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第2章
チーム始動~スイーツ爆裂魔剣戦国~
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ナニサカのギルドは、午前の鐘の後なので少しのんびりとしていた。
ヒカルとミチルの中級講習の待ち時間、マリオとリカコは椅子に腰掛け、退屈そうに天井を見上げていた。
「リカコ……暇だね」
「うん。中級者講習って、付き添いは要らなかったね」
そこへ、ギルドのサブマスター・カレンが、書類を抱えて現れた。
彼女は二人を見るなり、ふと首を傾げて言った。
「そう言えば、マリオさんたちって、チーム名まだ届けてませんよね?」
「えぅ、チーム名って……絶対にいるんですか?」
「はい。ベテランになると“二つ名”で呼ばれるようになりますから」
「爆炎の◯◯◯、氷結の△△△──みたいな感じですね」
「それとは別に、チーム名を付けるのが普通なんですよ。ギルドの記録にも残りますし」
マリオは腕を組み、うーんと唸った。
リカコはすかさず、隣で指を立てる。
「マリオさん、スイーツは絶対入れて。これは譲れない」
「じゃあ……スイーツ戦国?」
「駄目。ヒカルとミチルが入ってない。却下」
「……スイーツ爆裂魔剣戦国、でどうかな?」
その瞬間、リカコの目がキラリと光った。
「マリオさんらしいわ。それにしましょう!」
カレンは苦笑しながら、書類にペンを走らせる。
「では、正式に『チーム:スイーツ爆裂魔剣戦国』で登録しますね。略して『スイーツ』です」
「マリオさん、最後の“戦国”って、どういう意味なんですか?」
マリオは少し照れくさそうに笑った。
「ダテホコの古い言葉です。……剣士の誇りみたいなもんです」
「──あ~、なるほど。マリオさんらしくていいですね、そういうの」
「それと、マリオさん、エラポリ市から入金入っていますよ」
マリオは受付の横端末コーナーで冒険者カードを入れて端末を操作していた。
「リカコ、入ってる。エラポリ市ギルドからの入金だ」
リカコが覗き込む。「マリオさん、いくら?」
「キマイラ3体で450枚、オーク20体で200枚。報酬込みで合計650枚だよ」
「これは、手をつけずにそのままにしておきましょう」
「カレンさん、講習が終わるのはいつですか?」
「午後の鐘の小刻後ですね」
「カレンさん、小刻って、何ですか?」
「普段余り使いませんが三分の一刻ですよ」
「リカコ、16時頃だね」
「そうね、お昼は外で食べましょう」
「そうだね」
◇ ◇ ◇ ◇
昼の鐘が鳴る前、マリオとリカコはギルドを後にし、ナニサカ市の屋台通りへと足を運んだ。
二人のお腹も空いてきたので何故か匂いに敏感になっていた
「リカコ、ひょっとして、うどんの匂いじゃない?」
「うん、天ぷらもある。コロッケも……なんだか懐かしいね」
屋台通りには、異世界とは思えないほど“地元の味”が並んでいた。
出汁の香り、揚げ油の音、ソースの甘い匂い──二人の記憶をくすぐるものばかりだった。
「マリオさん、あの屋台……コロッケ、1枚鉄貨10枚って書いてある」
「買ってみようか。慎之介が好きだったやつに似てる」
二人はうどんと天ぷらを分け合いながら、通りの奥へと進んだ。
屋台通りの外れには、ひっそりと佇む古道具屋があった。看板には「ダンジョン産・古物・魔具」と書かれている。
「マリオさん、ちょっと覗いてみましょう」
店内は薄暗く、棚には魔石の欠片や錆びた剣、壊れかけた魔導具が並んでいた。
その奥、木箱の中に埋もれるようにして置かれていたのが──
「マリオさん、これ、家ににあった遮光器土偶じゃない?」
リカコがそっと持ち上げると、土偶の目がわずかに光った。
「マリオさん、これ……家で見たのと全く同じだよ……」
リカコの声を聞いて、店主が奥から顔を出した。
「それは、南の土手で拾ったもんですわ。魔素反応があるけど、誰も使い方が分からんので銀貨1枚でええです」
マリオは即座に銀貨1枚を店主に差し出した。
「リカコ、これは……家に飾ろうよ。何かある気がする」
リカコは頷きながら、土偶をそっと抱えた。
「マリオさん、これ……光った時と同じ匂いがした気がする」
「うん。あの時の……転移の前の匂いだ」
二人は、遮光器土偶を手に、屋台通りを後にした。
その背中に、夕暮れの鐘が静かに響いていた。
夕方になったのでヒカルとミチルをギルドに迎えにいった。ギルド内は早めに仕事を終りこれから飲む冒険者たちでごった返していた。
「ヒカル、ミチル、お疲れ様。講習どうだった?」
「はい、僕は火魔法と土魔法でした」「私は聖魔法と水魔法です」
「どうする、家に帰る?」
「「はい」」
四人が借家に帰ると、リカコが棚の上に置いた遮光器土偶の目が淡く光り、部屋の空気が震えた。 次の瞬間、光の粒が広がり、壁に映像が浮かび上がる。
「……ナ・ミ・キ……カ・イ・カ・ン……セ・イ・カ・イ……」
その声と共に、映し出されたのは──
夕焼けに染まる海辺の鳥居。 山の稜線に浮かぶ霧と、その奥に見える小さな祠。 屋台の奥に佇む、誰も気づかない石碑のようなもの。
どれも見覚えがあるようで、どこか違う。 風景はゆらぎ、色を変え、まるで夢の中の記憶のように流れていく。
四人は、言葉を失って映像を見つめていた。
それは、これから彼らが辿るかもしれない“神域の断片”であり、 この星に生きる者としての“使命の予兆”でもあった。
映像はやがて消え、土偶の光も静かに収まった。 部屋が暗くなったので、マリオが慌てて魔導ランプを点けたのだった。
「マリオさん、不思議な土偶ですね」
「うん、昼間、古道具屋でリカコが見つけたんだ」
「へえ~、でも、今の風景は何でしょうか?」
「それは、これから訪れる風景にも感じ取れます」
ウリエルはリカコが見つけた土偶は日本の神界からの遺品であるが、今はスキルが封じられて全部は開放されていないとのことだった。この機能はウリエルもテオスシステムにも登録されていなかった。
「えっ、ウリエル、日本の神様からの遺品って、何なの?」
「どうやら、マリオさんとリカコさんがこちらの世界に転移した時に一緒に巻き込まれて、こちらの世界に飛ばされたようですが、土偶を飛ばした日本の神の意図は分かりません」
「それよりも、明日からリコマ山のレベリング再開です」
続く──
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ヒカルとミチルの中級講習の待ち時間、マリオとリカコは椅子に腰掛け、退屈そうに天井を見上げていた。
「リカコ……暇だね」
「うん。中級者講習って、付き添いは要らなかったね」
そこへ、ギルドのサブマスター・カレンが、書類を抱えて現れた。
彼女は二人を見るなり、ふと首を傾げて言った。
「そう言えば、マリオさんたちって、チーム名まだ届けてませんよね?」
「えぅ、チーム名って……絶対にいるんですか?」
「はい。ベテランになると“二つ名”で呼ばれるようになりますから」
「爆炎の◯◯◯、氷結の△△△──みたいな感じですね」
「それとは別に、チーム名を付けるのが普通なんですよ。ギルドの記録にも残りますし」
マリオは腕を組み、うーんと唸った。
リカコはすかさず、隣で指を立てる。
「マリオさん、スイーツは絶対入れて。これは譲れない」
「じゃあ……スイーツ戦国?」
「駄目。ヒカルとミチルが入ってない。却下」
「……スイーツ爆裂魔剣戦国、でどうかな?」
その瞬間、リカコの目がキラリと光った。
「マリオさんらしいわ。それにしましょう!」
カレンは苦笑しながら、書類にペンを走らせる。
「では、正式に『チーム:スイーツ爆裂魔剣戦国』で登録しますね。略して『スイーツ』です」
「マリオさん、最後の“戦国”って、どういう意味なんですか?」
マリオは少し照れくさそうに笑った。
「ダテホコの古い言葉です。……剣士の誇りみたいなもんです」
「──あ~、なるほど。マリオさんらしくていいですね、そういうの」
「それと、マリオさん、エラポリ市から入金入っていますよ」
マリオは受付の横端末コーナーで冒険者カードを入れて端末を操作していた。
「リカコ、入ってる。エラポリ市ギルドからの入金だ」
リカコが覗き込む。「マリオさん、いくら?」
「キマイラ3体で450枚、オーク20体で200枚。報酬込みで合計650枚だよ」
「これは、手をつけずにそのままにしておきましょう」
「カレンさん、講習が終わるのはいつですか?」
「午後の鐘の小刻後ですね」
「カレンさん、小刻って、何ですか?」
「普段余り使いませんが三分の一刻ですよ」
「リカコ、16時頃だね」
「そうね、お昼は外で食べましょう」
「そうだね」
◇ ◇ ◇ ◇
昼の鐘が鳴る前、マリオとリカコはギルドを後にし、ナニサカ市の屋台通りへと足を運んだ。
二人のお腹も空いてきたので何故か匂いに敏感になっていた
「リカコ、ひょっとして、うどんの匂いじゃない?」
「うん、天ぷらもある。コロッケも……なんだか懐かしいね」
屋台通りには、異世界とは思えないほど“地元の味”が並んでいた。
出汁の香り、揚げ油の音、ソースの甘い匂い──二人の記憶をくすぐるものばかりだった。
「マリオさん、あの屋台……コロッケ、1枚鉄貨10枚って書いてある」
「買ってみようか。慎之介が好きだったやつに似てる」
二人はうどんと天ぷらを分け合いながら、通りの奥へと進んだ。
屋台通りの外れには、ひっそりと佇む古道具屋があった。看板には「ダンジョン産・古物・魔具」と書かれている。
「マリオさん、ちょっと覗いてみましょう」
店内は薄暗く、棚には魔石の欠片や錆びた剣、壊れかけた魔導具が並んでいた。
その奥、木箱の中に埋もれるようにして置かれていたのが──
「マリオさん、これ、家ににあった遮光器土偶じゃない?」
リカコがそっと持ち上げると、土偶の目がわずかに光った。
「マリオさん、これ……家で見たのと全く同じだよ……」
リカコの声を聞いて、店主が奥から顔を出した。
「それは、南の土手で拾ったもんですわ。魔素反応があるけど、誰も使い方が分からんので銀貨1枚でええです」
マリオは即座に銀貨1枚を店主に差し出した。
「リカコ、これは……家に飾ろうよ。何かある気がする」
リカコは頷きながら、土偶をそっと抱えた。
「マリオさん、これ……光った時と同じ匂いがした気がする」
「うん。あの時の……転移の前の匂いだ」
二人は、遮光器土偶を手に、屋台通りを後にした。
その背中に、夕暮れの鐘が静かに響いていた。
夕方になったのでヒカルとミチルをギルドに迎えにいった。ギルド内は早めに仕事を終りこれから飲む冒険者たちでごった返していた。
「ヒカル、ミチル、お疲れ様。講習どうだった?」
「はい、僕は火魔法と土魔法でした」「私は聖魔法と水魔法です」
「どうする、家に帰る?」
「「はい」」
四人が借家に帰ると、リカコが棚の上に置いた遮光器土偶の目が淡く光り、部屋の空気が震えた。 次の瞬間、光の粒が広がり、壁に映像が浮かび上がる。
「……ナ・ミ・キ……カ・イ・カ・ン……セ・イ・カ・イ……」
その声と共に、映し出されたのは──
夕焼けに染まる海辺の鳥居。 山の稜線に浮かぶ霧と、その奥に見える小さな祠。 屋台の奥に佇む、誰も気づかない石碑のようなもの。
どれも見覚えがあるようで、どこか違う。 風景はゆらぎ、色を変え、まるで夢の中の記憶のように流れていく。
四人は、言葉を失って映像を見つめていた。
それは、これから彼らが辿るかもしれない“神域の断片”であり、 この星に生きる者としての“使命の予兆”でもあった。
映像はやがて消え、土偶の光も静かに収まった。 部屋が暗くなったので、マリオが慌てて魔導ランプを点けたのだった。
「マリオさん、不思議な土偶ですね」
「うん、昼間、古道具屋でリカコが見つけたんだ」
「へえ~、でも、今の風景は何でしょうか?」
「それは、これから訪れる風景にも感じ取れます」
ウリエルはリカコが見つけた土偶は日本の神界からの遺品であるが、今はスキルが封じられて全部は開放されていないとのことだった。この機能はウリエルもテオスシステムにも登録されていなかった。
「えっ、ウリエル、日本の神様からの遺品って、何なの?」
「どうやら、マリオさんとリカコさんがこちらの世界に転移した時に一緒に巻き込まれて、こちらの世界に飛ばされたようですが、土偶を飛ばした日本の神の意図は分かりません」
「それよりも、明日からリコマ山のレベリング再開です」
続く──
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