そうなんですね」
おそらくセナは分かっていない。 でも、否定もしない。
(……それで、いい)
アレクシスは、セナの隣に腰を下ろす。 肩が触れそうで、触れない距離。
守りたい。
手放したくない。
それが恋かどうかは、まだ分からない。
ただ――この少年だけは、 自分の世界から消えてほしくないと、強く思った。
「アレクシス様」
セナが静かに声をかける。
「何だ?」
「お話、ありがとうございます。僕に打ち明けてくださって」
「別に大した話じゃない」
「そうでしょうか? アレクシス様が人に話すような内容ではないと思います」
セナの指が、本のページの端をそっとなぞる。
「僕は……アレクシス様がそんな風に思っていたとは知りませんでした」
「当然だ。俺だってお前のことを何も知らなかったのだから」
「そうですね」
セナはかすかに微笑んだ。
「でも、お互いに少しずつ、知っていけるのかもしれません」
その言葉に、アレクシスの胸が軽く衝撃を受けた。知っていく? そんなこと考えたこともなかった。誰かと深く関わることなど――
「お前は本当に変な奴だ」
思わずそう口に出してしまう。
「そうですか?」
「ああ。俺のような厄介者に、わざわざそんなこと言うなんて」
「アレクシス様は厄介者ではありません」
セナの声には、少し力がこもっていた。
「確かに、問題児と言われていることは知っています。でも、アレクシス様は優しい方です」
「はっ、優しい?」
アレクシスは笑い出したい衝動を覚えた。
「誰も俺のことを優しいなんて言ったことはない」
「それはただ……皆さんがアレクシス様の本当の姿を見ていないからだと思います」
セナはうつむき、自分の指を見つめる。
「僕にはわかります。アレクシス様が人を傷つけるようなことはしないと。たとえ口は悪くても、行動はいつも誠実だと」
「お前……」
アレクシスは言葉を失った。この少年は、自分が気づいていなかった自分自身の一面を見透かしているようだ。
「どうしてそんなことがわかる?」
「だって――」
セナは顔を上げ、アレクシスをまっすぐ見つめる。その淡い金色の瞳が、夕日を受けて輝いている。
「アレクシス様は、僕が変なことを言っても、決して笑わないでくださいました。否定もせず、でも無理に慰めもせず……ただ、聞いてくださいました」
「それだけのことで?」
「それだけのことです」
セナの微笑みが、ほんの少し大きくなる。
「でも、それだけで十分でした。僕にとっては、それが――」
言葉を切って、セナは照れくさそうに視線をそらす。
「……とにかく、ありがとうございます」
アレクシスはただ黙ってセナを見つめていた。
この少年は、自分が思っている以上に鋭い。そして、とても傷つきやすい。
風が吹き、セナの柔らかい髪がほんのりと揺れる。アレクシスは無意識に、その髪を触りたい衝動を覚えたが、ぐっとこらえる。
(何を考えているんだ、俺は)
こんな感情は初めてだ。触れたい――そんな思いに駆られるなど。
(まずいだろ、これは)
自分が誰かにここまで執着するなんて、異常だ。 それでも、その異常さを止めたいとは思わなかった。
***
その夜、セナは自室でため息をつき、ベットに腰掛けた。
(アレクシス様のことが、どんどん気になってしまう)
これは危険な兆候だ。深く関われば、きっと傷つく。でも、なぜか離れられない。
ベッドに横たわり、天井を見つめながら、セナは考え込む。
アレクシスは確かに危険な存在だ。しかし、同時に唯一の安らぎでもある。
(この気持ちは、何だろう)
恋? そんなはずがない。自分が恋愛するなんて――
それに、アレクシスは公爵家の息子。自分とは雲泥の差だ。
「無理だよ……」
小声で呟くと、胸が少し痛んだ。 それでも、明日もアレクシスに会えると思うと、自然と笑みが浮かぶ。
(だめだ、こんなことでは)
セナは布団にもぐりこむ。しかし、アレクシスの顔が頭から離れない。
あの蒼い瞳、少し乱れた金髪、時折見せるかすかな笑み――
(止まれ……止まれってば)
自分に言い聞かせるが、心はもう止められなかった。
105
あなたにおすすめの小説
前世が教師だった少年は辺境で愛される
結衣可
BL
雪深い帝国北端の地で、傷つき行き倒れていた少年ミカを拾ったのは、寡黙な辺境伯ダリウスだった。妻を亡くし、幼い息子リアムと静かに暮らしていた彼は、ミカの知識と優しさに驚きつつも、次第にその穏やかな笑顔に心を癒されていく。
ミカは実は異世界からの転生者。前世の記憶を抱え、この世界でどう生きるべきか迷っていたが、リアムの教育係として過ごすうちに、“誰かに必要とされる”温もりを思い出していく。
雪の館で共に過ごす日々は、やがてお互いにとってかけがえのない時間となり、新しい日々へと続いていく――。
狼の護衛騎士は、今日も心配が尽きない
結衣可
BL
戦の傷跡が癒えた共生都市ルーヴェン。
人族と獣人族が共に暮らすその街で、文官ユリス・アルヴィンは、穏やかな日々の中に、いつも自分を見守る“優しい視線”の存在を感じていた。
その正体は、狼族の戦士長出身の護衛騎士、ガルド・ルヴァーン。
無口で不器用だが、誠実で優しい彼は、いつしかユリスを守ることが日課になっていた。
モフモフ好きなユリスと、心配性すぎるガルド。
灰銀の狼と金灰の文官――
異種族の二人の関係がルーヴェンの風のようにやさしく、日々の中で少しずつ変わっていく。
祖国に棄てられた少年は賢者に愛される
結衣可
BL
祖国に棄てられた少年――ユリアン。
彼は王家の反逆を疑われ、追放された身だと信じていた。
その真実は、前王の庶子。王位継承権を持ち、権力争いの渦中で邪魔者として葬られようとしていたのだった。
絶望の中、彼を救ったのは、森に隠棲する冷徹な賢者ヴァルター。
誰も寄せつけない彼が、なぜかユリアンを庇護し、結界に守られた森の家で共に過ごすことになるが、王都の陰謀は止まらず、幾度も追っ手が迫る。
棄てられた少年と、孤独な賢者。
陰謀に覆われた王国の中で二人が選ぶ道は――。
生まれ変わりは嫌われ者
青ムギ
BL
無数の矢が俺の体に突き刺さる。
「ケイラ…っ!!」
王子(グレン)の悲痛な声に胸が痛む。口から大量の血が噴きその場に倒れ込む。意識が朦朧とする中、王子に最後の別れを告げる。
「グレン……。愛してる。」
「あぁ。俺も愛してるケイラ。」
壊れ物を大切に包み込むような動作のキス。
━━━━━━━━━━━━━━━
あの時のグレン王子はとても優しく、名前を持たなかった俺にかっこいい名前をつけてくれた。いっぱい話しをしてくれた。一緒に寝たりもした。
なのにー、
運命というのは時に残酷なものだ。
俺は王子を……グレンを愛しているのに、貴方は俺を嫌い他の人を見ている。
一途に慕い続けてきたこの気持ちは諦めきれない。
★表紙のイラストは、Picrew様の[見上げる男子]ぐんま様からお借りしました。ありがとうございます!
転生したようだけど?流れに身を任せていたら悪役令息?として断罪されていた――分からないまま生きる。
星乃シキ
BL
発作の後に目覚めたら、公爵家嫡男の身体だった。
前世の記憶だけを抱えたまま生きるレイは、ある夜、男の聖女への嫌がらせの罪で断罪される。
だが図書室の記録が冤罪を覆す。
そしてレイは知る。
聖女ディーンの本当の名はアキラ。
同じ日本から来た存在だった。
帰りたい聖女と、この身体で生きるレイ。
秘密を共有した二人は、友達になる。
人との関わりを避けてきたレイの人間関係が、少しずつ動き始める。
何故よりにもよって恋愛ゲームの親友ルートに突入するのか
風
BL
平凡な学生だったはずの俺が転生したのは、恋愛ゲーム世界の“王子”という役割。
……けれど、攻略対象の女の子たちは次々に幸せを見つけて旅立ち、
気づけば残されたのは――幼馴染みであり、忠誠を誓った騎士アレスだけだった。
「僕は、あなたを守ると決めたのです」
いつも優しく、忠実で、完璧すぎるその親友。
けれど次第に、その視線が“友人”のそれではないことに気づき始め――?
身分差? 常識? そんなものは、もうどうでもいい。
“王子”である俺は、彼に恋をした。
だからこそ、全部受け止める。たとえ、世界がどう言おうとも。
これは転生者としての使命を終え、“ただの一人の少年”として生きると決めた王子と、
彼だけを見つめ続けた騎士の、
世界でいちばん優しくて、少しだけ不器用な、じれじれ純愛ファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる