私の運命は高嶺の花【完結】

小夜時雨

文字の大きさ
56 / 59
【ネタバレ注意】本編読了後推奨、解説してます【ざっくりと】

コンセプトなど概ねの流れをちょい解説

しおりを挟む
 本編ご覧いただき、ありがとうございます。
こんなところにまでお越しいただけるとは……有り難や有り難や。
 
 と言うわけで、ざっくりとですがメモ(プロット)から抜粋。

 テーマ
 逃走、運命から(宿命からの)回避
 一途さ
 愛ゆえに諦めないヒーロー
 諦める優秀なヒロイン

 どちらかと言うと、ヒーローが主人公じゃないかと思われます。
主人公は最後の方は諦めちゃってますからね。流され系ヒロインともいう。
まあ人生三度目だし、二度目の人生で概ね満足しちゃってますからね……。
「好きな人の結婚式見られたし、幸せそうだったし……」
男としての人生も謳歌しちゃってるので(童貞)、周囲にも恵まれて社会的にも大成しましたのでチーンと成仏したはずです。でもまあ現地転生しちゃってますが……。
 ちなみに、マドロラがどういった最期なのかは知らないです主人公。
彼の中では誰もが羨む金持ちの実家になって婿さんイケメンで子供できて……という、世間一般的な上級な生活を送る運命の人を見守ることができての状況で終わってます。三度目生まれ変わっても知ろうともしませんというか、そういうふうに誘導されております。

 はい。
ヒーローが曲者なんです……。

”結ばれる、人生の終わりまで描く”
が、本編の結末なので、そうなりました。
俗に言う、二人は幸せな結婚(キス)をして終了、ですね。

 ヒロイン優秀なのは三度も生き直した結果なんですが、ヒーローは高等教育を受けて生まれ直してるんで、ヒロインのさらに高みを泳いで虎視眈々と着々と狙ってました。はい。ヤンデレになった所以が運命。
 運命に会えなかった、それこそがこうなってしまった経緯です。

 第三王子の頃は純粋に運命に憧れており、王族ならではの高慢さで好きなように生きてきた(権力でどうにかなるだろう、という不遜さも持ち合わせていた)……そのツケが3回も生まれ直したともいえます。主人公が巻き込まれておりますが……。
 ノブレスオブリージュ精神もあるので義務は果たしましたが、運命だけは心残り。
……で本来終わったはずなんですが、運命の君のお墓、という絶望的な、魂を抉る存在を目の当たりにして、この第三王子が生まれ持った優秀さを発揮しないわけがないのでありました……。
 
 主人公のことは生き様を調べ上げております。
そうして、自分は奔放に生きてきた頃も、彼女はひっそりと国の片隅に生きていたことを知り、運命が寂しくひとり死んでいったことを知らず生きてきたことを悔恨し、墓参り日参。
 それだけでは終わりません。
 その優れた頭脳(王配できるぐらいには教育も施されている)でもって、運命についての古今東西の資料をかき集めています。その時代の貴重な資料が修道院に集まってました。世界中から。それで、優れた研究者もふらふらーと押し寄せて……第三王子はとかく顔が良くて社交が得意でしたし人脈も豊富で、息子が大国の王でもあったため、スポンサーには困らなかった。集まった研究者に協力も依頼し、運命、について調査。第三王子の寿命的に大々的に満足いくところまではいかなかったけれども、可能な範囲で次代の運命のために痕跡を残したわけです。
 
 継承したのがマドロラです。
運命について調べるには、第三王子が残したものを得るしかありません。
 マドロラもまた、運命を愛していましたから。
家族を愛していない、わけじゃありませんでしたが、魂に刻まれた後悔、運命を失った絶望が彼女を揺り動かしたのものか、またもや二度目の人生における彼女に悔恨を味わわせ……、砂漠を彷徨い、運命、を研究することになります。
 第三者の運命を拒絶する者に出会い、師匠とし、運命に対する深みにハマっていきます。
もともと過去の第三王子の記憶は持ち合わせていなかったんですが、研究した成果か、あるいは彷徨って命の危機に瀕したせいか……第三王子だった頃の記憶を蘇らせてしまい、かなり運命に執着するようになります。
 第三王子が残した運命への手引き、すべてを受け取ってさらなる飛躍を遂げるようにロードマップを引きます。まあ、第三王子もそうなんですけどね。

 そうして、全てを引き継いで生まれたのがヴィクリス様です。記憶持ち。
二人分の研究成果です。何もかもが手に取るようにしてわかるので、天才扱いされてます。そうなるように振る舞ってもいます。運命についてもさっさと突き止め、いつでもゲットできるように動いております。大国の王配だったので政治闘争もなんのその。ただ、傲慢な悪い面はたまに出ていていざとなれば権力で……と思ってた節があり、そこを主人公に嫌われてしまってたちまちに軌道修正して周りを固めてから揚々と運命ゲット。逃げられないよう、身内の王族もふんだんに活用しまくり(実は情報操作も国の内外でしております)、同盟国すら使って包囲網。まあ実質子孫ですし……。運命と愛し合うという、念願を叶えた一番の幸せ者。ただ、第三王子にはムカついているようです。過去の自分に猛烈に嫉妬。まあ色々あるんでしょう。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうぞ、おかまいなく

こだま。
恋愛
婚約者が他の女性と付き合っていたのを目撃してしまった。 婚約者が好きだった主人公の話。

優しすぎる王太子に妃は現れない

七宮叶歌
恋愛
『優しすぎる王太子』リュシアンは国民から慕われる一方、貴族からは優柔不断と見られていた。 没落しかけた伯爵家の令嬢エレナは、家を救うため王太子妃選定会に挑み、彼の心を射止めようと決意する。 だが、選定会の裏には思わぬ陰謀が渦巻いていた。翻弄されながらも、エレナは自分の想いを貫けるのか。 国が繁栄する時、青い鳥が現れる――そんな伝承のあるフェラデル国で、優しすぎる王太子と没落令嬢の行く末を、青い鳥は見守っている。

『影の夫人とガラスの花嫁』

柴田はつみ
恋愛
公爵カルロスの後妻として嫁いだシャルロットは、 結婚初日から気づいていた。 夫は優しい。 礼儀正しく、決して冷たくはない。 けれど──どこか遠い。 夜会で向けられる微笑みの奥には、 亡き前妻エリザベラの影が静かに揺れていた。 社交界は囁く。 「公爵さまは、今も前妻を想っているのだわ」 「後妻は所詮、影の夫人よ」 その言葉に胸が痛む。 けれどシャルロットは自分に言い聞かせた。 ──これは政略婚。 愛を求めてはいけない、と。 そんなある日、彼女はカルロスの書斎で “あり得ない手紙”を見つけてしまう。 『愛しいカルロスへ。  私は必ずあなたのもとへ戻るわ。          エリザベラ』 ……前妻は、本当に死んだのだろうか? 噂、沈黙、誤解、そして夫の隠す真実。 揺れ動く心のまま、シャルロットは “ガラスの花嫁”のように繊細にひび割れていく。 しかし、前妻の影が完全に姿を現したとき、 カルロスの静かな愛がようやく溢れ出す。 「影なんて、最初からいない。  見ていたのは……ずっと君だけだった」 消えた指輪、隠された手紙、閉ざされた書庫── すべての謎が解けたとき、 影に怯えていた花嫁は光を手に入れる。 切なく、美しく、そして必ず幸せになる後妻ロマンス。 愛に触れたとき、ガラスは光へと変わる

狂おしいほど愛しています、なのでよそへと嫁ぐことに致します

ちより
恋愛
 侯爵令嬢のカレンは分別のあるレディだ。頭の中では初恋のエル様のことでいっぱいになりながらも、一切そんな素振りは見せない徹底ぶりだ。  愛するエル様、神々しくも真面目で思いやりあふれるエル様、その残り香だけで胸いっぱいですわ。  頭の中は常にエル様一筋のカレンだが、家同士が決めた結婚で、公爵家に嫁ぐことになる。愛のない形だけの結婚と思っているのは自分だけで、実は誰よりも公爵様から愛されていることに気づかない。  公爵様からの溺愛に、不器用な恋心が反応したら大変で……両思いに慣れません。

私は彼に選ばれなかった令嬢。なら、自分の思う通りに生きますわ

みゅー
恋愛
私の名前はアレクサンドラ・デュカス。 婚約者の座は得たのに、愛されたのは別の令嬢。社交界の噂に翻弄され、命の危険にさらされ絶望の淵で私は前世の記憶を思い出した。 これは、誰かに決められた物語。ならば私は、自分の手で運命を変える。 愛も権力も裏切りも、すべて巻き込み、私は私の道を生きてみせる。 毎日20時30分に投稿

【完結】王子妃候補をクビになった公爵令嬢は、拗らせた初恋の思い出だけで生きていく

たまこ
恋愛
 10年の間、王子妃教育を受けてきた公爵令嬢シャーロットは、政治的な背景から王子妃候補をクビになってしまう。  多額の慰謝料を貰ったものの、婚約者を見つけることは絶望的な状況であり、シャーロットは結婚は諦めて公爵家の仕事に打ち込む。  もう会えないであろう初恋の相手のことだけを想って、生涯を終えるのだと覚悟していたのだが…。

25年の後悔の結末

専業プウタ
恋愛
結婚直前の婚約破棄。親の介護に友人と恋人の裏切り。過労で倒れていた私が見た夢は25年前に諦めた好きだった人の記憶。もう一度出会えたら私はきっと迷わない。

婚約破棄したら食べられました(物理)

かぜかおる
恋愛
人族のリサは竜種のアレンに出会った時からいい匂いがするから食べたいと言われ続けている。 婚約者もいるから無理と言い続けるも、アレンもしつこく食べたいと言ってくる。 そんな日々が日常と化していたある日 リサは婚約者から婚約破棄を突きつけられる グロは無し

処理中です...