75 / 102
第3章
オランドの遊戯施設 無力化成功
しおりを挟む
「皆さん、今日これからピロタウンに滞在しませんか?」
「オランドで網を張っていますが勇者と聖女の行動が掴めないのです。」
「アラン、イワン、お疲れ様、そうだね、たまにはのんびりしようか」
「「「賛成」」」
「ダリナさん、エレナーとベッキーにフライドチキンを作ってもらいましょう」
「賛成」
「ダリナ、サブロー、私たちの分も作って」
「は~い」
「まずは圧力鍋ににんにくと白ワイン、醤油とスパイスで作った調味液を入れて3分煮るね」
「ダリナさ~ん、圧力ピンが下がりました。」
「エレナー、ベッキー、唐揚げ粉を用意して」
「サブロー、大鍋に油をいれてコンロにかけて」
ジョワー……ジョワー……、ジョワー……、ジョワー……
「ダリナさん、揚がりました。」
「ヒロシさん、ミサエさん、どうぞ」
「ヒロシさん、冷えたビールを作ってみました。」
「アラン、イワン、ビールの低温発酵って、どうやったの?」
「はい、ヨダシステムの情報から、地球の通販で売られている自家製ビールキットの情報を得たのです。この麦芽液だけはこの世界での材料で再現するのは難しいので創造魔法で作成しています」
「その麦芽液と酵母を混ぜたタンクをしばらく置いておいて発酵させたのです。」
「アラン、イワン、グッドジョブ、本当にすごいよ~」
「どういたしまして、サブローさんもどうですか?」
「アラン、イワン、コーラは出来た?」
「はい、こちらも炭酸水メーカーを開発して、炭酸水を先に作っておいて、コーラシロップをかければ出来上がりです」
「うぉ~、本当にコーラだ」
「ダリナさん、どうぞ」
「サブロー毎日飲めるね」
◇ ◇ ◇ ◇
その頃、勇者と聖女一行はオランドの遊戯施設『ねずみの国』で本当に遊び呆けていた。一般市民は勇者と聖女の奇行に苦情を入れたが、無視され、遊戯施設は貸切状態になっていた。
その遊戯施設は30年前の転生者が元の世界のテーマパークを真似て作った手の込んだ施設で、オランド市民から愛されていた。
勇者と聖女のペアは全員で10組だったが、4組は西部地域に派遣されていて、既に全スキルが『ルミナスの矢』で無力化されていた。残った6組の勇者と聖女は一人の勇者が駄々をこねて指導者二人を全員で血祭りに上げたので、『ねずみの国』で羽目を外していたのだった。
「あの、黒メガネの指導者、普段から超うざかったので指を全部落として、目玉くり抜いてやったら、血の涙を流していたぜ」
「そう、あの女もうざったかったので、私たち全員で押さえつけて耳を削いであげたら、ギャーギャー涙を流していたわ」
「ギャハハハ、そりゃ愉快だぜ」
「そうだろ~」
「5号より緊急連絡、勇者・聖女の反応多数あり、0度方向、距離3万5000メートル。魔力レベル20から25の生物が12名、対象は堕天使・ルシファーが召喚した勇者と聖女の一行と認定、これより無力化を実行します」
「迎撃モード移行」
機体の腹部が開き、魔核エネルギーを収束した光の矢『ルミナスの矢』が生成された。これは殺傷ではなく、対象のスキルを全て封印し、レベルを永久に10に封印する神の呪いだった。
「『ルミナスの矢×6』発射まで3、2、1…」
ズドンッ!
光の矢が空を裂き、勇者・聖女の胸に当たり周囲に目に見えない魔法陣が展開された。
「スキルの全消滅を確認」
「魔力レベルは全員が5以下です」
「通常モードに移行」
「なぁ、何か光ったか?」
「太陽の反射でしょ、それよりも遊びましょう」
誰一人スキルが失われたことに気付くでもなく、夕方まで遊び、翌日、魔導飛空船で宿舎に戻らされた。
内陸のメルフィスはバーボンが有名だったが、バーボネラ・クラフト蒸留所が組織の本部だった。
ジョージ・ブッセという銘柄のウイスキーで主にアメリカ国内とサンパウロ国に販売していたが、中身は少量の原酒と色付けのカラメルにメープルシロップ、醸造アルコールと水で薄められ、飲みやすく調合されていた。
ウイスキー会社は表の顔で、教会と癒着して人材斡旋、貿易代行など総合商社の顔を持っていた。
勇者と聖女は教会併設の宿舎で寝泊まりしていたが、幹部の誰もが勇者と聖女が無力化されたことに気がついていなかった。
翌日、早朝……
「4号より緊急連絡、敵・アジトを発見、270度方向、距離4万4000メートル。魔力レベル20の幹部が10人と魔力35の魔法使い30人、魔法使いは召喚魔法に特化しています 敵認定確認、これより無力化を実行します」
「迎撃モード移行」
機体の腹部が開き、魔核エネルギーを収束した光の矢『ルミナスの矢』が生成された。これは殺傷ではなく、対象のスキルを全て封印し、レベルを永久に10に封印する神の呪いだった。
「『ルミナスの矢×40』発射まで3、2、1…」
ズドンッ!
光の矢が空を裂き、幹部たちと魔法使いたちの胸に当たり周囲に目に見えない魔法陣が展開された。
「魔術師の召喚魔法消滅を確認」
「幹部のスキル消滅確認」
「魔力レベルは全員が5以下です」
「通常モードに移行」
ピピピ、ピピピ、ピピピ、タブレットのアラーム音でヒロシとミサエさんは目覚めたのだった。
「ミサエさん、おはよう」
「ヒロシさん、おはよう」
「アラームが鳴ったので何かあったようだね」
「アラン、イワン、おはよう、何かあったの」
「はい、先ほど、召喚魔法使いと幹部を無効化しました」
「これでアメリキ国にいた勇者聖女と幹部に魔法使いは全て無効化された」
「皆んな、お疲れ様でした」
(話終わり)
----------------------------------
追記:堕天使・ルシファーが召喚した勇者と聖女は日系ブラジル人学校の生徒たちです。
全員が教会から勇者・聖女認定されています
【ネズミの国で無力化された勇者と聖女】
⑤ リョウ・マサ・クドウ LV44 【視界拡張】【遠隔照準】
サヤ・リナ・モリ LV45 【幻視】【感応共鳴】
遊戯施設組。観察・感知系スキル。
⑥ ヒロ・ユウキ・カネコ LV46 【耐熱強化】【魔導炉理解】
アヤ・ノゾミ・サカモト LV46 【水流操作】【温度調整】
浴場要求組。生活魔法に長ける。
⑦ ダイスケ・レイ・ミヤザキ LV43 【交渉術】【言霊操作】
エミ・ナツ・ハヤシ LV44 【魅了の声】【契約印】
店での交渉組。言語・契約系スキル。
⑧ ユウト・ケイ・タナカ LV49 【筋繊維強化】【武器適応】
マイ・ユウ・カワグチ LV48 【聖具操作】【防御結界】
物理系ペア。戦闘訓練未経験。
⑨ ショウ・レオ・ヤマシタ LV41 【魔獣親和】【使役術】
ユリ・ミホ・ナガセ LV42 【契約魔法】【生命感知】 ティム命名組。獣魔系スキル持ち。
⑩ カズ・トモ・ハセガワ LV40 【睡眠耐性】【体温調整】
アカネ・ミサ・イノウエ LV41 【祝福布展開】【夢見の祈り】 湯冷め組。回復・睡眠系スキル持ち。
「オランドで網を張っていますが勇者と聖女の行動が掴めないのです。」
「アラン、イワン、お疲れ様、そうだね、たまにはのんびりしようか」
「「「賛成」」」
「ダリナさん、エレナーとベッキーにフライドチキンを作ってもらいましょう」
「賛成」
「ダリナ、サブロー、私たちの分も作って」
「は~い」
「まずは圧力鍋ににんにくと白ワイン、醤油とスパイスで作った調味液を入れて3分煮るね」
「ダリナさ~ん、圧力ピンが下がりました。」
「エレナー、ベッキー、唐揚げ粉を用意して」
「サブロー、大鍋に油をいれてコンロにかけて」
ジョワー……ジョワー……、ジョワー……、ジョワー……
「ダリナさん、揚がりました。」
「ヒロシさん、ミサエさん、どうぞ」
「ヒロシさん、冷えたビールを作ってみました。」
「アラン、イワン、ビールの低温発酵って、どうやったの?」
「はい、ヨダシステムの情報から、地球の通販で売られている自家製ビールキットの情報を得たのです。この麦芽液だけはこの世界での材料で再現するのは難しいので創造魔法で作成しています」
「その麦芽液と酵母を混ぜたタンクをしばらく置いておいて発酵させたのです。」
「アラン、イワン、グッドジョブ、本当にすごいよ~」
「どういたしまして、サブローさんもどうですか?」
「アラン、イワン、コーラは出来た?」
「はい、こちらも炭酸水メーカーを開発して、炭酸水を先に作っておいて、コーラシロップをかければ出来上がりです」
「うぉ~、本当にコーラだ」
「ダリナさん、どうぞ」
「サブロー毎日飲めるね」
◇ ◇ ◇ ◇
その頃、勇者と聖女一行はオランドの遊戯施設『ねずみの国』で本当に遊び呆けていた。一般市民は勇者と聖女の奇行に苦情を入れたが、無視され、遊戯施設は貸切状態になっていた。
その遊戯施設は30年前の転生者が元の世界のテーマパークを真似て作った手の込んだ施設で、オランド市民から愛されていた。
勇者と聖女のペアは全員で10組だったが、4組は西部地域に派遣されていて、既に全スキルが『ルミナスの矢』で無力化されていた。残った6組の勇者と聖女は一人の勇者が駄々をこねて指導者二人を全員で血祭りに上げたので、『ねずみの国』で羽目を外していたのだった。
「あの、黒メガネの指導者、普段から超うざかったので指を全部落として、目玉くり抜いてやったら、血の涙を流していたぜ」
「そう、あの女もうざったかったので、私たち全員で押さえつけて耳を削いであげたら、ギャーギャー涙を流していたわ」
「ギャハハハ、そりゃ愉快だぜ」
「そうだろ~」
「5号より緊急連絡、勇者・聖女の反応多数あり、0度方向、距離3万5000メートル。魔力レベル20から25の生物が12名、対象は堕天使・ルシファーが召喚した勇者と聖女の一行と認定、これより無力化を実行します」
「迎撃モード移行」
機体の腹部が開き、魔核エネルギーを収束した光の矢『ルミナスの矢』が生成された。これは殺傷ではなく、対象のスキルを全て封印し、レベルを永久に10に封印する神の呪いだった。
「『ルミナスの矢×6』発射まで3、2、1…」
ズドンッ!
光の矢が空を裂き、勇者・聖女の胸に当たり周囲に目に見えない魔法陣が展開された。
「スキルの全消滅を確認」
「魔力レベルは全員が5以下です」
「通常モードに移行」
「なぁ、何か光ったか?」
「太陽の反射でしょ、それよりも遊びましょう」
誰一人スキルが失われたことに気付くでもなく、夕方まで遊び、翌日、魔導飛空船で宿舎に戻らされた。
内陸のメルフィスはバーボンが有名だったが、バーボネラ・クラフト蒸留所が組織の本部だった。
ジョージ・ブッセという銘柄のウイスキーで主にアメリカ国内とサンパウロ国に販売していたが、中身は少量の原酒と色付けのカラメルにメープルシロップ、醸造アルコールと水で薄められ、飲みやすく調合されていた。
ウイスキー会社は表の顔で、教会と癒着して人材斡旋、貿易代行など総合商社の顔を持っていた。
勇者と聖女は教会併設の宿舎で寝泊まりしていたが、幹部の誰もが勇者と聖女が無力化されたことに気がついていなかった。
翌日、早朝……
「4号より緊急連絡、敵・アジトを発見、270度方向、距離4万4000メートル。魔力レベル20の幹部が10人と魔力35の魔法使い30人、魔法使いは召喚魔法に特化しています 敵認定確認、これより無力化を実行します」
「迎撃モード移行」
機体の腹部が開き、魔核エネルギーを収束した光の矢『ルミナスの矢』が生成された。これは殺傷ではなく、対象のスキルを全て封印し、レベルを永久に10に封印する神の呪いだった。
「『ルミナスの矢×40』発射まで3、2、1…」
ズドンッ!
光の矢が空を裂き、幹部たちと魔法使いたちの胸に当たり周囲に目に見えない魔法陣が展開された。
「魔術師の召喚魔法消滅を確認」
「幹部のスキル消滅確認」
「魔力レベルは全員が5以下です」
「通常モードに移行」
ピピピ、ピピピ、ピピピ、タブレットのアラーム音でヒロシとミサエさんは目覚めたのだった。
「ミサエさん、おはよう」
「ヒロシさん、おはよう」
「アラームが鳴ったので何かあったようだね」
「アラン、イワン、おはよう、何かあったの」
「はい、先ほど、召喚魔法使いと幹部を無効化しました」
「これでアメリキ国にいた勇者聖女と幹部に魔法使いは全て無効化された」
「皆んな、お疲れ様でした」
(話終わり)
----------------------------------
追記:堕天使・ルシファーが召喚した勇者と聖女は日系ブラジル人学校の生徒たちです。
全員が教会から勇者・聖女認定されています
【ネズミの国で無力化された勇者と聖女】
⑤ リョウ・マサ・クドウ LV44 【視界拡張】【遠隔照準】
サヤ・リナ・モリ LV45 【幻視】【感応共鳴】
遊戯施設組。観察・感知系スキル。
⑥ ヒロ・ユウキ・カネコ LV46 【耐熱強化】【魔導炉理解】
アヤ・ノゾミ・サカモト LV46 【水流操作】【温度調整】
浴場要求組。生活魔法に長ける。
⑦ ダイスケ・レイ・ミヤザキ LV43 【交渉術】【言霊操作】
エミ・ナツ・ハヤシ LV44 【魅了の声】【契約印】
店での交渉組。言語・契約系スキル。
⑧ ユウト・ケイ・タナカ LV49 【筋繊維強化】【武器適応】
マイ・ユウ・カワグチ LV48 【聖具操作】【防御結界】
物理系ペア。戦闘訓練未経験。
⑨ ショウ・レオ・ヤマシタ LV41 【魔獣親和】【使役術】
ユリ・ミホ・ナガセ LV42 【契約魔法】【生命感知】 ティム命名組。獣魔系スキル持ち。
⑩ カズ・トモ・ハセガワ LV40 【睡眠耐性】【体温調整】
アカネ・ミサ・イノウエ LV41 【祝福布展開】【夢見の祈り】 湯冷め組。回復・睡眠系スキル持ち。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる