改訂版 愛のエキスと聖女さま

第３章

テストフライト

「皆んな～、メガロドラコニアで飛ぶよ」
「「「「は～い」」」」

「ラファエル、フライト前チェックをお願い」
「了解しました。はりきっていきますよ」

「絶対防御Max展開」
「圧力隔壁異常無し」
「飛空システム異常なし」
「オートバランサー作動正常」
「オートジャイロ作動正常」
「射撃統制システム作動正常」
「計器類オールグリーン」
「フライトチェック、完了」
「マジック・リアクター起動」
「エネルギ出力100パーセント」ポワ～ン　グオングオングオン　
「圧力上昇」
「主回路・コンタクト」
「V1　V2 　VR　」
「テイクオフ」
　ポーンポーン、「離陸成功です」

「ヒロシさん、いつも思うのですが、今回のラファエルは特に気合が入っていましたね」
「サブロー、ポワ～ンってランプが点灯して　グオングオングオンと『V1　V2 　VR　』は男のロマンだろう」
「そうですね、ヒロシさんのロマンでした」

「高度1万メートル」
「与圧隔壁異常なし」

「高度2万メートル」
「与圧隔壁異常なし」

「高度4万メートル」
「与圧隔壁異常なし」「テストフライト続行」

「高度6万メートルまで上昇」
「与圧隔壁異常なし」

「マジック・リアクター出力安定」
　ポーンポーン、「現在、マッハ2で飛行」

「ヒロシさん、メガロドラコニアは月まで飛行できるのですか？」
「アラン、イワン、ロケットのように第二宇宙速度のマッハ33って出せるの？」

「メガロドラコニアはシャトルのように見えますが、高速飛行は魔導原子炉が暴走・崩壊しますので宇宙空間の飛行は無理だと思ってください」

「そうだね、マッハ2で6万メートルの高さを飛べるだけで今までのログハウスより超進歩だよ」

「ミサエさん、リビングとキッチンの装備がまた新しくなりましたね」
「ラファエルのこだわりで住宅メーカーの最新式で揃えたみたいね」

「ミサエさん、まったくエンジン音がしませんね」
「隔壁のおかげだと思うわ」

　試験飛行を続けて1時間後、ポーンポーン、「これよりオサプマ鉱山に着陸します」

「よっしゃ～、鉱石採取だ」

「アラン、イワン、鉱石の必要量は？」

「ミスリル鉱石は在庫0樽、魔石は0樽、オリハルコンは鉱石0樽です」

「面倒だから、全部掘っていくのでいいよね」
「ヒロシさん、領主に文句言われないですか？」

「アランとイワンが地面を元通りにするから大丈夫かな」
「そうとも言いますね」

「エレナ、ベッキ、今度は負けないからな」
「アラン、イワン、勝負よ」

「ヒロシさん、うちのバトルメイドとバトル執事は何でいつも鉱石で勝負するの？」
「ミサエさん、たぶん、4人ともリミッターが外れているから戦闘力は有り余っているけど、敵と戦う機会が少ないので鉱石採取で競い合うのだと思います」

「そうね、自由にやっているからいいわ」
「ダリナ、お茶の準備をお願い」
「は～い」

「ダリナ、これは何？」
「ブリガデイロだそうで、エレナとベッキが作ってくれたみたいです」

「ふ～ん」ポリ、「何これ、甘っ！！」
「ミサエさん、超甘でしょ」

「サブローは食べるけど、ヒロシさんは無理かも」
「紅茶を少し濃い目にすれば全員が食べれるわね」

「皆んな～お茶よ」
「「「「は～い」」」」

「ダリナさん、うまっ」

「エレナ、甘～い♡」
「ベッキ、ズルイ」

「アラン、エレナとベッキには敵わないな」
「ああ、2連敗だ」

「アラン、イワン、よく頑張ったね」

「ヒロシさん、大型転移門は鉱山の上で組み立てます」
「そうだね、その方が飛行の邪魔にならないだろうね」

「とりあえず、山の上に移動しようか？」
「「「「はい」」」」

「「「「フォージ・ミスリルピラー」」」」
「フォーミング・ミスリル・ピラー・プーリング」

「クリエイト・ＡＩクリスタル・レシーバー」
「コンバインド・ミスリル・ピラー」
「コネクト・ＡＩ・リンキング」
　アランとイワンは呪文を唱えながら器用にミスリルの柱を成形していった。

「ヒロシさん随分高い柱ですね　そうだね、高さは60メートル、横幅100メートルの巨大建造物だ」
「かなり余裕をもたせたのですね」

「ところで、テストは行うのですか？」
「その予定だ」

「ラファエル、テストは何処へ飛ぶの？」
「神界です。大型転移門のAIクリスタル脳に座標コードをインプット出来るのは神様たちだけです」
「そうだね」


「プリアーポス様、ボナデア様、大型転移門が完成しました。ただ今からそちらに伺ってよろしいですか？」
　おお、ヒロシか、準備は出来ておるのじゃ。メガロドラコニアで転移門をくぐれば宮殿前じゃ」

「分かりました。今から伺います」

「テイクオフ」
　ポーンポーン、「旋回後に大型転移門をくぐり抜けます」
「3，2，1　ゴー」

「神界に到着です」

「皆、よく来たのじゃ」
　オリンポスの宮殿に呼ばれるのは今回で二度目だったが、女神たちが既に食事の用意をしてくれていた。

「此度の活躍は大義であった。しかし、皆で工夫し、大型のメガロドラコニアを作り上げたのには神々も驚き、胸の高鳴りを覚えたのじゃ」

「ヒロシ、ところでルシファーに勝つ自信はあるのか？」

「はい、メガロドラコニアには左右の主砲とは別に最終兵器で魔導原子炉の熱エネルギーを敵に向けて撃つアストラ・ブラスター砲が艦首に仕込んであります。最終的には快楽の星を破壊消滅させようと考えています」

「ホーホーホー、ジェネオスとアギオスたちは快楽の星を破壊消滅させると申しておるのじゃ」
「「「「「「うぉ～～～～～～～」」」」」」
「「「「「「意義なーし」」」」」」

「申し上げます。大型転移門への座標コードは全て転送が終わりました」
「ミーミル、ソフィア、大義であった」

「申し上げます。快楽の星へ大型転移門を通して映像が繋がりました」
　大型スクリーンには快楽の星の様子が360度映っていた。快楽を求めて男女がペアになっているが、そこに愛があるようには見えなかった。中央に祭壇が置かれ、快楽と悪意のエネルギーが充満しているのが分かった。

（話終わり）
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