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心臓部にギフトが配られた。呪いの類である。
野獣の主が不在ならその呪物で補う。呪物は魔界から運ばれるそうだがその役目は『禁術者』がセオリーだ。心臓部の守りを強固なものにするため、野獣の心臓部に呪いはダンジョン内にいる魔物の強度を上げ苦戦させる。魔物階級はその時に判断されフロア毎に現れる魔物の胴体には階級に応じたランクが付けられている。謎解き要素やギミック。魔物の群れ、野獣の群れも顕在する。心臓部は薔薇の死場所を選ぶと俺を誘導する。だが当の本人である俺は気づかない。
薔薇の死場所へ向かえと心臓部が俺を求めている。
【運命の羅針盤】なら容易く心臓部には来れるが目印になるだけで使えるかどうかは持ち主次第だ。
スペル マキノ騎士団長は今の時間軸でいうとどの辺だ。俺の住処は邪魔させない。
薔薇の死場所は地図には必ず載っていない。
なんだったら最高峰インディア王国の中枢は心臓部のあらゆる場所へ移動できる。俺の許可がなければ中枢には入れない。中枢は心臓部にある、といってもいい。《白蘭の庭》食堂でも行ける。城の内部は俺が見つかっても逃げれるように道を作った。抜道、俺しかできない芸当だ。《白蘭の庭》食堂にいたあの紫の蝶も実は俺が送った。実質俺の配下であの紫の蝶は本家の力を出すのに必要なのだ。
本家の最大の力を知っている人魚族長『パームルン』の今度、挨拶しに行こう。『パームルン』はその幼さが故、人魚の生業を牛耳る。歴史的には『パームルン』は人魚時代の生き残りといわれているが死を乗り越え古代魚から生まれ変わった。
一度は死んだもの同士、仲良くなれるはずだ。
城の奥深くに神殿がある。
その深くには種族の楽園が眠っている。
伝説上の生き物や神話級の化物。その横で城の妨害を企てる愚かな魔物はファンタジー界におけるユグドラシルの畑と推測される。神話の化物は帝国軍城塞都市ダリアスにも出現し並の冒険者では死ぬほど無謀な場所はない。
最高峰インディア王国には種族間が争い合う中、その街『白塵の荒野』は争いはない。ユグドラシル。種族の派閥がない街。
派閥はないが暴走する悪い奴は『伐虎』種の警官感がパトロールしているから大丈夫だ。それでも暴れる奴はその騎兵隊を通して捕らえる。『悠久の鯨通り』は水の都を意識して造られているから大抵、泳いで時間を潰すのも店に通うのも一興だ。
『白塵の荒野』は種族は受け付けても『野獣』は知らない。知らないではなく『討伐対象』だからだ。憎悪から野獣は人を襲うから人が悪いんじゃないかとは思うがな。『和蛇会談』は野獣にはない会話がある。その話は人間に化けて聞かせてもらっている。
人型の化物は体長200cm。白いコバルトブルーに鮫の背中をしている。白い悪魔と前世では言われていたらしいがその名前は『ハビコヒロ』。人の背中が違うのは明白で白い悪魔の象徴で『白塵の荒野』の野獣対策として認定される。
勝手に天敵と言われているが人の姿で成り立つ野獣はいくらでもいる。人間は隙だらけで参るよ、本当に。白い悪魔は俺をどう見てるかは見た目に越したことはない。野獣はその昔、大陸を襲うほどの権力があった。狼の咆哮で野獣は王国を襲っている。常識を学びたいなら最高峰インディア王国の『白塵の荒野』で学ぶ冒険者は多い。遠方の村からや田舎みたいな草原が目立つ土地から来客で学びにくる人もいる。
大いなる博物館ではその全貌として『白き英雄』やフシデン像の資料、カロス山脈で戦争の内容は登録されている。スペル マキノが率いるスペル騎士団長はその歴史を全部把握している。野獣の俺は生活をしている。騎士団に入っていた時の野獣の俺は人間に化けたり城内に侵入しその兵士たちの会話を盗み聞きしたり花瓶や樽に化けては堪能していた。幼き白い人間が城内を歩いていた。その少女は銀髪で白い服を着て野獣の俺の前に立つ。廊下の足を踏み入れるのを躊躇うほど、雪白の絨毯がどこまでも続いている。窓から差し込む陽光に照らされ、廊下全体が発光しているかのような神々しさに包まれていた。薔薇の香りが俺の鼻を唆った。『月花の冬化粧』で所属していた頃の俺は自分の屋敷を守りながら薔薇を飾っていた。それが無ければ自我を失い自暴自棄になってしまう。暴飲暴食は俺のフルパワーを活かす行いだ。『白塵の荒野』の西門から野菜を狩ったり魔物を餌として喰らったり自然の水を飲み呼吸を整えたりしている。
討伐対象が野獣のこの街で衣食住を済ませるのも慣れたら終わる。飲み屋で飲んでくれたり人気のない場所では変装をして驚かしたり。そんな毎日を過ごして暇を潰す。八岐大蛇は腑で無理矢理でも外に出ようものなら必死になった。
封印術師に封印されてから暴挙にも出ず牢屋みたいな檻の中でじっくりと出られるのを諦めていた。
その瞳には憎悪と因縁が八岐大蛇にはあった。野獣の屋敷では外装は家だが内面は獣のそれだ。調べながら過ごしていた。調べた内容は壁に貼り野獣を殲滅させるために造られた『白塵の荒野』の人の情報は手に入れている。
「八岐大蛇は退屈そうだなぁ」
資料には伝説上の生物として八岐大蛇は存在する。八岐大蛇を討伐したい太陽の所持者は離れた大陸の存在自体を外部に漏らさぬ用に隔離して野獣からの襲撃に備えている。
フシデン像はその柱でもある。冒険者ギルド《貴ノ里》の受付嬢マリア・クリエンテ・ダリルと最近はよく喋る。冒険者ギルドのカウンターで話しかける野獣の俺は迷惑そうにしている受付嬢の表情は固くそれはそれは嫌そうな顔だったが悪戯を楽しむ野獣は嫌な客にでもなったかはやく受注書でいいのだせよと急かすように困らせる。和かに怒るマリアは未だに解決できていない超最難関の級、究極デストロイヤーを受注しますか?とこれも和かに怒るマリアは野獣を馬鹿にしてる。
《白王の隅討伐!!》と大きく書かれた危険度MAXの貼り紙に猛獣の絵。髑髏マークが危険度をさらに強調する。残業が終わらない腹いせを俺にぶつけてきた。その役割、マリアは可能なんだけど野獣の力で滅してほしいと。なら話は早い。
A級パーティー『リ・ゼロノストーム』はこの受注を受けたが帰ってはこない。俺が野獣を操って苦戦させてるからな。
最難関だからこれぐらいなら怪しまれない。
《白王の隅討伐!!》は白い王と記されいるが実のところ何の王なのかは不明。槍を得意とする攻撃を繰り出し攻撃を受け切るまで止めない情報だけは知っている。49層にも行けないなら白い王を見ることもできないがな。砂漠の端っこの水辺付近に地下型ダンジョンが生成されている。周囲の魔素の影響で成り立つ合理的な施設とでも言える。白の王様で思い出したがインディア王国の姫様を見かけた。
グラッシェ エヴォルブの散歩をしていたらスペル騎士団長が歩いていた。草原で刃物を振り回す魔物を退治していた。商人ギルドにも登録しているスペル マキノ騎士団長は薬草の採取も怠らない。スペル騎士団長は一回、俺の方を見たがこの時の姿は『月花の冬化粧』の隊員だから怪しまれることはない。白い王の討伐は千里眼で観れるから困らない。
「受付嬢のマリアは野獣の俺を知らない」
「野獣さんなら彼方にいましたけど」
「いや、そ、、、」
野獣の背後にマリアがいた。
「月花の冬化粧のシンさんではありませんか。こんなところで」
「受付嬢さん、その話は目の前の敵を倒してからでいいこと?」
はい? とマリアが振り向くとそこには『簪魔』が現れていた。
「私、きれい?」
『簪魔』は少し呪いの要素があるから不気味な顔立ちで俺を襲ってきた。無視してたから。
「いやいやいや、ちょっとは気を配りなさいよ」
「月花の冬化粧の力を」
精霊の力を出して思いっきり『簪魔』の顔に切り裂く。呪いは容赦なく倒せばいい。
「ありゃあ、加減というものがないのかな。シン」
シン、そう『月花の冬化粧』に働いていた時の俺の名前はシンで通していた。
「また、やっちゃったよ。まあ」
これで一安心。
「それでこのグラッシェ エヴォルブに何の用だった」
「散歩、これが私の流行よ」
「月花の冬化粧の人も、、、あれ、《白王の隅討伐!!》はどうしたのかしら」
マリアの声が和かになる。《白王の隅討伐!!》は難易度が高い上、書類も山積みになるから忙しくマリアの顔は苛立ちを覚えている。私は空を見上げて惚ける。
「しかもこの休日の休みをどれだけ謳歌するかで古今東西の私が如何に大変かわからないでしょうね」
「古今東西は違うのでは、マリアさん。落ち着いて」
まあまあ、その内、いい事あるよ風に声をかけグラッシェ エヴォルブのベンチに座る。
『月花の冬化粧』は一人の男が騎士団を立ち上げる際、名前を決めた。受付嬢マリアの幼き時代、かの家は二階建ての住宅街にあった。青狐の縫いぐるみを手に遊んでいたマリアは働いてくる両親の帰りを待っていた。
「野獣は人を襲わないよ」
それがマリアの幼き子供の尊き台詞。
絵本に出てくる野獣は『忘却の狼』と金銀財宝を取引しているのが正しい本の内容なんだが幼きマリアにとってその日に読んだ絵本の内容は違った。「野獣の憎悪は人間からくる」絵本に書かれてあったのは事実であった。グラッシェ エヴォルブで起きたREマスターアヴェルの研究についてその本はまるで幼きマリアに見せるためにあったようだ。「塔の上に始祖が待ち侘びる」は絵本の最後の絵に書いてある。その絵本は光り輝きマリアの心臓に入った。
「わあ、綺麗な光」
マリアの両手には綺麗な花が咲いていた。『忘却の狼』にはない禁忌の技を覚えてしまった可能性が高かった。心臓に干渉されたとなると少女はその絵本の通りにしなくてはならないはずだ。その描いたような世界は野獣の力と『忘却の狼』の根源を変える力になる。
『忘却の狼』は根元の夜、マリアお嬢様の家に入り込んだ。その銀盤な鉄のような色をした白髪に真っ直ぐな目どこか切なく咲いた花を見ている白色の人は「おお、それは『忘却の狼』の白い花ではありませんか。さあさあ、その花ごと私の前まで」と言った。
男はきっと花が欲しかったに違いない。幼き少女はその手を差し出そうとした次の瞬間、外から怨念のような禍々しいオーラが窓の外に集まってくる。
「なんだ?」
男は少女の手の花に見向きもせず禍々しいオーラの方へ向くと煙のような黒い霧の中から鋭い牙が見えてきた。《赤い瞳》に《奥深くに蛇のような飾り》がみえる。その黒い霧が一斉に二階の窓を覆い『忘却の狼』を攫った。
幼い少女マリアは掌で咲いた白い花を結晶に変え自部屋の棚に閉まった。銀色に光る結晶は少女が受付嬢になるまで消滅することはなかった。
白い浜辺で遊んでいる一人の少女の記憶はマリアの脳内に刷り込まれる。
南の島の豊かな国の波の音色が囀りのように聴こえる。自分ではない他人の記憶。
煌びやかな絵本には『南の島 カムロ島』と記されていた。少女マリアは絵本を事実に変える或いは記憶をすり替える能力を持っているようだ。少年と少女が浜辺の城を立てて砂遊びをしている。
「やった、開通だ! セリナ」
少年は生き生きと砂遊びで仕上げた城を喜んでいた。セリナはしつこいなと内心思っていた。
「ルシア そんなでしつこくすると嫌われるよ」
砂遊びで作り上げた城は潮風に当てられ波にさらされる。知らない世界を夢みる二人と『南の島 カムロ島』に遊びにくる他の子供たちはこの島で休みの時間を使って遊びにきていた。やがて外の世界に憧れを抱いた人たちは攫われた。白い刃を持つ白い狼によって。『忘却の狼』の幻想を広める。記憶のない子供たちを呼び覚ますため野獣を滅する糧となる。
白い刃は杖となり数多の敵を滅ぼす。『忘却の狼』は攫われた子供を別の空間に逃し旅をさせた。その一人が野獣制裁を得意とする史跡の力を発揮させる。
グラッシェ エヴォルブで起きた研究のせいで招いた実験は惑星全体に大いなる災いを運びその修復を担ったのが少年ルシアだ。人魔竜の城の部下宮廷魔術師のクレンの親方と王宮騎士団長オーティスはルシアの杖を探す旅に出かける。野獣の存在が惑星全体に広がって世界を救うルシアは力を集めて滅ぼされる前に杖で閉じた。人魔竜は扉を閉める役目を選ばれし杖の所持者であるルシアに野獣の門を閉じさせる。『忘却の狼』は杖を『椿』の力を持つ選ばれし者に野獣を倒させ《麒麟の悲鳴》を果たすのを目的とする。人魔竜はルシアの行き先を補助しつつ裏側の世界で対となる『椿』の力で野獣の門を閉じようとしている。
門を閉じるには表裏の門を両側から閉める。
野獣の主が不在ならその呪物で補う。呪物は魔界から運ばれるそうだがその役目は『禁術者』がセオリーだ。心臓部の守りを強固なものにするため、野獣の心臓部に呪いはダンジョン内にいる魔物の強度を上げ苦戦させる。魔物階級はその時に判断されフロア毎に現れる魔物の胴体には階級に応じたランクが付けられている。謎解き要素やギミック。魔物の群れ、野獣の群れも顕在する。心臓部は薔薇の死場所を選ぶと俺を誘導する。だが当の本人である俺は気づかない。
薔薇の死場所へ向かえと心臓部が俺を求めている。
【運命の羅針盤】なら容易く心臓部には来れるが目印になるだけで使えるかどうかは持ち主次第だ。
スペル マキノ騎士団長は今の時間軸でいうとどの辺だ。俺の住処は邪魔させない。
薔薇の死場所は地図には必ず載っていない。
なんだったら最高峰インディア王国の中枢は心臓部のあらゆる場所へ移動できる。俺の許可がなければ中枢には入れない。中枢は心臓部にある、といってもいい。《白蘭の庭》食堂でも行ける。城の内部は俺が見つかっても逃げれるように道を作った。抜道、俺しかできない芸当だ。《白蘭の庭》食堂にいたあの紫の蝶も実は俺が送った。実質俺の配下であの紫の蝶は本家の力を出すのに必要なのだ。
本家の最大の力を知っている人魚族長『パームルン』の今度、挨拶しに行こう。『パームルン』はその幼さが故、人魚の生業を牛耳る。歴史的には『パームルン』は人魚時代の生き残りといわれているが死を乗り越え古代魚から生まれ変わった。
一度は死んだもの同士、仲良くなれるはずだ。
城の奥深くに神殿がある。
その深くには種族の楽園が眠っている。
伝説上の生き物や神話級の化物。その横で城の妨害を企てる愚かな魔物はファンタジー界におけるユグドラシルの畑と推測される。神話の化物は帝国軍城塞都市ダリアスにも出現し並の冒険者では死ぬほど無謀な場所はない。
最高峰インディア王国には種族間が争い合う中、その街『白塵の荒野』は争いはない。ユグドラシル。種族の派閥がない街。
派閥はないが暴走する悪い奴は『伐虎』種の警官感がパトロールしているから大丈夫だ。それでも暴れる奴はその騎兵隊を通して捕らえる。『悠久の鯨通り』は水の都を意識して造られているから大抵、泳いで時間を潰すのも店に通うのも一興だ。
『白塵の荒野』は種族は受け付けても『野獣』は知らない。知らないではなく『討伐対象』だからだ。憎悪から野獣は人を襲うから人が悪いんじゃないかとは思うがな。『和蛇会談』は野獣にはない会話がある。その話は人間に化けて聞かせてもらっている。
人型の化物は体長200cm。白いコバルトブルーに鮫の背中をしている。白い悪魔と前世では言われていたらしいがその名前は『ハビコヒロ』。人の背中が違うのは明白で白い悪魔の象徴で『白塵の荒野』の野獣対策として認定される。
勝手に天敵と言われているが人の姿で成り立つ野獣はいくらでもいる。人間は隙だらけで参るよ、本当に。白い悪魔は俺をどう見てるかは見た目に越したことはない。野獣はその昔、大陸を襲うほどの権力があった。狼の咆哮で野獣は王国を襲っている。常識を学びたいなら最高峰インディア王国の『白塵の荒野』で学ぶ冒険者は多い。遠方の村からや田舎みたいな草原が目立つ土地から来客で学びにくる人もいる。
大いなる博物館ではその全貌として『白き英雄』やフシデン像の資料、カロス山脈で戦争の内容は登録されている。スペル マキノが率いるスペル騎士団長はその歴史を全部把握している。野獣の俺は生活をしている。騎士団に入っていた時の野獣の俺は人間に化けたり城内に侵入しその兵士たちの会話を盗み聞きしたり花瓶や樽に化けては堪能していた。幼き白い人間が城内を歩いていた。その少女は銀髪で白い服を着て野獣の俺の前に立つ。廊下の足を踏み入れるのを躊躇うほど、雪白の絨毯がどこまでも続いている。窓から差し込む陽光に照らされ、廊下全体が発光しているかのような神々しさに包まれていた。薔薇の香りが俺の鼻を唆った。『月花の冬化粧』で所属していた頃の俺は自分の屋敷を守りながら薔薇を飾っていた。それが無ければ自我を失い自暴自棄になってしまう。暴飲暴食は俺のフルパワーを活かす行いだ。『白塵の荒野』の西門から野菜を狩ったり魔物を餌として喰らったり自然の水を飲み呼吸を整えたりしている。
討伐対象が野獣のこの街で衣食住を済ませるのも慣れたら終わる。飲み屋で飲んでくれたり人気のない場所では変装をして驚かしたり。そんな毎日を過ごして暇を潰す。八岐大蛇は腑で無理矢理でも外に出ようものなら必死になった。
封印術師に封印されてから暴挙にも出ず牢屋みたいな檻の中でじっくりと出られるのを諦めていた。
その瞳には憎悪と因縁が八岐大蛇にはあった。野獣の屋敷では外装は家だが内面は獣のそれだ。調べながら過ごしていた。調べた内容は壁に貼り野獣を殲滅させるために造られた『白塵の荒野』の人の情報は手に入れている。
「八岐大蛇は退屈そうだなぁ」
資料には伝説上の生物として八岐大蛇は存在する。八岐大蛇を討伐したい太陽の所持者は離れた大陸の存在自体を外部に漏らさぬ用に隔離して野獣からの襲撃に備えている。
フシデン像はその柱でもある。冒険者ギルド《貴ノ里》の受付嬢マリア・クリエンテ・ダリルと最近はよく喋る。冒険者ギルドのカウンターで話しかける野獣の俺は迷惑そうにしている受付嬢の表情は固くそれはそれは嫌そうな顔だったが悪戯を楽しむ野獣は嫌な客にでもなったかはやく受注書でいいのだせよと急かすように困らせる。和かに怒るマリアは未だに解決できていない超最難関の級、究極デストロイヤーを受注しますか?とこれも和かに怒るマリアは野獣を馬鹿にしてる。
《白王の隅討伐!!》と大きく書かれた危険度MAXの貼り紙に猛獣の絵。髑髏マークが危険度をさらに強調する。残業が終わらない腹いせを俺にぶつけてきた。その役割、マリアは可能なんだけど野獣の力で滅してほしいと。なら話は早い。
A級パーティー『リ・ゼロノストーム』はこの受注を受けたが帰ってはこない。俺が野獣を操って苦戦させてるからな。
最難関だからこれぐらいなら怪しまれない。
《白王の隅討伐!!》は白い王と記されいるが実のところ何の王なのかは不明。槍を得意とする攻撃を繰り出し攻撃を受け切るまで止めない情報だけは知っている。49層にも行けないなら白い王を見ることもできないがな。砂漠の端っこの水辺付近に地下型ダンジョンが生成されている。周囲の魔素の影響で成り立つ合理的な施設とでも言える。白の王様で思い出したがインディア王国の姫様を見かけた。
グラッシェ エヴォルブの散歩をしていたらスペル騎士団長が歩いていた。草原で刃物を振り回す魔物を退治していた。商人ギルドにも登録しているスペル マキノ騎士団長は薬草の採取も怠らない。スペル騎士団長は一回、俺の方を見たがこの時の姿は『月花の冬化粧』の隊員だから怪しまれることはない。白い王の討伐は千里眼で観れるから困らない。
「受付嬢のマリアは野獣の俺を知らない」
「野獣さんなら彼方にいましたけど」
「いや、そ、、、」
野獣の背後にマリアがいた。
「月花の冬化粧のシンさんではありませんか。こんなところで」
「受付嬢さん、その話は目の前の敵を倒してからでいいこと?」
はい? とマリアが振り向くとそこには『簪魔』が現れていた。
「私、きれい?」
『簪魔』は少し呪いの要素があるから不気味な顔立ちで俺を襲ってきた。無視してたから。
「いやいやいや、ちょっとは気を配りなさいよ」
「月花の冬化粧の力を」
精霊の力を出して思いっきり『簪魔』の顔に切り裂く。呪いは容赦なく倒せばいい。
「ありゃあ、加減というものがないのかな。シン」
シン、そう『月花の冬化粧』に働いていた時の俺の名前はシンで通していた。
「また、やっちゃったよ。まあ」
これで一安心。
「それでこのグラッシェ エヴォルブに何の用だった」
「散歩、これが私の流行よ」
「月花の冬化粧の人も、、、あれ、《白王の隅討伐!!》はどうしたのかしら」
マリアの声が和かになる。《白王の隅討伐!!》は難易度が高い上、書類も山積みになるから忙しくマリアの顔は苛立ちを覚えている。私は空を見上げて惚ける。
「しかもこの休日の休みをどれだけ謳歌するかで古今東西の私が如何に大変かわからないでしょうね」
「古今東西は違うのでは、マリアさん。落ち着いて」
まあまあ、その内、いい事あるよ風に声をかけグラッシェ エヴォルブのベンチに座る。
『月花の冬化粧』は一人の男が騎士団を立ち上げる際、名前を決めた。受付嬢マリアの幼き時代、かの家は二階建ての住宅街にあった。青狐の縫いぐるみを手に遊んでいたマリアは働いてくる両親の帰りを待っていた。
「野獣は人を襲わないよ」
それがマリアの幼き子供の尊き台詞。
絵本に出てくる野獣は『忘却の狼』と金銀財宝を取引しているのが正しい本の内容なんだが幼きマリアにとってその日に読んだ絵本の内容は違った。「野獣の憎悪は人間からくる」絵本に書かれてあったのは事実であった。グラッシェ エヴォルブで起きたREマスターアヴェルの研究についてその本はまるで幼きマリアに見せるためにあったようだ。「塔の上に始祖が待ち侘びる」は絵本の最後の絵に書いてある。その絵本は光り輝きマリアの心臓に入った。
「わあ、綺麗な光」
マリアの両手には綺麗な花が咲いていた。『忘却の狼』にはない禁忌の技を覚えてしまった可能性が高かった。心臓に干渉されたとなると少女はその絵本の通りにしなくてはならないはずだ。その描いたような世界は野獣の力と『忘却の狼』の根源を変える力になる。
『忘却の狼』は根元の夜、マリアお嬢様の家に入り込んだ。その銀盤な鉄のような色をした白髪に真っ直ぐな目どこか切なく咲いた花を見ている白色の人は「おお、それは『忘却の狼』の白い花ではありませんか。さあさあ、その花ごと私の前まで」と言った。
男はきっと花が欲しかったに違いない。幼き少女はその手を差し出そうとした次の瞬間、外から怨念のような禍々しいオーラが窓の外に集まってくる。
「なんだ?」
男は少女の手の花に見向きもせず禍々しいオーラの方へ向くと煙のような黒い霧の中から鋭い牙が見えてきた。《赤い瞳》に《奥深くに蛇のような飾り》がみえる。その黒い霧が一斉に二階の窓を覆い『忘却の狼』を攫った。
幼い少女マリアは掌で咲いた白い花を結晶に変え自部屋の棚に閉まった。銀色に光る結晶は少女が受付嬢になるまで消滅することはなかった。
白い浜辺で遊んでいる一人の少女の記憶はマリアの脳内に刷り込まれる。
南の島の豊かな国の波の音色が囀りのように聴こえる。自分ではない他人の記憶。
煌びやかな絵本には『南の島 カムロ島』と記されていた。少女マリアは絵本を事実に変える或いは記憶をすり替える能力を持っているようだ。少年と少女が浜辺の城を立てて砂遊びをしている。
「やった、開通だ! セリナ」
少年は生き生きと砂遊びで仕上げた城を喜んでいた。セリナはしつこいなと内心思っていた。
「ルシア そんなでしつこくすると嫌われるよ」
砂遊びで作り上げた城は潮風に当てられ波にさらされる。知らない世界を夢みる二人と『南の島 カムロ島』に遊びにくる他の子供たちはこの島で休みの時間を使って遊びにきていた。やがて外の世界に憧れを抱いた人たちは攫われた。白い刃を持つ白い狼によって。『忘却の狼』の幻想を広める。記憶のない子供たちを呼び覚ますため野獣を滅する糧となる。
白い刃は杖となり数多の敵を滅ぼす。『忘却の狼』は攫われた子供を別の空間に逃し旅をさせた。その一人が野獣制裁を得意とする史跡の力を発揮させる。
グラッシェ エヴォルブで起きた研究のせいで招いた実験は惑星全体に大いなる災いを運びその修復を担ったのが少年ルシアだ。人魔竜の城の部下宮廷魔術師のクレンの親方と王宮騎士団長オーティスはルシアの杖を探す旅に出かける。野獣の存在が惑星全体に広がって世界を救うルシアは力を集めて滅ぼされる前に杖で閉じた。人魔竜は扉を閉める役目を選ばれし杖の所持者であるルシアに野獣の門を閉じさせる。『忘却の狼』は杖を『椿』の力を持つ選ばれし者に野獣を倒させ《麒麟の悲鳴》を果たすのを目的とする。人魔竜はルシアの行き先を補助しつつ裏側の世界で対となる『椿』の力で野獣の門を閉じようとしている。
門を閉じるには表裏の門を両側から閉める。
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どこか自分と重なるものを感じた風間は、そのダンジョンに住み着くことを決意。ところが奥には、愛らしいモンスターたちがひっそり暮らしていた――。思いがけず彼らに懐かれた風間は、さまざまなモンスターと共にダンジョンでのスローライフを満喫していくことになる。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
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