316 / 475
第二十章 麓戸の店で
イケメン教師、ネックレスをはずす調教師に魅了される
しおりを挟む
三者面談の時も、そのネックレスは麓戸のセクシーな胸元を飾っていた。
開いたシャツの首元からその奥へと自然に視線が誘われるような胸元のアクセサリー。
ドキドキして視線をそらさずにはいられなかった。だが面と向かうと目に入ってしまう。
ペンダントトップについているチャームが何なのかまではよくわからなかった。
麓戸の胸元から香る懐かしい麓戸の匂いと入り混じったムスクの香り。
麓戸が小さな生徒用の机に身を乗り出すたびに、小坂はくらくらした。そのまま席を立って麓戸の胸に顔を埋めたい気持ちを、かろうじて理性で抑えていた。
いじわるだ。こんな気持ちにさせるなんて。
ネックレスの鎖とチャームの先にある麓戸の肉体を知っているだけにムラムラする気持ちを抑えられなかった。
そして挙げ句の果てに、ついに学校で麓戸さんとあんなことまでしてしまった!
いけないことだとわかっていたけれど止められなかった。
教室で生徒の保護者としての麓戸とする行為。駄目だと思うほどに興奮してしまった。
麓戸に突かれながら、廊下を通る生徒たちと目が合う。
恥ずかしすぎる!
してはならない行為。恥ずべき行為だ。
なのに感じてしまった。
駄目だ。あんなこと!
そう。もうしてはいけない。だから麓戸さんはこんな貞操帯を僕につけ、いましめて、僕の暴走を止めようというのだろう。
麓戸は首飾りをはずした。
その仕種に、小坂はクラッとした。
小坂から見て、麓戸は男らしい男だった。身体だって鍛えられていて筋肉質だ。頭の回転も速く、よく知らないが、やり手の実業家らしい。
けれど麓戸は校長のように大柄ではない。小坂より背は高いが校長より細身だ。鞭のようにしなやかな身体というのだろうか。無駄な贅肉のない肉体。小坂がプレイの時に垣間見る麓戸の肉体はそうだった。
麓戸は注意深く節制しトレーニングして体型を維持しているようだった。それは週末に麓戸の部屋に泊まりいっしょに過ごしていた時に知ったことだった。
そういう注意深い麓戸が時折り見せる隙に、小坂はゾクゾクさせられた。
男らしさの鎧を着こんだ麓戸の、時折り垣間見える女性的な部分。
どう見ても男らしいのに、ふとした瞬間に女のような艶やかさを感じる。
普段は麓戸の厳しい態度やシニカルなもの言いが前面に出ていて隠れている。だが、麓戸は美しい顔立ちだった。小坂は時々そのことに気づいてぼうっとなった。
麓戸自身はきれいな顔だと言われるのは好みでないようだった。
一度まじまじと見つめてしまい麓戸に、
「どうした」
と尋ねられたことがあった。
「麓戸さんの顔があまりにきれいだったので」
と小坂が答えると、麓戸は嫌そうな顔をした。プイと顔を背けて、
「そういうことを言われるのは好きじゃない」
と言っていた。
それで小坂は自重した。それでも時折り見惚れてしまうことがあった。そのたびに麓戸は不快そうに顔をそむけた。
小坂は申し訳なく思った。が、美しい人の顔をまじまじと見てしまうことを止められなかった。
そんな麓戸の時折り垣間見える艶っぽさを、そのネックレスは象徴するように小坂には思えた。
開いたシャツの首元からその奥へと自然に視線が誘われるような胸元のアクセサリー。
ドキドキして視線をそらさずにはいられなかった。だが面と向かうと目に入ってしまう。
ペンダントトップについているチャームが何なのかまではよくわからなかった。
麓戸の胸元から香る懐かしい麓戸の匂いと入り混じったムスクの香り。
麓戸が小さな生徒用の机に身を乗り出すたびに、小坂はくらくらした。そのまま席を立って麓戸の胸に顔を埋めたい気持ちを、かろうじて理性で抑えていた。
いじわるだ。こんな気持ちにさせるなんて。
ネックレスの鎖とチャームの先にある麓戸の肉体を知っているだけにムラムラする気持ちを抑えられなかった。
そして挙げ句の果てに、ついに学校で麓戸さんとあんなことまでしてしまった!
いけないことだとわかっていたけれど止められなかった。
教室で生徒の保護者としての麓戸とする行為。駄目だと思うほどに興奮してしまった。
麓戸に突かれながら、廊下を通る生徒たちと目が合う。
恥ずかしすぎる!
してはならない行為。恥ずべき行為だ。
なのに感じてしまった。
駄目だ。あんなこと!
そう。もうしてはいけない。だから麓戸さんはこんな貞操帯を僕につけ、いましめて、僕の暴走を止めようというのだろう。
麓戸は首飾りをはずした。
その仕種に、小坂はクラッとした。
小坂から見て、麓戸は男らしい男だった。身体だって鍛えられていて筋肉質だ。頭の回転も速く、よく知らないが、やり手の実業家らしい。
けれど麓戸は校長のように大柄ではない。小坂より背は高いが校長より細身だ。鞭のようにしなやかな身体というのだろうか。無駄な贅肉のない肉体。小坂がプレイの時に垣間見る麓戸の肉体はそうだった。
麓戸は注意深く節制しトレーニングして体型を維持しているようだった。それは週末に麓戸の部屋に泊まりいっしょに過ごしていた時に知ったことだった。
そういう注意深い麓戸が時折り見せる隙に、小坂はゾクゾクさせられた。
男らしさの鎧を着こんだ麓戸の、時折り垣間見える女性的な部分。
どう見ても男らしいのに、ふとした瞬間に女のような艶やかさを感じる。
普段は麓戸の厳しい態度やシニカルなもの言いが前面に出ていて隠れている。だが、麓戸は美しい顔立ちだった。小坂は時々そのことに気づいてぼうっとなった。
麓戸自身はきれいな顔だと言われるのは好みでないようだった。
一度まじまじと見つめてしまい麓戸に、
「どうした」
と尋ねられたことがあった。
「麓戸さんの顔があまりにきれいだったので」
と小坂が答えると、麓戸は嫌そうな顔をした。プイと顔を背けて、
「そういうことを言われるのは好きじゃない」
と言っていた。
それで小坂は自重した。それでも時折り見惚れてしまうことがあった。そのたびに麓戸は不快そうに顔をそむけた。
小坂は申し訳なく思った。が、美しい人の顔をまじまじと見てしまうことを止められなかった。
そんな麓戸の時折り垣間見える艶っぽさを、そのネックレスは象徴するように小坂には思えた。
1
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
皇帝陛下の精子検査
雲丹はち
BL
弱冠25歳にして帝国全土の統一を果たした若き皇帝マクシミリアン。
しかし彼は政務に追われ、いまだ妃すら迎えられていなかった。
このままでは世継ぎが産まれるかどうかも分からない。
焦れた官僚たちに迫られ、マクシミリアンは世にも屈辱的な『検査』を受けさせられることに――!?
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
男子寮のベットの軋む音
なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。
そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。
ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。
女子禁制の禁断の場所。
平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)
優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。
本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる