313 / 475
第二十章 麓戸の店で
イケメン教師、調教師に言い当てられて泣かされる
しおりを挟む
麓戸がため息をついた。
「今日のオデトの話で理解したよ。オデトは小父さんとの行為が忘れられないんだろう? だから、あんな校長みたいな助平オヤジとの変態行為に執着しているんだ。校長は身体がデカいから、オデトは自分が少年になった気分を味わえるんだろう……」
「やめてください」
小坂は麓戸の話をさえぎって耳をふさいだ。
「もういいです、そんな話、やめて……」
小坂は顔を覆った。
立ちくらみがしそうだった。
「おやおや。図星みたいだな。わかったよ、もう言わないから、泣くなよ。泣かれるとこっちもつらい」
麓戸は小坂の肩を抱いた。
「図星じゃありません」
小坂は言い返した。
「わかったよ。そういうことにしておくから。もう泣くな」
麓戸の声は笑いを噛み殺しているようだ。
「泣いてもいません」
「そうか。じゃあ顔を見せろよ。そんな風に手で隠してないでさ。ほら、こっち見ろよ」
麓戸が小坂の手を顔からはぎ取る。
小坂は膨れっ面をした。
「なんだ。やっぱり泣いてたんじゃないか。目が赤い」
麓戸が笑った。
「泣いてないです!」
涙なんかこぼしていない。
「まあ、いいさ。そうやって言い張っていれば」
麓戸はニヤニヤして小坂の顔を眺めている。
「それにしても」
麓戸は言う。
「ずいぶん興奮していたよな。小父さんとの行為を打ち明けていたとき」
「それは、麓戸さんじゃありませんか。僕はただ……」
麓戸は笑って小坂の言葉をさえぎる。
「ごめん。俺は、さっきも言った通り、オデトが自分の話をしてくれたのが嬉しかったんだ」
「嘘だ」
「なんで。さっきからずっとそう言ってるじゃないか」
信じられなかった。
麓戸は変態プレイの一貫として小坂の話を楽しんだにすぎないだろう。
期待などしていなかった。理解なんて。
それでもいい。それでも聞いてくれるなら。そして記憶を塗り替えてくれるなら。
「そんな……信じられない」
そんな普通のことで、この人が喜ぶなんて。
「意外そうだな」
「だって、そんなの……」
麓戸が、そんなまともな人間だなんて思えない。
「もっと、変態的なことをしないと俺が喜ばないとでも思っていたか?」
「はい……」
そうだ。いつだってそうだった。小坂が何をして見せても麓戸は退屈そうだった。せっかく要求をかなえても、すぐにもっと過激なことを要求された。それで小坂の麓戸とのプレイはどんどんエスカレートしていった。
「充分、変態的な話だったからな」
「麓戸さん! 感動しかかって損をしました」
「感動?」
「麓戸さんが、まともな人間のわけがありませんから、僕は、期待しません」
麓戸はあの時、小坂の話に明らかに興奮していた。麓戸のモノが小坂の中でガチガチに固くなっていたのでよくわかった。
「厳しいな。それで、俺の話を受けないのか。信用されてないってことか。仕方ない。オデトに信用されるまで待つよ」
「そうしてください」
信じられないのは自分の方なのかもしれない。そうだったらいいと思う。
「今日のオデトの話で理解したよ。オデトは小父さんとの行為が忘れられないんだろう? だから、あんな校長みたいな助平オヤジとの変態行為に執着しているんだ。校長は身体がデカいから、オデトは自分が少年になった気分を味わえるんだろう……」
「やめてください」
小坂は麓戸の話をさえぎって耳をふさいだ。
「もういいです、そんな話、やめて……」
小坂は顔を覆った。
立ちくらみがしそうだった。
「おやおや。図星みたいだな。わかったよ、もう言わないから、泣くなよ。泣かれるとこっちもつらい」
麓戸は小坂の肩を抱いた。
「図星じゃありません」
小坂は言い返した。
「わかったよ。そういうことにしておくから。もう泣くな」
麓戸の声は笑いを噛み殺しているようだ。
「泣いてもいません」
「そうか。じゃあ顔を見せろよ。そんな風に手で隠してないでさ。ほら、こっち見ろよ」
麓戸が小坂の手を顔からはぎ取る。
小坂は膨れっ面をした。
「なんだ。やっぱり泣いてたんじゃないか。目が赤い」
麓戸が笑った。
「泣いてないです!」
涙なんかこぼしていない。
「まあ、いいさ。そうやって言い張っていれば」
麓戸はニヤニヤして小坂の顔を眺めている。
「それにしても」
麓戸は言う。
「ずいぶん興奮していたよな。小父さんとの行為を打ち明けていたとき」
「それは、麓戸さんじゃありませんか。僕はただ……」
麓戸は笑って小坂の言葉をさえぎる。
「ごめん。俺は、さっきも言った通り、オデトが自分の話をしてくれたのが嬉しかったんだ」
「嘘だ」
「なんで。さっきからずっとそう言ってるじゃないか」
信じられなかった。
麓戸は変態プレイの一貫として小坂の話を楽しんだにすぎないだろう。
期待などしていなかった。理解なんて。
それでもいい。それでも聞いてくれるなら。そして記憶を塗り替えてくれるなら。
「そんな……信じられない」
そんな普通のことで、この人が喜ぶなんて。
「意外そうだな」
「だって、そんなの……」
麓戸が、そんなまともな人間だなんて思えない。
「もっと、変態的なことをしないと俺が喜ばないとでも思っていたか?」
「はい……」
そうだ。いつだってそうだった。小坂が何をして見せても麓戸は退屈そうだった。せっかく要求をかなえても、すぐにもっと過激なことを要求された。それで小坂の麓戸とのプレイはどんどんエスカレートしていった。
「充分、変態的な話だったからな」
「麓戸さん! 感動しかかって損をしました」
「感動?」
「麓戸さんが、まともな人間のわけがありませんから、僕は、期待しません」
麓戸はあの時、小坂の話に明らかに興奮していた。麓戸のモノが小坂の中でガチガチに固くなっていたのでよくわかった。
「厳しいな。それで、俺の話を受けないのか。信用されてないってことか。仕方ない。オデトに信用されるまで待つよ」
「そうしてください」
信じられないのは自分の方なのかもしれない。そうだったらいいと思う。
0
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
皇帝陛下の精子検査
雲丹はち
BL
弱冠25歳にして帝国全土の統一を果たした若き皇帝マクシミリアン。
しかし彼は政務に追われ、いまだ妃すら迎えられていなかった。
このままでは世継ぎが産まれるかどうかも分からない。
焦れた官僚たちに迫られ、マクシミリアンは世にも屈辱的な『検査』を受けさせられることに――!?
平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)
優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。
本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる