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俺の母親と白石の母親は、偶然、同じ時間、同じ病院で、俺達を生んだ。
偶然はつづき、俺達の家の隣に、白石達が引っ越してきて、母親達は運命を感じたという。
物心ついたときには、白石は俺の横にいて、幼稚園や小学校に入ると、家族よりも長い時間、奴の顔を拝んできた。
勉強もスポーツも、白石は人より抜きん出てたけど、俺を馬鹿にしなかった。
二人で女子への恋心なんかも、話し合ったことだってある。
こんなこと言うの、お前だけだからな。
いつも口にしない話題で盛り上がるとき、白石は決まってそう言った。
なんでもできる白石が、俺を特別扱いしてくれることに、優越感があった。
幼馴染みで親友なんて、マジ運命じゃね?
そう、奴に言ったこともあったっけ。
俺の黒歴史だな……。
でも、と思う。
あの頃、俺達は平等で、本当に仲がよかったんだ。
* * *
ことが変わったのは、中学の春に行われる健康診断。
そこで、俺達、生徒は、自分達が男と女以外の、もっと、こまけぇ性別を知るために、血液検査を受けなければいけなかった。
俺の両親はβだ。
俺も、当然、そうだろう、と高をくくっていた。
だから、診断書をもらった直後、浮かんだのは、医療関係者のミスという言葉だった。
医者が俺と誰かの血を間違えたんだ。
そうに違いない。
だって、俺がΩなはずがない。
だが、両親にぎゃあぎゃあ言って、再検査までしてもらったのに、結果は覆らなかった。
死刑宣告だ。
お先、真っ暗だ。
俺の人生、中学にして終った。
社会でΩの地位は低い。
定期的に発情期ってのがきて、まともじゃなくなるからだ。
ドラマや漫画も多数決主義なのか、一番人口が多いとされるβ目線のものが、圧倒的な割合を占める。
男と女が恋を実らし、子どもを作って、はい、めでだし。
男のΩは……………。
先生が言っていた。
絶対王政時代、国民に自由はなかった。
けど、国民は不幸だと思わなかった。
自由を知らなかったから、現状を疑わなかった。自由という思想を知ったから、自由であろうと努力した。
じゃあ、恋は?
恋だって、お手本があるからできるんじゃないか?
Ωな俺は、どうやって恋すりゃ、いいんだ?
そもそも論として、恋できんのか?
生涯、独りだったりして……。
同級生に結果を聞きまくってΩを探し出し、一致団結できれば、この心細さも薄まったのかもしれない。
だが、いじめ対策のため、性を聞き出すことは、校則で禁止されている。
そんな感じだから、本当のところは知らないけど、みんな、何事もなく、日常を歩んでいるように、俺には見えた。
どことなく、誇らしげにしてる奴らは、勝ち組と称されるαだったのだろう。
学校で沈んでいたら、即、Ωだとバレるような気がして、俺は必死で普段通りに振る舞い、自室で泣いた。
泣いて泣いて泣いていたら、白石がベランダから入ってきた。
お隣さんである白石の家と、うちの家は、隙間があってないようなもので、その上、お互いの部屋は付き合わせた位置にあったから、子どもん頃から玄関を使わずに行き来していた。
けど、このタイミング?
俺はパニックを起こし、涙も拭けない。
白石は俺の前で両膝をつくと、こちらの腹に手を当ててきた。
衝撃通り越して絶望……。
バレてる?
俺がΩだってこと。
偶然はつづき、俺達の家の隣に、白石達が引っ越してきて、母親達は運命を感じたという。
物心ついたときには、白石は俺の横にいて、幼稚園や小学校に入ると、家族よりも長い時間、奴の顔を拝んできた。
勉強もスポーツも、白石は人より抜きん出てたけど、俺を馬鹿にしなかった。
二人で女子への恋心なんかも、話し合ったことだってある。
こんなこと言うの、お前だけだからな。
いつも口にしない話題で盛り上がるとき、白石は決まってそう言った。
なんでもできる白石が、俺を特別扱いしてくれることに、優越感があった。
幼馴染みで親友なんて、マジ運命じゃね?
そう、奴に言ったこともあったっけ。
俺の黒歴史だな……。
でも、と思う。
あの頃、俺達は平等で、本当に仲がよかったんだ。
* * *
ことが変わったのは、中学の春に行われる健康診断。
そこで、俺達、生徒は、自分達が男と女以外の、もっと、こまけぇ性別を知るために、血液検査を受けなければいけなかった。
俺の両親はβだ。
俺も、当然、そうだろう、と高をくくっていた。
だから、診断書をもらった直後、浮かんだのは、医療関係者のミスという言葉だった。
医者が俺と誰かの血を間違えたんだ。
そうに違いない。
だって、俺がΩなはずがない。
だが、両親にぎゃあぎゃあ言って、再検査までしてもらったのに、結果は覆らなかった。
死刑宣告だ。
お先、真っ暗だ。
俺の人生、中学にして終った。
社会でΩの地位は低い。
定期的に発情期ってのがきて、まともじゃなくなるからだ。
ドラマや漫画も多数決主義なのか、一番人口が多いとされるβ目線のものが、圧倒的な割合を占める。
男と女が恋を実らし、子どもを作って、はい、めでだし。
男のΩは……………。
先生が言っていた。
絶対王政時代、国民に自由はなかった。
けど、国民は不幸だと思わなかった。
自由を知らなかったから、現状を疑わなかった。自由という思想を知ったから、自由であろうと努力した。
じゃあ、恋は?
恋だって、お手本があるからできるんじゃないか?
Ωな俺は、どうやって恋すりゃ、いいんだ?
そもそも論として、恋できんのか?
生涯、独りだったりして……。
同級生に結果を聞きまくってΩを探し出し、一致団結できれば、この心細さも薄まったのかもしれない。
だが、いじめ対策のため、性を聞き出すことは、校則で禁止されている。
そんな感じだから、本当のところは知らないけど、みんな、何事もなく、日常を歩んでいるように、俺には見えた。
どことなく、誇らしげにしてる奴らは、勝ち組と称されるαだったのだろう。
学校で沈んでいたら、即、Ωだとバレるような気がして、俺は必死で普段通りに振る舞い、自室で泣いた。
泣いて泣いて泣いていたら、白石がベランダから入ってきた。
お隣さんである白石の家と、うちの家は、隙間があってないようなもので、その上、お互いの部屋は付き合わせた位置にあったから、子どもん頃から玄関を使わずに行き来していた。
けど、このタイミング?
俺はパニックを起こし、涙も拭けない。
白石は俺の前で両膝をつくと、こちらの腹に手を当ててきた。
衝撃通り越して絶望……。
バレてる?
俺がΩだってこと。
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