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35.5 不死者の大群
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「フレキ。リリイと一緒に待っていてくれ」
『わかった』
「私も――」
リリイが付いてきたそうにするので、俺は忘れずに尋ねる。
「リリイはどのくらい強い?」
これを聞かなければ、フレキに叱られるところだ。
「神官から護身術を習っています」
その程度では役に立たないだろう。
「不死者に対して何か特別な力があるとかは?」
「……ありません」
「ならば、フレキと一緒に待っていてくれ」
「ですが――」
「はっきりといえば、足手まといだ」
「……わかりました」
リリイはしゅんとして、うなずいた。
少し可哀想な気もするが、はっきり言わずに付いてこられたら困る。
「じゃあ、フレキ、頼んだ。不死者と俺から距離を取ってくれ。大規模な術を使う」
『わかった。充分に離れておこう。わしらを気にせず思う存分力を振るうが良い』
「ああ。奇襲にも気をつけて」
『わかっておる。あのようなことには二度と』
フレキに向かって頷くと、俺は抑えていた魔力を解放する。
『相変わらず美しい銀髪に、綺麗な赤い目じゃ』
「ありがとう」
そして、死神の神具「メメント・モリ」を大鎌へと変形させる。
「行ってくる」
『武運を死神さまに祈っておる』
「人神よ、どうかフィルさまにご加護を」
フレキとリリイの祈りの言葉を聞いてから、俺は走り出す。
周囲には、フレキとリリイと、そして不死者たちしかいない。
だから魔力を抑える必要が無い。
そもそも力を抑えたままで、勝てる相手でもない。
俺は魔力で身体能力を強化すると、一気に走る。
五百メートルを三十秒足らずで駆け抜けて、一気に千体の不死者に向かって突っ込んだ。
魔力を抑えていないから、不死者たちは俺の接近に気付いている。
だが、不死者たちが反応し、身構える前に俺は突っ込んでいく、
「ここはお前たちのいる場所ではない。天へと還れ」
千体にまとめて奇跡を行使する。
三百体ほどが、それだけで天に還った。
つまり、その三百体は不死神の眷属ではなかったということだ。
「不死神の眷属は七百体か」
大分、楽になった。
「なぜ、全ての不死者を祝福しなかったのか。まあ楽で良いんだが」
俺は巨大な火炎を作り出して、数十体の不死者を焼いた。
直後、焼いた数十体に向けて奇跡を行使する。それで数十体が天に還る。
「お前ら。天は悪いところじゃない。安心して還るがいい」
俺目がけて殺到する不死者目がけて、大鎌を振るう。
一振りで十体を超える不死者が天に還った。
「お前たちのことも、死神は救済してくださる。安心しろ」
俺は魔法を使い、大鎌を振るい、不死者を次々と天に還していった。
残りの不死者が三百体をきったとき、
「……化け物が」
俺の背後から低い声がした。
『わかった』
「私も――」
リリイが付いてきたそうにするので、俺は忘れずに尋ねる。
「リリイはどのくらい強い?」
これを聞かなければ、フレキに叱られるところだ。
「神官から護身術を習っています」
その程度では役に立たないだろう。
「不死者に対して何か特別な力があるとかは?」
「……ありません」
「ならば、フレキと一緒に待っていてくれ」
「ですが――」
「はっきりといえば、足手まといだ」
「……わかりました」
リリイはしゅんとして、うなずいた。
少し可哀想な気もするが、はっきり言わずに付いてこられたら困る。
「じゃあ、フレキ、頼んだ。不死者と俺から距離を取ってくれ。大規模な術を使う」
『わかった。充分に離れておこう。わしらを気にせず思う存分力を振るうが良い』
「ああ。奇襲にも気をつけて」
『わかっておる。あのようなことには二度と』
フレキに向かって頷くと、俺は抑えていた魔力を解放する。
『相変わらず美しい銀髪に、綺麗な赤い目じゃ』
「ありがとう」
そして、死神の神具「メメント・モリ」を大鎌へと変形させる。
「行ってくる」
『武運を死神さまに祈っておる』
「人神よ、どうかフィルさまにご加護を」
フレキとリリイの祈りの言葉を聞いてから、俺は走り出す。
周囲には、フレキとリリイと、そして不死者たちしかいない。
だから魔力を抑える必要が無い。
そもそも力を抑えたままで、勝てる相手でもない。
俺は魔力で身体能力を強化すると、一気に走る。
五百メートルを三十秒足らずで駆け抜けて、一気に千体の不死者に向かって突っ込んだ。
魔力を抑えていないから、不死者たちは俺の接近に気付いている。
だが、不死者たちが反応し、身構える前に俺は突っ込んでいく、
「ここはお前たちのいる場所ではない。天へと還れ」
千体にまとめて奇跡を行使する。
三百体ほどが、それだけで天に還った。
つまり、その三百体は不死神の眷属ではなかったということだ。
「不死神の眷属は七百体か」
大分、楽になった。
「なぜ、全ての不死者を祝福しなかったのか。まあ楽で良いんだが」
俺は巨大な火炎を作り出して、数十体の不死者を焼いた。
直後、焼いた数十体に向けて奇跡を行使する。それで数十体が天に還る。
「お前ら。天は悪いところじゃない。安心して還るがいい」
俺目がけて殺到する不死者目がけて、大鎌を振るう。
一振りで十体を超える不死者が天に還った。
「お前たちのことも、死神は救済してくださる。安心しろ」
俺は魔法を使い、大鎌を振るい、不死者を次々と天に還していった。
残りの不死者が三百体をきったとき、
「……化け物が」
俺の背後から低い声がした。
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