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第2章
42話
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「んうう、ったいなぁ」
ハッと気づくと見知らぬ薄暗い部屋の床に転がされていた。周りを見渡すと、私の他にも女の子が三人ばかり後ろ手に紐で縛られている。
みんな怯えて震えているようだ。
「みなさんも殴られたか何かされて、ここに連れてこられたんですか?」
三人に話しかけるが、誰も何も言わない。俯いて私と目が合わないようにしてるみたい。
「次に誰かが来たら解放してくれるように交渉してみますね。お金か何かで解決するなら安いもんですって」
そう話す私に向かって、誰かが小声で諫めてくる。
「余計なことしないでっ。変に騒ぎ立てると拷問を受けることになるわ。あなただけならいいと思ってるかも知れないけれど、拷問はここにいる全員が受けるのよ。お願いだから何もしないで」
もしかしたら前に騒ぎ立てた子を筆頭に、みんな酷い目に遭ったのかもしれない。ゴクリと喉を鳴らし、押し黙ってしまう。
どうしよう、正体がバレたら、私が真っ先に餌食になるはずだ。ここは黙ってやり過ごすしかない。
しかしここってどこだろう、まずは場所を特定できないか探ってみよう。次にジェイクに連絡取れる方法を探して、なんとか脱出しないと。でも上手く立ち回らないと、この子たちに迷惑がかかってしまう。
場所が特定できない今、私ができることはほとんどない。
周りを注意深く見て、外の様子に耳を傾け、必死に情報を手繰り寄せようと頑張ってみた。
連れてこられた子に共通することはなんだろう。よく見てみると、私と同じ髪の毛?
金色で胸元まであるストレート、瞳の色はそれぞれ違うかな。私は髪の毛と同色だけどね。
外の様子はあまりよく聞こえない。大きなお屋敷なんだろうか、それとも周りが静かなだけかしら? 何にしても、閑散とした場所っぽいのはわかる。
いろいろと確認していると、扉の向こうに人の気配と声を感じる。
「さあさあ、お嬢様方、これからあなたたちを今まで味わったことのない、素晴らしい世界に連れていって差し上げましょう。それまでもう少しお待ちくださいね」
仮面をつけた紳士がそう喋っているうちに、下僕のような人が香炉みたいなのを天井から吊り下げていく。その間にも、一人ひとり値踏みするように私たちの顎に手をかけ、怯えた表情を愉しんでいるようだ。パタンと閉まる扉の音を最後に、また静かな時間がやってきた。
香炉から出る香りは思った以上に甘ったるく、嗅いでるうちに体が怠くなりどんどん弛緩していくのがわかった。
呼吸が浅くなり体を起こしていることが辛くなってきたので、ドサッと床に身を投げ出した。閉じそうになる目を無理やり見開くと、他の三人もよだれを垂らしたり、微笑みながら眠り込んでたり。
原因はどう考えても香炉だろう。あの香炉はマズいって。早くこの場から逃げたいのに、まるで水の中を泳いでいるように空気がねっとりと自分に絡みついてくる。
重くなる瞼を必死に持ち上げると、いつの間にか部屋には仮面の紳士が三人に増えていた。こちらが身動き取れない状態なのを確認してから入ってきて、私たちを観察していたようだ。
少し遠くに声を感じるが、仮面の男たちが入室すると同時に香炉が撤収されたようで、意識は朦朧としながらも、かろうじて様子を確認できる。
「今回はかなりの上玉ばかりでございます。ご指定の金髪ストレートの女性に限定してみました」
さっき香炉を持ってきた男が残り二人に説明している。言われた男たちは、順番に私たちを値踏みしているようだ。
「ほお、素晴らしい。やはり金の髪が一番だな。太陽の光を受けるのを愛でるには最高だからねぇ。髪の艶が一番いい娘はどれだろう」
こちらの仮面の男が香炉の男に注文したのか。金髪好きで女をコレクションの一部と考えてるヤツなんだな。最っ低。人間を人間とも扱わないなんてクズ以下じゃないか。
「お気に入りの女性はいましたかな、ガハハ。なんなら全て献上しても構いませんぞ、ガハハハ」
この声! 何日か前に死にそうな目に遭ったばかりだ。忘れるはずがない。
ハッと気づくと見知らぬ薄暗い部屋の床に転がされていた。周りを見渡すと、私の他にも女の子が三人ばかり後ろ手に紐で縛られている。
みんな怯えて震えているようだ。
「みなさんも殴られたか何かされて、ここに連れてこられたんですか?」
三人に話しかけるが、誰も何も言わない。俯いて私と目が合わないようにしてるみたい。
「次に誰かが来たら解放してくれるように交渉してみますね。お金か何かで解決するなら安いもんですって」
そう話す私に向かって、誰かが小声で諫めてくる。
「余計なことしないでっ。変に騒ぎ立てると拷問を受けることになるわ。あなただけならいいと思ってるかも知れないけれど、拷問はここにいる全員が受けるのよ。お願いだから何もしないで」
もしかしたら前に騒ぎ立てた子を筆頭に、みんな酷い目に遭ったのかもしれない。ゴクリと喉を鳴らし、押し黙ってしまう。
どうしよう、正体がバレたら、私が真っ先に餌食になるはずだ。ここは黙ってやり過ごすしかない。
しかしここってどこだろう、まずは場所を特定できないか探ってみよう。次にジェイクに連絡取れる方法を探して、なんとか脱出しないと。でも上手く立ち回らないと、この子たちに迷惑がかかってしまう。
場所が特定できない今、私ができることはほとんどない。
周りを注意深く見て、外の様子に耳を傾け、必死に情報を手繰り寄せようと頑張ってみた。
連れてこられた子に共通することはなんだろう。よく見てみると、私と同じ髪の毛?
金色で胸元まであるストレート、瞳の色はそれぞれ違うかな。私は髪の毛と同色だけどね。
外の様子はあまりよく聞こえない。大きなお屋敷なんだろうか、それとも周りが静かなだけかしら? 何にしても、閑散とした場所っぽいのはわかる。
いろいろと確認していると、扉の向こうに人の気配と声を感じる。
「さあさあ、お嬢様方、これからあなたたちを今まで味わったことのない、素晴らしい世界に連れていって差し上げましょう。それまでもう少しお待ちくださいね」
仮面をつけた紳士がそう喋っているうちに、下僕のような人が香炉みたいなのを天井から吊り下げていく。その間にも、一人ひとり値踏みするように私たちの顎に手をかけ、怯えた表情を愉しんでいるようだ。パタンと閉まる扉の音を最後に、また静かな時間がやってきた。
香炉から出る香りは思った以上に甘ったるく、嗅いでるうちに体が怠くなりどんどん弛緩していくのがわかった。
呼吸が浅くなり体を起こしていることが辛くなってきたので、ドサッと床に身を投げ出した。閉じそうになる目を無理やり見開くと、他の三人もよだれを垂らしたり、微笑みながら眠り込んでたり。
原因はどう考えても香炉だろう。あの香炉はマズいって。早くこの場から逃げたいのに、まるで水の中を泳いでいるように空気がねっとりと自分に絡みついてくる。
重くなる瞼を必死に持ち上げると、いつの間にか部屋には仮面の紳士が三人に増えていた。こちらが身動き取れない状態なのを確認してから入ってきて、私たちを観察していたようだ。
少し遠くに声を感じるが、仮面の男たちが入室すると同時に香炉が撤収されたようで、意識は朦朧としながらも、かろうじて様子を確認できる。
「今回はかなりの上玉ばかりでございます。ご指定の金髪ストレートの女性に限定してみました」
さっき香炉を持ってきた男が残り二人に説明している。言われた男たちは、順番に私たちを値踏みしているようだ。
「ほお、素晴らしい。やはり金の髪が一番だな。太陽の光を受けるのを愛でるには最高だからねぇ。髪の艶が一番いい娘はどれだろう」
こちらの仮面の男が香炉の男に注文したのか。金髪好きで女をコレクションの一部と考えてるヤツなんだな。最っ低。人間を人間とも扱わないなんてクズ以下じゃないか。
「お気に入りの女性はいましたかな、ガハハ。なんなら全て献上しても構いませんぞ、ガハハハ」
この声! 何日か前に死にそうな目に遭ったばかりだ。忘れるはずがない。
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