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特殊な脳波を俺の頭に過らせる。雷が俺の頭を刺激させ気を失いそうなほどの電流が流れてくる。記憶の隅に俺の失った過去が情景とともに映る。Staff使いが争う光景が今の俺の脳裏に焼けるようにじわじわと回想を立ててくる。絶大なるその悲鳴を手にしようと戦争をはじめたのだ。古のStaff使いはあらゆる武器を変形させ紫炎の勇者もその一人だ。紫炎の勇者含め九つの勇者が絶対的な力で収めるものとして君臨していた。Staff使いの欲から湧き上がり大量の野獣を生み出し更なる悲劇をもたらす。罪悪が空間をつくり殺し合う惨劇は墓場となりStaff使いは戦争によって大幅に減少し勇者は姿を消した。悲鳴は争いで太陽と九つの勇者の心を分断し《悲鳴》は存在しなくなる。
ネグザスは《悲鳴》を完成させるための杖の所持者だ。『ヴィンキラム』が襲った理由は不完全な力でありながら《悲鳴》を完成させるには『真理の杖』がいる。
「アァァ! なんだこれ、、」
脳裏に焼きつくこの記憶はネグザスの精神を追い詰める。
「これで完全な『真理の杖』が完成する!」
「アアァァ!!」頭を押さえつける。気を抜いたら終わりだ。Staffは消え無防備な状況で砂煙だけが舞う。『ヴィンキラム』はその剣で俺の胸元いや心臓に当て闇の光を放とうと傾けた。
「ジ・エンドだ。ネグザス」
刹那、霧がかり暗闇の向こうから竜の眼光とその鋭い爪、長い尻尾の影が辺りを沈黙させる。修行中の人魔竜の姿がそこにはあった。近衛兵みたいな格好をしているがボロボロの布切れみたいな服装にもみえる。修行はランダムエンカウントで『軌跡』の秘術で飛ばされていたらしい。使用人は人魔竜であり本人すらも行き先は未知の判断に任せている。
「・・・・」
人魔竜は咄嗟の判断でネグザスを救出する。
しつこく群がる『ヴィンキラム』の周囲に集う生の影は人魔竜を狙う。
生の影は『ヴィンキラム』から復元され何体もの怪物が飛躍的彼等を襲わせる。
カリキュラムな動きをしているそれは人間から学習したようだった。人魔竜は火炎放射をぶちまけると量産された生の影の一帯は吹き飛ぶ。大業を出そうと周囲の味方を時間稼ぎにして砂嵐を作り出しStaffの形状を禍々しい剣に変形させ力を溜める。必殺を放つその構えは戦っている全てのものを巻き添え且つ味方を踏み台にして決める私利私欲な攻撃だ。立ち上がるネグザスは人魔竜のことは初対面でよく知らないけどピンチに駆けつけない人はいないと必死にStaffを手に取り加勢に。人魔竜は独自で開発した魔法を『ヴィンキラム』の急所に定めて『刻滝』の印を再現し放つ。滝の流れに合わせ龍がまるで鯉のぼりをするかのように敵の急所を目指す。
それと同時に溜めておいた禍々しい剣のエネルギーを敵に放射する。
ネグザスは生の影を蹴散らしながら『ヴィンキラム』の放った技の合間に飛び出し、『刻滝』の龍に沿ってStaffの形状を剣に変形させ、立ち向かう。
これしきの力で負けるもんかと渾身の一撃のぶつかり合いに賭ける両者は激しい突風に巻き込まれ膝から地面につく。『刻滝』の範囲は20m。禍々しい剣のオーラと竜の衝突。俺の剣技が砂嵐を呼び『ヴィンキラム』は予定外の仕事が増えたせいで逃げた。
人魔竜は修行を続けて『軌跡』の秘術が発動したことによって大量の紫煙に身を包ませ、俺の前から消える。こうしてはいられないとStaffの形状を船型にして紫炎の勇者の手掛かりを探しに次なる惑星へ旅立つ。
グラッシェ エヴォルブの崩壊前の名はディアナ フローラ。街の建物は、磨き上げられた白い石材と、透き通った氷のような結晶で造られる。日中は太陽の光をプリズムのように拡散させ、夜は月明かりを蓄えて淡く青白く発光。街の至る所に、ガラス細工のように繊細な花々が咲き誇り、この花は風が吹くと、鈴が鳴るような微かな音を立て、夜になると蛍のように明滅する。街の中心には月の光を集めて真水に変えるという伝説の噴水がある。
惑星へ飛び回り、其々の目的を決め旅立った三人はこの地へ降りた。
着地地点はバラバラで各々が進んだ先にまたもや生の影が鎮座し橋から橋へと移動しているのがわかる。シノンはStaffの形状を斧にし相手の頭をぶった斬る勢いで後を追いかけた。
身震いする恐怖と背筋が凍りつくような寒気が襲う。ぶった斬るも何処かへ移動しているらしくそれまでの魔法も効いていない。合体でもする気か。右腕は生の影を倒すことに精一杯だ。
Staff使いは魔力の消費が激しく維持するのにマスターの指南が必要とされてきた。しかしこの生の影。魔力を吸収して力をためているようにも見える。城の近くで一人の少女が生の影から逃げるが黄色の花を持っていた。体勢を崩した。膝足が痛くも擦りむき逃げれない。悪質な敵を追いかける前に標的を切り替える。刹那、紫炎の勇者が颯爽と切りつけていた。
「紫炎の勇者!!」
斧を逆手に蛇型の懐へ入るシノンは紫炎の勇者の弱らせた敵のとどめを刺す。眸で先に行けと合図をした紫炎の勇者は怪我人の手当を施し俺はデカブツの後を追い直した。俊足の魔法で死物狂いで探す。おそらく生の影はまだ遠くには行っていない。突き当たりを曲がり並木が精巧に並んだ通りを右折し壁で挟まれた狭い通路を飛び越え屋根の上に駆け上がり敵の感知を居所をつかむため、高い屋根から屋根へと登っていく。
「いた」
俺は俊足の魔法を瞬時に発動しまた気力を温存しながらStaffを使いこなす。広場の園内に奴はいた。園内に飛び込む俺と紫炎の業火に紛れて登場する紫炎の勇者。人魔竜の星を見てやってきたネグザス。此処に俺が加わり久方振りに再会を果たした。三体のそれぞれ追っていた生の影は予想通り胴体、腕と脚。頭と融合しカメレオンのような魔獣と化した。
紫炎の業火で体力の消耗が激しい紫炎の勇者は闇の力を制御できていない。心配している時間を与えない生の影は迷うことなく戦闘態勢へ移行する。容赦なくぶつかり合い部位毎に狙う三人は図体を把握し立ち向かう。カメレオンな見た目なだけあって透明化を図ろうとしてくる。
唇から紫の液体が出ることが予備動作でわかった。俺は重い斧を脚に重心をかけ思いっきり振り回す。
紫色の液体はおそらく毒だ。俊足の魔法で速度を上げ吐かれる前に攻撃を仕掛ける。
カメレオンみたいな敵は容赦なく吐こうとするがシノンの攻撃から身を守るように動作を変えてきた。
そう、一旦やめたのだ。口を塞ぎ尻尾を伸ばして振り払ってきた。
「おしい、あとすこしだったのに。紫炎の勇者、ネグザス! 不意を狙え!」
2人とも首肯し敵の背後を取った。
「俺の力思い知れ!!」
ネグザスは傲慢と良し悪しを考えず、Staffの形状を剣にし、熱風魔法を発動した。
竜巻の風が周囲を巻き込む。竜巻から切り裂かれそうな鎌鼬の猛攻と竜が睨みつける。竜は狙った相手を逃さない。龍の息吹を生の影に目掛ける。息も許されないほどの猛火で黒焦げになり消滅した。紫炎の勇者は闇の制御に失敗し不安になっていた。久々振りに会えたシノンは歓喜に溢れたネグザスを叱った。
「しかとマスターは偉い怒ってたぞ。半人前の未熟者は外へ出てはならないとあれだけ強く言ったというのにと、」
「ごめん、先行く紫炎の勇者が心配で飛び出しちゃったんだ。ほんとごめん」
「そうならいいんだけどよ。それもこれも紫炎の勇者? ネグザスはまだ変わり者なんだから動向を探られていることに気づいてあげて」
「ちょっと! 変わり者は余計だって!!」
「・・・・」
「わかってるみたいだねー。揃いも揃ったことだし」
俺は一先ずは安心だと笑った。つられて笑う二人も分かってもらえたみたいだ。
Staffマスター兼師匠のロニクスから連れ戻すように言われ追ってきたと話す俺は師匠からの任務が遂行されると思っていた。が、紫炎の勇者の態度が一変する。
「・・・」
闇の暴走を自らの力で鎮められなければ任務は遂行できないと判断されロニクスはシノンに連れ戻すという仕事を与えていた。
「シノンは信じていないのか。自らの闇を克服できないとおもってる?」
「いや、それはないけどね。遅くなっては」
「・・・・」
信じてもらえていない自分の愚かさに左眼の傷の代償が疼き始めた。黒霧のモヤがここぞとばかりに溢れて手で押さえつける。言った傍らからこれだ。俺は左眼を押さえつける紫炎の勇者に侵食を防ぐ縫癒魔法で癒そうとしたが自身を信じられなくなった勇者は颯爽と離れる。目的はマスター探しだろう。確かにマスターロニクスの命で引き受けた内容がその指示役の人から後になって引き返せだから無理もない。数瞬の間を置いてからネグザス自身も余りに酷いよと言い残すと後を追っていた。
Staffを使う。その行いだけで便利なものでも重宝されるものでもない。因縁が、充満するだけだ。
「しゃあない。紫炎の勇者よりもネグザスも心配だし追いかけてみますか」
「・・・・」
紫炎の勇者は拒絶するシノンを空から見ていた。
Staffの変化は持ち主によって変える。
マスターロニクスはこのことを知っていた。
策略を捻ったレジノンは次のステージの作戦を立てる。
時は過ぎ、始まりの聖域で紛争は起きていた。《悲鳴》を地よりも生み出すことのできる魔法の杖の素材だと知ったマスターロニクスは始末しようとStaffを向ける。試練の時は鍛錬させていた。しかし危険な人物だとわかれば容赦なく杖先を向ける。
未熟者の俺は今、狙われている。白装に身を着こなす師匠から正に命を奪われそうになっている。無様に地面から離れられない人の前で戦っているのは勇者だ。Staffの形状化され勇者とロニクスは対等に仕組まれたレジノンの思惑に嵌っている。
「お前も闇に堕ちるというのか」
紫炎の勇者は私利私欲に消そうとしてくる師匠を憎しみを覚えながら乱闘し狭間で俺を逃した。
もうそこには形跡もなく憎しみに任せた勇者の末路を同じく、かつて戦であった地へ。
ネグザスは《悲鳴》を完成させるための杖の所持者だ。『ヴィンキラム』が襲った理由は不完全な力でありながら《悲鳴》を完成させるには『真理の杖』がいる。
「アァァ! なんだこれ、、」
脳裏に焼きつくこの記憶はネグザスの精神を追い詰める。
「これで完全な『真理の杖』が完成する!」
「アアァァ!!」頭を押さえつける。気を抜いたら終わりだ。Staffは消え無防備な状況で砂煙だけが舞う。『ヴィンキラム』はその剣で俺の胸元いや心臓に当て闇の光を放とうと傾けた。
「ジ・エンドだ。ネグザス」
刹那、霧がかり暗闇の向こうから竜の眼光とその鋭い爪、長い尻尾の影が辺りを沈黙させる。修行中の人魔竜の姿がそこにはあった。近衛兵みたいな格好をしているがボロボロの布切れみたいな服装にもみえる。修行はランダムエンカウントで『軌跡』の秘術で飛ばされていたらしい。使用人は人魔竜であり本人すらも行き先は未知の判断に任せている。
「・・・・」
人魔竜は咄嗟の判断でネグザスを救出する。
しつこく群がる『ヴィンキラム』の周囲に集う生の影は人魔竜を狙う。
生の影は『ヴィンキラム』から復元され何体もの怪物が飛躍的彼等を襲わせる。
カリキュラムな動きをしているそれは人間から学習したようだった。人魔竜は火炎放射をぶちまけると量産された生の影の一帯は吹き飛ぶ。大業を出そうと周囲の味方を時間稼ぎにして砂嵐を作り出しStaffの形状を禍々しい剣に変形させ力を溜める。必殺を放つその構えは戦っている全てのものを巻き添え且つ味方を踏み台にして決める私利私欲な攻撃だ。立ち上がるネグザスは人魔竜のことは初対面でよく知らないけどピンチに駆けつけない人はいないと必死にStaffを手に取り加勢に。人魔竜は独自で開発した魔法を『ヴィンキラム』の急所に定めて『刻滝』の印を再現し放つ。滝の流れに合わせ龍がまるで鯉のぼりをするかのように敵の急所を目指す。
それと同時に溜めておいた禍々しい剣のエネルギーを敵に放射する。
ネグザスは生の影を蹴散らしながら『ヴィンキラム』の放った技の合間に飛び出し、『刻滝』の龍に沿ってStaffの形状を剣に変形させ、立ち向かう。
これしきの力で負けるもんかと渾身の一撃のぶつかり合いに賭ける両者は激しい突風に巻き込まれ膝から地面につく。『刻滝』の範囲は20m。禍々しい剣のオーラと竜の衝突。俺の剣技が砂嵐を呼び『ヴィンキラム』は予定外の仕事が増えたせいで逃げた。
人魔竜は修行を続けて『軌跡』の秘術が発動したことによって大量の紫煙に身を包ませ、俺の前から消える。こうしてはいられないとStaffの形状を船型にして紫炎の勇者の手掛かりを探しに次なる惑星へ旅立つ。
グラッシェ エヴォルブの崩壊前の名はディアナ フローラ。街の建物は、磨き上げられた白い石材と、透き通った氷のような結晶で造られる。日中は太陽の光をプリズムのように拡散させ、夜は月明かりを蓄えて淡く青白く発光。街の至る所に、ガラス細工のように繊細な花々が咲き誇り、この花は風が吹くと、鈴が鳴るような微かな音を立て、夜になると蛍のように明滅する。街の中心には月の光を集めて真水に変えるという伝説の噴水がある。
惑星へ飛び回り、其々の目的を決め旅立った三人はこの地へ降りた。
着地地点はバラバラで各々が進んだ先にまたもや生の影が鎮座し橋から橋へと移動しているのがわかる。シノンはStaffの形状を斧にし相手の頭をぶった斬る勢いで後を追いかけた。
身震いする恐怖と背筋が凍りつくような寒気が襲う。ぶった斬るも何処かへ移動しているらしくそれまでの魔法も効いていない。合体でもする気か。右腕は生の影を倒すことに精一杯だ。
Staff使いは魔力の消費が激しく維持するのにマスターの指南が必要とされてきた。しかしこの生の影。魔力を吸収して力をためているようにも見える。城の近くで一人の少女が生の影から逃げるが黄色の花を持っていた。体勢を崩した。膝足が痛くも擦りむき逃げれない。悪質な敵を追いかける前に標的を切り替える。刹那、紫炎の勇者が颯爽と切りつけていた。
「紫炎の勇者!!」
斧を逆手に蛇型の懐へ入るシノンは紫炎の勇者の弱らせた敵のとどめを刺す。眸で先に行けと合図をした紫炎の勇者は怪我人の手当を施し俺はデカブツの後を追い直した。俊足の魔法で死物狂いで探す。おそらく生の影はまだ遠くには行っていない。突き当たりを曲がり並木が精巧に並んだ通りを右折し壁で挟まれた狭い通路を飛び越え屋根の上に駆け上がり敵の感知を居所をつかむため、高い屋根から屋根へと登っていく。
「いた」
俺は俊足の魔法を瞬時に発動しまた気力を温存しながらStaffを使いこなす。広場の園内に奴はいた。園内に飛び込む俺と紫炎の業火に紛れて登場する紫炎の勇者。人魔竜の星を見てやってきたネグザス。此処に俺が加わり久方振りに再会を果たした。三体のそれぞれ追っていた生の影は予想通り胴体、腕と脚。頭と融合しカメレオンのような魔獣と化した。
紫炎の業火で体力の消耗が激しい紫炎の勇者は闇の力を制御できていない。心配している時間を与えない生の影は迷うことなく戦闘態勢へ移行する。容赦なくぶつかり合い部位毎に狙う三人は図体を把握し立ち向かう。カメレオンな見た目なだけあって透明化を図ろうとしてくる。
唇から紫の液体が出ることが予備動作でわかった。俺は重い斧を脚に重心をかけ思いっきり振り回す。
紫色の液体はおそらく毒だ。俊足の魔法で速度を上げ吐かれる前に攻撃を仕掛ける。
カメレオンみたいな敵は容赦なく吐こうとするがシノンの攻撃から身を守るように動作を変えてきた。
そう、一旦やめたのだ。口を塞ぎ尻尾を伸ばして振り払ってきた。
「おしい、あとすこしだったのに。紫炎の勇者、ネグザス! 不意を狙え!」
2人とも首肯し敵の背後を取った。
「俺の力思い知れ!!」
ネグザスは傲慢と良し悪しを考えず、Staffの形状を剣にし、熱風魔法を発動した。
竜巻の風が周囲を巻き込む。竜巻から切り裂かれそうな鎌鼬の猛攻と竜が睨みつける。竜は狙った相手を逃さない。龍の息吹を生の影に目掛ける。息も許されないほどの猛火で黒焦げになり消滅した。紫炎の勇者は闇の制御に失敗し不安になっていた。久々振りに会えたシノンは歓喜に溢れたネグザスを叱った。
「しかとマスターは偉い怒ってたぞ。半人前の未熟者は外へ出てはならないとあれだけ強く言ったというのにと、」
「ごめん、先行く紫炎の勇者が心配で飛び出しちゃったんだ。ほんとごめん」
「そうならいいんだけどよ。それもこれも紫炎の勇者? ネグザスはまだ変わり者なんだから動向を探られていることに気づいてあげて」
「ちょっと! 変わり者は余計だって!!」
「・・・・」
「わかってるみたいだねー。揃いも揃ったことだし」
俺は一先ずは安心だと笑った。つられて笑う二人も分かってもらえたみたいだ。
Staffマスター兼師匠のロニクスから連れ戻すように言われ追ってきたと話す俺は師匠からの任務が遂行されると思っていた。が、紫炎の勇者の態度が一変する。
「・・・」
闇の暴走を自らの力で鎮められなければ任務は遂行できないと判断されロニクスはシノンに連れ戻すという仕事を与えていた。
「シノンは信じていないのか。自らの闇を克服できないとおもってる?」
「いや、それはないけどね。遅くなっては」
「・・・・」
信じてもらえていない自分の愚かさに左眼の傷の代償が疼き始めた。黒霧のモヤがここぞとばかりに溢れて手で押さえつける。言った傍らからこれだ。俺は左眼を押さえつける紫炎の勇者に侵食を防ぐ縫癒魔法で癒そうとしたが自身を信じられなくなった勇者は颯爽と離れる。目的はマスター探しだろう。確かにマスターロニクスの命で引き受けた内容がその指示役の人から後になって引き返せだから無理もない。数瞬の間を置いてからネグザス自身も余りに酷いよと言い残すと後を追っていた。
Staffを使う。その行いだけで便利なものでも重宝されるものでもない。因縁が、充満するだけだ。
「しゃあない。紫炎の勇者よりもネグザスも心配だし追いかけてみますか」
「・・・・」
紫炎の勇者は拒絶するシノンを空から見ていた。
Staffの変化は持ち主によって変える。
マスターロニクスはこのことを知っていた。
策略を捻ったレジノンは次のステージの作戦を立てる。
時は過ぎ、始まりの聖域で紛争は起きていた。《悲鳴》を地よりも生み出すことのできる魔法の杖の素材だと知ったマスターロニクスは始末しようとStaffを向ける。試練の時は鍛錬させていた。しかし危険な人物だとわかれば容赦なく杖先を向ける。
未熟者の俺は今、狙われている。白装に身を着こなす師匠から正に命を奪われそうになっている。無様に地面から離れられない人の前で戦っているのは勇者だ。Staffの形状化され勇者とロニクスは対等に仕組まれたレジノンの思惑に嵌っている。
「お前も闇に堕ちるというのか」
紫炎の勇者は私利私欲に消そうとしてくる師匠を憎しみを覚えながら乱闘し狭間で俺を逃した。
もうそこには形跡もなく憎しみに任せた勇者の末路を同じく、かつて戦であった地へ。
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※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
神秘的な感じがよかったです。次章も楽しくよませてもらいます。
独創的な内容で面白かったです!
続きが楽しみです!
ありがとうございます!!
初めて感想いただきました!!
これは「美女と野獣」から影響を少し受けて書いてます。私のもう一つの作品もあるので是非、其方も見てくださいね。これからも頑張ります。長文、失礼しました。