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白石は俺の目を見つめ、そして、唇を合わせてきた。
やさしく腹部を撫でられる。
どうして、こいつがこんなことをするのか、わからなくて、だけど、溺れる者、藁をも掴むって言うだろ?
白石は俺に抱きつかれても、拒絶しなかった。
俺達は性について口にしなかった。
スキだとも言い合わなかったし、将来の約束を、交わしたわけでもない。
それでも、その日から、幼馴染みは、毎日、俺の部屋へ来てキスをし、抱きしめてくるようになった。
そのたび、ほっとした。
俺は白石とずっと一緒にいられる。
独りじゃない。
白石のおかげで、Ωとしての自分を受け入れる余裕ができ、母さんと一緒に病院へ行って、自分の体のこれからについて医者と話すことができた。
前知識はあったが、聞けば聞くほど、自分の体は厄介だった。
母さんは、俺以上に真剣にメモをとりながら、医者の話を聴いていた。
病院の帰り、母さんが手を握ってきた。
小さい頃に、そうやって、よく手を繋いでくれたことを、思い出す。
大丈夫だよ、と母さんは笑った。
庸輔は絶対、大丈夫だからね。
根拠のない大丈夫に、俺は頷いてあげられなかった。
Ωとして、初めて病院へかかった日の夜から、突然、来るかもしれない発情期に備えて、ピルっていう発情抑制剤を飲み始めた。
保険がきいても値段は相当だ。
働いても働いても、薬に金がいっちまうから、Ωは裕福になれないのかもしれないなんて、くだらない推理をたてちまう。
それが的を得ていようがいまいが、ピルを飲まず、闇雲に発情すると、αに襲われる可能性があるから、この小さな錠剤とは、死ぬまで付き合っていかなくてはいけない。
これが俺の現実。
ピルは脳への副作用があるため、まだ発情したことのない俺は、休日は薬を飲まず、できる限り、自室に籠もった。
幸い、父親はβで、俺が発情しても、理性が吹っ飛んじまうことはない。
普通に動けるってすげぇんだな。
こんな体じゃなかったら、怖々、生きる必要もなかったんだろうな。
ピルで抑制しているからか、発情期はなかなか来ず、来ないから、休日は外に出られないという悪循環にどっぷりはまってしまった。
中二になっても、中三になっても、俺の体に変化はなくて、やはり俺はΩじゃなかったんだと、勝手な希望すら抱き始めていた。
医師はそんな俺に、夏休み期間中、薬を絶つよう言い放った。
宿題を一週間で終らせ、両親が借りてきてくれるDVDを、朝から晩まで見続け、ネットで購入したゲームを、三日で攻略し、やりたいことがなくなった。
そうなるともう、外に出たくて仕方がなくなる。
戻して欲しい。
性がわからなかった、あの頃に。
この頃、白石は両親が寝静まった時間帯にやって来るようになっていた。
バスケの大会があって忙しいらしかった。
俺は帰宅部だ。
本当は俺もバスケやりたかったけど、医師からとめられた。
外出禁止令で参っていた俺にとって、白石が来てくれることは、豪勢な食事をする以上のイベントだった。
言葉のキャッチボールもそこそこに、俺達はベッドでキスをして、お互いのものを刺激し合った。
適度な興奮と緊張感。
汗もかくし、なによりスッキリする。
これって運動だよなと言うと、白石は苦笑した。
やさしく腹部を撫でられる。
どうして、こいつがこんなことをするのか、わからなくて、だけど、溺れる者、藁をも掴むって言うだろ?
白石は俺に抱きつかれても、拒絶しなかった。
俺達は性について口にしなかった。
スキだとも言い合わなかったし、将来の約束を、交わしたわけでもない。
それでも、その日から、幼馴染みは、毎日、俺の部屋へ来てキスをし、抱きしめてくるようになった。
そのたび、ほっとした。
俺は白石とずっと一緒にいられる。
独りじゃない。
白石のおかげで、Ωとしての自分を受け入れる余裕ができ、母さんと一緒に病院へ行って、自分の体のこれからについて医者と話すことができた。
前知識はあったが、聞けば聞くほど、自分の体は厄介だった。
母さんは、俺以上に真剣にメモをとりながら、医者の話を聴いていた。
病院の帰り、母さんが手を握ってきた。
小さい頃に、そうやって、よく手を繋いでくれたことを、思い出す。
大丈夫だよ、と母さんは笑った。
庸輔は絶対、大丈夫だからね。
根拠のない大丈夫に、俺は頷いてあげられなかった。
Ωとして、初めて病院へかかった日の夜から、突然、来るかもしれない発情期に備えて、ピルっていう発情抑制剤を飲み始めた。
保険がきいても値段は相当だ。
働いても働いても、薬に金がいっちまうから、Ωは裕福になれないのかもしれないなんて、くだらない推理をたてちまう。
それが的を得ていようがいまいが、ピルを飲まず、闇雲に発情すると、αに襲われる可能性があるから、この小さな錠剤とは、死ぬまで付き合っていかなくてはいけない。
これが俺の現実。
ピルは脳への副作用があるため、まだ発情したことのない俺は、休日は薬を飲まず、できる限り、自室に籠もった。
幸い、父親はβで、俺が発情しても、理性が吹っ飛んじまうことはない。
普通に動けるってすげぇんだな。
こんな体じゃなかったら、怖々、生きる必要もなかったんだろうな。
ピルで抑制しているからか、発情期はなかなか来ず、来ないから、休日は外に出られないという悪循環にどっぷりはまってしまった。
中二になっても、中三になっても、俺の体に変化はなくて、やはり俺はΩじゃなかったんだと、勝手な希望すら抱き始めていた。
医師はそんな俺に、夏休み期間中、薬を絶つよう言い放った。
宿題を一週間で終らせ、両親が借りてきてくれるDVDを、朝から晩まで見続け、ネットで購入したゲームを、三日で攻略し、やりたいことがなくなった。
そうなるともう、外に出たくて仕方がなくなる。
戻して欲しい。
性がわからなかった、あの頃に。
この頃、白石は両親が寝静まった時間帯にやって来るようになっていた。
バスケの大会があって忙しいらしかった。
俺は帰宅部だ。
本当は俺もバスケやりたかったけど、医師からとめられた。
外出禁止令で参っていた俺にとって、白石が来てくれることは、豪勢な食事をする以上のイベントだった。
言葉のキャッチボールもそこそこに、俺達はベッドでキスをして、お互いのものを刺激し合った。
適度な興奮と緊張感。
汗もかくし、なによりスッキリする。
これって運動だよなと言うと、白石は苦笑した。
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