異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが

倉田 フラト

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四十三話 【ヴェッヘッヘ】

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 その日は夜遅くまでフェルとアンアは取っ組み合いをしており、
 引き分けと言う事で幕を下ろし着替えを取りに寝室に向かうと
 ウルエが気持ちよさそうに寝ており、フェルは目をトロンとさせて近付き、
 柔らかい頬っぺたをツンツンと呟き一人満足そうに笑顔を浮かべて風呂場に向かった。

 翌日、ウルエはぐっすりと寝た為とても清々しい朝を迎えた。
 ちなみに二人は取っ組み合いの所為でとても疲れており
 未だにぐっすりと気持ちよさそうにねている。
 二人を起こさないようにしてこっそりと抜け出して朝の身支度を済ませる。

「さて!」

 身支度を終えたウルエは置手紙を書いて寮を飛び出した。
 置手紙の内容は、
『少し体を動かしたいのでダンジョンへ行ってきます
 できるだけ早く帰ってくるようにするので心配しないで!』と言うものだ。
 
 つまりウルエは再び迷宮に赴きスライムを探しにいくのだ。
 
「休日なのにまた行くんですか」

「はい、探しものがあるので!」

 しっかりと名前を記入して迷宮へと足を運ぼうとすると――

「おっと、ちょっと待ってくれ!」

「ん?」

 門兵が何かを思い出した様で慌てた様子で声を掛けた。
 ウルエは足を止めて門兵の方に振り向く。

「バロンって言う冒険者が言っていたんだけど、
 入口付近であいつを見たって君に伝える様に――」

「ありがとう!行ってきます!」

 その言葉を聞いてウルエは物凄い速さで門兵の言葉を遮り迷宮の中へ入って行った。
 迷宮に入り早速スライムの姿を探す。
 きょろきょろと周りを見渡すと――

「あっ!」

 丁度地面の隙間と言う隙間から純白の液体がわきでてきて
 一か所に集まり一体の純白のスライムが形成された。

「スライム!!」

 ウルエは勢いよくスライムに抱き着こうとすると、
 それを歓迎するかのようにスライムの体は巨大化して
 ウルエの事をぽよよんと受け止めてくれた。

「あぁ、会いたかったよー」

 スライムもそれに応えるように体をプルプルと震わせていた。
 暫く二人で戯れているとスライムがなにやらもぞもぞと動き始め、
 触手の様なものを出し、その先端にはなにやら指輪がくっついていた。

「え、これくれるの?」

 指輪を見てウルエがそう尋ねた。
 するとスライムは体をぷるぷると震わし肯定する。
 
「ありがと!」

 ウルエは何の躊躇いもせずに指輪を貰って早速指にはめる。
 飴の件で後悔したというのにも関わらず、本当に学ばない子だ。
 そして指輪をはめてしまったウルエは――

「うっ!?」

 突然指から全身に掛けて激痛が走った。
 その痛みを和らげてくれる様にスライムがウルエの事を包み込む。
 すると、不思議な事に身体を走る激痛が消えていく。

「っ!、なんだったんだろう」

 スライムに包まれながらそんな疑問を抱く。
 身体の彼方此方を見てみるが、どこにも異変は現れては居なかった。
 
「ありがとね、スライム!」

 良くわからないが、痛みを和らげてくれたのはスライムだと分かり、
 お礼を言うウルエだが、その痛みの原因もスライムが渡した指輪によるものなのだが、
 頭の中がお花畑に近い状態のウルエはそんな事思いもしない。

 スライムは一度プルっと震えると小さなスライム状態に戻り、
 ウルエはそれを抱きかかえる形で持ち上げた。

「ねぇ、スライムさん。この指輪って何か効果とかあるのかな?」

『あるぞ。俺様と会話できるようになるのだ!
 それとそのスライムの名前はナーガだ』

「え!?」

 ウルエは突然脳に響く声に驚いたが、
 それ以上にスライムが喋ったと思って驚いたのだが、
 同時に実際はスライムではない何者かが喋っていると言うことにがっかりもした。

「誰?」

『俺様はケインだ!!ヴェッヘッヘ!』

「け、ケインさん?」

 ヴェッヘヘと頭の可笑しい笑い方をしているが、
 実はこの声の主はトンデモナイ存在なのだが、
 ウルエがそのことを知るのはまだ後の方だ。

『ああ、そうだ!ちなみに、ナーガに指輪を渡したのは俺様で、
 人間に渡すように頼んだもの俺様だ!ヴェッヘヘ!』

「ナーガ、なんか変な人に話しかけれてるんだけど……」

 取り敢えずスライムの名が分かり、その名でスライムに話しかける。
 と言うよりは脳に響く声から現実逃避をしているのだ。
 ナーガはそれにこたえるようにぷるぷると震えて
 触手を伸ばしウルエの頭を撫ではじめた。

「ナーガ!!君は本当に優しいね」

『こらこらこらこら――!俺様の前でいちゃつくな人間!あとナーガ!!
 まあ、俺様は寛大だからな許す!所で人間!名前はなんというのだ?』

「えっと、ウルエです」

 話している内になんだか楽し気な人だなと思うウルエであった。

感想返信で更新頻度は落とさずと言ったにも関わらず早速予約投稿し忘れるという
愚かなことをしてしまいました。本当に申し訳ございません。
代わりと言ってはなんですが27日の更新は2時間毎におこないます。
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