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第2章
35話
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帰るまでの時間、ジェイクにはやらなければならない仕事があるようで、庭先を散歩でもして待ってるように、と言われた。
王宮の庭は、季節ごとの花が綺麗にまとめられていて、どの季節に見学しても飽きないように設置されている。
今は春から夏にかけての時期なので、春の花が満開だ。せっかくなんで、夏・秋・冬の庭も一緒に堪能しよう。春以外の庭は新緑の季節らしく、花が咲いてない場所もみずみずしい葉が生い繁って壮観だ。
今咲いている花を見て楽しむのもいいが、これから咲く花を想像するのも悪くない。
と、樹木の間、奥のあまり人が立ち入らないような場所に人影を見つけた。
私と同じく、葉っぱを楽しもうっていう物好きさんも、中にはいるんだね。話しかけてみようかな?
ツツツと近づいて、話しかけようとした時だった。そちらに伸ばしかけた手がピタリと止まる。なぜなら、その人物たちの話はあまり歓迎されたものではないと感じる話しぶりの内容だったのだ。
「……ので、……に処分……を第二……への不満分子……第三王子を擁立……べく……」
は? 物騒な密談だ、これ。誰が話してるのか確認してジェイクに知らせてあげなくっちゃ。
みつからないように、ソーッと移動して……
ガサッガサッ、バキッ……
「誰かいるのかっ!」
あーん、ドレスが引っかかって、狭いとこなんかムリだったぁ。どうしよう、適当な言い訳を考えなきゃ。
「すみませーん、そちらにネコが走って行きませんでしたかぁ? 茶トラの可愛い子なんですがぁ?」
「知らんっ、ええぃ、邪魔だ、あっちいけっ」
んー、クソぉ、顔が見えん……あ、見えた……って、アルベリアの使者じゃん。喋ってるのはもう一人の人っぽい? 私の知らない人。せめて顔だけでも覚えようと確認しにいったら、そそくさと居なくなってしまった。
残されたのはアルベリアの使者だけ。あの蛇みたいな目で見られると気持ち悪いよぉ……早く戻ろう。
しかし何? 何でアルベリアの使者が第二王子の不満分子集め?
ちょっと待って。不満分子を排除するんじゃないよね、もしかして内乱を煽動する気?
マズい、急いで戻ってジェイクに報告しなきゃ。
「ああ、みつからないなら他の場所を探します。ご協力ありがとうございます」
バッとお辞儀して、慌てて動こうとする私の動線に、見事に入り込んで話しかけてくる使者。
「ちょっと待ちなさい。君は侍女ではないね? どこのお嬢さんかな? とても綺麗な髪をしている」
ねめつけるような目で見ながら、ゆっくりと髪の毛をひとすくいし、その髪の毛にキスを落とす使者、それをされた瞬間、ゾゾゾッと鳥肌がでて思わず身ぶるいしてしまった。
なんだろこの人、髪フェチなの? うっとりと髪を見つめ、ほうっとため息まで吐いている。
「な、名乗るほどでもありませんので、これで失礼します」
「まあ待ちなさい。ここで出逢えたのも何かの縁です。もう少しお話しをしましょう」
一刻も早く立ち去りたかったが、手首を軽く掴まれて、なかなか離そうとしてくれない。
しょうがないから名乗って非礼を謝ればいいのかしら?
「私、ニコルと申しまして、たまたま王宮に来ただけの者です。ご歓談を妨げましたなら、申し訳ありませんでした。残念ですがここから出て行く時間なんです。私よりも、もっと頻繁に王宮にいらっしゃる方にお声掛けなさった方が、あなた様のお相手にもよろしいかと思いますよ」
フルネーム言ったらマズそうだったから、名前だけにしたわ。そうそうバレやしないわよね? 顔覚えられる前に退場しなきゃ。
「そう言われてもねぇ、僕は君が気に入ったんだけど。是非僕のことを知ってもらいたいんだけど。できればアルベリアへ招待したいくらいだなぁ」
顔はすごく優しい顔をしてるの、ただ目が怖い。全然笑ってないんだよね。こんな目で四六時中見られてたら生きた心地がしないわよ。
王宮の庭は、季節ごとの花が綺麗にまとめられていて、どの季節に見学しても飽きないように設置されている。
今は春から夏にかけての時期なので、春の花が満開だ。せっかくなんで、夏・秋・冬の庭も一緒に堪能しよう。春以外の庭は新緑の季節らしく、花が咲いてない場所もみずみずしい葉が生い繁って壮観だ。
今咲いている花を見て楽しむのもいいが、これから咲く花を想像するのも悪くない。
と、樹木の間、奥のあまり人が立ち入らないような場所に人影を見つけた。
私と同じく、葉っぱを楽しもうっていう物好きさんも、中にはいるんだね。話しかけてみようかな?
ツツツと近づいて、話しかけようとした時だった。そちらに伸ばしかけた手がピタリと止まる。なぜなら、その人物たちの話はあまり歓迎されたものではないと感じる話しぶりの内容だったのだ。
「……ので、……に処分……を第二……への不満分子……第三王子を擁立……べく……」
は? 物騒な密談だ、これ。誰が話してるのか確認してジェイクに知らせてあげなくっちゃ。
みつからないように、ソーッと移動して……
ガサッガサッ、バキッ……
「誰かいるのかっ!」
あーん、ドレスが引っかかって、狭いとこなんかムリだったぁ。どうしよう、適当な言い訳を考えなきゃ。
「すみませーん、そちらにネコが走って行きませんでしたかぁ? 茶トラの可愛い子なんですがぁ?」
「知らんっ、ええぃ、邪魔だ、あっちいけっ」
んー、クソぉ、顔が見えん……あ、見えた……って、アルベリアの使者じゃん。喋ってるのはもう一人の人っぽい? 私の知らない人。せめて顔だけでも覚えようと確認しにいったら、そそくさと居なくなってしまった。
残されたのはアルベリアの使者だけ。あの蛇みたいな目で見られると気持ち悪いよぉ……早く戻ろう。
しかし何? 何でアルベリアの使者が第二王子の不満分子集め?
ちょっと待って。不満分子を排除するんじゃないよね、もしかして内乱を煽動する気?
マズい、急いで戻ってジェイクに報告しなきゃ。
「ああ、みつからないなら他の場所を探します。ご協力ありがとうございます」
バッとお辞儀して、慌てて動こうとする私の動線に、見事に入り込んで話しかけてくる使者。
「ちょっと待ちなさい。君は侍女ではないね? どこのお嬢さんかな? とても綺麗な髪をしている」
ねめつけるような目で見ながら、ゆっくりと髪の毛をひとすくいし、その髪の毛にキスを落とす使者、それをされた瞬間、ゾゾゾッと鳥肌がでて思わず身ぶるいしてしまった。
なんだろこの人、髪フェチなの? うっとりと髪を見つめ、ほうっとため息まで吐いている。
「な、名乗るほどでもありませんので、これで失礼します」
「まあ待ちなさい。ここで出逢えたのも何かの縁です。もう少しお話しをしましょう」
一刻も早く立ち去りたかったが、手首を軽く掴まれて、なかなか離そうとしてくれない。
しょうがないから名乗って非礼を謝ればいいのかしら?
「私、ニコルと申しまして、たまたま王宮に来ただけの者です。ご歓談を妨げましたなら、申し訳ありませんでした。残念ですがここから出て行く時間なんです。私よりも、もっと頻繁に王宮にいらっしゃる方にお声掛けなさった方が、あなた様のお相手にもよろしいかと思いますよ」
フルネーム言ったらマズそうだったから、名前だけにしたわ。そうそうバレやしないわよね? 顔覚えられる前に退場しなきゃ。
「そう言われてもねぇ、僕は君が気に入ったんだけど。是非僕のことを知ってもらいたいんだけど。できればアルベリアへ招待したいくらいだなぁ」
顔はすごく優しい顔をしてるの、ただ目が怖い。全然笑ってないんだよね。こんな目で四六時中見られてたら生きた心地がしないわよ。
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