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第1章
空飛ぶ時短計画~スイーツな休日ですが何か?~
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ミスリル鉱石の代金を受け取った翌朝……二人は1週間の間、湖を拠点に昼間は魚釣り、時々、薬草採取で暇を潰しながら、夜はたまにナニサカ市の店で外食をしたりして、ダンジョンには潜らず、Cランでありながら、能無し冒険者の振りを続けていた。
「パパーン」
マリオとリカコはタブレットの起動音で目が冷めたのだった。
「マリオさん、リカコさん、お早うございます」
「今回の更新で神界のヨダシステムと繋がり、私の名前は大賢者ウリエルになりました」
「検索機能が大幅に強化されたので何なりとお聞き下さい」
「ウリエル、それはよかったね」
マリオはいきなり大きな起動音で起こされたのでかなり不満顔だった。
「信心深き者たちよ」
「我らはこのナニサカ市を統べるバッカスとアリアドネなり、今回の更新はゼウス様とヘーラ様の特別な計らいで、神界の我らと常時繋がるようになったのじゃ」
「これは神託であるが……今からエラポリ市とタートル市の2つの街を探査する旅に出て、我らに報告するのじゃ」
「なお、ウリエルに目的地を指定すれば、最適なコースを選んでくれるので後は全て任せれば良いのじゃ」
「それと、今後のためにキャンピングカーの改造を行うのでウリエルの指示に従い、キャンピングカーの改造を終えてからエラポリ市とダマスキノ市に向かうのじゃ」
そう言われて、神様の通信が終わり画面が消えていった。
「マリオさん、リカコさん、先にリコマ山に行ってキャンピングカーのエンジンを魔導ジェットに換装しましょう」
「ウリエル、魔導ジェットって何なの?」
「はい、魔導ジェットとは小型のジェットエンジンの事でキャンピングカーで空を飛べるようになります」
「はぁ?、何でキャンピングカーが空を飛ぶの?」
「はい、創造神ゼウス様の妻神ヘーラ様の強いご要望で実現した機能なのです」
「キャンピングカーでは道路事情も有り地方へ行く場合は日数もかかるのでヘーラ様がゼウス様に提言して実現した機能です」
タブレットには魔導ジェットの解説画面が表示されていた。
◇ ◇ ◇ ◇
余談になるが、神々は天界の山で定例会議を開いていた。タブレットの下賜は勇者、聖女の育ち具合によって順番に下賜されていた。男神たちは会議で酒を酌み交わしながら、女神たちは着飾ってスイーツを食べながら会議に臨んだが、女神たちの会議の議長を務めているのがゼウスの妻のヘーラであった。
それぞれ地方担当の女神たちは、新しいスイーツ探訪と化粧品の開発も含めて女性の美意識向上がヘーラから課された課題であったが、神は地上の人間に干渉することは出来ないので、それぞれ勇者と聖女を擁して育成を計画していたのだった。
ヨダシステムとは創造神ゼウスが知恵の神ミーミルとソフィアに命令して作らせた旗艦サーバーシステムのことでそれぞれの地域に旗艦サーバーを割り当て天使長の名を冠することが許可されていた。
◇ ◇ ◇ ◇
「へぇ~、そんな事が神様の会議で決まっていたんだ」
「マリオさん、他の勇者と聖女に会ってみたいね」
「そうだね、機会があれば会ってみたいね」
「では、リコマ山で魔鉱石を採取しますので、青のスイッチを押して下さい」
「了解」
マリオは青のスイッチを押した。キャンピングカーは静かに発進を始めた。今回はリコマ山まで少し急ぐのだが、タブレットの画面にリコマ山までの所要時間は2時間と出ていた」
リカコは、簡易キッチンで卵サンドを作ってくれたので二人で美味しく頂いた。前回の冒険ではハラカシ町で魔鉱石を採取したが、今回のリコマ山はナニサカ市とエラポリ市の中間に位置していた。
キャンピングカーはリコマ山に2時間丁度で到着した。タブレットの画面で確認すると付近の洞窟は5つ以上有るようで、全て赤い点が光っていたのだった。
「ウリエル、洞窟の魔物は何が居るの?」
「左の洞窟から、コボルト、オーク、大蝙蝠、サーペント、ロックリザードになります。左端のコボルトから攻めていきましょう」
「マリオさんは魔導ショットガンを今から作りますので画像を見ながら具現化を始めて下さい」
「次はショットガンの弾です、こちらは雷魔法『サンダーボルト』を付与しますので先に弾は100発作りましょう」
マリオはレベルが上ったので魔素切れを起こさずにサンダーボルトを付与した弾は直ぐに出来たのだった。
「では、キャンピングカーから下りて、洞窟に入りましょう」
洞窟の中は生活魔法のライトで照らしても暗くて何も見えなかった。ショットガンの暗視スコープを覗くと、洞窟の奥でコボルトが待ち構えて居るのが手にとるように分かった。
「リカコ、タブレットの画面を見ていて」
マリオは洞窟の中心部にショットガンを打ち込んだのだった。
バシューン、青い稲妻が光って、コボルト10体は感電死していた。
「リカコ、赤い点はまだある?」
「いいえ、今の攻撃でコボルトは全滅したみたいよ」
「よし、前に進もうよ」
マリオとリカコの二人は洞窟の最奥部に到着すると、洞窟全体が魔鉱石で埋まっていた
「魔鉱石回収」
魔鉱石は全てマリオの収納に回収された。
「次の洞窟だね」
2番めの洞窟ではオーク5体を討伐して全て回収した、3番目の洞窟では大蝙蝠を討伐して魔鉱石の回収も順調に終わり、残りの洞窟でサーペント1体、ロックリザード1体と全て順調に倒して魔鉱石を回収していった。
「ウリエル、魔導ジェットのイメージを表示してくれ」
「了解しました」
マリオはタブレットの画面を見ながら、なるほど、凝った作りのエンジンだと思ったのだった。リカコに手を握ってもらい、具現化を始め10分ほどで完成したのだった。
「マリオさん、『チェンジ』と唱えて下さい」
「チェンジ」
無事に魔導ジェットと交換されたようだが、交換された元のエンジンが何処に消えて行ったかは考えないようにした。
「次は魔石板の作成になりますが、今から5枚作成していただきますので、マリオさんとリカコさんは魔力切れ防止の為、今から手を繋いで瞑想して下さい。その間に私自身の自動更新とキャンピングカーの改造を行います」
「リカコ、用意はいい?」
「ええ、マリオさんいいわよ」
二人が手を繋ぎ、瞑想に入ると、魔力が静かに循環し始めた。 虹色の光がキャンピングカーの内部を満たし、まるで神々の祝福が降り注いでいるかのようだった。
外の世界は静まり返り、時間が止まったような感覚に包まれる。 その間、ウリエルは自動更新を進め、キャンピングカーの内部では魔導ジェットの交換によって空を飛べるように改造が行われていた。
マリオとリカコの意識が神界に届いていたかは定かではないが、二人は珍しく夢を見ていた。神々が宮殿で勇者と聖女の事で会議を行っているように見えたが、詳しい内容は分からなかった。
3時間後、パパーン、タブレットの起動音がしたので、マリオとリカコは目を覚ました。
どうやらタブレットの自動更新とキャンピングカーの改造が全て終わったようだ。
「マリオさん、リカコさん、お待たせを致しました。では残りの魔石板を5枚作りましょう」
「リカコ、お願いね」
「ええ、マリオさん」
リカコの手はマリオの手に触れて、マリオは魔石版の抽出と具現化に集中した。
「1枚、2枚、3枚、4枚、5枚、ふう、終わったね」
「ええ、お疲れさまです」
「リカコも大丈夫だね」
「ええ、大丈夫よ」
「ウリエル、魔石板は作ったよ」
「マリオさん、作った5枚の魔石板はキャンピングカー横のスライド板を開けてセットして下さい」
ウリエルの更新と、魔石版の作成で採取した魔鉱石の半分以上は使ったようだとマリオは収納数の変化を感じた。
「では、飛行準備を行いますのでマリオさんは青いボタンを押して下さい」
「了解」
マリオはキャンピングカーの青いスイッチを押した。キャンピングカーは静かに上昇が始まり、一定の高さまで上昇すると、下から水平安定板が出てきた。
「マリオさん、リカコさん、テスト飛行を兼ねてナニサカ湾の上空を旋回してから、エラポリ市に着陸します」
キャンピングカーの上から眺めるとナニサカの港は大小の船が停泊をしていた。
「マリオさん、いい眺めね」
「うん、そうだね」
キャンピングカーはリコマ山から一路ナニサカ湾に向かって飛行テストを続けていた。タブレットの画面には飛行速度250km/h 高度6000ftと表示されていた。
「リカコ、ヘリコプターの速度とほぼ同じだね」
「マリオさん、何で分かるの?」
「若い頃に体験搭乗でヘリコプターに乗せてもらったから何となくだよ」
「ふ~ん、私は揺れないし、音も静かなので気にしていないよ」
「そうだね、キャンピングカーがどんな仕組みで飛んでいるかは謎だけど、揺れないし快適だね」
「そうよ、私気に入ったわ」
「まもなくエラポリ市に着陸します」
ウリエルの音声がそう告げると、窓の外には緑豊かな丘陵地が広がっていた。
ウリエルの解説で、エルフ語の『ヤッロセ』とは若草山の事で麓に位置するこの都市は、ハーフエルフと人族が共に暮らす数少ない自治都市であり、鹿を神聖視する文化が根付いている。
ヤムロ村の森エルフの血を引くハーフエルフたちが、エラポリ市を“地上の聖域”と呼び、森汁などの伝統食材を持ち込んで独自の食文化を築いていた。 市の中心部には料理屋が軒を連ね、鹿が人を恐れずに街角に出てきて、静かに旅人を迎えていた。
続く──
----------------------------------
「パパーン」
マリオとリカコはタブレットの起動音で目が冷めたのだった。
「マリオさん、リカコさん、お早うございます」
「今回の更新で神界のヨダシステムと繋がり、私の名前は大賢者ウリエルになりました」
「検索機能が大幅に強化されたので何なりとお聞き下さい」
「ウリエル、それはよかったね」
マリオはいきなり大きな起動音で起こされたのでかなり不満顔だった。
「信心深き者たちよ」
「我らはこのナニサカ市を統べるバッカスとアリアドネなり、今回の更新はゼウス様とヘーラ様の特別な計らいで、神界の我らと常時繋がるようになったのじゃ」
「これは神託であるが……今からエラポリ市とタートル市の2つの街を探査する旅に出て、我らに報告するのじゃ」
「なお、ウリエルに目的地を指定すれば、最適なコースを選んでくれるので後は全て任せれば良いのじゃ」
「それと、今後のためにキャンピングカーの改造を行うのでウリエルの指示に従い、キャンピングカーの改造を終えてからエラポリ市とダマスキノ市に向かうのじゃ」
そう言われて、神様の通信が終わり画面が消えていった。
「マリオさん、リカコさん、先にリコマ山に行ってキャンピングカーのエンジンを魔導ジェットに換装しましょう」
「ウリエル、魔導ジェットって何なの?」
「はい、魔導ジェットとは小型のジェットエンジンの事でキャンピングカーで空を飛べるようになります」
「はぁ?、何でキャンピングカーが空を飛ぶの?」
「はい、創造神ゼウス様の妻神ヘーラ様の強いご要望で実現した機能なのです」
「キャンピングカーでは道路事情も有り地方へ行く場合は日数もかかるのでヘーラ様がゼウス様に提言して実現した機能です」
タブレットには魔導ジェットの解説画面が表示されていた。
◇ ◇ ◇ ◇
余談になるが、神々は天界の山で定例会議を開いていた。タブレットの下賜は勇者、聖女の育ち具合によって順番に下賜されていた。男神たちは会議で酒を酌み交わしながら、女神たちは着飾ってスイーツを食べながら会議に臨んだが、女神たちの会議の議長を務めているのがゼウスの妻のヘーラであった。
それぞれ地方担当の女神たちは、新しいスイーツ探訪と化粧品の開発も含めて女性の美意識向上がヘーラから課された課題であったが、神は地上の人間に干渉することは出来ないので、それぞれ勇者と聖女を擁して育成を計画していたのだった。
ヨダシステムとは創造神ゼウスが知恵の神ミーミルとソフィアに命令して作らせた旗艦サーバーシステムのことでそれぞれの地域に旗艦サーバーを割り当て天使長の名を冠することが許可されていた。
◇ ◇ ◇ ◇
「へぇ~、そんな事が神様の会議で決まっていたんだ」
「マリオさん、他の勇者と聖女に会ってみたいね」
「そうだね、機会があれば会ってみたいね」
「では、リコマ山で魔鉱石を採取しますので、青のスイッチを押して下さい」
「了解」
マリオは青のスイッチを押した。キャンピングカーは静かに発進を始めた。今回はリコマ山まで少し急ぐのだが、タブレットの画面にリコマ山までの所要時間は2時間と出ていた」
リカコは、簡易キッチンで卵サンドを作ってくれたので二人で美味しく頂いた。前回の冒険ではハラカシ町で魔鉱石を採取したが、今回のリコマ山はナニサカ市とエラポリ市の中間に位置していた。
キャンピングカーはリコマ山に2時間丁度で到着した。タブレットの画面で確認すると付近の洞窟は5つ以上有るようで、全て赤い点が光っていたのだった。
「ウリエル、洞窟の魔物は何が居るの?」
「左の洞窟から、コボルト、オーク、大蝙蝠、サーペント、ロックリザードになります。左端のコボルトから攻めていきましょう」
「マリオさんは魔導ショットガンを今から作りますので画像を見ながら具現化を始めて下さい」
「次はショットガンの弾です、こちらは雷魔法『サンダーボルト』を付与しますので先に弾は100発作りましょう」
マリオはレベルが上ったので魔素切れを起こさずにサンダーボルトを付与した弾は直ぐに出来たのだった。
「では、キャンピングカーから下りて、洞窟に入りましょう」
洞窟の中は生活魔法のライトで照らしても暗くて何も見えなかった。ショットガンの暗視スコープを覗くと、洞窟の奥でコボルトが待ち構えて居るのが手にとるように分かった。
「リカコ、タブレットの画面を見ていて」
マリオは洞窟の中心部にショットガンを打ち込んだのだった。
バシューン、青い稲妻が光って、コボルト10体は感電死していた。
「リカコ、赤い点はまだある?」
「いいえ、今の攻撃でコボルトは全滅したみたいよ」
「よし、前に進もうよ」
マリオとリカコの二人は洞窟の最奥部に到着すると、洞窟全体が魔鉱石で埋まっていた
「魔鉱石回収」
魔鉱石は全てマリオの収納に回収された。
「次の洞窟だね」
2番めの洞窟ではオーク5体を討伐して全て回収した、3番目の洞窟では大蝙蝠を討伐して魔鉱石の回収も順調に終わり、残りの洞窟でサーペント1体、ロックリザード1体と全て順調に倒して魔鉱石を回収していった。
「ウリエル、魔導ジェットのイメージを表示してくれ」
「了解しました」
マリオはタブレットの画面を見ながら、なるほど、凝った作りのエンジンだと思ったのだった。リカコに手を握ってもらい、具現化を始め10分ほどで完成したのだった。
「マリオさん、『チェンジ』と唱えて下さい」
「チェンジ」
無事に魔導ジェットと交換されたようだが、交換された元のエンジンが何処に消えて行ったかは考えないようにした。
「次は魔石板の作成になりますが、今から5枚作成していただきますので、マリオさんとリカコさんは魔力切れ防止の為、今から手を繋いで瞑想して下さい。その間に私自身の自動更新とキャンピングカーの改造を行います」
「リカコ、用意はいい?」
「ええ、マリオさんいいわよ」
二人が手を繋ぎ、瞑想に入ると、魔力が静かに循環し始めた。 虹色の光がキャンピングカーの内部を満たし、まるで神々の祝福が降り注いでいるかのようだった。
外の世界は静まり返り、時間が止まったような感覚に包まれる。 その間、ウリエルは自動更新を進め、キャンピングカーの内部では魔導ジェットの交換によって空を飛べるように改造が行われていた。
マリオとリカコの意識が神界に届いていたかは定かではないが、二人は珍しく夢を見ていた。神々が宮殿で勇者と聖女の事で会議を行っているように見えたが、詳しい内容は分からなかった。
3時間後、パパーン、タブレットの起動音がしたので、マリオとリカコは目を覚ました。
どうやらタブレットの自動更新とキャンピングカーの改造が全て終わったようだ。
「マリオさん、リカコさん、お待たせを致しました。では残りの魔石板を5枚作りましょう」
「リカコ、お願いね」
「ええ、マリオさん」
リカコの手はマリオの手に触れて、マリオは魔石版の抽出と具現化に集中した。
「1枚、2枚、3枚、4枚、5枚、ふう、終わったね」
「ええ、お疲れさまです」
「リカコも大丈夫だね」
「ええ、大丈夫よ」
「ウリエル、魔石板は作ったよ」
「マリオさん、作った5枚の魔石板はキャンピングカー横のスライド板を開けてセットして下さい」
ウリエルの更新と、魔石版の作成で採取した魔鉱石の半分以上は使ったようだとマリオは収納数の変化を感じた。
「では、飛行準備を行いますのでマリオさんは青いボタンを押して下さい」
「了解」
マリオはキャンピングカーの青いスイッチを押した。キャンピングカーは静かに上昇が始まり、一定の高さまで上昇すると、下から水平安定板が出てきた。
「マリオさん、リカコさん、テスト飛行を兼ねてナニサカ湾の上空を旋回してから、エラポリ市に着陸します」
キャンピングカーの上から眺めるとナニサカの港は大小の船が停泊をしていた。
「マリオさん、いい眺めね」
「うん、そうだね」
キャンピングカーはリコマ山から一路ナニサカ湾に向かって飛行テストを続けていた。タブレットの画面には飛行速度250km/h 高度6000ftと表示されていた。
「リカコ、ヘリコプターの速度とほぼ同じだね」
「マリオさん、何で分かるの?」
「若い頃に体験搭乗でヘリコプターに乗せてもらったから何となくだよ」
「ふ~ん、私は揺れないし、音も静かなので気にしていないよ」
「そうだね、キャンピングカーがどんな仕組みで飛んでいるかは謎だけど、揺れないし快適だね」
「そうよ、私気に入ったわ」
「まもなくエラポリ市に着陸します」
ウリエルの音声がそう告げると、窓の外には緑豊かな丘陵地が広がっていた。
ウリエルの解説で、エルフ語の『ヤッロセ』とは若草山の事で麓に位置するこの都市は、ハーフエルフと人族が共に暮らす数少ない自治都市であり、鹿を神聖視する文化が根付いている。
ヤムロ村の森エルフの血を引くハーフエルフたちが、エラポリ市を“地上の聖域”と呼び、森汁などの伝統食材を持ち込んで独自の食文化を築いていた。 市の中心部には料理屋が軒を連ね、鹿が人を恐れずに街角に出てきて、静かに旅人を迎えていた。
続く──
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