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終章・女神
なんだか豊かになったな(小並感
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国名が変わったり、国教も多少の変化はあったものの様々に懸念はあるにしろ想像以上にダフォーディル魔法立国は豊かになっていった。私は平々凡々と暮らしているだけなのに実感している。ニバリス家の収入が増加し食卓の一品が増えて、経済良くなった、と。一時は移民を考えていたというのにとんでもない成長だ。脆弱国はこんな秘めたる力を持っていたのか……。
特に魔法、が素晴らしい。
想像以上だった。
生活に魔法を使うのは便利だったが、仕事として扱うのにもこのとんでもない奇跡は大変有利であった。
土木にも活用された。学生の頃から実用可能な魔法を教え込み、それが各ご家庭より家族へと伝播、大人にも講習会が開かれ、積極的にダフォーディル魔法立国の民は魔法使いになっていく。外貨稼ぎに他国へ渡ったり、私腹肥やしに悪巧みをする輩も出るには出るので対処するためというお題目として、かっこよさげな魔法兵団もでき、大人の事情込みで色々と睨みを効かせている。まるでかつての脆弱国という蔑称を無くすかの勢いだ。
取り巻く環境は明らかに良いものへと変化していった……。
物価もきちんとお給料と見合うようにして値上がりしているし。民の生活をまるで熟知しているかのような動きに、多少は怖いものを感じないでもないが……。よほど優れた人材が中央にいるのだろうな、とダフォーディル魔法立国の立法府を見つめる。
今日は学業の一環として、国の中央を観覧しにきたのである。
「さ、ここがあの元・アネモネス国の王家が住んでおられたとこですよ~」
わいわいと生徒たちが適当な感想を述べながら、感動しながら入り込んでいく。
さすがにダフォーディル学院よりも権威と金がかかっているため、威厳がありすぎて困惑した。天井が学院よりも高い……。
立ち止まりやすいのは人数が多いからというのもあるけども、このアネモネス国の中央に入るなんて、貴族以外に生きて見られるなんてことありえないからだった。ましてや一般庶民が、である。学生の身分とはいえ、大概入ることは許されない立場であった。
(権力が集中していたからなあ、貴族に)
あと王族に。
王家がダメ、といえばなんでもダメである。
ただ、それは今もそうといえばそうともいえる。
「アネモネス王家の皆様にお礼申し上げましょうね~」
はーい、と元気よく声を上げて教師が手のひら指し示したところ。
生徒たちが仰ぎみれば、3階ほどの高い部屋からこちらを覗き見る誰か、がいた。
「さ、手を振りましょう~」
そして手を振れば、かのお方も手を振って応じてくださった。
まさかの王族がいたとか信じられないとばかりに、同級生たちはキャーキャー騒ぐ。
(まあ……人気あるもんなあ。前世から)
王家の人身掌握は素晴らしい。国名が変わっても王族は存続していた。
手の届かない位置に本来いるはずのお方ともこうして交流できるとは……昔を思えば、今はなんと親しみやすい時代か。
(本当に変わってしまったなあ……)
感嘆の息しか出ない。
辛い食べ物も普通に流通し、お小遣いも増え、魔法がダフォーディル民限定とはいえ疲れるまで使い放題、世界中から不思議なものや珍妙なものが輸入され、上から下まで浮かれるほどに金持ちになっていくダフォーディル魔法立国。
この行き先はどこなのか。
かつては修道女だった私は、かねてより行きたかったところへと足を向ける。
首都の端、だったそこは華やかになっている墓場、まさしく人生の墓場だった私の修道院へ。
人生のほとんどを捧げたところだ。
特に魔法、が素晴らしい。
想像以上だった。
生活に魔法を使うのは便利だったが、仕事として扱うのにもこのとんでもない奇跡は大変有利であった。
土木にも活用された。学生の頃から実用可能な魔法を教え込み、それが各ご家庭より家族へと伝播、大人にも講習会が開かれ、積極的にダフォーディル魔法立国の民は魔法使いになっていく。外貨稼ぎに他国へ渡ったり、私腹肥やしに悪巧みをする輩も出るには出るので対処するためというお題目として、かっこよさげな魔法兵団もでき、大人の事情込みで色々と睨みを効かせている。まるでかつての脆弱国という蔑称を無くすかの勢いだ。
取り巻く環境は明らかに良いものへと変化していった……。
物価もきちんとお給料と見合うようにして値上がりしているし。民の生活をまるで熟知しているかのような動きに、多少は怖いものを感じないでもないが……。よほど優れた人材が中央にいるのだろうな、とダフォーディル魔法立国の立法府を見つめる。
今日は学業の一環として、国の中央を観覧しにきたのである。
「さ、ここがあの元・アネモネス国の王家が住んでおられたとこですよ~」
わいわいと生徒たちが適当な感想を述べながら、感動しながら入り込んでいく。
さすがにダフォーディル学院よりも権威と金がかかっているため、威厳がありすぎて困惑した。天井が学院よりも高い……。
立ち止まりやすいのは人数が多いからというのもあるけども、このアネモネス国の中央に入るなんて、貴族以外に生きて見られるなんてことありえないからだった。ましてや一般庶民が、である。学生の身分とはいえ、大概入ることは許されない立場であった。
(権力が集中していたからなあ、貴族に)
あと王族に。
王家がダメ、といえばなんでもダメである。
ただ、それは今もそうといえばそうともいえる。
「アネモネス王家の皆様にお礼申し上げましょうね~」
はーい、と元気よく声を上げて教師が手のひら指し示したところ。
生徒たちが仰ぎみれば、3階ほどの高い部屋からこちらを覗き見る誰か、がいた。
「さ、手を振りましょう~」
そして手を振れば、かのお方も手を振って応じてくださった。
まさかの王族がいたとか信じられないとばかりに、同級生たちはキャーキャー騒ぐ。
(まあ……人気あるもんなあ。前世から)
王家の人身掌握は素晴らしい。国名が変わっても王族は存続していた。
手の届かない位置に本来いるはずのお方ともこうして交流できるとは……昔を思えば、今はなんと親しみやすい時代か。
(本当に変わってしまったなあ……)
感嘆の息しか出ない。
辛い食べ物も普通に流通し、お小遣いも増え、魔法がダフォーディル民限定とはいえ疲れるまで使い放題、世界中から不思議なものや珍妙なものが輸入され、上から下まで浮かれるほどに金持ちになっていくダフォーディル魔法立国。
この行き先はどこなのか。
かつては修道女だった私は、かねてより行きたかったところへと足を向ける。
首都の端、だったそこは華やかになっている墓場、まさしく人生の墓場だった私の修道院へ。
人生のほとんどを捧げたところだ。
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