イケメン教師陵辱調教

リリーブルー

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第四章 校長とイケメン教師

イケメン教師、麻薬のような恋に誘われる

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 窓のそばにたたずんで、罌粟のように赤く禍々しく燃え盛る雛罌粟を瞳に映していた校長は、小坂のことばに、
「何を今さら!」
と、驚いたように振り向いた。校長は驚きに満ちた目を見開いて、小坂の顔を見返した。
「君はおかしなことを言うね」
校長は、小坂の方に歩み寄ってきた。

「え……」
小坂は、校長の思いがけない反応にたじろいでソファから立ち上がった。

 気圧されて退きかかる小坂の腕を校長は、つかんで、小坂の身体をソファに押し戻して言った。
「君のことを好きでなかったら、昨日のようなことをするわけがないじゃないか」

「先生……」
小坂は校長の視線に呪縛された。小坂は、その熱いまなざしに耐えられず、視線を校長の足もとに落とした。

 クリームで磨かれ手入れされ、しっとりと輝く校長の黒い革靴のつま先に力が入って甲の部分に皺が寄り、キュッと小さく軋んで鳴った。
「えっ、校長っ」
校長が、ソファに腰掛けている小坂の足もとに跪いたことに、小坂は驚いてやめさせようとした。
 校長は、制する小坂の手をつかみ、黒い革のシートに、きゅうっと押しつけた。小坂の指がひしゃげて、滑らかな革の肌に無理やり押しつけられた。つかんでいる人の熱が指先からじんじんと伝わってきて熱い。

 校長は、小坂の顔を下から、じっと見上げて言った。
「君は、ああいうプレイが、好きなんだろう?」

 小坂の胸が、カッと熱くなった。

「悪のりが過ぎたとは思っている。昨日のことを、君は、怒っているのか?」
校長が聞いた。

「怒ってますよ」
小坂は、校長をにらんだ。

「昨日は、ずいぶん派手に、引っぱたかれたものな」
校長は豪快に笑った。

 小坂は、唇をぎゅっと引き結んだ。

 小坂が、いっしょになって笑わないのを案じたように、校長は、再び小坂の顔をのぞきこんだ。
「そうか、君は、ほんとうに、嫌だったんだね?」

「嫌……」
小坂は言いかけて、言葉をとめた。
 窓の外で真っ赤なコクリコがいっせいに首を揺らした。
「君も雛罌粟、我も雛罌粟……」
一面に雛罌粟の咲き乱れる草原が、小坂の脳裡に広がった。ザワザワと風が雛罌粟を揺らし丘を吹きすぎていく。

「coquelicot……ギリシャ神話の女神は罌粟の花で心を慰めていたといいます……」
小坂は心を漂わせた。

 校長が、小坂の力なく肘掛けに横たわっている片方の手を取って、もう一度、聞き直した。
「阿片……。麻薬のような恋は、嫌か?」

「嫌……じゃない」
校長の手のひらに乗せられた、死人のような自分の手に、小坂は定まらぬ視線を落とした。

 校長は、皇女にするように恭しく、小坂の手をおしいただいて、小坂の指先に接吻した。

「指先へのキスは賞賛のキス」
手をゆだねたままの小坂に校長は言った。

 小坂は、微かに頷いた。
 
 小坂のスーツとワイシャツの袖を押し上げて校長は小坂の手首に接吻した。

 黙っているのが苦しいほどに、濃密な感情と欲望が小坂の胸にこみあげてきた。
「手首へのキスは、欲望のキス」
校長は、そう言って小坂の目をじっと見上げた。

「そんな目で見ないでください! あなたのまなざしは、僕を壊してしまう!」
小坂は嘆くように叫ぶとソファに倒れこんだ。

 校長が、小坂の横に座って尋ねた。
「嫌では、ないんだね?」

 片手で顔を隠しながら、小坂は打ち明けた。
「僕は、ずっと、不安だったんです」

「そうだったのか」
校長が小坂の肩を抱いた。

「僕は……つらいんです」
 小坂は、がくりと首を仰け反らせ、くずおれた。
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