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第12話  馬車での移動ってお尻に大ダメージだからさ

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「とりあえず、俺はテレビの収録があるから、1日で兄ちゃん達の武器を回収だな」



「1日で終わらせられるかな?普通、ダンジョンとかって、何日もかけて攻略するんじゃないの?」



「うん、そうなんだけど、ほらこれダンジョンの地図、こことここに兄ちゃん達に合いそうな武器があるんだよ!」



デバイスを取り出し、過と寛太に画像を送信した。



「多分だけど、最終ダンジョンの6階レベルが楽勝なんで、ここは、半日もあれば15階層まで行けると思うよ。」



「このダンジョン何階まであるの?」



「それは、地図見て」



「うわ、長い」



「細い」



「そして36階層まであるの?」



「実は39階層まであるの。地図はランダム仕様で、勘で攻略」



「全体的に狭いのな」



「うん3分の1はまあまあ広い砂漠とか森林とか氷河期みたいな階層があるよ」



「え、それムリゲじゃない?」



「あー。なんとかなるのかな?」



「何その疑問系」



「だってさ、この前モンスター倒してても、返り血浴びなかったし、寒かったり熱かったりしなかったろ?」



「確かに......一徳ボンボン魔法みたいなの出してたもんな?」



「あー、じゃあ、結構色々無効なわけね俺達」



「多分、問題は、シャルロットが無事に進めるかだね」



一通り話し終わると、喚び出した主に向き直る



「そういう訳でちょっぱやで頼む」



「なんて計画なのよ!」



まあまあ、とにこやかな3兄弟



「一徳は、芸能人なんで、え~とほら、この世界でも劇場で演技する人とかいるでしょ?ああいう類いの人間なので、一ヶ月ぐらい来れないんじゃない?」



「うーん。休憩時間や食事する時間はあるから、こっちから連絡するよ?」



「そうか、休憩時間充てられるか。」



「とりあえず、行こうか?」



かなり多目の荷物を寛太の収納の中に入れて、活動開始

寛太は物書きなので、基本自由な時間が多い。

取材にいくと言っていれば、結構な時間を作れる。

○○新聞に連載も載せて貰っているが、ストックをかなり渡してきたので、問題ない。

過は、サラリーマンなので、時間に負われている。

過達にとって日曜日なので、5日以内に終われれば良いかなと思っている。

基本的には寛太がトラブル対応する事になりそうだ。



シャルロットの魔力の回復も必要なので、セーフティスペースで休んでもらう必要がある。一人で大丈夫と言っていたが、監督として、お兄ちゃんに付いてきて貰うべきだという事になり、お兄ちゃん、騎士団に連絡して、まだ突破できていないダンジョンの調査に行くという名目で2週間ほど時間を貰った。



「じゃあ、お兄ちゃん行こうか?」



「貴殿に兄と言われる筋合いは無いが。」



「やだなー、そんなにカタクナッテ、今からそんなんじゃ、やってけないよ?1週間。」



ポンポンと、シャルロットの兄の鎧を叩く一徳



「えっと、ヒューゴは、行けると思うから、行くよ?良いかな?」



「え、どういう事?」



「[ヒューゴまで移動]」



一徳が呪文を唱えると馬車ごと移動したようで

御者もビックリである。



「え?ここはヒューゴ?」



シャルロットの屋敷から3日ほどかかる街ヒューゴ

深い森に囲まれた街と、肥沃な大地に広がる農村地帯が一体となった、かなり豊かな土地だ。ルルロッティ侯爵領地の為、シャルロットや、シャルロットの兄のルイスも馴染みがあるので間違える訳はない。



「そ、御者さんには悪いけど、街で宿とってもらって、自由にしてもらってて良いから、その3日後か4日後に俺達出てくるから、その後農村回ってみたいんだよね!お願いできる?」



ちょっと何いってるのかわからない顔をしているが、コクコクと頷く御者



「こんな高度な魔法が使えるのか?便利な召喚獣だな。」



「そ、そうなんですの......ホホホ」





冷や汗をかいているシャルロットは、知ったかブリを決め込んだ。
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