されど空の蒼さを知る

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「あはははははw」「聞いてよ最近さww」「ばかかよwww」「んなわけあるかよw」「ったくさーw」「あの女の子可愛くね?」「はい乙ーwwww」「あのころはさ、おr…」「最近アイツどうしてんやろ」「俺ってさ…」「最近彼女がな…」「いやお前ごときがさ…」「うるさいんだよッ!!!」「なんでなの!!教えてよ!!」「うぬぼれてやがるww」「君に意味なんかないよw」「用済み。ばいばーいw」「あははwwwwwww」





、、、人間のうるさい鳴き声を知覚しても、思うことは何も無かった。自分の居場所さえわからない人間なんだから、抱くものなんかあるわけがない。

しかし俺がどこにいるかは分かる。

ここは町田駅。

昼は自分の生活を考えて過ごし、
夜は自分の欲望の優先し過ごす、
そんな裸の自分を認めてくれる、言い換えれば楽園だ。
しかしそこは冷めきっていた。

「たのしそうだな、、、」
雑音を聴いて俺はそう呟き、赤のネオン街を抜け、配管だらけの水浸しの裏道を歩く。

「またここに戻るんだな、俺は。」

今日みたいな鬱で空っぽな時俺はよくここに来てしまう。
来たいとかではなく、来てしまうのだ。
ここの灰色のコンクリートと薄汚れた空間が俺にお似合いなのか分からないが来てしまうのだ。

誰かに見つけ出して欲しいのか、、、いや違う。



ポタッ、、、ポタッ、、、。

自然の水、人間生活で用済みになった水の音を聴くと何もな考えられなくて、ただ落ち着く。
2つの仮面を持ち合わせた水の声を聴くと、そんな上手くやっていく水が羨ましいとさえ思う。
俺は残り少ないタバコをふかした。

「…帰るか。」

また断熱の箱に帰る、俺はいつもの動作をする…

はずだった。




肉がぶつかり合う音がする。
「あっ、、、だめ、、、おねがいやめっ、、、」

紅のドレスを着た女は狼のような黒ずくめの男と営んでいた。
半ば強引にも取れるその行為はまさに動物そのもので、「生命」の言葉がよく似合っていた。
女はえずいていた。

行為が終わると男は何も言わず金を水浸しの地面に投げ、消えていった。
俺は男とは残酷なものだと冷めた目で見ていた。


女は俯いてえずいてた。
「うっ、、、うっ、、、」




「、、、あげる。」

俺は最後のたばこを差し出した。
同情とかそんなものは抱いてなかった。



「え、、、?」

戸惑っていた女だが、涙を拭き、震える手で火をつけた。
深紅の綺麗な形の唇をした女で、タバコがよく似合っていた。
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