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一日目 下
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頭を抱えたくなった。
仲睦まじい夫婦像の代表は部屋の共有だろう。しかし、ナタリオと私の間に発生する空気感は恋人のそれではない。一応、お互いの個室とは別に、共用の寝室もあるにはあるのだが、結婚式の夜に共に爆睡かまして以来、足を踏み入れてさえいない。
避けていたわけではないが、式後、ナタリオは突然発生した魔物の群れへの対応に呼び出されてしまったし、一週間の遠征が終わった後、ナタリオ達が持ち帰った魔物の情報を整理するのに私も忙しくなってしまった。
結局、睡眠時間に余裕が出たのは式の後一か月以上経った頃で、お互いの眠る時間がバラバラなため、それぞれ個室で寝ることが板についてしまっていた。子供はできずとも養子を迎えれば良いと楽観的に構えていたこともあり、今の今まで別室で寝ている。「おやすみ」と挨拶くらいはすることもあるが。
けれど、恋愛結婚ではないドライな関係性を目の前の子供に赤裸々に語るのは気が引けた。
貴族として育てられたナタリオとて、貴族の結婚がどういうものかは理解しているはずだ。しかし、まだ夢を見ることだって許される年齢だろう。私も、遥か昔の朧げな記憶では、白馬に乗っかった男が自分を好きだと熱烈に口説いてくる夢を見たこともある。成長するにつれて、憧れの対象が白馬男ではなく魔法書にすり替わっていったが。
夢は、徐々に現実に馴染んでいくもの。
私が少年から奪っていいものではない。
長い逡巡の挙句、私はギリギリ嘘ではない答えを口にした。
「それぞれの個室とは別に、寝室もあるのよ。仕事が忙しい時は個室で寝ているけど」
「なるほど」
なんとか誤魔化せたようで安心した。今度こそ、私は扉を閉め、自分の部屋に戻る。
私の部屋はナタリオが気を利かせてくれたのか、いくつもの本棚が並んでいる。結婚してまもなくは空だった棚も、私好みの本で埋まってきている。流石に重要な魔法書は個人所有を禁じられているので保管していないが、手元に本があり、いくらでも見られるというのは幸せな空間である。
仮眠用に備え付けられたベッドを常用しているのはご愛嬌だ。
仕事もない、一人の時間。
気になることは多々あるが、子供の彼を問い詰めても仕方がない。読もうと思って放置していた一冊の本を手に取り、読書にふけることにした。もとより、今日はそのつもりだったのだ。
しかし、十ページと進まない内に、私の部屋の扉がノックされる。
「シルビア」
呼びなれない、若干つっかえた高い声。
「どうぞ」
小さな訪問客を出迎える。彼はクローゼットの奥底にしまっていたらしい昔の服を着用していた。ナタリオは物欲こそ薄いが、その本質は一度使ったものを中々捨てずに使い続ける点にある。子供時代を懐かしむための装置としてなのか、或いは自分が入れ替わることを覚えていて残したのか、自分の子供に着せようとしていたものかはわからないが。
「本が、こんなにたくさん…」
呆気にとられ、ぽかんと本棚を見上げるナタリオを見てはっと気づく。
「悪いけど、未来の本は見せられないわ。この入れ替わりが一体どういうものなのかわからないけど、なるべく過去を変えてしまいかねないことは避けたいの」
ここ十年で魔法も発展している。
シルビア自身のことはともかくとして、十年先の魔法をナタリオが知ってしまえば、国、あるいは世界の歴史が変わりかねない。危険を感じ取り、読んでいた本に栞を挟んで閉じる。
「シルビアは、魔法書を読むのが好きなのか?」
「ええ。そうね、魔法書を読むことも、魔法書を人に読んでもらうのも好きなの。本を分類して、整理して、人々が得たい情報をすぐに手に入れられるよう、並べる。そんな仕事もしているわ」
インクの香り。紙の擦れる音。全て私が愛した物だ。慈しみをこめて本の背を撫でる。
「魔法…」
ぽつり、とナタリオが呟く。
魔法は、私と彼を結ぶ興味関心の共通項。少年時代のナタリオが既に魔法士を志していたとしてもおかしくなかった。
「興味があるのなら、十年以上前の本を探してきましょうか?」
「いや、いい。俺は文字を読んでいると眠くなるんだ」
変わらない。そしてこれが、本気であることも私は知っている。結婚前、私が軽い気持ちで進めた本を読もうとしたナタリオは見事に夢の中に旅立っていった。本の虫にとっては信じられないことだが、世の中にはいろんなタイプの人間がいる、というわけである。
「それより、貴女と話をしたい」
ずいっと寄ってくる瞳には、好奇心が浮かんでいた。
この目を私は何度も見たことがある。ナタリオは本を苦手とするが、決して魔法知識に関心がないわけではない。知識の吸収方法を文字ではなく口頭に求めるだけで。
間違いない。
この時からナタリオは魔法を愛し、魔法に魅せられていた。
「俺が、魔法に理解のない人を伴侶にするわけがないと思っていたが、勘は当たっていた。シルビア、貴女は俺と違って実践形式ではなさそうだが、魔法を好んでいるだろう」
ナタリオが私と魔法に関して対話を望むことは初めてではないが、こうも正面から欲せられるのは初めてで、心がくすぐったくなる。
「いいわ。けれど、ここ十年の魔法に関しては話さないから」
「ああ、それで構わない。俺が気になっているのは、魔物に対する攻撃魔法なんだが─」
探究心は冷めやらぬようで、話は攻撃魔法から杖の管理方法、防御魔法、はたまた民間で使われる小さな魔法道具の話にまで及んだ。
途中で夕食や風呂、寝る準備を挟んだが一秒でも惜しいというように、貪欲に質問を繰り返した。私もなるべく応えたし、私の方が実践的な事柄には疎いため、質問をすることもあった。
「俺は将来、矢張り魔法士になっているんだな」
ふと、質疑応答の合間に彼はしみじみと言う。
部下の話や自分の部屋に配置された情報から読み取ったのだろう。
「そうね。貴方は立派な魔法士よ」
適当に相槌を打つと、彼の表情は少し曇った。
「しかし、魔法士は危険が伴う。現に、今の状況があるわけだ。三日間で戻って来られると聞いているとはいえ、シルビアを未亡人にしてしまう可能性はある。今回は上手くいっても、次も、その次も、安全に帰還できるとは限らない」
どうやら、会ったばかりの私を心配してくれているようだ。
特に彼は愛し合っていると信じているようだから、尚更だろう。
「ナタリオは帰って来るわ」
小さな子供に向けて、言葉を用意したわけではなかった。自分でも無意識に考えていたことが、口をついて出る。
「彼は強いもの。好奇心が強くて魔法に対してはうっかり近づき過ぎちゃうところがあるけれど、一度だって自分の血で汚れて帰ってきたことはないのよ」
「──」
彼は、仕事が終わればいつだって。
まっすぐ、この屋敷に。私のいる、此処に帰ってくる。
「信じて、いるんだな」
聞きなれた、けれど普段より高く、幼い声。
信じている。改めて言われると気恥ずかしいけれど、確かにその通りだった。
「ええ」
「……」
自然と漏れ出た笑みに、ナタリオは目を見開く。
「初めて笑っているところを見た」
「そ、そう? ごめんなさい、あまり子供に慣れていなくて、表情が硬くて怖がらせたかもしれないわね」
魔法書の書庫を訪れるのは勿論全員大人であるし、私には兄が一人しかおらず、自分よりも年下の子供と交流する機会はなかった。
「俺は、周りから大人びているってよく言われる」
むすっと頬を膨らませ言外に子供と言われたことに不服を申し立てるのが可愛らしい。思わず更に笑ってしまい、膨らんだ頬をつつく。柔らかく、弾力のある頬に驚いている内に、また子供扱いしたことに腹を立てたナタリオの頬がパンパンになっていった。
「ごめんなさい、揶揄いすぎたわ。貴方が可愛い反応をするものだから、つい」
謝罪と共に頬は萎んでいき、元に戻ってくれた。
「はあ。もう眠いから早く行こう」
私より高い体温の手が私のものを握る。まるで、それがごく当然だとでも言うように、長らく使っていなかった寝室の扉を開いた。
事実、この少年にとっては自然なことだったのかもしれない。
ただの添い寝だ。結婚式の夜さえ、私が朝から準備して疲れていたのに配慮して、手を出して来なかった男である。いくら夫婦でも、子供相手に構えることがまずおかしい。
「おやすみ」
「ああ、シルビアも」
安心しきった顔。どうやら、この屋敷の居心地は彼にとって悪くないものとして受け止めてもらえたようだ。どちらが先ともわからぬまま、私たちは夢へと沈んでいった。
仲睦まじい夫婦像の代表は部屋の共有だろう。しかし、ナタリオと私の間に発生する空気感は恋人のそれではない。一応、お互いの個室とは別に、共用の寝室もあるにはあるのだが、結婚式の夜に共に爆睡かまして以来、足を踏み入れてさえいない。
避けていたわけではないが、式後、ナタリオは突然発生した魔物の群れへの対応に呼び出されてしまったし、一週間の遠征が終わった後、ナタリオ達が持ち帰った魔物の情報を整理するのに私も忙しくなってしまった。
結局、睡眠時間に余裕が出たのは式の後一か月以上経った頃で、お互いの眠る時間がバラバラなため、それぞれ個室で寝ることが板についてしまっていた。子供はできずとも養子を迎えれば良いと楽観的に構えていたこともあり、今の今まで別室で寝ている。「おやすみ」と挨拶くらいはすることもあるが。
けれど、恋愛結婚ではないドライな関係性を目の前の子供に赤裸々に語るのは気が引けた。
貴族として育てられたナタリオとて、貴族の結婚がどういうものかは理解しているはずだ。しかし、まだ夢を見ることだって許される年齢だろう。私も、遥か昔の朧げな記憶では、白馬に乗っかった男が自分を好きだと熱烈に口説いてくる夢を見たこともある。成長するにつれて、憧れの対象が白馬男ではなく魔法書にすり替わっていったが。
夢は、徐々に現実に馴染んでいくもの。
私が少年から奪っていいものではない。
長い逡巡の挙句、私はギリギリ嘘ではない答えを口にした。
「それぞれの個室とは別に、寝室もあるのよ。仕事が忙しい時は個室で寝ているけど」
「なるほど」
なんとか誤魔化せたようで安心した。今度こそ、私は扉を閉め、自分の部屋に戻る。
私の部屋はナタリオが気を利かせてくれたのか、いくつもの本棚が並んでいる。結婚してまもなくは空だった棚も、私好みの本で埋まってきている。流石に重要な魔法書は個人所有を禁じられているので保管していないが、手元に本があり、いくらでも見られるというのは幸せな空間である。
仮眠用に備え付けられたベッドを常用しているのはご愛嬌だ。
仕事もない、一人の時間。
気になることは多々あるが、子供の彼を問い詰めても仕方がない。読もうと思って放置していた一冊の本を手に取り、読書にふけることにした。もとより、今日はそのつもりだったのだ。
しかし、十ページと進まない内に、私の部屋の扉がノックされる。
「シルビア」
呼びなれない、若干つっかえた高い声。
「どうぞ」
小さな訪問客を出迎える。彼はクローゼットの奥底にしまっていたらしい昔の服を着用していた。ナタリオは物欲こそ薄いが、その本質は一度使ったものを中々捨てずに使い続ける点にある。子供時代を懐かしむための装置としてなのか、或いは自分が入れ替わることを覚えていて残したのか、自分の子供に着せようとしていたものかはわからないが。
「本が、こんなにたくさん…」
呆気にとられ、ぽかんと本棚を見上げるナタリオを見てはっと気づく。
「悪いけど、未来の本は見せられないわ。この入れ替わりが一体どういうものなのかわからないけど、なるべく過去を変えてしまいかねないことは避けたいの」
ここ十年で魔法も発展している。
シルビア自身のことはともかくとして、十年先の魔法をナタリオが知ってしまえば、国、あるいは世界の歴史が変わりかねない。危険を感じ取り、読んでいた本に栞を挟んで閉じる。
「シルビアは、魔法書を読むのが好きなのか?」
「ええ。そうね、魔法書を読むことも、魔法書を人に読んでもらうのも好きなの。本を分類して、整理して、人々が得たい情報をすぐに手に入れられるよう、並べる。そんな仕事もしているわ」
インクの香り。紙の擦れる音。全て私が愛した物だ。慈しみをこめて本の背を撫でる。
「魔法…」
ぽつり、とナタリオが呟く。
魔法は、私と彼を結ぶ興味関心の共通項。少年時代のナタリオが既に魔法士を志していたとしてもおかしくなかった。
「興味があるのなら、十年以上前の本を探してきましょうか?」
「いや、いい。俺は文字を読んでいると眠くなるんだ」
変わらない。そしてこれが、本気であることも私は知っている。結婚前、私が軽い気持ちで進めた本を読もうとしたナタリオは見事に夢の中に旅立っていった。本の虫にとっては信じられないことだが、世の中にはいろんなタイプの人間がいる、というわけである。
「それより、貴女と話をしたい」
ずいっと寄ってくる瞳には、好奇心が浮かんでいた。
この目を私は何度も見たことがある。ナタリオは本を苦手とするが、決して魔法知識に関心がないわけではない。知識の吸収方法を文字ではなく口頭に求めるだけで。
間違いない。
この時からナタリオは魔法を愛し、魔法に魅せられていた。
「俺が、魔法に理解のない人を伴侶にするわけがないと思っていたが、勘は当たっていた。シルビア、貴女は俺と違って実践形式ではなさそうだが、魔法を好んでいるだろう」
ナタリオが私と魔法に関して対話を望むことは初めてではないが、こうも正面から欲せられるのは初めてで、心がくすぐったくなる。
「いいわ。けれど、ここ十年の魔法に関しては話さないから」
「ああ、それで構わない。俺が気になっているのは、魔物に対する攻撃魔法なんだが─」
探究心は冷めやらぬようで、話は攻撃魔法から杖の管理方法、防御魔法、はたまた民間で使われる小さな魔法道具の話にまで及んだ。
途中で夕食や風呂、寝る準備を挟んだが一秒でも惜しいというように、貪欲に質問を繰り返した。私もなるべく応えたし、私の方が実践的な事柄には疎いため、質問をすることもあった。
「俺は将来、矢張り魔法士になっているんだな」
ふと、質疑応答の合間に彼はしみじみと言う。
部下の話や自分の部屋に配置された情報から読み取ったのだろう。
「そうね。貴方は立派な魔法士よ」
適当に相槌を打つと、彼の表情は少し曇った。
「しかし、魔法士は危険が伴う。現に、今の状況があるわけだ。三日間で戻って来られると聞いているとはいえ、シルビアを未亡人にしてしまう可能性はある。今回は上手くいっても、次も、その次も、安全に帰還できるとは限らない」
どうやら、会ったばかりの私を心配してくれているようだ。
特に彼は愛し合っていると信じているようだから、尚更だろう。
「ナタリオは帰って来るわ」
小さな子供に向けて、言葉を用意したわけではなかった。自分でも無意識に考えていたことが、口をついて出る。
「彼は強いもの。好奇心が強くて魔法に対してはうっかり近づき過ぎちゃうところがあるけれど、一度だって自分の血で汚れて帰ってきたことはないのよ」
「──」
彼は、仕事が終わればいつだって。
まっすぐ、この屋敷に。私のいる、此処に帰ってくる。
「信じて、いるんだな」
聞きなれた、けれど普段より高く、幼い声。
信じている。改めて言われると気恥ずかしいけれど、確かにその通りだった。
「ええ」
「……」
自然と漏れ出た笑みに、ナタリオは目を見開く。
「初めて笑っているところを見た」
「そ、そう? ごめんなさい、あまり子供に慣れていなくて、表情が硬くて怖がらせたかもしれないわね」
魔法書の書庫を訪れるのは勿論全員大人であるし、私には兄が一人しかおらず、自分よりも年下の子供と交流する機会はなかった。
「俺は、周りから大人びているってよく言われる」
むすっと頬を膨らませ言外に子供と言われたことに不服を申し立てるのが可愛らしい。思わず更に笑ってしまい、膨らんだ頬をつつく。柔らかく、弾力のある頬に驚いている内に、また子供扱いしたことに腹を立てたナタリオの頬がパンパンになっていった。
「ごめんなさい、揶揄いすぎたわ。貴方が可愛い反応をするものだから、つい」
謝罪と共に頬は萎んでいき、元に戻ってくれた。
「はあ。もう眠いから早く行こう」
私より高い体温の手が私のものを握る。まるで、それがごく当然だとでも言うように、長らく使っていなかった寝室の扉を開いた。
事実、この少年にとっては自然なことだったのかもしれない。
ただの添い寝だ。結婚式の夜さえ、私が朝から準備して疲れていたのに配慮して、手を出して来なかった男である。いくら夫婦でも、子供相手に構えることがまずおかしい。
「おやすみ」
「ああ、シルビアも」
安心しきった顔。どうやら、この屋敷の居心地は彼にとって悪くないものとして受け止めてもらえたようだ。どちらが先ともわからぬまま、私たちは夢へと沈んでいった。
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