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魔術師団編
33の2.プチピーンチ!
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近々ロックウェル伯爵家で、令嬢のために大々的に晩餐会を開いてもらうことにしたらしい。そこにハルとフィルなど、学校で仲の良くなった友人たちを参加させて、呪術師をうまく誘い出す方法だということだ。
幸い国内の要所に配置した魔術結界には特別な影響を受けていないということなので、学校内のみに限定された動きをしているだろうと予測しているらしい。
「ハルを囮にするってこと? 危険じゃないの?」
「カシアス様には確認済みだ。むしろできる限り協力したいという申し出を受けた。そこでだ、月宮沙羅。君にもカシアス様の同行者として、晩餐会へ参加してもらうことにした」
ん? 私も参加って?
え……と、つまり晩餐会でお上品に談笑してダンスするってことか。ふむ……
「はあーー? 私まだダンスも全部覚えきってないんですけどおっ! このままだと庶民丸出しでしょうがっ。ボロを隠せるまでまだまだ時間が必要なんだけど!」
素っ頓狂な声をあげて抗議してみた。が、私の意見など採用されるはずもなく……
「君に技術的な部分は求めていない。前にも言っただろう、君は他人の魔力に染まりやすい。カシアス様の側に無防備な君を付けておけば、敵は間違いなく君の方をターゲットに選ぶはずだ」
「なるほど。ならハルは安全になるワケだ……て私の方がムッチャ危険じゃん! 私がエサになって魔女を釣り上げろってことかいなっ」
ラッセルは意外そうな顔をして私に確認をするように話しをした。
「君はカシアス様のために多少の危険な役割は引き受けてくれるのだろう? この任務は君にしかできないことだし、君なら前向きに協力してくれると思って任せたのだが……」
ふう、と深いため息と共に少し難しい顔をして考え込む様子のラッセルをみるのは、ここしばらく見かけなかったものだから、私も噛み付くような声を少しだけ抑えた。
「さて、どうしたものか……」
アゴに手をかけて俯きがちに考えている彼の姿を見ていると、今まで頼ってきた分、ここからは私がなんとかしてあげないといけない、という気分になってくる。
「そこまで言うのなら、このサーラちゃんが頑張らなくもないけどさっ」
ヤツの声が少し落胆したような響きを含んでいたので、反抗した私の方が都合悪く感じてしまい、つい気前のいい返事をしてしまった。
すると、例の意地の悪そうな笑みを顔に浮かべ「言質はとった、頑張ってくれたまえ」とサックリと言われてしまった。
私たちのやりとりを見て、二人の隊長さんとルディは呆気にとられたような表情のまま固まっている。先生は肩を震わせながら笑いを堪えるのに必死な様子。
悔しがる私を尻目に、ラッセルは淡々と作戦内容について詰めた話し合いを進めようとしている。
笑いを含んだ声で体を震わせながら、先生は再び説明を始めた。
内容が内容なので、笑いも早々に収まり、真剣な表情に変わる頃には細かなところまで計画が展開していた。
私は私で、頭の中はダンスのステップがバリバリ展開していたが……
ひと通り確認が終わって会議はお開きになった。
結構重苦しい雰囲気だったので、私もひと息つこうと廊下に出て大きく伸びをしている時だった。
「あなたが噂の眠り姫?」
私にとっては不名誉な、ルディからもらったアダ名で呼ばれた。誰よ、と思ってキッとした目で見遣ると、先程同席した女性隊長のレイニーさんだった。
なんか迫力がある人だなぁ、と思って見ていると、急にグイッと両肩を掴まれて顔を覗き込まれた。
まるで値踏みでもされるようなレイニーさんの表情に、得体の知れない恐怖を感じる。
これ……ドラマでよく観るヤツかも。
やられたことはないが、カツアゲかリンチに発展するシチュエーションではないだろか……
も、もしかして。
私がラッセルにあんなに噛み付いた会話をしていたのが気に入らなかったのか。
尊敬する人や憧れの人が私みたいなポッと出の人間とヘラヘラやりとりするなんて、とか思ってるかもしれないし。
私が知らなかっただけで、実は恋人でした、とかだったら同居生活なんて許せない状況だし……
考えてみればラッセルのプライベートなんて、まるで頭になかったわ。いきなり自分の恋人が得体の知れない女と一緒なんて、修羅場にならないワケがない。
マズい、非常にマズい状況に陥ってるぞ、私。この姉ちゃんにシバカレテマウ……
プチピンチやねん、助けてくれやっ!
幸い国内の要所に配置した魔術結界には特別な影響を受けていないということなので、学校内のみに限定された動きをしているだろうと予測しているらしい。
「ハルを囮にするってこと? 危険じゃないの?」
「カシアス様には確認済みだ。むしろできる限り協力したいという申し出を受けた。そこでだ、月宮沙羅。君にもカシアス様の同行者として、晩餐会へ参加してもらうことにした」
ん? 私も参加って?
え……と、つまり晩餐会でお上品に談笑してダンスするってことか。ふむ……
「はあーー? 私まだダンスも全部覚えきってないんですけどおっ! このままだと庶民丸出しでしょうがっ。ボロを隠せるまでまだまだ時間が必要なんだけど!」
素っ頓狂な声をあげて抗議してみた。が、私の意見など採用されるはずもなく……
「君に技術的な部分は求めていない。前にも言っただろう、君は他人の魔力に染まりやすい。カシアス様の側に無防備な君を付けておけば、敵は間違いなく君の方をターゲットに選ぶはずだ」
「なるほど。ならハルは安全になるワケだ……て私の方がムッチャ危険じゃん! 私がエサになって魔女を釣り上げろってことかいなっ」
ラッセルは意外そうな顔をして私に確認をするように話しをした。
「君はカシアス様のために多少の危険な役割は引き受けてくれるのだろう? この任務は君にしかできないことだし、君なら前向きに協力してくれると思って任せたのだが……」
ふう、と深いため息と共に少し難しい顔をして考え込む様子のラッセルをみるのは、ここしばらく見かけなかったものだから、私も噛み付くような声を少しだけ抑えた。
「さて、どうしたものか……」
アゴに手をかけて俯きがちに考えている彼の姿を見ていると、今まで頼ってきた分、ここからは私がなんとかしてあげないといけない、という気分になってくる。
「そこまで言うのなら、このサーラちゃんが頑張らなくもないけどさっ」
ヤツの声が少し落胆したような響きを含んでいたので、反抗した私の方が都合悪く感じてしまい、つい気前のいい返事をしてしまった。
すると、例の意地の悪そうな笑みを顔に浮かべ「言質はとった、頑張ってくれたまえ」とサックリと言われてしまった。
私たちのやりとりを見て、二人の隊長さんとルディは呆気にとられたような表情のまま固まっている。先生は肩を震わせながら笑いを堪えるのに必死な様子。
悔しがる私を尻目に、ラッセルは淡々と作戦内容について詰めた話し合いを進めようとしている。
笑いを含んだ声で体を震わせながら、先生は再び説明を始めた。
内容が内容なので、笑いも早々に収まり、真剣な表情に変わる頃には細かなところまで計画が展開していた。
私は私で、頭の中はダンスのステップがバリバリ展開していたが……
ひと通り確認が終わって会議はお開きになった。
結構重苦しい雰囲気だったので、私もひと息つこうと廊下に出て大きく伸びをしている時だった。
「あなたが噂の眠り姫?」
私にとっては不名誉な、ルディからもらったアダ名で呼ばれた。誰よ、と思ってキッとした目で見遣ると、先程同席した女性隊長のレイニーさんだった。
なんか迫力がある人だなぁ、と思って見ていると、急にグイッと両肩を掴まれて顔を覗き込まれた。
まるで値踏みでもされるようなレイニーさんの表情に、得体の知れない恐怖を感じる。
これ……ドラマでよく観るヤツかも。
やられたことはないが、カツアゲかリンチに発展するシチュエーションではないだろか……
も、もしかして。
私がラッセルにあんなに噛み付いた会話をしていたのが気に入らなかったのか。
尊敬する人や憧れの人が私みたいなポッと出の人間とヘラヘラやりとりするなんて、とか思ってるかもしれないし。
私が知らなかっただけで、実は恋人でした、とかだったら同居生活なんて許せない状況だし……
考えてみればラッセルのプライベートなんて、まるで頭になかったわ。いきなり自分の恋人が得体の知れない女と一緒なんて、修羅場にならないワケがない。
マズい、非常にマズい状況に陥ってるぞ、私。この姉ちゃんにシバカレテマウ……
プチピンチやねん、助けてくれやっ!
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