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第一部:らいおんはうさぎによりそう
文化祭:誰かの常識の中ではメイドと執事はセットらしい
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文化祭当日。
司はプラネタリウムを上映する為に天文サークルが借りた一室の中で、メイド服に身を包んだ一年女子三人組を前にしていた。
「ギリギリになっちゃったけど、何とか間に合ったよ。どう?」
ふう、とありもしない汗を手の甲で拭いながら小谷が言い、一番近くの花をクルリと回す。
「すごいねぇ。デザインも京子が考えたの?」
部長の飯沢が感嘆しきりの声で言うのへ、小谷が深々と頷いた。
「はい。そこで三日かかりましたよ。由美ちゃんはクール清楚系、絵梨ちゃんはクラシカル、花ちゃんは甘ロリ系にしてみました――って、獅子君、なんか微妙な顔してるね」
自信に満ち満ちた顔で披露した小谷だったが、司を見て小首をかしげた。彼は花から衣装担当へと眼を移し、ムッツリと答える。
「……何で宇佐美だけスカート丈が短いんすか?」
デザインそのものは、割とオーソドックスなメイド服だ。司が心配していたようなどこぞの電気街で見るような、やけに鎖骨の下が露出しているようなものでもないし、袖は手首までだし、ちょっと屈んだら下着が見えるような代物でもない。
が、気になるのはそのスカート丈だ。確かに極端に短いわけではないが、金古と乾は膝下数センチはあるのに、花だけ膝小僧が見えている。
仏頂面でその点を指摘した司を、小谷はやけにニヤニヤしながら見上げてきた。
「あはは。獅子君、お父さんみたいなこと言って」
「見たままを言っただけだ」
別に、似合わないとも気に食わないとも言っていない。ただ、望ましくないと思っているだけで。
眉間に深い皺を刻んでの司の返事に、小谷はしたり顔で頷く。
「まあ、そういうことにしておこうか。でもね、花ちゃんは小っちゃいから、このくらいの方がいいんだよ。膝下だともっさりした感じになっちゃう。実際、可愛いでしょ?」
小谷は得意満面で同意を求めてきたが、だからこそ、問題なのだ。
司は金古、乾、花の順に眺めやる。
三人とも黒いワンピースにヒラヒラした白いエプロンなのだが、微妙にデザインが違う。花が来ているものは他の二人よりもヒラヒラ要素が多いように見えるし、襟で結ばれたリボンも大きめだ。
確かに、似合っている。
むしろ似合い過ぎているのが問題で、これを衆目に晒すのが良いことだとは司には思えない。
だが、可愛らしい衣装で嬉しそうにしている花に対して、今さらやめろとも言えないのだ。
能面の下で葛藤する司をよそに、小谷が不意にポンと手のひらに拳を打ち付けた。
「あ、そうだ。メイドさんたちの完成度の高さに忘れるところだったよ。これ、獅子君のね」
その台詞と共に小谷が司に差し出した物は、中に黒っぽい布の塊が入った紙袋だ。反射的に受け取ってしまってから小谷を見ると、彼女はニッコリと笑顔を返してきた。
「花ちゃんがメイドだから、獅子君のは執事服」
「……は?」
「え、だって、獅子君、花ちゃんにずっと引っ付いておくんでしょ? だったら、メイドには執事だよ?」
一片の迷いなく、万物の理然とした口調で言われても、司の常識の中にそういった事実はない。
「待ってくれ」
「大丈夫大丈夫。私、見ただけでサイズ測れるのが特技だから。ジャストサイズのはずだよ」
「そうじゃなくて――」
全く会話が噛み合わない――というより、司の声はテンションが上がった小谷の耳には届いていないらしい。
「あ、前髪は上げてね。はい、これ使って」
と彼女が押し付けてきたのは整髪料だ。
「ちょっと……」
「何? 着替え手伝って欲しい?」
すかさず伸びてきた手にその場で服を剥ぎ取られそうな危機感を覚え、司は一歩後ずさる。
「そうじゃなくて、俺はこのままでいいっすよ。目立たないようにしてますから」
ようやくそう告げ司が衣装の入った袋と整髪料を小谷に突き返そうとしたところで、いかにも残念そうな声が届いた。
「え……獅子王くん、着ないの?」
振り返ると、花が見るからに落胆した顔で彼を見上げている。小さな両手を胸の前で握り合わせているから、破壊力が倍増していた。
「獅子王くん、似合うと思うのに。わたし、見てみたい」
言葉だけでなく眼でも乞われ、司はグゥと唇を引き結ぶ。そんな眼差しを拒むのは、『拾ってください』と書かれた箱に入れられた仔犬の前を素通りするようなものだ。
小谷のごり押しなら、いくらでも跳ね返せる。
だが、これは――
司は奥歯を食いしばり、その隙間から声を押し出す。
「――判った。着替えてくる」
彼の答えと同時に花の顔がパッと明るくなった。
こんなに露骨に喜ばれて、拒否することなどできようか。
胸の内でため息をこぼしつつ、司は紙袋の中に整髪料を放り込み、トイレに向かう。
個室に入って中身を取り出してみると、概ね、普通のスーツと大差がなかった。が、幾つか謎のパーツもある。
これは確かに小谷の手伝いが必要なのかもしれない。
そんな恐ろしい考えが頭をよぎって司は眉をひそめたが、紙袋の奥にA4サイズの紙が一枚残っていることに気が付いた。見れば、図入りで細かく着方が書かれている。
それと衣装を矯めつ眇めつしながらどうにか司は着替えを済ませ、個室から出た。鏡の前に立った彼は、そこに映し出されたものにげんなりする。
「おいおい……」
休日は遊園地の着ぐるみバイトを入れる時もあるが、アレの方が遥かにマシだ。
やっぱり無理だ。
司は執事の衣装と交代で自前の服を入れた紙袋を掴む。
だが、個室に取って返して元の服に着替えたくなる衝動も、花の期待に満ち満ちた眼差しが脳裏に蘇れば、一瞬で後者に軍配が上がった。
深々としたため息を吐き出して、小谷に言われた通り前髪を上げると、普段は金髪の下に隠れている日本人では有り得ない色をした瞳が露わになった。司はそれをジッと見つめる。
子どもの頃は緑と茶色が混じったようなその色をヤイヤイ言われるのが面倒で、伸ばした前髪で隠していたのだ。ガタイが良くなってからはそういうからかいはなくなったものの、惰性でそのままにしていた。が、今度はその隙間から見ようとしてつい目を眇めてしまうからか、ガンをつけてるのかとまた別の方向から良く絡まれたものだ。
(まあ、確かにこの方がまだ見られるかもしれないな)
久しぶりにまともに自分の目を見て、司はそんな感想を抱く。彼はもう一度前髪を掻き上げ、整えてから、トイレを後にした。
プラネタリウム会場まで戻る道すがら結構な人数とすれ違ったが、このお祭り騒ぎの中のせいか、こんな格好をした司を振り返る者はいない。
(まあ、そりゃそうか)
司は内心独り言ちる。
もっと、妙ないでたちをしている者も、ウロウロしているのだから。
そう思ってしまえば、気も楽になるというものだ。
花たちがいる部屋の前の廊下まで来たところで、司はふと立ち止まった。
扉の前に、花がいた。
まだ学外の者は入ってきていないとはいえ、人の行き来は多い。実際、通り過ぎるものは皆――特に野郎どもは――チラチラと花に視線を走らせていた。
メイド服という、奇異な格好をしているからではない。同じ類の司や他の連中は、スルーされているのだから。
花が見られているのは、別の理由だ。
今もまた、二人組の男が彼女を指さし何かを囁き合いながら通り過ぎて行った光景に苛立ちつつ、司は大股で彼女の元に向かう。
「宇佐美、中にいろよ」
あと数歩というところまで近づいたところで、自分のつま先を見つめるようにしていた彼女にそう声をかけた。
と。
「わぁ」
その一言を漏らした彼女は、大きな目をいっそう大きく見開いて司を見上げてくる。
「すごぉい。かっこいいよ、獅子王くん。すっごく似合ってる」
キラキラと輝く目で見つめられ、弾む声でそう言われ、どう答えたら良いというのか。
「……中へ入るぞ」
「うん! 頑張ろうね」
鼻白み、ボソリと言った司に、花は満面の笑みで頷いた。
司はプラネタリウムを上映する為に天文サークルが借りた一室の中で、メイド服に身を包んだ一年女子三人組を前にしていた。
「ギリギリになっちゃったけど、何とか間に合ったよ。どう?」
ふう、とありもしない汗を手の甲で拭いながら小谷が言い、一番近くの花をクルリと回す。
「すごいねぇ。デザインも京子が考えたの?」
部長の飯沢が感嘆しきりの声で言うのへ、小谷が深々と頷いた。
「はい。そこで三日かかりましたよ。由美ちゃんはクール清楚系、絵梨ちゃんはクラシカル、花ちゃんは甘ロリ系にしてみました――って、獅子君、なんか微妙な顔してるね」
自信に満ち満ちた顔で披露した小谷だったが、司を見て小首をかしげた。彼は花から衣装担当へと眼を移し、ムッツリと答える。
「……何で宇佐美だけスカート丈が短いんすか?」
デザインそのものは、割とオーソドックスなメイド服だ。司が心配していたようなどこぞの電気街で見るような、やけに鎖骨の下が露出しているようなものでもないし、袖は手首までだし、ちょっと屈んだら下着が見えるような代物でもない。
が、気になるのはそのスカート丈だ。確かに極端に短いわけではないが、金古と乾は膝下数センチはあるのに、花だけ膝小僧が見えている。
仏頂面でその点を指摘した司を、小谷はやけにニヤニヤしながら見上げてきた。
「あはは。獅子君、お父さんみたいなこと言って」
「見たままを言っただけだ」
別に、似合わないとも気に食わないとも言っていない。ただ、望ましくないと思っているだけで。
眉間に深い皺を刻んでの司の返事に、小谷はしたり顔で頷く。
「まあ、そういうことにしておこうか。でもね、花ちゃんは小っちゃいから、このくらいの方がいいんだよ。膝下だともっさりした感じになっちゃう。実際、可愛いでしょ?」
小谷は得意満面で同意を求めてきたが、だからこそ、問題なのだ。
司は金古、乾、花の順に眺めやる。
三人とも黒いワンピースにヒラヒラした白いエプロンなのだが、微妙にデザインが違う。花が来ているものは他の二人よりもヒラヒラ要素が多いように見えるし、襟で結ばれたリボンも大きめだ。
確かに、似合っている。
むしろ似合い過ぎているのが問題で、これを衆目に晒すのが良いことだとは司には思えない。
だが、可愛らしい衣装で嬉しそうにしている花に対して、今さらやめろとも言えないのだ。
能面の下で葛藤する司をよそに、小谷が不意にポンと手のひらに拳を打ち付けた。
「あ、そうだ。メイドさんたちの完成度の高さに忘れるところだったよ。これ、獅子君のね」
その台詞と共に小谷が司に差し出した物は、中に黒っぽい布の塊が入った紙袋だ。反射的に受け取ってしまってから小谷を見ると、彼女はニッコリと笑顔を返してきた。
「花ちゃんがメイドだから、獅子君のは執事服」
「……は?」
「え、だって、獅子君、花ちゃんにずっと引っ付いておくんでしょ? だったら、メイドには執事だよ?」
一片の迷いなく、万物の理然とした口調で言われても、司の常識の中にそういった事実はない。
「待ってくれ」
「大丈夫大丈夫。私、見ただけでサイズ測れるのが特技だから。ジャストサイズのはずだよ」
「そうじゃなくて――」
全く会話が噛み合わない――というより、司の声はテンションが上がった小谷の耳には届いていないらしい。
「あ、前髪は上げてね。はい、これ使って」
と彼女が押し付けてきたのは整髪料だ。
「ちょっと……」
「何? 着替え手伝って欲しい?」
すかさず伸びてきた手にその場で服を剥ぎ取られそうな危機感を覚え、司は一歩後ずさる。
「そうじゃなくて、俺はこのままでいいっすよ。目立たないようにしてますから」
ようやくそう告げ司が衣装の入った袋と整髪料を小谷に突き返そうとしたところで、いかにも残念そうな声が届いた。
「え……獅子王くん、着ないの?」
振り返ると、花が見るからに落胆した顔で彼を見上げている。小さな両手を胸の前で握り合わせているから、破壊力が倍増していた。
「獅子王くん、似合うと思うのに。わたし、見てみたい」
言葉だけでなく眼でも乞われ、司はグゥと唇を引き結ぶ。そんな眼差しを拒むのは、『拾ってください』と書かれた箱に入れられた仔犬の前を素通りするようなものだ。
小谷のごり押しなら、いくらでも跳ね返せる。
だが、これは――
司は奥歯を食いしばり、その隙間から声を押し出す。
「――判った。着替えてくる」
彼の答えと同時に花の顔がパッと明るくなった。
こんなに露骨に喜ばれて、拒否することなどできようか。
胸の内でため息をこぼしつつ、司は紙袋の中に整髪料を放り込み、トイレに向かう。
個室に入って中身を取り出してみると、概ね、普通のスーツと大差がなかった。が、幾つか謎のパーツもある。
これは確かに小谷の手伝いが必要なのかもしれない。
そんな恐ろしい考えが頭をよぎって司は眉をひそめたが、紙袋の奥にA4サイズの紙が一枚残っていることに気が付いた。見れば、図入りで細かく着方が書かれている。
それと衣装を矯めつ眇めつしながらどうにか司は着替えを済ませ、個室から出た。鏡の前に立った彼は、そこに映し出されたものにげんなりする。
「おいおい……」
休日は遊園地の着ぐるみバイトを入れる時もあるが、アレの方が遥かにマシだ。
やっぱり無理だ。
司は執事の衣装と交代で自前の服を入れた紙袋を掴む。
だが、個室に取って返して元の服に着替えたくなる衝動も、花の期待に満ち満ちた眼差しが脳裏に蘇れば、一瞬で後者に軍配が上がった。
深々としたため息を吐き出して、小谷に言われた通り前髪を上げると、普段は金髪の下に隠れている日本人では有り得ない色をした瞳が露わになった。司はそれをジッと見つめる。
子どもの頃は緑と茶色が混じったようなその色をヤイヤイ言われるのが面倒で、伸ばした前髪で隠していたのだ。ガタイが良くなってからはそういうからかいはなくなったものの、惰性でそのままにしていた。が、今度はその隙間から見ようとしてつい目を眇めてしまうからか、ガンをつけてるのかとまた別の方向から良く絡まれたものだ。
(まあ、確かにこの方がまだ見られるかもしれないな)
久しぶりにまともに自分の目を見て、司はそんな感想を抱く。彼はもう一度前髪を掻き上げ、整えてから、トイレを後にした。
プラネタリウム会場まで戻る道すがら結構な人数とすれ違ったが、このお祭り騒ぎの中のせいか、こんな格好をした司を振り返る者はいない。
(まあ、そりゃそうか)
司は内心独り言ちる。
もっと、妙ないでたちをしている者も、ウロウロしているのだから。
そう思ってしまえば、気も楽になるというものだ。
花たちがいる部屋の前の廊下まで来たところで、司はふと立ち止まった。
扉の前に、花がいた。
まだ学外の者は入ってきていないとはいえ、人の行き来は多い。実際、通り過ぎるものは皆――特に野郎どもは――チラチラと花に視線を走らせていた。
メイド服という、奇異な格好をしているからではない。同じ類の司や他の連中は、スルーされているのだから。
花が見られているのは、別の理由だ。
今もまた、二人組の男が彼女を指さし何かを囁き合いながら通り過ぎて行った光景に苛立ちつつ、司は大股で彼女の元に向かう。
「宇佐美、中にいろよ」
あと数歩というところまで近づいたところで、自分のつま先を見つめるようにしていた彼女にそう声をかけた。
と。
「わぁ」
その一言を漏らした彼女は、大きな目をいっそう大きく見開いて司を見上げてくる。
「すごぉい。かっこいいよ、獅子王くん。すっごく似合ってる」
キラキラと輝く目で見つめられ、弾む声でそう言われ、どう答えたら良いというのか。
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