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2016. 7. 24
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ティアには予感があった。あれから約二年。この国で『神の王国』と名乗る組織の動きを感知してはいない。
あの時、彼らの力である神具を二つ壊した。その痛手を受けていたとしても立て直す頃だろう。
「ふふっ。しっかりあいつらにお灸は据えてやるべきだと思わない? そろそろ一番の根っこの部分を引っ張り出したいんだよね~」
「……ティア……」
呆れ顔をされたとしても、これはもう決定事項だ。予定に入っている。
「あのジェルバがいる時点で、ロクな事考えてないって分かるもの。カル姐も本腰入れて探してるみたいだし」
魔族の諜報部隊は、昔から世界中に散らばっている。
彼らの仕事は、古代の貴重な文献や遺跡を回収、調査する事が主なものだ。しかし、同時に魔族や魔族が生み出した物によって、他国で諍いの種とならないよう、監視し、対処する役目も負っている。
そんな諜報部隊が最近、ジェルバを探す事を最優先事項として動き出していた。
「まぁ、こっちも、もうすぐ奴らの居場所の見当をつけられそうなんだけどね」
「難しいと言っていなかったか?精霊王達も神具には近付けないんだろう?」
ルクスは、ティアがかなり前から奴らのアジトを見つける為に、精霊達から情報を募っていた事を知っている。
「うん。それに、世界には、晶腐石以外にも精霊達を寄せ付けない物ってあるみたいなんだよね」
「そうなのか? なら尚更、精霊達だけでは厳しいだろうに」
晶腐石が採れるのは、現在の黒晶山と呼ばれている山だけではない。世界中を探せば、そんな場所は他にもあるだろう。
更に、晶腐石や神具だけではなく、精霊達が近付けないような不思議な場所も、世界には存在している。例えば古代の遺跡に。あるいは、他にもティア達の知らない鉱石や物質があるかもしれない。
それらの中から、彼らのアジトを特定するのは困難だ。そう、精霊達だけでは限界がある。
「クィーグの特殊部隊が風王達に協力してるみたいなんだ。それで世界地図が出来そうなほど急速に、色んな情報の確認が取れてきてる」
「特殊部隊? そうなのか? シル」
「……申し訳ありません。私も存じ上げないのですが……」
「あれ? そうなの?」
ルクスの確認に、シルは呆然とした後、肩を落とす。どうやら、本当にシルも知らなかったようだ。
「身内でも知らないって……ティア。どうなってるんだ?」
「う~ん。まぁ、本当に特殊部隊だからね。そのうち分かるよ。それまで内緒」
「……内緒……」
「ま、まぁ、害がなければいい」
かなりショックを受けたらしいシルの背中をルクスが優しく叩く。ティアなのだから仕方がないと、元気付けていた。
やがて街の外門に辿り着く。そこから先には、広い森を隔てて国境の砦がある。その方角を眺め、ティアはルクス達を振り返った。
「さてと……始めようか。動くとすれば夜だし、時間はまだある」
「先に押さえなくてよろしいのですか?」
いつもの調子に戻ったシルが方針を確認する。
「そうだなぁ。盗賊は盗賊だし、さっさとヤられる前に押さえたいんだけど……捕まえてからだと背後関係とか調べにくくなるんだよね~。奴らが動き出す直前に潰す。それまでにどこから来て、何か目的はないか。その辺を調べよう」
「承知しました」
「分かった」
シルはフラムと。ルクスはマティとペアを組み、ティアと別れる。
「早いところ、終わらせないとね」
町を通ってきて分かった。住人達は不安なのだろう。暗い表情と、疲れたような重い雰囲気が漂っていた。
ただでさえ、国境近くという事で不安を抱えているのだ。こればかりは、どれだけ領主や兵たちを信用していたとしても消える事はない。
ティアはルクス達の気配を静かに感じ取る。やがて予定していた配置についた。
「よしっ。それじゃぁ、いきますかっ」
ティアにかかれば、盗賊達の現在位置などあっさり察知できる。時を待って潜む彼らを、ティア達は三方向から包囲し、最終的に一人も取り逃す事なく一網打尽にする計画だ。
先月と先々月は、盗賊達が動くのを町で待っていた。夜までの間のんびりと町を見聞し、やってきた彼らを叩く。
そんなやり方で済ませていたのだが、これだけ続くのはおかしい。
先ずはシルとフラムで彼らの待機場所を探り、ルクスとマティで逃がさないように離れて彼らの動きを観察する。
その間、ティアは他に伏兵がいないか町の周囲を広く調査するのだ。
「このまま突っ込んだ方が早いんだけどなぁ……ん?」
彼らが集まっている場所を意識の端に留めながら、砦までの森に万が一にも町の人や旅人が迷い込んでいないかと確認していたティアが気が付いた。
「えらくあっさり通って来たな……」
国境の砦の方から数人が何の障害もなく門を通り、こちらへと向かってきている気配が感じられたのだ。
今この国では、隣国の動きに警戒している。町の外門を通るのとはわけが違うのだ。それにも関わらず、すんなりと通過した一行があった。
「何者? このままだと盗賊達にぶつかるじゃない。仕方ない。ルクスとマティに回り込んでもらうか」
こんな情勢であっても、冒険者や商人達は変わらず出入りしている。そんな彼らが盗賊達と鉢合わせしてはいけないと、ティアは最も近い位置にいるルクスとマティに進路を変更してもらうように伝えてもらおうと考えた。
ルクスならば、精霊に頼めば伝言がすぐに伝わる。そうして、精霊に呼びかけようとした時だ。
《お待ちください、ティア様》
「風王?」
そこに、良いタイミングで風王が現れたのだった。
************************************************
舞台裏のお話。
ウル「平和……ですね……」
サクヤ「どうしたの? ウル。何か浮かない顔してるわね? 問題児がひと月も留守にするのよ? 嬉しいんじゃないの?」
ウル「はぁ……それなのですが……」
サクヤ「うん? あ、嵐の前の静けさって感じで不安だとか? 先の事なんて気にしなくていいのよ」
ウル「いえ……それもありそうで嫌ですが、そうではなく何というか……」
サクヤ「なぁに?」
ファル「……寂しいのだろう……」
ウル「っ⁉︎」
サクヤ「ちょっと、ファルっ。あんた、いつの間に⁉︎ だいたい、ここは私の部屋よ? どうやって入ったの⁉︎」
ファル「……普通に通してもらった……」
サクヤ「あっ、そ、そっか……あんたにとっては学園は、自宅みたいなもんよね……」
ファル「……ダンフェールとお茶をしていた……」
サクヤ「ダン……」
ウル「あ、あの……」
ファル「……あぁ、ティアが居なくて寂しいのだろう……覇気がない……」
ウル「っ……そ、そんな事はっ……」
サクヤ「へぇ~。なるほどね。確かに、張り合いがないっていうか、ちょっと物足りないわよね」
ウル「べ、別に物足りないだなんて……ただ、こうも平和だと呆けてしまいそうで……」
ファル「……ティアの事。本当は好き……」
ウル「なっ!」
サクヤ「あらあら、ウルったら。あるわよね。年を取ってくると、素直になれない時期っていうのが」
ファル「……子どもの時とは違った人生の反抗期……」
ウル「なんですか、それっ」
サクヤ「知らないの? 人族だと、五十を過ぎた頃からかしらね。あるのよ。そういう時期が。そこを過ぎると、今度はとっても心穏やかに過ごせるようになるわ」
ファル「……生きる物は成長し続けるから……」
サクヤ「そうね。これも必要な時期なのよ。訳もなく不安になったり、何かに追い立てられるような気がしたり、好きなのに嫌いって思い込んでみたりね」
ウル「だからっ。そんな事はありませんってっ」
サクヤ「ちょっと落ち着いて自分と向き合いなさいな。時間に余裕はあるんだしね」
ウル「……はぁ……」
ファル「……考えないつもりでも考えている……心は嘘をついていない……」
ウル「……わかりました……」
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
ウルさんの心の内は?
ただの盗賊退治ならば簡単なのですが、どうも面倒です。
捕まえてから吐かせるのは、時間がかかったりしますし、重要な事を最後まで隠したりするでしょうからね。
油断している所で、可能な限り情報収集を済ませてしまいましょうという作戦です。
そこに部外者は邪魔ですね。
ただ、少々怪しい?
では次回、また明日です。
よろしくお願いします◎
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ティアには予感があった。あれから約二年。この国で『神の王国』と名乗る組織の動きを感知してはいない。
あの時、彼らの力である神具を二つ壊した。その痛手を受けていたとしても立て直す頃だろう。
「ふふっ。しっかりあいつらにお灸は据えてやるべきだと思わない? そろそろ一番の根っこの部分を引っ張り出したいんだよね~」
「……ティア……」
呆れ顔をされたとしても、これはもう決定事項だ。予定に入っている。
「あのジェルバがいる時点で、ロクな事考えてないって分かるもの。カル姐も本腰入れて探してるみたいだし」
魔族の諜報部隊は、昔から世界中に散らばっている。
彼らの仕事は、古代の貴重な文献や遺跡を回収、調査する事が主なものだ。しかし、同時に魔族や魔族が生み出した物によって、他国で諍いの種とならないよう、監視し、対処する役目も負っている。
そんな諜報部隊が最近、ジェルバを探す事を最優先事項として動き出していた。
「まぁ、こっちも、もうすぐ奴らの居場所の見当をつけられそうなんだけどね」
「難しいと言っていなかったか?精霊王達も神具には近付けないんだろう?」
ルクスは、ティアがかなり前から奴らのアジトを見つける為に、精霊達から情報を募っていた事を知っている。
「うん。それに、世界には、晶腐石以外にも精霊達を寄せ付けない物ってあるみたいなんだよね」
「そうなのか? なら尚更、精霊達だけでは厳しいだろうに」
晶腐石が採れるのは、現在の黒晶山と呼ばれている山だけではない。世界中を探せば、そんな場所は他にもあるだろう。
更に、晶腐石や神具だけではなく、精霊達が近付けないような不思議な場所も、世界には存在している。例えば古代の遺跡に。あるいは、他にもティア達の知らない鉱石や物質があるかもしれない。
それらの中から、彼らのアジトを特定するのは困難だ。そう、精霊達だけでは限界がある。
「クィーグの特殊部隊が風王達に協力してるみたいなんだ。それで世界地図が出来そうなほど急速に、色んな情報の確認が取れてきてる」
「特殊部隊? そうなのか? シル」
「……申し訳ありません。私も存じ上げないのですが……」
「あれ? そうなの?」
ルクスの確認に、シルは呆然とした後、肩を落とす。どうやら、本当にシルも知らなかったようだ。
「身内でも知らないって……ティア。どうなってるんだ?」
「う~ん。まぁ、本当に特殊部隊だからね。そのうち分かるよ。それまで内緒」
「……内緒……」
「ま、まぁ、害がなければいい」
かなりショックを受けたらしいシルの背中をルクスが優しく叩く。ティアなのだから仕方がないと、元気付けていた。
やがて街の外門に辿り着く。そこから先には、広い森を隔てて国境の砦がある。その方角を眺め、ティアはルクス達を振り返った。
「さてと……始めようか。動くとすれば夜だし、時間はまだある」
「先に押さえなくてよろしいのですか?」
いつもの調子に戻ったシルが方針を確認する。
「そうだなぁ。盗賊は盗賊だし、さっさとヤられる前に押さえたいんだけど……捕まえてからだと背後関係とか調べにくくなるんだよね~。奴らが動き出す直前に潰す。それまでにどこから来て、何か目的はないか。その辺を調べよう」
「承知しました」
「分かった」
シルはフラムと。ルクスはマティとペアを組み、ティアと別れる。
「早いところ、終わらせないとね」
町を通ってきて分かった。住人達は不安なのだろう。暗い表情と、疲れたような重い雰囲気が漂っていた。
ただでさえ、国境近くという事で不安を抱えているのだ。こればかりは、どれだけ領主や兵たちを信用していたとしても消える事はない。
ティアはルクス達の気配を静かに感じ取る。やがて予定していた配置についた。
「よしっ。それじゃぁ、いきますかっ」
ティアにかかれば、盗賊達の現在位置などあっさり察知できる。時を待って潜む彼らを、ティア達は三方向から包囲し、最終的に一人も取り逃す事なく一網打尽にする計画だ。
先月と先々月は、盗賊達が動くのを町で待っていた。夜までの間のんびりと町を見聞し、やってきた彼らを叩く。
そんなやり方で済ませていたのだが、これだけ続くのはおかしい。
先ずはシルとフラムで彼らの待機場所を探り、ルクスとマティで逃がさないように離れて彼らの動きを観察する。
その間、ティアは他に伏兵がいないか町の周囲を広く調査するのだ。
「このまま突っ込んだ方が早いんだけどなぁ……ん?」
彼らが集まっている場所を意識の端に留めながら、砦までの森に万が一にも町の人や旅人が迷い込んでいないかと確認していたティアが気が付いた。
「えらくあっさり通って来たな……」
国境の砦の方から数人が何の障害もなく門を通り、こちらへと向かってきている気配が感じられたのだ。
今この国では、隣国の動きに警戒している。町の外門を通るのとはわけが違うのだ。それにも関わらず、すんなりと通過した一行があった。
「何者? このままだと盗賊達にぶつかるじゃない。仕方ない。ルクスとマティに回り込んでもらうか」
こんな情勢であっても、冒険者や商人達は変わらず出入りしている。そんな彼らが盗賊達と鉢合わせしてはいけないと、ティアは最も近い位置にいるルクスとマティに進路を変更してもらうように伝えてもらおうと考えた。
ルクスならば、精霊に頼めば伝言がすぐに伝わる。そうして、精霊に呼びかけようとした時だ。
《お待ちください、ティア様》
「風王?」
そこに、良いタイミングで風王が現れたのだった。
************************************************
舞台裏のお話。
ウル「平和……ですね……」
サクヤ「どうしたの? ウル。何か浮かない顔してるわね? 問題児がひと月も留守にするのよ? 嬉しいんじゃないの?」
ウル「はぁ……それなのですが……」
サクヤ「うん? あ、嵐の前の静けさって感じで不安だとか? 先の事なんて気にしなくていいのよ」
ウル「いえ……それもありそうで嫌ですが、そうではなく何というか……」
サクヤ「なぁに?」
ファル「……寂しいのだろう……」
ウル「っ⁉︎」
サクヤ「ちょっと、ファルっ。あんた、いつの間に⁉︎ だいたい、ここは私の部屋よ? どうやって入ったの⁉︎」
ファル「……普通に通してもらった……」
サクヤ「あっ、そ、そっか……あんたにとっては学園は、自宅みたいなもんよね……」
ファル「……ダンフェールとお茶をしていた……」
サクヤ「ダン……」
ウル「あ、あの……」
ファル「……あぁ、ティアが居なくて寂しいのだろう……覇気がない……」
ウル「っ……そ、そんな事はっ……」
サクヤ「へぇ~。なるほどね。確かに、張り合いがないっていうか、ちょっと物足りないわよね」
ウル「べ、別に物足りないだなんて……ただ、こうも平和だと呆けてしまいそうで……」
ファル「……ティアの事。本当は好き……」
ウル「なっ!」
サクヤ「あらあら、ウルったら。あるわよね。年を取ってくると、素直になれない時期っていうのが」
ファル「……子どもの時とは違った人生の反抗期……」
ウル「なんですか、それっ」
サクヤ「知らないの? 人族だと、五十を過ぎた頃からかしらね。あるのよ。そういう時期が。そこを過ぎると、今度はとっても心穏やかに過ごせるようになるわ」
ファル「……生きる物は成長し続けるから……」
サクヤ「そうね。これも必要な時期なのよ。訳もなく不安になったり、何かに追い立てられるような気がしたり、好きなのに嫌いって思い込んでみたりね」
ウル「だからっ。そんな事はありませんってっ」
サクヤ「ちょっと落ち着いて自分と向き合いなさいな。時間に余裕はあるんだしね」
ウル「……はぁ……」
ファル「……考えないつもりでも考えている……心は嘘をついていない……」
ウル「……わかりました……」
つづく?
なんて事が起こってましたとさ☆
読んでくださりありがとうございます◎
ウルさんの心の内は?
ただの盗賊退治ならば簡単なのですが、どうも面倒です。
捕まえてから吐かせるのは、時間がかかったりしますし、重要な事を最後まで隠したりするでしょうからね。
油断している所で、可能な限り情報収集を済ませてしまいましょうという作戦です。
そこに部外者は邪魔ですね。
ただ、少々怪しい?
では次回、また明日です。
よろしくお願いします◎
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