壁乳

リリーブルー

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初回のプレイ体験 + プレイ後の帰り道の会話

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 狭い個室にひとり。

 壁に開いた穴から、二つの突起――
 それが、俺の目の前にあった。

 (……やっぱり、男の乳首だよな、これ)

 そう思っても、なぜか立ち去れなかった。



 妙にきれいで、淡いピンク色をしていて、
 ちょっと……勃ってる?乳首。
 緊張しているのか、期待感で、もう興奮しているのか。
 若い男らしく、肌はきれいだ。

 しっとりしていて、透明感がある。

 ――男の、なんだよな。

 でも、なんだろう。
 見てるだけで、なんかこう、ムラムラするというか……。



 意を決して、指をのばした。

 ふに……と、少し弾力のある感触。

 触れた瞬間、乳首がびくんと跳ねる。

 「っ……」

 ――え、今、反応した?



 もう一度、人差し指で軽く突いてみる。

 ぴく、ぴくっと、まるで電気が走ったように反応する乳首。

 (これ、女とか男とか関係なく……感じてるのか?)



 気づけば、指だけじゃなく――
 唇を寄せていた。

 ちゅっ、ちゅぷっ……と、舌を滑らせて吸う。

 ねっとりと、乳首を転がしながら、指で反対側の乳首を撫でる。

 そのたびに、向こう側でかすかに揺れる影。

 (ああ、ヤバい……これ、ハマるやつだ……)



 反応が甘くて、素直で、
 壁の向こうで震えてる身体が、なんだか愛しくなってくる。

 唇を離したあとも、ずっと先端が尖ったままだった。



 そして、時間が来た。

 ライトが消えて、カバーが閉まり、乳首も壁の奥へと引っ込んでいく。

 指先に、まだ感触が残っていた。



 待合室に戻ると、タイミングを合わせたように涼真がやって来た。

 「おつかれさまでした。どうでした?」
 一仕事終えたみたいな、すっきりした爽やかな笑顔で、涼真が尋ねた。

 「……ん。まあ……なんつーか、初めてだったけど……」
 俺は、言葉を濁す。

 「案外、よかったでしょ?」
 涼真が、いたずらっぽい表情で、俺の顔をのぞきこむ。

 「……まあ、そうだな」
 俺は、あいまいに答えて、ごまかす。
 俺は言いそびれた。
 “男だったかも”なんて。
 今さら言えなかった。
 だって、涼真が「普通に女性が相手」だった風に、興奮してしゃべるから――


 「思った以上に、すっごい良くて……さすがですね!って感じでした。最初は、緊張してる感じだったけど、だんだんこう、向こうも興奮してきてるのがわかって……壁越しなんだけど、息遣いがわかるっていうか。様子がうかがえるというか。かなり興奮しました。ここだけの話、俺、抜きました……」

 「……お前、マジで……!? おい、俺の前で“抜きました”とか言うなよ!」

 「す、すみません。でも……先輩だって、抜きましたよね?」

 「……っ、それは……」
 
 「ねえねえ、先輩は、どうだったんですか?」

 興味津々な顔で尋ねる。

 「……うん、俺の方も、まあまあかな……」

 どう返せばいいかわからない。

 何で俺のところは、男だったんだろう?
 手違いなんだろうけど……。

 でも……なぜか、どきどきがおさまらない……。涼真みたいに、抜けばよかったのかな。
 そんなこと、してもよかったんだ? まあ、コンドームも置いてあったしな……。
 でも、男の乳首で……?
 それは、まずい気がした……。


 外に出ると、夜風が少し涼しかった。

 「また行きたくなったら言ってくださいね。次は指名とか、してもいいらしいですよ」

 「……指名、か」

 俺の中で、何かがゆっくりと動き始めた夜だった。



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