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2章 怨みの象

16話 会議

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武装守護都市のとある会議施設。ここは、関係者以外の立ち入りを禁止している。
 そして今──会議施設の二階にて大事な会議が始ろうかとしていた。

  「それではこれから、今年五年振りに行われることになった、〈交武祭典〉《アルージェフェート》についての話し合い。もとい学園内での選抜についての会議を始める」

  会議室の幾つも並べられてるテーブルの真中に座る、茶交じりの黒髪が特徴的な成年──シミズ・マサル。二十歳にして全運営委員会の会長を務めているのだ。

 マサルが言うと、皆がお辞儀を行う。

 「まず最初に、北武装守護学園の運営委員会の代表のお二人さん。例の話しをしてください」

「「はい」」

 皆がきょとんとしていると、北武装守護学園の運営委員長のトウマが少し間を置いて言う。

 「ずっと前だけど、僕らの学園が襲撃されたことはもう存じ上げてるであろう。その襲撃で大事な資料を盗まれた。そして資料の代わりに、こんなものが残っていました」

  と言って見せてきた紙切れには、古代文字で『俺の名は漆魔。十悪率いる悪徳罪業団の幹部の一体。愚痴から生まれたんだぜえ~』と書かれていて…

 「それに逃げて行く所も見ました」とも言っており。

 「じゅ、十悪だと!? それに逃げて行く所ってどういうことだ。復活したと言う事か!?」

 トウマが言うと、他の学園の運営員会代表の一人が有得ないと言うのだが。

 別の南西武装守護学園の代表一人が、口を開いてこう言い放つ。

 「私も別の日ですけど目撃してますし、他の生徒の目撃欄もありますので間違いないと思います。逃げて行く所と言うことは、誰かが倒したと?」

 「ええ、アリマ・ヒョウガと言うDランクの生徒です。後、そのルームメイトもいたので間違いありません」

 「おっホン。では話を変えよう。〈交武祭典〉《アルージェフェート》の事だが、今回の舞台を二か所に分かれてやる同時バトルに決する。その場所は、〈海底楽園都市ライシス〉、<嶽麓島ハリム>である。ここまでで意義はあるかな?」

 全員に向けて可否を問うと、賛成とのことで決まり、続いては。

 「では次に選手の決め方ですが、ルームメイトをチームとして全員参加でバトルをして、相手が全滅するか、相手チームが降参したらその時点で試合終了。対戦相手の決め方は全学園一する。その決め方は指名だ。でも、強いチームは指名される側か強いチーム同士で戦うというルールでな。後、相手チームであるルームナンバーを掲示板に張り出す」

「ですが、それでは弱いチームが強いチームに挑むとは到底思いません。別の手を打った方が……」

 「その心配は無い。場合によっては、強制指名で弱いチームと強いチームをマッチさせる。最終的に残った二チームで優勝を争う」

 マサルは、学園代表の運営委員会の一人の言葉に、心配は不要と言うように首を横に振って答えて対応すると。

 「それでしたら宜しいですね。ですが、万が一十悪率いる悪徳罪業団が何か仕掛けて来たらどうなされば宜しいのですか?」

 「それは安心だろう。唯のDランクの奴が勝てたなら誰でも勝てるだろう。では、始業式の時に〈交武祭典〉《アルージエフェート》についてと、それに基づいた選手選抜バトルの説明すること。それと、勝者にチームのみが行けると言う事を伝えること。以上だ。解散!」

 マサルが会議の終わりを告げると、資料を一人一人に渡す。
 その資料の内容は、今話し合った内容を分かり易く記してあり、読み易い。

 次々と室内を出て行き、最後にマサルも後後片付けを済ませ、ソッと会議室のドアを閉じた。

 こうして、全学園の運営委員会代表の集っての会議は終わりを迎えた。
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