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カラフルな色が一色になるように、言葉と香りと味と、感じたすべてが、繋がっていく。
そうか、この味は……。
やっちゃんの作ってくれた唐揚げは、如月がサービスでつけてくれた唐揚げと同じ味だ。
手紙の送り主が、そのレシピを書いてくれたというなら、それは如月が書いたということで、手紙を書いたのが如月なら、弁当の差出人も如月だということで。
Ωが嫌いだと言っていた、αの男。
だけど、あいつは俺を助けてくれた。
病室で見せた一瞬の痛みは、やっちゃんに対するものだったんじゃないか?
やっちゃんが白石と出会った場所は、Ωに人権がなかった。
大学ってこともあるけど、白石は大学に関していえば、共学出身だ。
俺も大学は違えど共学だ。
大学を選ぶ際、いくつかの共学について調べ、足を運んだりしたが、あからさまなΩへの差別はなかった。
X高校か……。
白石同様、如月も、そこに縛り付けられているんだ。
やっちゃんと、顔をつきあわせて弁当を渡せないのは、そういうことだろ?
じゃあ、やっちゃんは?
やっちゃんはαじゃない。
X高校のことを聞いたら、教えてくれるんじゃないか?
「あのさ、やっちゃんが保と会ったのって、X高校?」
「……はい」
やった。
応えてくれた。
「な、なあ、X高校に、Ω対策の」
唐揚げを食べるやっちゃんに、たたみかけようとし、俺は視線を彷徨わせた。
待て。
やっちゃんはΩだ。
どうして、αしか入学できないX高校に入れた?
Ω対策の授業。
白石の志望動機。
αの欲求を押さえ込めるようになる、特別な授業。
如月の言葉を思い出す。
―発情期のΩ。最高だったろ? 俺も高校に入学した頃はそうだったな。興奮するよね。羨ましいなぁ。
青ざめる俺の前で、やっちゃんは唐揚げを咀嚼し、飲み込んだ。
謝んなきゃ……。
ダメだ。何を謝る? 謝るってことは、やっちゃんの過去に気づいたって、言ってるようなもんだぞ。一人で突っ走りすぎなんだよ、俺。人の傷口えぐって、バカか!
俺は無言で、ご飯を噛んだ。
再び、工場のサイレンが鳴り響くまで、会話のない食事は続いた。
やっちゃんは俺に、帰れとは言わなかった。
俺が帰ると言った。
玄関で別れると思っていたが、やっちゃんは俺を外まで出て見送ってくれた。
「奥村君。一つだけ」
やっちゃんが小さく深呼吸し、迷いのない眼差しを俺に向けた。
「僕と白石さんに性的な関係はありません。彼は三年間、ヒートの状態のΩを前に、耐え抜いたんですよ」
泣きそうだった。
やっちゃんのやさしさと強さに。
白石の決心に。
ガシッとやっちゃんの両腕を掴んだ。
X高校の闇を、俺は直に経験していない。
だから、今から俺がする行動は間違っているのかもしれない。
俺はまだ、X高校びいきの考えはできないから。
繋がり損なった点と点。
気づいたのが俺であるなら、お節介でも、なんでも、一本に繋げてあげたい。
二人の間にわだかまりがあるなら、打ち砕く、きっかけを作ってあげたい。
「俺、弁当くれる人、わかった」
そうか、この味は……。
やっちゃんの作ってくれた唐揚げは、如月がサービスでつけてくれた唐揚げと同じ味だ。
手紙の送り主が、そのレシピを書いてくれたというなら、それは如月が書いたということで、手紙を書いたのが如月なら、弁当の差出人も如月だということで。
Ωが嫌いだと言っていた、αの男。
だけど、あいつは俺を助けてくれた。
病室で見せた一瞬の痛みは、やっちゃんに対するものだったんじゃないか?
やっちゃんが白石と出会った場所は、Ωに人権がなかった。
大学ってこともあるけど、白石は大学に関していえば、共学出身だ。
俺も大学は違えど共学だ。
大学を選ぶ際、いくつかの共学について調べ、足を運んだりしたが、あからさまなΩへの差別はなかった。
X高校か……。
白石同様、如月も、そこに縛り付けられているんだ。
やっちゃんと、顔をつきあわせて弁当を渡せないのは、そういうことだろ?
じゃあ、やっちゃんは?
やっちゃんはαじゃない。
X高校のことを聞いたら、教えてくれるんじゃないか?
「あのさ、やっちゃんが保と会ったのって、X高校?」
「……はい」
やった。
応えてくれた。
「な、なあ、X高校に、Ω対策の」
唐揚げを食べるやっちゃんに、たたみかけようとし、俺は視線を彷徨わせた。
待て。
やっちゃんはΩだ。
どうして、αしか入学できないX高校に入れた?
Ω対策の授業。
白石の志望動機。
αの欲求を押さえ込めるようになる、特別な授業。
如月の言葉を思い出す。
―発情期のΩ。最高だったろ? 俺も高校に入学した頃はそうだったな。興奮するよね。羨ましいなぁ。
青ざめる俺の前で、やっちゃんは唐揚げを咀嚼し、飲み込んだ。
謝んなきゃ……。
ダメだ。何を謝る? 謝るってことは、やっちゃんの過去に気づいたって、言ってるようなもんだぞ。一人で突っ走りすぎなんだよ、俺。人の傷口えぐって、バカか!
俺は無言で、ご飯を噛んだ。
再び、工場のサイレンが鳴り響くまで、会話のない食事は続いた。
やっちゃんは俺に、帰れとは言わなかった。
俺が帰ると言った。
玄関で別れると思っていたが、やっちゃんは俺を外まで出て見送ってくれた。
「奥村君。一つだけ」
やっちゃんが小さく深呼吸し、迷いのない眼差しを俺に向けた。
「僕と白石さんに性的な関係はありません。彼は三年間、ヒートの状態のΩを前に、耐え抜いたんですよ」
泣きそうだった。
やっちゃんのやさしさと強さに。
白石の決心に。
ガシッとやっちゃんの両腕を掴んだ。
X高校の闇を、俺は直に経験していない。
だから、今から俺がする行動は間違っているのかもしれない。
俺はまだ、X高校びいきの考えはできないから。
繋がり損なった点と点。
気づいたのが俺であるなら、お節介でも、なんでも、一本に繋げてあげたい。
二人の間にわだかまりがあるなら、打ち砕く、きっかけを作ってあげたい。
「俺、弁当くれる人、わかった」
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