イケメン教師陵辱調教

リリーブルー

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第二十章 麓戸の店で

イケメン教師、優しく抱きよせられる

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「へえ。やるじゃないか」
麓戸は見直したというような顔で小坂を見た。

 自分だってやれるのだ。やるときはやるのだ。
 あなたの知っている僕だけが僕じゃない。

 麓戸と距離を置いたのも良かったのかもしれない。
 麓戸と離れることはつらかった。
 片時も離れられないような気がしていた。
 不安だった。麓戸と離れていられるとは思えなかった。麓戸に完全に依存していた。
 だが、自分は大人だ。
 一度は命を絶とうとするくらい追い詰められた。
 でも今は自分で立っている。
 あなたなしでも僕は自分で立っているんです。 
 そんな自負が小坂を包んだ。
 

「僕が防いだというか、結局は、やり遂げたのは、今の生徒会長なんですけどね。僕は後押ししただけなので」
小坂は謙虚に言った。照れ隠しだった。

「ふうん。自分ができなかったことを、生徒にやらせたわけか」
麓戸の言い方は少し小坂をさげすんでいるように聞こえた。
 麓戸のものいいに嫉妬が含まれているのを感じて小坂はカチンときた。そんな小さい人であってほしくない。
 それに、
「そんな言い方」
まるで子どもに夢を押しつける支配的な親みたいじゃないか。
 小坂は言い返した。

 
「いや、オデトも根性があるなと思っただけだ」
麓戸はあっけらかんとこたえた。
 小坂が悪く受け取っただけかもしれない。
「でも、本当に性処理係はなくなったのか?」
麓戸は疑うように聞いた。

「それが、なくなっていなかったんです」
小坂は肩を落とした。

「悪習は簡単になくなるものではないからな」
麓戸は、さして驚いた様子も見せなかった。


「でも宮本が、本当になくしてくれるかもしない」
小坂は希望を捨てていなかった。

「それで宮本君を次期生徒会長に?」
麓戸が聞いた。

「選挙で決まるものですし、僕は何もタッチしていませんが、そうなればいいと思っています」
小坂は答えた。

「俺はオテルを生徒会長に、と思ったんだが。寄付金は積むつもりだった。まあ、どのみち、オテルじゃあ、無理か」
麓戸は残念そうに苦笑した。

「でも、宮本君が性処理係にならなくてよかった。俺たちのような、つらい思いをさせないですんだのだから」
麓戸は、小坂を見ながらも、心はどこか遠くを見ているようだった。

 つらい? 

 小坂は引っかかった。
 麓戸は性処理係を楽しんでいたのではなかったか? 

「オデト……」
名を呼ばれて顔をあげた。そこには麓戸の優しいまなざしがあった。

「つらかったな」
麓戸の腕が、そっと小坂を抱き寄せた。

 耳もとで麓戸の声があたたかく響く。
「オデトも俺も、よく耐えた。よく頑張ってつらさを乗り越えて生きてきた」

オデトも俺も? 

 彼はつらくなんてなかったんじゃなかったのか?
 楽しんでいたというのは強がりだったのか? やはり楽しんでいただけではなかったのか?
 
 小坂は複雑な気持ちになった。
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