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18th ステージ
203 嫌な情報が入った
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人なんてものは、いざと言う時になってみなければ、本腰を入れない生き物だ。
「これはヤバいと思ってからしか、本当の意味で頭が働かんのやろうなあ。生存本能さんが危機的状況にならんと起きへんで」
「……そう……ですね……」
「反省しております……」
「時間はありましたのに……」
集まっているのは、地上が更地になった国々の代表達だ。あれから更に十日ほどして、その全ての国の代表であった愚王やその家族は、民衆達の暴動によって粛清されていた。死んではいない。だが、立場も失くし、死んだも同然の状態である。
そんな彼らを幽閉したり、監禁した後、各国の代表として五、六人の者達が選出された。欲をかけば、次は自分たちが袋叩きに合う。彼らは民達と同じ場所に閉じこもっている状態なのだから、いつでも手を出されると分かっていた。企みなんてしようものなら、密告者が現れる。彼らも生き延びるために必死だった。
「こうなると、貴族だからとか平民だからとか関係あらへんやん? 寧ろ、平民達は自分らだけでも生きていける。それ、身に染みたんとちゃう?」
「……はい」
「お金など、今は関係ありませんし……」
「使用人達も、給金が意味を成さないなら、我々ではなく家族を取りますね……」
「金は食べられんからなあ」
「「「「「……」」」」」
貯めていた財宝や金は、今は役に立たない。現在は迷宮内で育てたものを平等に分けているし、余裕のある国から援助として回してもらっている。それも、貴族でも平民でももらえる量やものは同じ。平等なのだ。ここで貴族だから多くとか、食べやすいものを占領とかすれば袋叩きに合うのは考えなくても分かる。
それも、作物を育てるのは、慣れている平民達が率先してやってくれている。平民達が数で押せば、貴族達にはそれを渡さないということも可能だ。
「平民達の有り難みが分かったやろ」
「はい……」
「しっかりと……」
「ほんなら、今まで優遇されとった分、民達に還元せなあかんで? よお考えや」
「はい……」
「考えます……」
そんな説教込みで始まった会議。今後の対策を話し合う。
「迷宮を攻略できれば、かなり楽になるはずや。せやから、一番の目標は完全攻略やな。神官さんらが頑張っとる言うても、限界はある……それに、嫌な情報が入った」
「嫌な……情報……?」
「……百階層以上があるらしいねん……」
「「「「「……」」」」」
あまりピンときていない表情。それを見て、リンディエールは、ヒストリアを見た。これを受けて、ヒストリアは映像を出す。
「各国の迷宮の攻略が完了すると、先ず、五階層毎に行ける転移ポイントが出現する。今の広場にしている中央辺りだ」
五階層毎に、その階層の中央には、大きな部屋がある。そこに、現在避難民達が集まっていた。
「そして、更に各施設が開放される条件が揃う。これは、隠し部屋を探して、そこで出されるお題をクリアする必要があるので、後にするが、攻略途中でも隠し部屋を見つければ便利な施設は増えていく。トイレや洗濯場などがそうだ。そこは、どの国も先に開放してあるはずだ」
「あ……確かに、しっかりとしたものが……」
「専用の場所が確かに……」
生活に必要となるものは、比較的用意されやすいものだった。
「攻略が終われば、明かりも必要なくなる。昼間は明るく、夜は暗くなるように迷宮が調整してくれる。そして、作物が育ちやすくなる専用の農地のエリアが使えるようになったり、建物が用意された住居エリアが現れる」
「住居エリア……まさか、あれは作ったのではなく……」
「多少はこちらで建てたものもあるが、大半は突然現れたものだ。一般的な家の施設は全部揃っている。色が全部石の色だから、色は塗ったりしていたがな」
代表達は、攻略済みの国の迷宮に行ったことがある者もいた。しかし、それが攻略による恩恵だとは知らなかったものも多い。
「それと、狩り、採取エリアが出現する。必ず肉や皮などがドロップする魔獣のいるエリアだ。エリアによっては、出てくるのが弱く小さな魔獣だけの所もある」
「それは……一般人でも」
「狩れるだろう。それと、採取エリアは、虫系の魔物が少し出るが、果物や薬草などが取れるエリアだ。魔獣や魔物を倒すと、鉱石だけがドロップするエリアもある」
「……それは……あの迷宮の中だけで暮らしていけるのでは……」
「そうだ。だが、地上が落ち着けば、迷宮に出る魔獣などは減るだろうと言われている。ただ、食糧庫としては最低限使えるもの程度になると聞いている」
「誰に……」
「神だ」
「……」
信じがたいという顔。しかし、ヒストリアもリンディエールも、別に信じてもらわなくても良い。知っていても知らなくても、そうなると言うだけのことだ。
「それよりも、そうした状態にするには、大前提として攻略が必要だ。だが今回、百階層以上の迷宮が確認された。どうやら、神からの国の査定が、マイナスになったからということらしい。今現在も、神に査定されているということだ」
「っ……わ、我々の行動で……階層が変わる?」
「そういうことだ。そこで、五階層の中央にある柱。そこに攻略状況が出るらしい。メモリがあって、上から、攻略済みの階層の所まで色が変わっているはずだ。それで、最後のメモリの数を確認してほしい。それと、お前達の行動や判断で増えたり、減ったりするかどうか。その報告を頼む」
「っ、はい!」
青い顔をしながらも、代表達は頷いた。
「ほんなら、先ずは食糧の確認から」
冒険者達の攻略途中と神官達との合流の話し合いや、辛うじて確保されている農地の使い方など、多くのことを話し合い、有意義な会議となった。
そんな中、地上も落ち着いてきた場所が出始めていた。
**********
読んでくださりありがとうございます◎
「これはヤバいと思ってからしか、本当の意味で頭が働かんのやろうなあ。生存本能さんが危機的状況にならんと起きへんで」
「……そう……ですね……」
「反省しております……」
「時間はありましたのに……」
集まっているのは、地上が更地になった国々の代表達だ。あれから更に十日ほどして、その全ての国の代表であった愚王やその家族は、民衆達の暴動によって粛清されていた。死んではいない。だが、立場も失くし、死んだも同然の状態である。
そんな彼らを幽閉したり、監禁した後、各国の代表として五、六人の者達が選出された。欲をかけば、次は自分たちが袋叩きに合う。彼らは民達と同じ場所に閉じこもっている状態なのだから、いつでも手を出されると分かっていた。企みなんてしようものなら、密告者が現れる。彼らも生き延びるために必死だった。
「こうなると、貴族だからとか平民だからとか関係あらへんやん? 寧ろ、平民達は自分らだけでも生きていける。それ、身に染みたんとちゃう?」
「……はい」
「お金など、今は関係ありませんし……」
「使用人達も、給金が意味を成さないなら、我々ではなく家族を取りますね……」
「金は食べられんからなあ」
「「「「「……」」」」」
貯めていた財宝や金は、今は役に立たない。現在は迷宮内で育てたものを平等に分けているし、余裕のある国から援助として回してもらっている。それも、貴族でも平民でももらえる量やものは同じ。平等なのだ。ここで貴族だから多くとか、食べやすいものを占領とかすれば袋叩きに合うのは考えなくても分かる。
それも、作物を育てるのは、慣れている平民達が率先してやってくれている。平民達が数で押せば、貴族達にはそれを渡さないということも可能だ。
「平民達の有り難みが分かったやろ」
「はい……」
「しっかりと……」
「ほんなら、今まで優遇されとった分、民達に還元せなあかんで? よお考えや」
「はい……」
「考えます……」
そんな説教込みで始まった会議。今後の対策を話し合う。
「迷宮を攻略できれば、かなり楽になるはずや。せやから、一番の目標は完全攻略やな。神官さんらが頑張っとる言うても、限界はある……それに、嫌な情報が入った」
「嫌な……情報……?」
「……百階層以上があるらしいねん……」
「「「「「……」」」」」
あまりピンときていない表情。それを見て、リンディエールは、ヒストリアを見た。これを受けて、ヒストリアは映像を出す。
「各国の迷宮の攻略が完了すると、先ず、五階層毎に行ける転移ポイントが出現する。今の広場にしている中央辺りだ」
五階層毎に、その階層の中央には、大きな部屋がある。そこに、現在避難民達が集まっていた。
「そして、更に各施設が開放される条件が揃う。これは、隠し部屋を探して、そこで出されるお題をクリアする必要があるので、後にするが、攻略途中でも隠し部屋を見つければ便利な施設は増えていく。トイレや洗濯場などがそうだ。そこは、どの国も先に開放してあるはずだ」
「あ……確かに、しっかりとしたものが……」
「専用の場所が確かに……」
生活に必要となるものは、比較的用意されやすいものだった。
「攻略が終われば、明かりも必要なくなる。昼間は明るく、夜は暗くなるように迷宮が調整してくれる。そして、作物が育ちやすくなる専用の農地のエリアが使えるようになったり、建物が用意された住居エリアが現れる」
「住居エリア……まさか、あれは作ったのではなく……」
「多少はこちらで建てたものもあるが、大半は突然現れたものだ。一般的な家の施設は全部揃っている。色が全部石の色だから、色は塗ったりしていたがな」
代表達は、攻略済みの国の迷宮に行ったことがある者もいた。しかし、それが攻略による恩恵だとは知らなかったものも多い。
「それと、狩り、採取エリアが出現する。必ず肉や皮などがドロップする魔獣のいるエリアだ。エリアによっては、出てくるのが弱く小さな魔獣だけの所もある」
「それは……一般人でも」
「狩れるだろう。それと、採取エリアは、虫系の魔物が少し出るが、果物や薬草などが取れるエリアだ。魔獣や魔物を倒すと、鉱石だけがドロップするエリアもある」
「……それは……あの迷宮の中だけで暮らしていけるのでは……」
「そうだ。だが、地上が落ち着けば、迷宮に出る魔獣などは減るだろうと言われている。ただ、食糧庫としては最低限使えるもの程度になると聞いている」
「誰に……」
「神だ」
「……」
信じがたいという顔。しかし、ヒストリアもリンディエールも、別に信じてもらわなくても良い。知っていても知らなくても、そうなると言うだけのことだ。
「それよりも、そうした状態にするには、大前提として攻略が必要だ。だが今回、百階層以上の迷宮が確認された。どうやら、神からの国の査定が、マイナスになったからということらしい。今現在も、神に査定されているということだ」
「っ……わ、我々の行動で……階層が変わる?」
「そういうことだ。そこで、五階層の中央にある柱。そこに攻略状況が出るらしい。メモリがあって、上から、攻略済みの階層の所まで色が変わっているはずだ。それで、最後のメモリの数を確認してほしい。それと、お前達の行動や判断で増えたり、減ったりするかどうか。その報告を頼む」
「っ、はい!」
青い顔をしながらも、代表達は頷いた。
「ほんなら、先ずは食糧の確認から」
冒険者達の攻略途中と神官達との合流の話し合いや、辛うじて確保されている農地の使い方など、多くのことを話し合い、有意義な会議となった。
そんな中、地上も落ち着いてきた場所が出始めていた。
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