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第13話  全力疾走で耐久ウン時間

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ヒューゴには、美味しいお肉が沢山住んでいる

養豚場と、放牧で牛や羊も飼われていて乳製品も沢山ある。

農産物も豊富で、町は賑わっている。



行商人や、冒険者も色んな所からやってくる。



一徳は一度で良いからゲームに出てきたカボチャのグラタンが食べたいと、思っている。町のレストランではなく、農村部にある、隠れた名店



アトモスフィアというレストランのグラタンだ。

一旦兄達に武器を持たせて、魔法を使わせてみて、問題なければ早くダンジョンから戻って、御者に連れていって貰いたい。



「とりあえず、シャルロット、走って10階まで降りるから、付いてきてね!疲れたら教えてね!」



「「はっ?」」



シャルロットとお兄ちゃんは一緒に疑問符を浮かべた。



ダンジョン入り口のお姉さんに受け付けて貰い、中に入ると一徳が走り出した。



「え、本当に走る気?」



「シャルロットもお兄ちゃんもソコソコ体力あるだろ?走るよ!」



「俺達はどうするんだよ、体力そんなにないぜ?」

過と寛太達は自信が無かった。



「んー、大丈夫そうだよ?走ってみ?びっくりするぐらい走れるから!」



「俺は、最近家に籠りっきりだっつうの!」



置いていかれるのは堪らないので寛太は走った。



軽い。



ナニコレ?



小学生の時に速くなれそうな運動靴が流行ったが

履いて走っても、靴の軽さが嬉しい、確かに軽いが速くなったかというとそうではない。

結局足の速さというのは自分の能力に左右されるんだなと、鍛練を疎かにした者には靴だけで速くなる訳ではないんだと、悟った10才の秋。



寛太は、ゾクゾクした。



「ヤバい、チートでしょこれ。」



嬉しくなって、一徳の隣までダッシュした。



「ね?」



「ああ」



ニヤッと悪い子供みたいな顔で嬉しそうに走る兄弟

それに必死に追い付こうと、走るシャルロット兄妹



ダンジョンを走り抜けていく姿を他の冒険者達は唖然と見守っていた。

後ろから魔物の群れでも来るのかと警戒しながら....まあ、杞憂に終わるのだけれども。



じゃあ、あれ、なんだったの?という唖然





「はあ、はあ、ちょっと、待ちなさいよ!」



かれこれ30分ほど走りっぱなしである



「シャルロット、疲れた?」



雑魚魔物を鞭で凪ぎ払いながら進む一徳だったが、全力疾走レベルで走り続けていたので、息があがった兄妹。



「ば、はあはあ、....化け物め....はあはあ」



お兄ちゃん鎧着て全力疾走はきついよね。



「【体力回復】」



そう言って一徳が、二人同時に魔法をかけた。

スタミナを一気に回復させる魔法である。



「じゃ、行こうか?」

一徳の笑顔が憎らしい....と、言わんばかりのシャルロットであった
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