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第1章

1-8 キャンピングカーを作った

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 プリアーポス様とボナデア様から『世界辞書』をインストールしてもらったヒロシは先にスケッチブックを具現化して既にタブレットとキャンピングカーの絵を描き終わっていた。ついでに世界辞書のおかげでボウガンを具現化してゴブリン3体を倒したのだった。

 二人は神様から託された『明日から更にレベルを上げるために獣人族の村へ続く道を進み、洞窟で魔鉱石を採取してくるのじゃ』の神託を信じて早めにベッドに入った。

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 翌日、朝の鐘が鳴ると同時に出発してヒロシとミサエさんは獣人族の村へ続く道を歩いていた。

「ミサエさん、神様は『明日から更にレベルを上げるために獣人族の村へ続く道を進み、洞窟で魔鉱石を採取してくるのじゃ』って、言ってたけど獣人族の村の中に洞窟が有るのかな?」

「ヒロシさん、洞窟は『獣人族の村へ続く道』のに有るのだと思うわ」
「そうだね」

「ヒロシさん、あの崖の下に洞窟が有るよ」
「本当だ」

「ヒロシさん、洞窟の中に何かいる気配がするね」
「うん、俺も嫌な予感がする」

 ヒロシは収納からボウガンを取り出し、矢を番えた。ボウガンと矢は一昨日ヒロシが具現化で作ったのだった。

「ヒロシさん、オークが来るわ」
「ミサエさん、隠れて」
 パシュッ、オークの顔面に矢が当たって、直ぐに動かなくなった。

 更にやっかいな事に、二体のオークが迫ってきていた。パシュッ、パシュッ、幸いに矢は二本ともオークに当たって絶命したが、二人はかなり怖い思いをした。オークを収納に片付けて洞窟に入ろうとしたその時だった。

 バサバサバサ、洞窟の奥から大コウモリが飛び出してきた。ヒロシはミサエさんを庇ってしゃがみ込んだ。

「ヒロシさん、洞窟の中は真っ暗で危険よ」
「そうだね、懐中電灯は持っていないし」

「光はlightだから、ヒロシさん、ライトよ、ライト」
「ライト」
 ヒロシのライトを唱えて洞窟内が明るくなった。

「ミサエさん、洞窟が虹色に光っているよ」
「ヒロシさん、光る石を拾って帰りましょう」

「信心深き者たちよ」
「汝らは創意工夫し、いち早くレベルを上げたことは大儀であった」
「ヒロシ、ミサエの考えたタブレットは神界で正式に採用が決まったので、これより下賜するのじゃ」
「タブレットのスイッチを直ぐに入れて賢者にキャンピングカーの作り方を聞くのじゃ」

  プリアーポス様とボナデア様はそう言われると消えていかれ、空中にタブレットが浮んでいた。

「ミサエさん、タブレットのスイッチを入れるね」

「ヒロシさん、ミサエさん、始まして、私はタブレットの賢者と申します。これからお二人のお手伝いをしますのでどうかよろしくお願いします」

「では、はじめに今現在のお二人の現在のステータスを確認しましょう」

◇ ◇ ◇ ◇

【名前】ヒロシ・ミラタ
【種族】人族
【年齢】20
【称号】帝王
【スキル】
 プリアーポス神の加護
 創作 鑑定 収納 転移 世界辞書  
【LV】22
【MP】22000


【名前】ミサエ・ミラタ
【種族】人族
【年齢】20
【称号】聖女
【スキル】
 ボナデア神の加護 
 創薬 鑑定 収納 転移 世界辞書
【LV】22
【MP】22000
◇ ◇ ◇ ◇

「ヒロシさん、レベルが上ったね」
「そうだね」

「では、お二人は今からキャンピングカーを作っていただきます」
 タブレットの画面にはヒロシが考えたキャブコンのキャンピングカーが表示されていた。

「賢者、キャンピングカーを作る途中で魔力切れは起きないの?」
「はい、大丈夫です」

「心配なようでしたら、ミサエさんにペニスを握ってもらい二人の魔力を循環させながら作って下さい」


「ヒロシさん、おちんちんを握るわよ」
「ミサエさん、そんなに強く握ると出ちゃうよ」

「ヒロシさん、おちんちんはいいから真面目にキャンピングカーの事だけ考えて」
「うん、そうする」

ミサエさんはヒロシのズボンを下ろして優しくペニスをしごきながらつかんでいた。二人は向い合せで目をつぶっていた。ヒロシは黙り込んでしばらく考えているように見たが、ドド~ン、太鼓の音が鳴ってキャンピングカーが目の前に現れた。

「ミサエさん、本当に出来たよ」
「ヒロシさん、良かったね」

「ヒロシさん、ミサエさん、洞窟内の魔鉱石は全て回収してください」
「魔鉱石はキャンピングカーの動力と今後、武器を作る時に大量に必要になるからです」

「ミサエさん、収納にしまうね」

「では、お二人は今から裸になって交わって下さい、二人の魔力を循環させながらキャンピングカーの動力となる魔石板を作ります」
「この時、お互いの意識は魔石板だけに集中して下さい」

「では、始めて下さい」

「ヒロシさん、来て」
「ミサエさん、挿れるよ」


「ヒロシさん、ミサエさん、他の事は考えずに魔石板だけに精神を集中して下さい」

「1枚、2枚、3枚、ふう、やっと出来た」

 ビュルル、ビュルル、ビュルル、ビュルル、ビュルル、ビュルル、魔石板は3枚が出来上がり、ヒロシが気を抜いた途端に白いマグマはミサエさんの蜜壺へと流れていった。

「ヒロシさん、ミサエさん、お疲れ様でした。出来上がった魔石板はキャンピングカー横のスライド板を開けてセットして下さい」
 賢者の説明ではキャンピングカーの魔石板は最大で10枚がセット出来るようになっていた。

「ヒロシさん、すごいね、ベッドも広いよ、それにトイレとシャワーもついているわ」
「ミサエさん、本当だね、キッチンも付いているから至れり尽くせりだね」
 二人はキャンピングカーに乗り込み、豪華な作りに驚いたのだった。

「では、運転操作の説明をします。基本的に自動運転装置オートパイロットが付いていますからハンドルには手を添えているだけです」

「スタートは青いボタンで発進します、停止は目的地に着くと自動停止します」
「キャンピングカーの走行中は結界魔法でキャンピングカーは外からは見えなくなっています」

「賢者、目的地はお任せするで今からドライブに連れて行ってよ」

「はい、ここからソタイン村、カブラ村を経由してオカロダ町まで行って、折り返しソタイン村に帰ってくるコースです」
「片道40キロ、およそ30分の旅程になります」

「ヒロシさん、青いボタンを押して発進して下さい」
 ヒロシは青いボタンを押したので、キャンピングカーは地面から少し浮かび上がって浮上走行を始めた。

「ミサエさん、全然揺れないし、音が静かだね」
「そうね、ハイブリッド車なのかしら?」

「そうだね、ハイブリッド車なのかな」
「感覚的にスピードは時速80キロ以上は出ているかな?」

「そうね」
 キャンピングカーは浮上走行を続けて、30分後にオカロダ町の入り口、アチヤ川の堤防で停止したのでヒロシはキャンピングカーを収納にしまった。

 オカロダ町はこの地域では一番大きな町だった。ソタイン村を治める領主の城はオカロダ町の海岸にあった。また川を利用してノーミ市からオカロダ町まで船が行き来していた。またキント市とオカロダ町の間は15海里離れており1枚帆の小型の弁才コグ船で4時間程度で行き来が出来たのだった。弁才船とは千石船とも呼ばれ1本マストのコグ船の事だった。

「ミサエさん、大きなお城だね」

「ヒロシさん、海に浮かぶお城って素敵ね」
「そうだね」

 海に浮かぶオカロダ城を眺めながら二人は町の中心部へと歩いていった。オカロダの市場の大通りには屋台が数多く並んでいた。屋台のいい匂いに誘われて、ヒロシとミサエさんは串焼き肉とクレープに似たガレットを注文した。

 オカロダ町は鍛冶職人が多く住み小さな工房が軒を連ねていた。オカロダ町の鍛冶師一門が作る刃はチーソ刀と呼ばれ、別名バスターソードとして近隣の剣士、冒険者から絶大な支持を受けていたのだった。

 ヒロシとミサエさんは人通りが少ない路地裏で結界を張ったままキャンピングカーを出して休憩をしていた。

(ヒロシさん、ミサエさん、オカロダ町の冒険者ギルドに行って勇者と聖女がいないか確かめましょう)
(’賢者、分かったよ、案内をしてくれ)

(それと、冒険者が絡んで来ると思いますので、短剣型魔導銃と両手杖を今から作りましょう)
 ヒロシはタブレットの画面を見ながら、ダガーナイフに似せた短剣型魔導銃とミサエさんの両手杖を作った。短剣型魔導銃は長剣が使えないヒロシが使い、両手杖はミサエさんが魔女の格好をして使う道具だった。ヒロシは創作スキルを発揮して紺色の錬金術師の服を作り、ミサエさんは創作で紫色の魔女服を作って着替えた。

「ミサエさん、似合ってるね」 
「ヒロシさんの錬金術師の服も似合っているわ」

 ヒロシとミサエさんはオカロダ町の冒険者ギルドに錬金術師と魔女の格好で入っていったのだった。

(話終わり)
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